子宮筋腫の手術方法と費用は?入院期間は?手術後に妊娠できる?

子宮筋腫は子宮に良性の腫瘍ができる病気で、最も身近な婦人病のひとつです。ほとんどの人は症状がなく、治療する必要はありませんが、腫瘍が大きくなったり、症状が強くなったりした場合は、手術を行う場合があります。ここでは、子宮筋腫の手術方法や費用、入院期間のほか、手術後の後遺症や妊娠への影響を解説します。

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この記事の監修

杉山 太朗
産婦人科医
杉山 太朗

目次

  1. 子宮筋腫とは
  2. 子宮筋腫の手術を選択するケースは?
  3. 子宮筋腫の手術の方法は?麻酔は?
  4. 子宮筋腫の手術時間は?
  5. 手術後の入院期間と社会復帰の目安は?
  6. 子宮筋腫の手術費用は?保険は適用される?
  7. 子宮筋腫の手術の合併症や後遺症は?
  8. 子宮筋腫の手術後の生理は?妊娠できる?
  9. リラックスして治療に臨もう
  10. ままのて限定!無料相談でプレゼントがもらえる
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子宮筋腫とは

「子宮筋腫」は子宮の筋肉の一部に硬いこぶのような腫瘍ができる病気です。筋腫が発生する場所や数、大きさには個人差があります。

子宮筋腫は発生する場所によって3種類にわけられます。子宮の筋肉の中にできる「筋層内筋腫」、子宮の表面をおおう漿膜の下にでき、子宮の外側に飛び出すように成長する「漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)」、子宮内膜のすぐ下にでき、子宮の内側に向かって発育する「粘膜下筋腫」です。

症状は筋腫の種類や数、大きさによって異なりますが、主なものは「過多月経」「過長月経」「貧血」「生理痛」「頻尿」です。しかし、多くの人は自覚症状がないといわれています。

腫瘍のほとんどは良性で、それ自体は命にかかわる病気ではありません。ただし、まれに子宮筋腫と鑑別が困難な、悪性の子宮肉腫のことがあるので注意が必要です。

子宮筋腫の手術を選択するケースは?

子宮筋腫が見つかった場合、筋腫の種類や症状、発育スピード、悪性かどうか、今後の妊娠の希望の有無などを総合的に考え、患者にあった治療法を選択していきます。症状が軽く日常生活に支障がなければ、治療せずに「経過観察」としますが、症状が強いときや筋腫が急速に大きくなっている場合、手術療法を検討することがあります。

手術療法には、筋腫部分だけを取り除く「筋腫核出術(きんしゅかくしゅつじゅつ)」と、子宮を全て摘出する「単純子宮全摘術」があります。

筋腫核出術は子宮が残るため、再発の心配があります。一方、単純子宮全摘術で子宮を全部切除すると、妊娠できなくなりますが、再発の恐れはなくなります。また、子宮がんにかかる心配もありません。

筋腫核出術に適応するケース

筋腫核出術は、症状が強く薬物療法では改善されない場合や、妊娠を希望しており、筋腫が不妊や流産の原因と考えられる場合に選択されます。

子宮内膜のすぐ下にできる粘膜下筋腫は、小さくても過多月経や生理痛といった症状が強くでます。そのため、筋腫の直径が2cmほどでも手術を検討し、妊娠を希望する場合は筋腫核出術を行うことが多いでしょう。

単純子宮全摘術に適応するケース

単純子宮全摘術は主に以下のケースで選択されます。

・筋腫が急速に大きくなっている
・MRI検査で悪性の疑いがある
・筋腫が多発していて一つひとつ切除できない
・妊娠を希望しない

子宮と卵巣の癒着がひどいと、単純子宮全摘術で卵巣も取り除く場合があります。両方の卵巣を切除すると手術後に更年期のような症状がでやすいため、通常は、閉経が近い人や、閉経した人にだけ行います。

手術前にホルモン療法を行うケースも

手術を行いやすくするため、手術前に「ホルモン療法」を行うことがあります。ホルモン療法は、Gn-RHアゴニストというホルモン剤を使い、筋腫を大きくするとされる女性ホルモンのエストロゲンの分泌を抑えます。ホルモン剤で生理を止めて閉経状態にすることで、手術前に少しでも筋腫を小さくしたり貧血を改善したりします。

子宮筋腫の手術の方法は?麻酔は?

開腹手術

筋腫核出術では従来、お腹を切り開いて筋腫を切除する「開腹手術」が主流でした。すべてのタイプの筋腫に適応しており、お腹全体を直接目で見ながら、小さな筋腫も丁寧に取り除くことができます。単純子宮全摘術では、「子宮筋腫が大きい」「癒着の可能性がある」「悪性の疑いがある」といった場合に開腹手術を選択します。開腹手術はお腹に大きな傷ができ、痛みが強いといったデメリットがあります。

腟式手術

子宮頸部にごくまれにできる「頸部筋腫」の手術には「腟式手術」が選ばれています。腟から器具を入れて筋腫を取り除く方法で、皮膚を切らないため痛みが軽い半面、お腹の状態が観察できず、手術が難しいのが難点です。

腹腔鏡下手術

筋腫核出術で現在主流になっているのは「腹腔鏡下手術」です。お腹に小さな穴をいくつか開けて腹腔鏡を入れ、モニターで中の様子を確認しながら行う手術で、筋層内筋腫と漿膜下筋腫に対応しています。傷口が小さく痛みが少ないですが、視野が狭いため細かい作業が難しく、筋腫が大きい場合は行えないのがデメリットです。また、手術中に予期しない出血があった場合や、癒着が強く広範囲にわたっている場合は、開腹手術に移行することがあります。

子宮鏡下手術

「子宮鏡下手術」は粘膜下筋腫の場合に行われます。腟から子宮鏡(レゼクトスコープ)を入れ、子宮内の様子をモニターで観察しながら、子宮鏡の先についた器具で筋腫を取り除きます。お腹に傷が残らず、身体への負担が軽いのがメリットで、病院によっては日帰り手術が可能です。筋腫が大きい場合は手術を数回に分けて行う必要があります。

子宮筋腫の手術の麻酔の方法は?

子宮筋腫の手術をする際の麻酔の方法は、手術の範囲や手術の予想所要時間、持病の有無などを考慮して決められます。一般的には「全身麻酔」や「腰椎麻酔(下半身麻酔)」を行いますが、比較的短時間で手術できる子宮鏡下手術には、点滴に睡眠剤と鎮痛剤を入れる「静脈麻酔」が選ばれることもあります。

また、全身麻酔の補助的な役割として、脊髄を包んでいる「硬膜」の外側に管を入れ、そこから麻酔薬を注入する「硬膜外麻酔」を行うことがあります。術後、全身麻酔が切れてからも持続的に麻酔薬を注入できるため、術後の痛みを和らげることができます。

子宮筋腫の手術時間は?

手術にかかる時間は、手術の方法や筋腫の状態、医師の熟練度により変わります。腹腔鏡下手術は高度で繊細な技術を駆使して行なうため、おおよそ2~5時間かかります。開腹や腟式は30分から1時間程度、子宮鏡下手術は30分から2時間程度かかるようです。

手術後の入院期間と社会復帰の目安は?

筋腫核出術の入院期間

筋腫核出術の入院期間の目安は以下のとおりです。

・開腹手術:7~14日間
・腟式手術:10日間前後
・腹腔鏡下手術:5~8日間
・子宮鏡下手術:日帰り~3日間

単純子宮全摘術

単純子宮全摘術の入院期間の目安は以下のとおりです。

・開腹手術:10~14日間
・腟式手術:10日間前後
・腹腔鏡下手術:5~8日間

手術後の社会復帰の目安

退院してから仕事に復帰するまでの自宅安静の期間は、手術の方法や術後の状態のほか、仕事の内容などによっても変わってくるため、医師とよく相談しましょう。職場復帰の目安は、身体への負担が大きい開腹手術は4週間程度かかります。腹腔鏡下手術は1~2週間、腟式手術は数日、子宮鏡下手術は1~4日程度だとされています。

子宮筋腫の手術費用は?保険は適用される?

子宮筋腫の手術と入院には健康保険が適用されます。患者が自己負担する費用の目安は以下のとおりです。

・筋腫核出術(子宮鏡下手術以外):約15万~20万円
・子宮鏡下手術:約7万~10万円
・単純子宮全摘術:約20万~25万円

子宮筋腫の手術の合併症や後遺症は?

手術は身体に何らかの傷や刺激を加えるもののため、手術後にさまざまな身体のトラブルが生じる可能性がないとは言い切れません。どういった合併症や後遺症があるのか、手術前に確認しておくと、術後も安心して過ごせるでしょう。

出血

手術後、傷口からしばらく出血し、腟を通して外にも出てくることがあります。出血が少なく数日間で止まるようなら問題はありませんが、だらだらと出血する状態が続く場合は、再度傷口を開いて止血処置を行う必要があります。

痛み

手術中は麻酔が効いているため痛みを感じませんが、手術後に麻酔が切れると痛みがでてきます。鎮痛剤の持続皮下注射や硬膜外麻酔で痛みを予防しますが、効かないようなら必要に応じて追加投薬をします。最も負担の大きい開腹手術は少し動くだけでも痛い場合があり、痛みが楽になるまで1~2週間くらいかかるようです。

感染症

通常、子宮内は無菌状態ですが、手術によって菌が少なからず入ることになります。抗生剤の投与で予防しますが、まれに重症感染症を起こすことがあります。

癒着

手術でできた傷が治る過程で、手術部位とその周辺がお互いにくっつき、そのまま組織の再形成が行われてしまう場合があります。これを「癒着」といいます。術後に多少の癒着が起こっても、通常は自覚症状もなく問題になりませんが、まれに腹痛や不妊の原因になります。

血栓症

手術をすると身体の防御反応で血が固まりやすくなるうえ、手術後に安静にすることで血行が悪くなります。そのため、血の塊が血管をふさぐ「血栓症」が起こりやすくなります。血栓症を予防するために、術後は早期に身体を動かすことが大切です。

周辺臓器の損傷

お腹の状態を直接見ながら手術できない腹腔鏡下手術の場合、まれに膀胱や腸などの周辺臓器を損傷してしまうことがあります。

皮下気腫

腹腔鏡下手術の場合、手術がしやすいよう、皮膚に開けた小さな穴から炭酸ガスを注入してお腹をふくらませ、腹腔鏡の視野を広げます。この炭酸ガスがまれに皮下にもれ、腫れや痛みを起こすことがあります。通常、ガスは数日内で体内に吸収され、痛みも治まるようです。

ケロイド(肥厚性瘢痕)

手術の傷痕は順調にいけば術後半年から1年後には薄く目立たなくなりますが、人によっては傷痕が赤く盛り上がって痛みやかゆみを起こす「ケロイド(肥厚性瘢痕)」になることがあります。ケロイドのリスクがとくに高いのは、お腹を切り開く開腹手術ですが、腹腔鏡下手術でも起こりえます。手術後の早い段階で形成外科を受診し、適切な処置を受けることが大切です。

再発

単純子宮全摘術以外の手術は、子宮を残すため子宮筋腫が再発する可能性があります。再発率は約20%といわれています。

子宮筋腫の手術後の生理は?妊娠できる?

術後の生理はいつ来る?

単純子宮全摘術の場合、子宮ごと取り除くため、生理は来なくなります。筋腫核出術ならば一般的に生理は通常どおり来ます。ただし、手術前にホルモン療法を行なっていると、ホルモン剤の影響で術後数ヶ月間生理が止まることがあります。

術後の性交渉はいつからできる?

手術後は感染症を予防するため、しばらく性交渉を避けなければなりません。いつから性交渉ができるかは、手術後の経過にもよるため一概には言えませんが、筋腫核出術では術後1ヶ月後、単純子宮全摘術では3ヶ月後くらいが目安のようです。

手術後いつから妊娠できる?

妊娠を希望している女性は、筋腫核出術後いつから妊娠が可能なのか気になるのではないでしょうか。筋腫核出術の場合、手術で子宮筋が傷つくことになり、術後すぐ妊娠すると子宮破裂を起こす恐れがあります。そのため、術後3~6ヶ月間は避妊するよう医師に指導されます。また、術後に妊娠・出産する際は帝王切開をすすめられます。

リラックスして治療に臨もう

子宮筋腫の手術はリスクもつきまとうため、手術前に不安になる女性は多いでしょう。手術や手術後の生活に関する疑問点は何でも主治医に確認し、ときにはセカンドオピニオンも得るようにして、少しでも不安を和らげたいですね。

手術は基本的に、手術を受けるメリットが、手術によって生じうるデメリットに勝ると判断された場合に行なわれます。手術前よりも生活の質が向上することを想像しながら、できる限りリラックスして治療に臨んでくださいね。

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