医師監修|赤ちゃんの満腹中枢は生後3ヶ月から!?ミルクや母乳を飲み過ぎる原因は?

小児科医監修|生まれたばかりの赤ちゃんは満腹中枢が未発達で、生後3ヶ月くらいになると正常に機能し始めるという話をよく耳にしますね。しかし、実際には満腹中枢はいつできあがるかという明確な根拠や兆候はないとされています。赤ちゃんの母乳やミルクのあげ過ぎの原因や過飲症候群との関係、適切な授乳の方法について紹介します。

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この記事の監修

眞々田 容子
小児科医
眞々田 容子

目次

  1. 赤ちゃんの満腹中枢はいつから発達するの?
  2. 赤ちゃんの満腹中枢ができる兆候はあるの?
  3. 赤ちゃんが飲み過ぎるのは満腹中枢が発達してないから?
  4. 授乳以外の可能性も考えてみよう
  5. あわせて読みたい

赤ちゃんの満腹中枢はいつから発達するの?

生後3ヶ月からといわれることが多い

一般的に赤ちゃんの満腹中枢は未発達です。これまでは生後3~4ヶ月になると満腹中枢が発達し、赤ちゃんは「お腹がいっぱい」という意思表示ができるようになると考えられていました。しかし、実際には、満腹中枢が生後3ヶ月でできあがることの根拠はないようです。

生まれたときから満腹中枢はあるという見解も

満腹中枢は生まれたときから備わっているという見解もあります。最近では、赤ちゃんは自分に必要なカロリーが摂取できたら飲むのをやめるという考え方も出てきており、母乳でもミルクでも欲しがるだけ与えて良いとされています。これを自律哺乳(じりつほにゅう)といいます。

赤ちゃんの満腹中枢ができる兆候はあるの?

医学的に赤ちゃんの満腹中枢がいつできたというサインは特に確認できていません。ただし、口元に触れたものに吸い付く原始反射である吸啜反射(きゅうせつはんしゃ)は成長とともに消失し、生後6ヶ月頃にはほとんど見られなくなるといわれています。

生後3~4ヶ月頃になると、赤ちゃんはお腹が満たされると自分の意思で飲むのをやめようになることが多いようです。

赤ちゃんが飲み過ぎるのは満腹中枢が発達してないから?

生まれたばかりの赤ちゃんはお腹の満腹具合と無関係に、原始反射によって乳首を吸います。この原始反射が母乳やミルクの飲み過ぎにつながることがあります。

ミルクの場合

ミルクの場合は母乳と違って1回に与える量が明確なので、週数に応じた量のミルクを作って与えるのが一般的です。しかし、週数に合った分量を飲みきっても泣き止まない赤ちゃんもいます。

赤ちゃんによって体重が違い、必要なカロリーもそれぞれ違うため、目安量では足りない場合もあります。ただし、授乳しても泣き止まないことが、ミルクが足りていないというアピールとは限りません。他の要因がないか考えてみても良いでしょう。

母乳の場合

母乳の場合、片側のおっぱいを5分ずつ吸わせるなどの方法により、左右の母乳量のバランスを調整しようとするママが多いでしょう。

母乳の成分は授乳の始めと終わりで微妙に変化します。吸い始めに分泌される「前乳」は水分量が多く脂質が少ない低カロリーな母乳で、終わりかけに分泌される「後乳」は脂質が多く高カロリーで腹持ちの良い母乳だといわれています。

両方のおっぱいから前乳ばかりを飲んでしまっている場合、満腹感が続かず、またすぐにおっぱいを欲しがるという悪循環に陥る可能性があります。授乳回数が多過ぎて悩んでいる場合は、片方のおっぱいをしっかり飲ませる片側授乳を試してみても良いかもしれません。

ただし、片側授乳は、飲ませていないほうのおっぱいが張りやすく、母乳が詰まるリスクがあります。搾乳したり、次の授乳は反対側のおっぱいから始めたりするといったことを試してみましょう。

【体験談】片側授乳は搾乳機が必須!

息子はよく飲み、私も母乳がよく出るほうだったので、産後間もなくから完全母乳育児になりました。しかし、腹持ちが悪いのか、新生児期を終えても続く頻回授乳にクタクタ。あるとき出始めの母乳と終わりかけの母乳の成分が違うと聞き、それからは左右のおっぱいを少しずつ飲ませるのではなく、出なくなるまでしっかり飲ませるようにしました。

少しは腹持ちが良くなったような気がしますが、まだ飲む量がそれほどではない週数のときは1回の授乳で片側のおっぱいしか飲ませられないこともあり、もう一方のおっぱいが石のようにカチカチに。息子の飲む量が増えるまでは搾乳機が必須でした。

母乳やミルクを飲み過ぎると良くないの?

母乳やミルクの飲み過ぎるとお腹が苦しくなり、赤ちゃんがうなる・いきむなどの症状を見せることがあるようです。

授乳後にうなる・いきむといった症状があったり、1日50g以上の体重増加があったりする場合は、過飲症候群の可能性があります。過飲症候群は赤ちゃんが成長するにつれ落ち着くことが多いので、それほど心配はいりませんが、授乳以外の方法で赤ちゃんをあやしてみても良いかもしれませんね。

母乳やミルクの飲み過ぎにより赤ちゃんが肥満になってしまうのではと気に掛けるママもいますが、赤ちゃんが活発に動くようになったり離乳食を食べたりするようになったら自然に落ち着くことがほとんどです。自己判断で授乳量を減らすと栄養不足が心配なので、気になる場合は小児科で相談してみましょう。

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授乳以外の可能性も考えてみよう

生後3ヶ月だとまだまだ赤ちゃんが何を求めているかわからず、お世話が大変な時期です。母乳やミルクが足りているのか自信が持てず、不安感から赤ちゃんが泣き止まないとすぐ授乳に頼りたくなるママは多いでしょう。

現在は赤ちゃんが欲しがるだけ母乳やミルクを与えて良いという考えが一般的にはなっていますが、泣くたびに授乳で対応すると、過飲症候群や頻回授乳の悪循環を引き起こすきっかけとなってしまうかもしれません。抱っこして欲しい、おむつが気持ち悪い、暑さ・寒さ、眠気など他の理由も考えながら、落ち着いて対応してくださいね。

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