更新日:2017年07月28日

ゴナールエフの効果・副作用は?妊娠率や自己注射についても解説

ゴナールエフは不妊症の治療に用いられる卵胞刺激ホルモン製剤です。男女ともに処方され、排卵誘発や精子形成を助けます。自己注射もできる薬の効果や副作用、使用方法についてみていきましょう。

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ゴナールエフとは?

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ゴナールエフとは不妊治療において、排卵の誘発と精子の形成を目的に使用される卵胞刺激ホルモン(FSH)製剤です。飲み薬ではなく皮下注射で投与するタイプの薬剤で、医師の指導のもと自己注射が可能です。

商品としては粉末もしくは塊(かたまり)状の薬剤を溶解水で溶かして使用する「ゴナールエフ皮下注用」と、自己注射がしやすいようにペン型のカートリッジがついた「ゴナールエフ皮下注射ペン」があります。

皮下注用の方が皮下注ペンと比べて価格が安いですが、注射ペンの方が手軽に取り扱えるというメリットがあります。

ゴナールエフの効果は?

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女性では排卵誘発

ゴナールエフに含まれているのは、卵胞の発育を促進する作用を持つ卵胞刺激ホルモン(FSH)です。クロミッドなどのマイルドな排卵誘発剤で効果が得られなかったときに、直接的に卵胞刺激ホルモンを注射することで、卵胞の発育を促します。

一般的には人工授精や体外受精を行うときに、複数の卵胞の発育を促進させるために処方されることが多くなります。

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男性では精子形成の誘導

男性は2次性徴(思春期)を迎えると精巣が大きく成長し、精子がつくられるようになります。精子の形成に大きく関わっているのが、男性の下垂体からも分泌される卵胞刺激ホルモンや黄体形成ホルモン(LH)です。

ふたつのホルモンの分泌量が少ないと、精子がつくられなかったり男性ホルモンが分泌されなかったりといった性腺機能低下症(性腺機能障害)の症状があらわれます。大人になって発症した場合は、性欲の減退や勃起障害、射精障害が起こり、乏精子症や無精子症の原因となります。

ゴナールエフは成人の性腺機能低下症の治療に有効で、精子形成の促進を目的としてhCG製剤との併用で使われます。卵胞刺激ホルモンの分泌機能障害は「低ゴナドトロピン性男子性腺機能低下症」として特定疾患治療研究事業の対象となり、治療費用が助成される可能性があります。治療の際は、医療機関か最寄りの保健所に問い合わせてみましょう。

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ゴナールエフの使用者の妊娠率は?

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プロゲステロンの分泌異常がある「第1度無月経」と排卵をともなわない月経がある「無排卵月経」の患者に対しゴナールエフを投与した臨床試験では、129例中102例(79.1%)で排卵が認められました。排卵した人のうち、22例(17.1%)で妊娠が確認されています。

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ゴナールエフ皮下注ペンの使い方は?痛みはある?

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注射の準備

ゴナールエフ皮下注ペンを自己注射するときは、まず手をきれいに洗います。ゴナールエフのキャップを外し、針をアルコール綿で拭いたら注射針を取り付けます。初回使用時は先端に空気が入ってないか確認し、気泡があれば空気抜きをしましょう。2回目以降の空気抜きは必要ありません。

規定量に設定

投与量表示窓に処方量の数字があらわれるまで、注入ボタンを時計回りに動かします。投与量が規定どおりに設定されていることをしっかりと確認したら、注射する身体の部位をアルコールで消毒します。注射する場所は腹部か大腿部などです。1回ごとに投与する場所を変えてください。

薬を注入

投与量表示窓を上に向け、針を皮膚に刺します。針を刺したときはチクッとした痛みを感じますが、インフルエンザなどの筋肉注射と比べると痛みは軽いものです。針を刺したら注入ボタンをゆっくりと最後まで押し込み、薬を投与します。

10秒待って針を抜く

表示窓の数字が0になったのを確認し、注入ボタンを押したままの状態で10秒間以上待ちそのまま針を引き抜きましょう。針を抜く前にボタンを押す手をゆるめると、血液が混入してしまうため注意してください。

ゴナールエフの副作用は?

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卵巣過剰刺激症候群(OHSS)

ゴナールエフの刺激によって、普段は親指ほどの大きさしかない卵巣が大きく肥大化してしまうことがあります。卵巣が腫れると腹水や胸水がたまり、重症化した場合は腎不全や血栓どの重篤な症状があらわれます。臨床試験のデータでは313例中22例(7.0%)に卵巣過剰刺激症候群がみとめられました。

副作用の初期症状としてあらわれるのは、吐き気や嘔吐、お腹の張りなどです。副作用に早い段階で気付くことが、重症化の予防につながるため体調の変化があらわれたときはすみやかに医師の診察を受けてください。

血栓塞栓症

ゴナールエフと同様の性腺刺激ホルモン製剤では、血栓塞栓症を発症したケースが報告されています。過去に自身や家族に血栓塞栓症を発症したことがあれば、その割合は高くなります。

足や肺はとくに血栓ができやすく、異変があらわれやすい場所です。足に血栓ができると足が張ったりむくんだり、激しい痛みがでます。肺に発症すると急激な胸の痛みや息苦しさ、ひどい腹痛などが起こり、嘔吐や血を吐くこともあります。

血栓や塞栓が大きくなると、突然死をまねくこともある病気です。血栓塞栓症の既往歴に注意し、医師と情報を共有しましょう。使用中に痛みを感じたら、すみやかに医師の診察を受けてください。

アナフィラキシー反応

ゴナールエフに含まれる成分に対し、アナフィラキシー反応が起こることがあります。一般的にアナフィラキシー反応は、薬を使用してから30分以内に息苦しさや声のかすれ、目や唇の周りの腫れ、じんましんや身体のだるさなどを感じます。

ときには5分以内に症状が出ることもあり、意識がはっきりとせず気を失いかけたり顔面の血の気が失せた状態になったりと、ショック症状に陥ることもあります。ショック症状が出たときは、緊急に処置が必要です。救急医療を利用してください。

その他の症状

その他の症状として報告されている副作用は、最も多いものが腹部膨満感です。下腹部痛や吐き気、腹痛、乳房の不快感などもみとめられています。

血液中の白血球増加、注射部位の痛みや浮腫、じんましんや呼吸困難といった軽度のアレルギー反応が出るケースもあるため、異常を感じたら使用を中止して医師や薬剤師に相談しましょう。

流産や多胎妊娠が自然妊娠と比べて多い 

ゴナールエフに限らず、不妊治療において卵胞発育刺激を受けている人は、刺激を受けていない人と比べて流産率がやや高くなります。また性腺刺激ホルモン製剤を使用すると、多胎妊娠となる傾向もみられます。

全国60施設で行った調査では、性腺刺激ホルモン製剤を使って妊娠した人の約17%が多胎妊娠でした。多胎妊娠では流産や早産のリスクや合併症などを引き起こすリスクが高まります。治療前に医師からの説明を受け、薬を使用することのリスクを十分理解しておくことが大切です。

ゴナールエフ使用してはいけない人は?

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ゴナールエフを使用してはいけない人

過去に性腺刺激ホルモン製剤に含まれる成分に過敏に反応した経験がある人は投与が禁止されています。また、もともと原発性性腺機能不全や甲状腺・副腎機能不全がある人も投与できません。

悪性腫瘍や原因がわかっていない不正出血があるときも、使用を避けます。妊娠中や授乳中の安全性は確立されていないため、妊婦や授乳中の人には投与しないとされています。

ゴナールエフを慎重に使用すべき人

子宮筋腫や子宮内膜症があると症状が悪化する可能性が指摘されています。過去に乳がんにかかっていたり、家族や親せきに乳がんをわずらっている人が多い家系では、慎重な投与が求められます。男性では、前立腺肥大がある場合に注意が必要です。

効果とリスクを正しく理解して治療に臨もう

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ゴナールエフを含む性腺刺激ホルモン製剤は生物由来製品です。高い効果が得られる反面、まれではあっても重篤な副作用が生じたり、多胎妊娠になったりというリスクもあわせ持っています。

使用前には医師や薬剤師の説明をしっかりと受けて、納得したうえで治療に臨みましょう。不妊治療全般に言えることですが、薬の投与は精神的にも肉体的にも負担がかかる治療です。パートナーととともに、お互いを思いやる気持ちを大切に取り組んでいきましょう。

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yuki47

長女を出産して子育て奮闘中です。妊娠から子育てについてまで…

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