更新日:2017年01月24日

紙絵本とデジタル絵本。読み聞かせの効果は同じなの?

近年、スマホ・タブレット端末の成長がめざましく、様々なアプリの開発が行われています。新聞、雑誌、小説、漫画など、ほとんどの読み物がデジタルで読める時代になりました。絵本も例外ではありません。でも、デジタル絵本と紙絵本では、読み聞かせの効果は同じなのでしょうか。

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目次

    読み物のデジタル化

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    一昔前までは、読み物といえば「紙」でした。インターネットが普及しても、それは変わりませんでした。読み物は、手元で読みたいものです。わざわざパソコンを立ち上げて、読む場所を制限されてまで読みたいと思わないですよね。ノートブック型であったとしても、やはりパソコンは重く、起動するまでの時間が鬱陶しかったものです。

    そうした「読み物」の概念が、この数年で著しく変わりました。スマホをはじめとするタブレット端末の普及によって、インターネットをより身近に利用できるようになったのです。

    自宅の中での移動はもちろん、外出先でも、移動中でも、インターネットにさえ接続できれば、いつでも欲しい情報が取り出せます。しかも、手元で。こうして、デジタルブックは、あっという間に普及しました。

    デジタル絵本の普及

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    絵本は、1冊あたりの値段が意外と高く、収納場所を必要とするものなので、あまりたくさん買うことはできません。でも、図書館のボロボロの本には抵抗が…という人も少なくないと思います。

    そんな人たちにうってつけなのがデジタル絵本。読み物のデジタル化が拡大するにつれ、便利なアプリがたくさんできました。絵本アプリなどもたくさんあります。デジタル絵本は、紙の絵本よりもディスカウントしているものも多く、またアプリによっては、無料で読める作品も用意されています。

    では、デジタル絵本と紙絵本による読み聞かせの効果って、同じなんでしょうか。何となくですが、紙絵本の方がいいんじゃないの?という気がしている人も多いと思います。

    紙絵本とデジタル絵本による読み聞かせの実験

    Image引用元:ebook.itmedia.co.jp

    紙絵本とデジタル絵本による読み聞かせの比較について、論文が公開されていました。論文で紹介されていた、紙絵本とデジタル絵本の読み聞かせの効果の違いについてご紹介します。

    4 歳1ヶ月~5歳10ヶ月までの親(母)子4 組
    (男児2名:4歳5ヶ月、4歳、女児2名:5歳10ヶ月、4歳1ヶ月)

    引用元:www.e-sato.net

    上記の4組の親子で実験が行われました。実験に使われた絵本は下記になります。

    ・紙絵本「まり」(出版社 クレヨンハウス2002年発売)
    ・デジタル絵本/iPad アプリ「まり」(日本出版販売株式会社 2011 年発売)

    引用元:www.e-sato.net

    「まり」は、まりがころころと転がったり、池に入ったりする様子を擬態語とともに絵で表現した絵本です。iPad アプリでは、「読みモード」と「遊びモード」があり、「読みモード」は紙絵本と同じ内容で、BGM を選択できる他、触るとナレーションが流れるようになっています。

    「遊びモード」では、4 種類の素材のまりを選択することができ、紙絵本と同じ世界を指で動かしたり、iPad で傾けたりしながら動き回れるようになっています。

    実験方法は、下記になります。

    4 組の親子に、紙絵本「まり」とデジタル絵本iPad アプリ(「読みモード」・「遊びモード」)の「まり」をそれぞれ読み聞かせを行なってもらった。その間ビデオ撮影した映像から、プロトコルを起こすとともに、特徴的な行動についてメモを書き起こした。読み時間はどちらも10 分間前後であった。

    引用元:www.e-sato.net

    タブレットは子どもが主導権をとれる

    紙絵本では,主に子どもが聞き役となるのが多い。一緒に絵本を見るだけではなく,A 親子の子どもは寝転がって聞き,母親の読み聞かせの言葉にあわせて,ころころと転がる様子も観察された。iPad では,子どもがアプリから離れることはなく,常に動作主体となってアプリを動かしていた。自ら動かすので集中して作業を行っているようにみうけられた。

    引用元:www.e-sato.net

    子どもが主導権をとって読み進めることができるというのは、とても大きなメリットですが、反面、操作に集中しすぎるあまり、肝心のストーリーが入ってこないのではないかという懸念があります。

    タブレットでは絵本に接する時間が増え、発話数も増える

    iPad アプリでは一人で黙々と行なうのではなく,子どもが「これ見て」という発言で親の注目をつなげようとしている姿が多く見られた。親と一緒に指を使って,「せいのっ」と声掛けをしながら,まりを遠くにジャンプさせようとする女児もいた。

    引用元:www.e-sato.net

    筆者が子どもに読み聞かせをしていて、その様子を観察していても、デジタル絵本の中で、動きのあるものなどが登場すると、俄然子どもの食いつきがよくなるのがわかります。タブレットに顔を近づけて、夢中で目で追っているんです。

    でも、良いことばかりではなく、なんだかその様子は、まるでテレビを見ているような、一方通行な感じがしてしまうこともあります。時には親の呼びかけも耳に入らず、画面に夢中になっていることもありました。

    従来の「親から子へ」の読み聞かせという側面はタブレットPC では見られないが,別の種類の親子の相互作用が発生しているといえる

    引用元:www.e-sato.net

    確かに、デジタル絵本であっても、子どもは楽しんでいるようです。それでも、筆者が読み聞かせをしていて感じるのは、やはりデジタル絵本は紙の絵本にはかなわないかな、ということです。その理由は、全体のストーリーを把握する力は紙絵本の方がつくような気がしているからです。

    「母親主導の読み聞かせ」というのは語弊があり、本来、子どもが存分にストーリーに集中できるように、親がサポートしているにすぎません。読み聞かせの最大のメリットは、子どもの想像力を育むことだと思いますので、そうした意味においては、やはり紙絵本の圧勝でしょう。

    だからといって、子どもが手にするすべての絵本を紙絵本でまかなうというのではなく、紙絵本の良さ、デジタル絵本の良さはそれとして感じながら、どちらも楽しんで読み聞かせをしていきたいです。

    まとめ

    紙絵本とデジタル絵本。これらはどちらが優れているというものではなく、もはや異なるものなのだと理解したほうがいいのかもしれません。筆者が子どもに読み聞かせをした反応を見てみると、やはりデジタル絵本だと、すぐに疲れてしまう、飽きやすい、といった傾向があるように感じています。

    とはいえ、デジタル絵本で無料で読めるものを、わざわざお金を払うのももったいないですよね。時と場合によって、紙絵本とデジタル絵本を上手に使い分けて読み聞かせをしてみてはいかがでしょうか。

    参考文献
    http://www.e-sato.net/tomomi/pdf/2012JsetK1-32-01.pdf

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