更新日:2017年07月07日

ガンジダ腟炎とは?原因や治療法、おりものなどの症状は?

カンジダ腟炎は身体にいる常在菌が原因となり発症する病気で、だれもがかかる可能性があります。症状や発症の原因について正しく理解し、しっかり対処することが大切です。治療法や予防法についても、あわせて確認していきましょう。

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カンジダ腟炎とは?

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カンジダとは真菌というカビの一種で、どこにでもみられる菌類です。皮膚の表面や喉・食道などの粘膜、腟に普段から存在する常在菌で、普段は悪さをすることはありません。

腟内はもともと、乳酸桿菌(にゅうさんかんきん)のはたらきで酸性に保たれ、ほかの菌の侵入を防いで清浄な状態を維持しています。しかし何らかの影響で腟内の酸性レベルが低下し、菌のバランスが崩れると、カンジダが異常繁殖して炎症を起こします。

炎症が腟以外で起こると、外陰カンジダ症やカンジダ皮膚炎を発症することがあります。カンジダは性行為でうつる性感染症の一種ですが、性交を経験していなくても感染するケースがみられます。女性の5人にひとりが生涯のうち1度は感染するポピュラーな病気です。

カンジダ腟炎の症状は?

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ヨーグルトやカッテージチーズのようなおりものが出る

カンジダ腟炎で典型的にあらわれる症状が、おりものの量や見た目の変化です。量が増え、白く濁った粘り気が強くなるのが特徴です。ボロボロとした見た目から、ヨーグルトやカッテージチーズ、おかゆ、酒かすのようだと表現されます。

しかし、必ずボロボロしたおりものになるのかというと、そういうわけではありません。白いクリーム状のおりものになることもあるため、量や見た目以外の変化に敏感になる必要があります。

外陰部がかゆい、痛みがある

カンジダ腟炎では、腟や外陰部に強いかゆみを感じます。ヒリヒリとしたような灼熱感や、軽い痛みといった不快症状を訴える人もいます。外陰部の発赤や発疹も、カンジダ腟炎で見られる症状です。

性交時痛があることも

カンジダによる炎症が起こっていると、性交時に腟が痛む性交時痛が起こります。無理に性交を進めると、炎症が広がったりひどくなったりする可能性があります。パートナーに感染を広げてしまう原因ともなるため、腟や外陰部に違和感があるときは性交を避けましょう。

カンジダ腟炎の原因は?かかりやすい時期は?

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免疫力が低下しているときにかかりやすい

免疫力とは、外から侵入してくる菌から身を守るために、人がもともと持っている防衛機能です。免疫力は身体が弱ると低下しやすいといわれていますが、じつは、免疫力の低下が何によって引き起こされるのかは、これまで解明されていませんでした。最近になってようやく、自律神経やホルモンが影響しているらしいことがわかってきています。

自律神経やホルモンバランスの乱れは、疲労の蓄積やストレス、睡眠不足などによるところが大きく、生活習慣が乱れてくると身体の免疫機能が低下します。また風邪などの病中病後や、生理中も免疫力は低下しやすく、腟の酸性が保たれにくくなるので注意が必要です。

妊娠中にかかりやすい病気のひとつ

妊娠中はホルモンの一種であるコルチゾールの分泌が盛んになります。コルチゾールは免疫力を低下させることで知られており、分泌量が多いと菌やウイルスに感染しやすい状態となります。妊娠中のカンジダ保有率は約30%と、妊娠していないときと比べて2倍の数です。

診察によりカンジダの感染がみとめられ、おりものの増加やかゆみなどがあるときは妊娠中も治療を行います。とくに妊娠36週目以降でカンジダ腟炎を発症している場合は、しっかりと治療を行い産道感染を防ぐことが必要です。

抗生物質などの薬の服用が原因になることも

抗生物質は細菌に作用する薬で、広く治療に用いられています。身体に何らかの異変が起こり治療のために抗生物質を用いると、薬の作用で身体のために働いている善玉菌の働きも抑制してしまうことがあります。

カンジダは菌類なので、抗生物質を投与しても効果がありません。善玉菌が抑えられた環境はカンジダが増殖しやすくなるため、抗生物質を服用しているとカンジダになってしまうことがあるのです。

外陰部のかぶれや腟の洗いすぎ

生理用品の長時間の使用や締め付けの強い下着の着用、運動後の発汗は外陰部の蒸れやかぶれの原因となり、カンジダ菌が繁殖しやすい環境を作ります。

また腟の中をビデや石鹸で洗浄すると、細菌の侵入を抑えている乳酸桿菌まで洗い流すことになり、腟のバリア機能は低下してしまいます。外陰部を清潔にすることは大切ですが、腟の中まで過剰に洗浄するとかえって身体に悪影響を与えてしまうので気をつけましょう。

カンジダ腟炎はどうやって検査する?

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問診

カンジダ腟炎の診断では、カンジダ腟炎と似た症状となるトリコモナス腟炎や細菌性腟症ではないことを確認する必要があります。確認する点は主におりものの色とにおいです。

トリコモナス腟炎は黄色から緑色がかったにおいのあるおりものが増え、細菌性腟症では灰色がかったにおいのあるおりものが増えます。カンジダ腟炎ではボロボロとしたおりものが増え強いかゆみをともなうため、これらの違いを総合的に判断し診断を進めていきます。

内診

診断には、腟や外陰部にあらわれる所見も重要です。問診に続いて診察台にあがり、腟の発赤や外陰炎がみとめられるかを確認します。腟鏡を挿入し、腟壁についているおりものの状態も観察します。

産婦人科の内診台は、あがるだけでも抵抗感があるものですね。診察前には陰部を清潔にしておきたいことでしょう。しかし、洗いすぎると通常の状態を医師にみせることができません。診察前はビデなどで腟の奥まで洗うのは避け、外陰部を水かお湯でそっと流す程度に抑えましょう。

腟内からおりものを採取する

問診や目視による診察で鑑別が難しい場合は、腟から採取したおりもののpH度を調べたり、検体を顕微鏡で検査してカンジダ菌の存在を確認する鏡検、おりものを培養してカンジダ菌を検知する培養法を実施したりすることがあります。

カンジダ腟炎の治療法は?自然治癒することはある?

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抗真菌薬を使用する

カンジダ腟炎の治療には、イミダゾール系の抗真菌薬が用いられます。通常用いられるのは腟に直接挿入する腟錠や腟坐剤と、クリームなどの局所塗布剤です。

腟錠・腟坐剤には1日1錠ずつ6日間連続で投与するタイプのクロトリマゾールや硝酸ミコナゾールと、週1回の投与で効果が1週間続くタイプの硝酸イソコナゾールや硝酸オキシコナゾールがあります。クリームはクロトリマゾールや硝酸ミコナゾールが処方され、1日2~3回を外陰部に塗布します。

カンジダ腟炎の原因菌はカンジダの中でもカンジダ・アルビカンスという菌であることがほとんどです。しかしカンジダ・グラブラータというカンジダ菌が原因で発症すると、強い症状が繰り返されることがあります。再発を繰り返す場合は、フルコナゾールなどの経口剤による全身投与が選択されます。

市販の再発治療薬を使う

カンジダ腟炎では、再発治療薬が市販薬として販売されています。市販薬には腟坐剤とクリームがあり、症状の部位や状態によってどれを使用するか決めていきます。腟の内部に症状が見られるときは腟坐剤、外陰部に症状が見られるときやクリームを使用すると良いでしょう。

市販されているカンジダ腟炎の治療薬は、第一類医薬品として薬剤師のいる薬局・薬店、ドラッグストアで販売されています。主な商品には小林製薬「フェミニーナ 腟カンジダ錠」、佐藤製薬「エンペシドL」、大正製薬「メディトリート腟坐剤・クリーム」、田辺製薬「オキナゾールL100」などです。

すべて再発治療薬なので、カンジダ腟炎とみられる症状を初めて発症したときには、医師による確定診断を受けてください。

軽度なら自然治癒することも

カンジダは常在菌のため、症状が軽度であれば病気や疲労などからの回復とともに、自然治癒する可能性もあります。

しかし外陰部のかゆみをともなう感染症はほかにもあるため、確定診断のためにも病院に行くことをおすすめします。病院で治療した場合でも、薬を使って1~2週間で治癒することがほとんどです。

カンジダ腟炎を繰り返す!再発を防止するには?

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体調を整える

カンジダ腟炎は日和見感染症の側面を持ち、発症は体調に大きく左右されます。カンジダ菌を増殖させないためにも、規則正しい生活で体調を整えていくことが大切です。

とくにストレスは自律神経やホルモンバランスに影響するものです。疲労やストレスをためないよう、息抜きできる工夫をしたいですね。

外陰部を洗いすぎない

腟の自浄作用や自己免疫機能を低下させないように、外陰部や腟の内部は洗いすぎないようにしましょう。外陰部を洗うときはお湯か水を使い、石けんはできるだけ使わないようにします。

一般的なボディソープは皮脂汚れを落としやすいように、弱アルカリ性の性質を持ちます。弱酸性に保たれている腟とは真逆です。石けん成分が残ってしまうとかぶれや炎症の原因となるため、ボディーソープや石けんはしっかりと洗い流してください。

通気性の良い格好をする

カビはジメジメとした湿気を好みます。カンジダ菌が好むのも、蒸れたり不衛生だったりする環境です。締め付けの強いガードルや蒸れやすいストッキング・タイツなどの着用は避け、下着はできるだけ蒸れにくい天然素材のものを選びましょう。

お風呂上がりやシャワーの後は外陰部をしっかりと乾燥させ、湿気がこもらないようにする工夫も必要です。

おりものシートをこまめに変える

下着の清潔を保つためのおりものシートも、長時間同じものを着用していると逆効果です。おりものシートを使うときは、生理中にタンポンを使用する場合も、できるだけこまめに変えたいものです。

外陰部をかかない

外陰部が蒸れたり、ナプキンが合わなかったりすると外陰部にかゆみを感じますが、かいてしまうのはよくありません。傷がついたり、感染を広げたりする結果となってしまいます。

身の回りを清潔に保つ

カンジダ腟炎を発症したら、タオルの使い回しは避けて感染の拡大を防ぎましょう。下着も清潔を保ち、汗などで濡れた場合はなるべく早く取り替えたいものです。

カンジダは腸管内にも存在します。肛門から腟への自己感染を予防するためにも、便を拭くときは前から後ろに動かすようにしてください。

カンジダ腟炎の予防は健康な身体づくりから

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身体に常在しているカンジダに負けないためには、体の免疫を高め健康な身体をつくることが基本となります。規則正しい生活習慣を心がけ、バランスの良い食事で新陳代謝を促していきましょう。

カンジダ腟炎は発症例の多い、ポピュラーな病気です。性感染症に関する正しい知識を身に着け、少しでもおかしいなと感じることがあれば恥ずかしがらずに早めに医師による診察を受けてください。

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panpa

1歳の男の子を持つ新米ママです。私も子育て真っ最中なので、…

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