【小児科医監修】赤ちゃんが人見知りしないのはなぜ?自閉症・発達障害との関係は?

育児はほんのささいなことでも不安になることだらけです。その中で赤ちゃんの人見知りもその不安のひとつではないでしょうか。人見知りが始まるとママにとってはストレスにもなりますが、人見知りしなくても発達障害や自閉症を疑ってしまうことも…。今回はそんな赤ちゃんが人見知りをしない原因や、自閉症との関係性などを紹介します。

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この記事の監修

染谷 朋之介
小児科医
染谷 朋之介

目次

  1. 赤ちゃんが人見知りをしない!
  2. 人見知りとは
  3. 赤ちゃんが人見知りをしない原因
  4. 人見知りしないのは自閉症・発達障害の兆候?
  5. 人見知りしない赤ちゃんに関する体験談
  6. 人見知りしないのも赤ちゃんの個性のひとつ
  7. あわせて読みたい

赤ちゃんが人見知りをしない!

赤ちゃんは人見知りをするイメージがありますが、すべての赤ちゃんが人見知りをするわけではありません。人見知りの時期は平均的に6ヶ月ころといわれています。

人見知りは心の発達の証拠ともいわれていますが、人見知りの時期も早ければ3ヶ月ころに始まる子もいれば、1歳過ぎに始まる子もいます。また、多くの赤ちゃんが人見知りを経験していますが人見知りを経験せずに成長する赤ちゃんもなかにはいます。

人見知りとは

慣れていない相手を怖がること

赤ちゃんの人見知りは、自分が慣れている人以外を怖がってしまうことをいいます。一般的に生後6~7ヶ月ころに始まるといわれますが、この時期になると家族の顔がわかってくる時期だからです。人見知りは「知っている人」と「知らない人」を区別した結果の行動。家族を認識できれば知らない人の区別ができるため人見知りは始まります。

時期

赤ちゃんの人見知りは一般的に生後6~7ヶ月ころに始まるといわれますが個人差が大きく、生後3~4ヶ月ころから始まる子もいれば、1歳を過ぎてからという子もいます。

いつまで続くのかは始まった時期にも左右されます。一般的には2~3歳ころに終わる子が多いといわれますが、1歳ころにおさまる子もいれば、2歳を過ぎて続いている子もいます。人見知りが激しい子だと小学生に入ってもずっと続きます。

原因

赤ちゃんの人見知りは心の成長が関係しています。以前はママと他人の区別がつくようになって他の人を怖がることで現れると考えられていました。

しかし最近の研究では、ママと他人を区別できた上で、他人に「近づきたい気持ち」と「怖いと感じる気持ち」が葛藤することで起こってしまうと発表されました。単に怖がりなだけではなく、他の人に近づきたいという人懐っこさも強い子どもほど人見知りが起こりやすいといわれています。

赤ちゃんが人見知りをしない原因

性格

赤ちゃんにもおっとりしていたり神経質だったりと、生まれ持った性格(気質)があります。もともとすごく社交的で物怖じしない性格の赤ちゃんは、あまり人見知りしないことが多いようです。

人見知りしない子は、他人に対して「怖い」という気持ちが少なく、堂々と人とコミュニケーションをとることができる赤ちゃんなのかもしれませんね。

大勢の人と接する機会が多い

大家族の中で育っていたり、家族が社交的で他人と触れあう機会が多かったりと大勢の人と接する機会が多い赤ちゃんのなかには人見知りしない子もいるようです。生後間もないころから保育園生活を送っているなど、人見知りする前の月齢が低い時期から集団生活を行っている子どもも人見知りしないタイプが、比較的多いようです。

他人への恐怖心などを感じる時期以前に家族以外の人と過ごすことに慣れ、他人への抵抗感がなくなるためではないかと考えられています。

人見知りしているのに大人が気づいていないこともある

人見知りの表現は泣く、ママに助けを求める、逃げるなどのわかりやすい動作だけではありません。「この子は人見知りをしない」と思っていてももしかしたら人見知りをしているかもしれません。下記のようなことがあるとそれはひそかな人見知りかもしれませんよ。

1. 人をみつめる動作も人見知りのひとつ。激しく拒否はしないものの、じーっと固まって様子をうかがっているのです。

2 通りすがりの人によくするバイバイの動作。この動作も「早くあっち行って」という人見知りの現れの可能性もあります。笑顔ではなく無表情、固まっている場合は人見知りかもしれません。

3 表情が固まり、嫌がってはいないもののママから離れない赤ちゃん。「恥ずかしがっているのかな」と感じるこの動作も、もしかしたら人見知りかもしれません。

人見知りしないのは自閉症・発達障害の兆候?

「人見知りしない=発達障害」ではない

人と接する機会があまりなかったにもかかわらず、誰に対してもニコニコして人見知りしない赤ちゃんもいます。この場合、自閉症や発達障害の可能性を不安視する方もいるかもしれません。

自閉症や発達障害の赤ちゃんは目線をあわせようとしなかったり、コミュニケーションの意味がわからずに人見知りしなかったりする特徴があるからです。

ただし「人見知りしない=問題がある」ということでは決してありません。気をつけるべきポイントは人見知りをするしないではなく、感情表現の有無です。

こんな症状があるときは注意が必要

「人見知りをしないと自閉症なのでは」と不安に思う理由として、自閉症の特徴のひとつに人見知りをしないという点があることが考えられます。自閉症の特徴は人見知りをしないだけではありません。その他にも、以下のような特徴があります。

・後追いをしない
・周りの子どもに興味を示さない
・発語が遅い
・視線が合わない
・ひとり遊びが多い
・バイバイをするとき手のひらを自分の方に向けてバイバイをする
・表情が乏しい
・落ち着きがない
・こだわりが強い(反復行動が多い、道順や物の配置に異常にこだわる)

人見知りをしないことに加えて上記のような特徴がある場合はママやパパも心配になるでしょう。感情表現に違和感があり心配な場合にはママやパパだけで悩むのではなく、早めに小児科を受診してみましょう。

人見知りしない赤ちゃんに関する体験談

人見知りをしない赤ちゃんに関してままのてに寄せられた体験談を紹介します。

息子はわりと人見知りをしないタイプでした。人見知りの平均的な時期である生後6〜7ヶ月頃は、どこでも誰でも泣くということはなかったです。特に大人数の家庭でもなく、ママ以外の人に頻繁に会わせていたという感じでもなかったのですが、人見知りはありませんでしたね。

ただ、男性は少し苦手のようでした。男性に対しては、自分から行くのは良いけど相手から来られるのはちょっと…という様子はありました。たぶんパパとの接する時間が一般家庭より我が家は極端に少ないからでしょうか。1歳を過ぎた今でも、女の人には誰かれ構わず愛想振りまいてる一方で、男性にはまだ少し抵抗があるようです。

なんとなく、その子の性格と家庭環境なのかなと今現在も感じています。

人見知りしないのも赤ちゃんの個性のひとつ

人見知りは赤ちゃんの個性そのもの。赤ちゃんは小さい頭でたくさんの物事を感じています。人見知りもママパパが区別できている心の成長のひとつ。人見知りをしなくてもママパパを明らかに区別できていれば問題はありません。

成長していく過程で見られる個性にはママも幸せや驚きを感じることでしょう。人見知りは病気、障害の現れだけではなく個性のひとつなのです。微笑ましく見守っていきましょうね。

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