妊婦は頭痛薬を飲んでも大丈夫?避ける薬、飲める薬と注意点

妊娠中には、頭痛に悩まされている方も多いことでしょう。普段なら頭痛薬を飲んでやり過ごすことができますが、妊娠中は気軽に薬は飲めないのがつらいですよね。では、妊娠中は頭痛薬をまったく飲めないのでしょうか。ここでは、妊娠中に飲める薬と避けたい薬、それぞれの注意点について解説します。

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この記事の監修

杉山 太朗
産婦人科医
杉山 太朗

目次

  1. 妊婦は頭痛薬を飲んでもよい?
  2. 妊娠中は避けたい頭痛薬
  3. 妊娠中でも飲める頭痛薬
  4. 頭痛薬を飲むときの注意点
  5. 妊娠中の頭痛を和らげる方法
  6. 妊娠中の頭痛薬に関する体験談
  7. リラックスも大切
  8. あわせて読みたい

妊婦は頭痛薬を飲んでもよい?

妊娠中は頭痛になりやすい

妊娠中はホルモンバランスの変化や貧血、高血圧などが原因で頭痛が起こりやすくなります。ただでさえつわりやお腹の重みによる疲労で体調不良になりやすいのに、頭痛まで加わってしまったら、薬で痛みをやわらげたいと思うのも無理はありません。

妊娠初期は特に注意をする

特に妊娠初期は赤ちゃんの身体の器官が作られる大切な時期です。そのため、薬を飲む場合は細心の注意が必要です。

薬の成分によっては赤ちゃんに影響する

妊娠中に頭痛薬を飲むと、薬の成分によってはお腹の赤ちゃんに影響して「新生児高血圧症」や「羊水過少」などを引き起こす可能性があります。

妊娠中は避けたい頭痛薬

アスピリンを含む頭痛薬

妊娠初期(1~15週)では、「アスピリン」を含む頭痛薬を飲むと奇形児で生まれる可能性をわずかに高めてしまいます。市販薬では「バファリンA」「バファリン顆粒」「ケロリン」などにアスピリンが含まれているので、内服する場合には医師に相談するなど注意が必要です。

ただし、妊婦さんの一部では、不育症などの治療のためにアスピリンを内服している場合があります。その場合には、まれに起こる奇形のリスクよりも、流産などのリスクを下げるための有益性が勝るということなので、心配し過ぎないでくださいね。

イブプロフェンを含む頭痛薬

「イブプロフェン」を主成分とした「イブ」「バファリンルナ」などは飲んでもよいとする場合もあります。しかし、メーカー側では「妊娠中の服用は避けたほうが安心」としており、「出産予定日12週以内(妊娠約28週以降)は避けてください」と明記しているため、服用を控えたほうが無難です。

ロキソニン

頭痛や痛み止めで知られる「ロキソニン」は、妊娠中の服用に関して安全性が確立されていないため、服用前に医師に相談することとしています。ただし、出産予定日の12週前、つまり妊娠8ヶ月以降の妊娠後期には使用しないようにと注意書きに記載されています。

妊娠中でも飲める頭痛薬

アセトアミノフェンが主成分の頭痛薬(ノーシン、タイレノール)

痛み止め成分の「アセトアミノフェン」であれば、昔から使用されており概ね安全であることが確認できているため、妊婦さんが服用しても問題ないとされています。アセトアミノフェンを主成分とした市販薬としては「ノーシン」「タイレノール」などがあり、妊婦さんでも服用できます。

ただし、飲んでもよいからといって安易に使用するのではなく、医師や薬剤師に相談のうえで服用してください。用法・用量を守り、長期間連続で使用しないことが前提です。

病院で処方されるカロナール

病院で処方されている「カロナール」という頭痛薬は、「アセトアミノフェン」を主成分としており、妊娠中にも安全に使えるものとして利用されています。

市販薬を利用する場合は主治医に相談する

いくら比較的安全といわれている市販薬でも、自己判断で飲まずに、必ず事前に医師へ相談しましょう。どうしても我慢できない、上の子の世話ができなくて困っているなどのときは、かかりつけの産婦人科へ電話などで相談してください。

頭痛薬を飲むときの注意点

自己判断で飲まない

産婦人科で処方された薬なら安心して飲めますが、市販薬の場合は自己判断での飲用はやめましょう。妊娠初期でも正しく薬を服用すればリスクは回避されるので、痛みを我慢せずにきちんと受診して適切な処方を受けてください。

薬の説明書を必ず読む

頭痛薬に添付されている説明書を必ず読むようにしましょう。安全とされる市販の薬でも、「妊婦又は妊娠していると思われる人は服用前に医師に相談すること」と明記されています。

用法、用量を守る

処方された薬や、医師の相談後に市販薬を飲むときは、必ず用法用量を守りましょう。あまり効果がないからといって、短時間で次の薬を飲んでしまったり、1錠のところを2錠飲んでしまったりといったことは避けてください。

できるだけ産婦人科で薬を処方してもらう

妊娠中は、市販されている頭痛薬でも飲めるものはあります。しかし、頻繁に頭痛がある場合は市販薬に頼らず、産婦人科で安全な薬を処方してもらい、医師の指示にしたがって服用することが肝心です。

妊娠中の頭痛を和らげる方法

十分な睡眠を取る

つわり中の頭痛対策として、部屋を暗くして横になって、身体を休めることで症状が和らぐことがあります。眠気やだるさがある場合は、それは「身体を休めて」という赤ちゃんからのサインかもしれません。十分な睡眠をとることも大切です。

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無理のない範囲で体を動かす

身体のストレスと心のストレスが重なることで、頭痛が悪化しやすくなります。体調が良い日は、散歩に出かけたり友人と会ったり、気分転換になるようなことをしましょう。心と身体がリフレッシュすることで、頭痛の症状が緩和されることもあります。

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首や肩のマッサージ

妊娠すると肩こりがひどくなる方は多いでしょう。頭痛は肩こりからも起こるので、首や肩のマッサージをして血行を良くすると、血管収縮からくる緊張型頭痛の解消に効果があります。マッサージをするのは、入浴後やホットタオルで首や肩を温めた後のほうが効果的です。

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患部を冷やす

血管の拡張で片頭痛が引き起こされる場合、頭痛を感じる患部をアイスノンや冷えピタなどで冷やすのが効果的です。こめかみや眉間など、痛みを感じる部分にあてて、ソファーやベッドで横になっていると楽になるでしょう。温めることで症状が悪化することもあるので、お風呂はシャワーだけにすることをおすすめします。

患部を温める

肩こりや血行不良など、血管収縮が片頭痛を引き起こしている場合は、蒸しタオルや市販の温熱シートを使い、患部や首筋や肩周りを温めると痛みが緩和されやすくなります。お風呂にゆっくり浸かって身体を温めるのもおすすめです。

妊娠中の頭痛薬に関する体験談

筆者の体験談

筆者も妊娠中はかなり頭痛に悩まされました。元々片頭痛持ちだったので、薬が飲めないことが何よりもつらく、他の悪阻はそれほどにひどくなかったものの、頭痛だけは妊娠中ほとんどの期間あったと思います。

原因はいろいろで、貧血によるものもあったようです。食事では鉄分摂取を心がけ、マタニティヨガなどで軽く運動していました。でも、片頭痛でつらいときは体を温めるのが逆効果なので、運動はせずにひたすら暗い部屋でアイスノンをあてながら横になっていました。

薬も処方されましたが、あまり効果はなく、それなら飲みたくないという気持ちが強かったです。片頭痛で病院通っていたときに先生が「缶コーヒーがいいよ。それも微糖のね」と言っていたのを思い出し、どうしても片頭痛がひどいときは少しお砂糖を入れたコーヒーを1杯だけ飲むようにしていました。片頭痛にはこれが一番良かった気がします。

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リラックスも大切

頭痛の中にはストレスや疲れからくるものもあるので、まずはたっぷり睡眠をとって体調管理をしてみてください。無理のない範囲で身体を動かして頭痛の解消を目指しましょう。リラックスできる環境作りが大切です。ひどい頭痛で、薬を我慢することがストレスになる場合は、医師の指導のもとで頭痛薬を使うようにしましょう。

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