更新日:2017年02月07日

妊娠中血糖値が上がりやすいのはなぜ?妊娠糖尿病とは?

妊娠すると血糖値が上がりやすいと言われています。妊婦健診で血糖値を注意されたことのあるママもいるのではないでしょうか。血糖値が上がることで、妊娠糖尿病を引き起こすこともあるので注意が必要です。今回は、妊婦の血糖値が上がりやすい原因、血糖値が高いときの影響と対処法、妊娠糖尿病について、医師監修の記事で解説します。

監修 : mamanoko 医師・専門家
29470
0

妊娠中は血糖値が上がりやすい?

Image

血糖値とは

血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度を示す数値のことを言います。食事をすると糖分の一種であるグルコースが血液と一緒に全身に運ばれ、エネルギー源として消費されていきます。また、血糖値が上がるとインスリンの分泌が促され、余分な栄養は中性脂肪として蓄積します。

血糖値の正常値

健康な人の正常な血糖値は、空腹時で血液1デシリットル(1リットルの10分の1)あたり80~110mg、食後2時間では80~140mgに保たれています。日本糖尿病協会では、空腹時の血糖値が110mg以下かつ、食後2時間が140mg以下を正常型としています。空腹時の血糖値が126mg以上、または食後2時間で200mg以上の場合は糖尿病型としています。

妊婦は血糖値が上がりやすい

妊娠中は、血糖値が下がりにくくなるインスリン拮抗ホルモンが生成され、血糖値が上がりやすい状態になっています。そのため、妊娠中に基準の数値を超えてしまい、高血糖になってしまう可能性があります。妊娠中に発覚した高血糖は、通常の糖尿病ではなく「妊娠糖尿病」と呼んでいます。

血糖値が下がりすぎることもある

吐きつわりを引き起こす原因の一つに、血糖値が低いことがあげられます。妊娠中は血糖値をコントロールすることが難しく、エストロゲンの増加により血糖値を抑えるホルモンであるインスリンが刺激され、血糖値が下がってしまうこともあります。

妊娠中の高血糖はどんな影響があるの?

Image

母体への影響

妊婦さんが妊娠糖尿病になると、様々なリスクが伴います。妊娠高血圧症候群や流産、早産など、ママの体や赤ちゃんに影響が出ることがあります。

赤ちゃんへの影響

妊娠中血糖値が高いと、ブドウ糖が胎児へ過剰供給され巨大児になりやすいと言われています。特に妊娠初期からの高血糖は赤ちゃんに悪影響を与える可能性が高くなり、産まれた赤ちゃんの高血糖や奇形の原因にもなります。赤ちゃんは巨大児になりすぎると、必要な酸素や栄養が十分に行き届かず、まれに呼吸困難や呼吸障害を引き起こす可能性があります。

お産への影響

血糖値が高いことで赤ちゃんが巨大児になりやすいと説明しましたが、赤ちゃんが巨大化するということはそれだけお産にもリスクが伴います。難産であったり、出血多量になったり、お産が長引くリスクがあるということです。

妊娠糖尿病

妊婦さんが高血糖になると、妊娠糖尿病になる可能性があります。妊娠糖尿病になると、むくみや尿路感染症、羊水過多症などを引き起こします。妊娠糖尿病の症状が酷くなると、インスリン注射や内服薬での治療を受けることになります。通常の糖尿病とは異なり、妊娠糖尿病は、あくまで妊娠により起こる症状になります。出産後は血糖値が正常に戻る人がほとんどのようです。

妊娠中の血液検査の回数や費用

Image

妊娠中に受ける血液検査は全部で3回

妊娠中、妊婦健診で血液検査を受けるのは全部で3回です。1回目の血液検査は妊娠10週前後の妊娠初期に行い、2回目は妊娠24週~妊娠26週目頃の妊娠中期、3回目は妊娠36週ごろの妊娠後期となります。

血液検査、再検査の費用

妊婦健診の費用はお住まいの地域の自治体から補助券がもらえるので、保険適用ではなく自己負担となり病院によって金額が変わります。妊娠初期は検査項目が多く、さらに血液検査やエコーを含めだいたい3000円~1万円未満の負担となります。妊娠中期から妊娠後期にかけての血液検査は、無料~5000円前後の負担となります。もし再検査が必要となった場合は、健康保険は適用されないため全て自費となります。

妊婦健診の血液検査は自費診療ですが、妊娠糖尿病の検査費用は保険適用となるため、自己負担は3割となります。妊娠糖尿病で入院が必要となった場合も保険適用となります。妊娠糖尿病の検査費用は3000円前後が一般的です。万が一1週間ほど入院となった場合は、保険が適用されても10万円以上の負担はみておくと良いでしょう。

血液検査の項目と内容

血液検査の項目は、大きく分けて4つあります。

■血液型検査
血液型を調べるのは、分娩時に輸血が必要になった場合と赤ちゃんの血液型が適合するか調べるために行われます。血液型検査は妊婦健診ではなく、分娩時や出産後に必要となる項目です。

■感染症検査
赤ちゃんへの感染予防と医療者の感染を防ぐために行われる血液検査です。感染症とはB型肝炎やC型肝炎、HIV抗体、トキソプラズマ抗体、風疹抗体などです。

■生化学検査
生化学検査とは、妊娠中に起こる様々な体の変化の中で、妊娠糖尿病や腎機能の低下などの代謝異常を調べるためです。もし異常があった場合には、治療を受ける必要があります。

■血算
血算とは、赤血球や白血球、血小板の数や濃度を調べ、異常がないか確認するものです。妊娠中は貧血になりやすいため、血算も必要な血液検査となります。

血糖値を正常値へ下げるには?

Image

食事内容を見直す

妊娠中は血糖値を上げない食事をするために、糖質であるパンやお米、麺類といった炭水化物や、お菓子などの甘いものは控えるようにしましょう。もし甘いものを食べたい場合は、りんごやグレープフルーツといった、低カロリーで栄養が豊富な果物が良いでしょう。妊娠中は食事内容を見直し、血糖値を上げない食事を心がけ、野菜や食物繊維を多く摂るようにしましょう。

適度な運動を行う

適度な運動も血糖値を下げる方法の一つです。簡単に取り入れやすいのがウォーキングです。散歩や買い物ついでに30分~40分歩くと良いでしょう。適度な運動は血糖値を下げるだけではなく、運動をすることによって子宮の代謝を改善し、流産のリスクを下げることができると言われています。

十分な休息と睡眠をとる

妊婦健診で血糖値が高いと言われた時は、疲れや睡眠不足があったという人が多いようです。無理な生活は控え、十分な休息と睡眠を取るようにしましょう。余計なストレスは母子ともに悪影響となります。

妊娠糖尿病と診断されたら…

以前に比べ妊婦健診時の検査基準値が厳しくなっているため、昔なら特に何も言われなかった人も、妊娠糖尿病と診断される可能性があります。妊娠糖尿病になった場合は、基本的に食事療法で改善していくことになります。その上で、医師の診断によりインスリン注射を1日1〜4回注射し、必要に応じて1日最大7回血糖値測定を行います。

そうならないためにも、食事や適度な運動など、普段の生活習慣でできることから気を付けていきましょう。高血糖にならないよう、予防をすることが一番です。

あわせて読みたい

Image

母乳と血糖値の意外な関係!血糖値が高いと夜泣きをしやすい? | mamanoko(ままのこ)

Mobile faviconhttps://mamanoko.jp/articles/23001
Image

妊娠糖尿病と診断されたあなたへ。「分割食」を実践する時の3つのポイント | mamanoko(ままのこ)

Mobile faviconhttps://mamanoko.jp/articles/18937

関連カテゴリ

関連する人気の記事

妊娠・出産のカテゴリ

妊娠・出産 デイリーランキング

おすすめの記事