妊娠初期の貧血の原因は?妊娠初期の貧血の症状と対処法、予防法

妊娠初期にはさまざまな体調変化があり、貧血もそのひとつです。日本人女性はもともと貧血の方が多く、妊婦さんの3~4割もの方が貧血に悩んでいます。ここでは妊娠初期の貧血について原因や症状、対策、予防法、胎児への影響まで詳しくご紹介します。

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この記事の監修

杉山 太朗
産婦人科医
杉山 太朗

目次

  1. 妊娠初期は貧血が起こりやすい
  2. 妊娠初期の貧血の原因
  3. 妊娠初期の貧血の症状
  4. 妊娠初期の貧血の赤ちゃんへの影響
  5. 妊娠初期の貧血の対処法
  6. 妊娠初期の貧血の予防法
  7. 貧血対策は、食生活の見直しから!
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妊娠初期は貧血が起こりやすい

貧血はほとんどの妊婦さんに共通して起こってしまう症状ですが、元から貧血気味の場合は妊娠をきっかけに悪化して鉄欠乏性貧血になってしまうこともあります。妊娠初期は胎児も小さいため必要な鉄分量も少ないですが、妊娠が判明したら初回の妊婦健診でお医者さんに相談してみましょう。

妊娠初期の貧血の原因

赤ちゃんへ栄養を与えるため

お腹の赤ちゃんは母体の血液から栄養をもらって育ちます。そのため母体の鉄分が吸収されてしまい、貧血を起こす原因となってしまいます。

血液が変化するため

妊娠すると赤ちゃんに必要な栄養を送り届けるために妊婦さんの血液量は増加します。このとき赤血球の増加をはるかに上回る量で血漿(けっしょう)の量が増加しています。

血漿とは、血液から赤血球と白血球、そして血小板の有形成分を除いた液体成分のことをいい、通常は血液の5割以上を占めています。血漿が多くなることは血が薄まった状態になることでもあります。

妊娠初期の貧血の症状

鉄欠乏性貧血

症状としては動悸、息切れ、頭痛、めまいなどがあります。また、朝起きられない、やる気が出ない、倦怠感があるなど身体がだるく感じます。

脳貧血

立ちくらみや目の前が真っ暗になってチカチカする症状は脳貧血の可能性もあります。脳貧血は厳密には医学用語ではありませんが、自律神経が乱れて血圧のコントロールがうまくいかずに脳に十分血液が送られていない状態をいいます。

ホルモンバランスが変化する妊婦さんは脳貧血を起こしやすく、立ちくらみやまぶたの奥がチカチカすることも。名前に「貧血」と入っていますが、血液が薄まるものとは性質が異なります。

妊娠初期の貧血の赤ちゃんへの影響

血液は身体をつくる重要な要素のため、血液が少ないと赤ちゃんに必要な栄養を十分送ることができません。赤ちゃんが形成される妊娠初期に重大な貧血になると未熟児や奇形を起こす可能性もあります。

母親が摂取した栄養は赤ちゃんに優先的に送られるので、赤ちゃん自身が貧血になることはあまりありませんが、栄養そのものが少ないのでは十分に成長できなくなる恐れがあります。

妊娠初期の貧血の対処法

薬剤

血液検査で貧血と診断されると、その症状によって医師から鉄剤を処方されることもあります。

食事療法

ひとつの食材に偏るのではなく、できるだけ栄養バランスを意識しましょう。動物性鉄分(レバーなど)や植物性鉄分(ほうれん草や小松菜、ひじきなど)を豊富に含んだ食材を取りいれるのがおすすめです。

安静にする

貧血の兆候を感じたら、まずはしゃがんだり椅子に座ったりするなどして安静にします。横になれる環境があれば、お腹を下にしないようにして静かに横になりましょう。

浴室の安全対策をする

貧血状態で湯船に浸かり、そのまま急に立ち上がると一時的に脳に血液が足りなくなり、立ちくらみを起こします。浴室内は滑りやすいため転倒の可能性もあるため大変危険です。あらかじめ浴室内には滑り止めのマットを用意したり、長湯をしないで半身浴をする、湯船の外でも腰掛けられる椅子やとっさに掴まれる手すりを準備したりするなど、いろいろな予防をすることも大切です。

こまめに休憩をとる

外は自宅以上に転んだり倒れたりする危険が伴います。いつも通りに歩いていても、いつどこで貧血が起こって具合が悪くなるかわかりません。出掛ける際には腰掛けられる場所をこまめに探し、できればサポートしてくれる誰かと一緒に行動するようにしましょう。

妊娠初期の貧血の予防法

食生活の見直し

鉄分はアサリやシジミなどの貝類やほうれん草などの緑黄色野菜、プルーンなどに豊富に含まれています。特にプルーンは、便秘解消にも効果があるフルーツです。妊娠中の便秘は深刻な痔につながりやすいといわれているので毎日気を付けたいですね。プルーンなら貧血と便秘の両方を対策することができるので、妊婦さんにはおすすめです。

タンニンの摂取を控える

鉄分を含む食材を食べても食前や食後すぐにタンニンを多く含むお茶を飲んでしまうと鉄分の吸収が悪くなってしまいます。特に紅茶はタンニン含有量が多いためカフェインレスでもできるだけ減らし、麦茶やハーブティーに変えるのがおすすめです。

サプリメントを活用する

軽い貧血であればサプリメントなどで補助しても良いですね。葉酸をサプリメントで摂る人も多いのでそのとき同時に鉄分のサプリメントを摂るようにするのが良いでしょう。

貧血対策は、食生活の見直しから!

ひどい貧血は薬で治療する必要がありますが、できれば妊娠中はあまり薬に頼りたくありませんよね。少しでも貧血っぽいかなと思ったらまずは普段の食生活から見直してみましょう。妊娠初期の段階で早めに対策を行いたいですね。

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