更新日:2017年06月22日

エストロゲン(卵胞ホルモン)と体の変化!妊娠や生理との関係は?

女性ホルモンのひとつであるエストロゲンは、女性の妊娠・出産を助ける役割を果たし、自律神経を整える働きもあります。エストロゲンが不足すると、更年期障害のような症状が起こり、不妊の原因にもなります。正常なエストロゲンの分泌には何が必要なのでしょうか?効果的な食事や、エストロゲンを増やす方法をご紹介します。

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卵胞ホルモン(エストロゲン)とは?子宮への作用と体の変化

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卵巣から分泌される女性ホルモンのひとつ

月経周期に沿って、女性の身体ではさまざまなホルモンが分泌され、複雑に互いに関係しあっています。卵巣からは、エストロゲンとプロゲステロンという二種類のホルモンが分泌されており、これらは「女性ホルモン」ともよばれます。

エストロゲンは卵胞が成熟していく過程で分泌され、血液にまじりながら体の隅々まで運ばれます。子宮内膜を厚くして子宮頸管にも働きかけ、おりものを増やします。排卵期の前に白くにごったおりものが多くなるのは、このエストロゲンが作用しているからです。エストロゲンの分泌が多い時期は、卵胞期と呼ばれ、肌や体の調子が良いとされます。

また、エストロゲンには、女性らしい身体つきをつくる働きもあります。エストロゲンが皮下脂肪を増やすことで、ふっくら丸みをおびた体型になるのです。思春期に胸がふくらむのも、エストロゲンの分泌が関係しているといわれています。

黄体ホルモンとの違いは?

女性ホルモンには、エストロゲンの他にも黄体ホルモン(プロゲステロン)があります。排卵が起こると卵胞が黄体に変化し、黄体はプロゲステロンを多く分泌するようになります。これが黄体期です。プロゲステロンは体温を高くする作用があるため、黄体期は高温期となります。

プロゲステロンには、エストロゲンが妊娠のために用意した下地を手助けして完成させる役割があります。エストロゲンが厚くした子宮内膜に分泌物を蓄え、さらに着床しやすい場所にするのです。

妊娠が成立すれば、プロゲステロンはそのまま分泌され続け、出産するまで子宮内膜を保存してくれます。妊娠しなかった場合は、黄体は二週間ぐらいで退行していきます。黄体の退行に伴ってプロゲステロンの働きも弱まり、厚くなった子宮内膜がはがれ落ちて生理が始まるという流れです。

卵胞ホルモン(エストロゲン)と妊娠の関係性

エストロゲンは、妊娠の成立において重要な役割を果たしています。エストロゲンの分泌量は生理の終わりごろから徐々に増え、排卵日直前にはピークを迎えます。分泌されたエストロゲンはまず子宮に流れ、子宮の壁となっている「子宮筋」を大きくし、子宮筋の内側にある子宮内膜を厚くします。

精子が卵子に着床するときに必要な内膜厚は、5mmから8mmとされています。子宮内膜が厚くなることで、卵子はふわふわの分厚いベッドの上で着床し、受精卵となります。これは妊娠準備として欠かせないものです。

卵巣内には、数個の卵胞(卵子の元)が存在していますが、実際に排卵に向けて大きく成熟していくのはひとつだけです。これを主席卵胞と呼びます。エストロゲンは主席卵胞からも分泌され、他の卵胞の発育を抑えて退化させるため、排卵のための卵子が正常に成熟していくのです。

性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)との関連

性腺刺激ホルモンには、卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)の2種類があります。これはゴナドトロピンともよばれ、エストロゲンやプロゲステロンと大きく関連しています。

ホルモンの司令塔は脳です。脳の一部である視床下部が血液中のホルモンバランスを見張っており、必要な時期になると、「性腺刺激ホルモン放出ホルモン」を分泌します。

性腺刺激ホルモン放出ホルモンは脳下垂体に指令を出すことで、卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)を分泌します。さらに、FSHとLHが卵巣に命令し、最終的にエストロゲンとプロゲステロンを分泌するようになるのです。

つまり、命令系統としては、性腺刺激ホルモン放出ホルモン→ゴナドトロピン→女性ホルモンといった順です。途中の指令にトラブルがあると、ホルモンバランスは崩れてしまいます。妊娠に欠かせないエストロゲンを正常に分泌するには、ゴナドトロピンが正しく分泌される必要があるのです。

卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌量の変化と生理周期

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理想的な分泌量の変化とは

生理がはじまるころには、エストロゲンとプロゲステロンはともに分泌が減っていきます。卵胞期が始まって卵胞が発育していくと、エストロゲンが活発に分泌されるようになります。エストロゲンの働きで、子宮内膜が少しずつ厚くなっていきます。

エストロゲンの分泌がピークに達するのは、排卵期直前です。さらに、LHが大量に分泌され、卵胞から卵子が飛び出します。黄体期に入ると卵胞は黄体に変化し、プロゲステロンが分泌されるようになります。

エストロゲンの分泌が基準値よりも高い場合は妊娠の可能性があります。基準値よりも低いと、卵巣機能不全や、下垂体機能低下症、または閉経の可能性が考えられるでしょう。

妊娠中や産後の変化

妊娠中は、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量が増えていきます。出産を迎えるまで子宮を広げて大きくしたり、母乳が出るように乳腺を発達させたりすることが、エストロゲンとプロゲステロンの働きです。

出産後にエストロゲンの分泌量は減少し、一定期間月経が起こらないように働きます。エストロゲンには自律神経を整えたり肌を綺麗に保ったりする役割もあるため、産後憂鬱な気分になったり、肌荒れが起こりやすくなったりするなどの影響もあります。

卵胞ホルモン(エストロゲン)が少ないとどうなる?不妊の原因になる?

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更年期に似た症状を引き起こす

更年期の症状は、のぼせや発汗、動悸、不眠などを中心とした自律神経失調症状と、イライラや不安感、抑うつなどが中心の精神神経症状にわけられます。これらの症状は、たいていの場合、卵巣機能の低下に伴うエストロゲン濃度の減少が原因です。

つまり、エストロゲンの分泌が低下することで、年齢に関係なく更年期障害に似た状態になってしまうといえます。特にエストロゲンの不足は自律神経失調症状と関連が深いとされ、20代でも顔の火照りや発汗、めまいや吐き気、動悸などに悩まされることがあります。

自然妊娠は可能?不妊治療はどういうもの?

不妊原因のひとつに、排卵に関係するホルモン分泌にトラブルがある場合があります。エストロゲンの不足もホルモン分泌のトラブルのひとつです。エストロゲン値が低いからといって、絶対に自然妊娠ができないというわけではありませんが、基準値を大幅に下回ってしまうと、やはり可能性は低くなります。

ホルモン検査で問題が見つかると、不妊治療をすすめられることもあります。不妊の原因の詳細を探りながら医師が排卵時期を予測し、性行為の時期を指導します。次の段階が人工授精(AIH)で、採取した精子を直接子宮に注入する方法です。

さらに不妊が続くと、体外受精がとられるでしょう。体外受精は、採取した精子と卵子を培養液中で受精させる方法です。エストロゲンの分泌が乱れて排卵に問題があった場合は、これらの治療に加えて排卵誘発剤を使い、ホルモンの分泌を促すことになります。

更年期と卵胞ホルモン(エストロゲン)

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更年期はいつぐらい?

更年期とは、一般的に閉経前を指し、「子どもができる期間」と「子どもができない期間」の移行期とされています。年齢的には45~55歳頃です。この年齢は、卵巣の機能が急激に低下し、消失する時期でもあります。

更年期に多いとされるのが、急に顔がほてってのぼせる「ホットフラッシュ」や発汗などの症状です。この他にも、ひどい動悸や、不眠などが見られ、これらは自律神経の乱れから起こると考えられています。

血中のエストロゲン濃度の低下によってゴナドトロピンが過剰になり、自律神経中枢へも影響をおよぼすことが一因ともいわれます。本人の自覚症状や、ホルモンの値を調べる血液検査などで診断が可能です。

閉経にむけてホルモン量が変化する

卵巣からのエストロゲンの分泌は20歳代から30歳代でピークを迎えます。それ以降はゆっくりと減り、閉経の時期に急激に下がります。エストロゲンの低下に伴い、LHとFSHは増え始めます。

ホルモンのバランスが急に変わってくるので、身体や心にさまざまな変化があらわれるものです。重症化すると日常生活に支障をきたすこともあるため、早めの検査や治療が必要です。血液検査では、エストロゲン濃度が低値でFSH 濃度が高値の場合に更年期障害と診断されるようです。ホルモン注射などで症状が軽減することもあります。

卵胞ホルモン(エストロゲン)を増やす方法は?

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生活習慣の見直し

生活習慣の乱れはホルモンバランスの乱れにつながります。一番のダメージはストレスです。ホルモンの分泌は脳からの指令によるものなので、過度なストレスが脳にかかると、ホルモンの分泌に悪影響をおよぼします。

リラックスできる環境を整えて質の良い睡眠をとり、ストレッチなどの軽い運動を取り入れてみましょう。規則正しい生活が、正常なホルモン分泌には大切なことです。

また、過剰な活性酵素もホルモンの分泌を乱すといわれています。体の酸化を防ぐことも重要です。過度の飲酒や喫煙は身体の酸化のもとになるので、できるだけ避けましょう。

冷えも女性ホルモンの大敵です。ホルモンは血流にのって体の隅々に行き渡っていくので、血の巡りが悪くなると、エストロゲンの分泌もうまくいきません。身体を冷やさないような生活を心がけてくださいね。

食生活を改善しよう

エストロゲンなどの女性ホルモンは、食べ物でバランスを整えることが可能です。エストロゲンと似た働きをする「大豆イソフラボン」、体のサビを抑えてホルモンを調整する「ビタミンE」、「ビタミンB6」を積極的に摂るようにしましょう。

大豆イソフラボンはその名の通り、大豆に多く含まれます。みそや豆腐、おから、納豆などを食事に取り入れてみてください。ビタミンEは、アーモンドやかぼちゃ、アボカドに多く含まれます。おやつをナッツ類にしてみても良いですね。ビタミンB6は、バナナや魚、にんにくなどに含まれています。

どんな成分でも過剰な摂取はホルモンバランスのみだれのもとです。規則正しい時間に、バランスよく食事をすることで、栄養の吸収率もよくなります。食生活を見直し、エストロゲンの分泌を促しましょう。

ホルモン注射と副作用

ホルモン注射によってエストロゲンを補充することも可能です。ホルモン注射は、大きくわけて、プロゲステロンとエストロゲンを注射する「HRT」とエストロゲンのみを注射する「ERT」があります。

プロゲステロンは、エストロゲンの子宮内膜を厚くする作用を抑える目的で使われています。つまり、子宮のある女性はHRT、子宮のない女性は ERTが一般的です。ホルモン注射は、子宮出血、子宮筋腫、子宮内膜症などが見られる人は受けられないこともあります。

また、副作用にも注意が必要です。不正出血や体重増加、食欲不振などが主な症状といわれています。エストロゲンを意図的に増やすことで月経を引き起こすので、余分な子宮内膜がはがれやすくなり、不正出血を引き起こしやすくなります。エストロゲンの補充は注射以外にも、飲むタイプの経口剤、貼付剤、腟に入れるタイプがあります。

ピルと副作用

ピル(経口避妊薬)は、妊娠したようなホルモン環境を作ることで、着床や排卵を抑制する効果があるお薬です。エストロゲンとプロゲステロンに似たホルモンを含んでいるため、服用すると脳下垂体は「妊娠した」と勘違いし、排卵を促すLHの分泌が抑制されます。

ピルを飲むことでエストロゲンの量が多くなるのかというと、そうではありません。時期によっては下がることもあります。低用量ピルを服用すると常にエストロゲンが血液中にある状態になるので、脳下垂体はFSHを出さなくなり、エストロゲンが分泌されなくなるのです。

本来分泌される大量のエストロゲンが抑制され、ピルに含まれる分だけが存在するようになるため、結果として血中のエストロゲン濃度は下がるといわれています。エストロゲン濃度が下がることによるデメリットは、特にありません。ピルの服用を止めればエストロゲンの量も戻るので、妊娠できるようになります。

現在使われているのはほとんどが低用量ピルですが、まれに、吐き気やだるさ、頭痛などの副作用が見られます。また、ホルモン注射同様に人工的に生理を引き起こすので、不正出血の症状があらわれることもあります。必ず医師に相談して処方してもらいましょう。

ホルモンの分泌を整えて妊活に備えよう

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エストロゲンは、女性にとって欠かせないホルモンのひとつです。美しい肌や女性らしい身体をつくるだけではなく、子宮に働きかけ妊娠の準備をしてくれます。エストロゲンが不足したり、バランスが乱れたりすることは、不妊の原因にもなってしまいます。

エストロゲンの不足や乱れは、ストレス発散や正しい食生活で防ぐことができます。普段から規則正しい生活を心がけ、ホルモンバランスを整えましょう。

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排卵する時の卵胞の大きさは?生理周期の卵胞の変化と成長方法 | mamanoko(ままのこ)

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yuki47

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