子どもの頭痛の原因は?頭痛の特徴と考えられる病気、対処法とは

子どもが風邪をひいたり、熱が出たりしても、具体的にどこが痛いのかわからない事ってありますよね。また、子どもが「頭がいたい」とみずから教えてくれる年頃だとしても、何となく風邪かと済ませてしまいがちです。実際、子どもの頭痛から考えられる重い病気もあります。今回は子どもの頭痛についての原因や病気の種類、対処法を紹介します。

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目次

  1. 子どもの頭痛の種類
  2. 子どもの頭痛の原因
  3. 吐き気を伴う頭痛の原因
  4. 子どもの頭痛の対処法
  5. こんな症状があるときはすぐに病院へ
  6. 子どもをよく見ておきましょう
  7. あわせて読みたい

子どもの頭痛の種類

一時性頭痛

頭痛は一次性頭痛と二次性頭痛に大別されています。他の病気をともなわず、頭痛の9割はこの一次性頭痛です。大きく片頭痛、緊張型頭痛(または緊張性頭痛)、群発頭痛にわけられます。

二次性頭痛

頭痛が起こる他の原因があるのが「二次性頭痛」です。子どもが頭痛を訴えてきた場合によく見られるのが二次性頭痛で、一般的な風邪やインフルエンザ、蓄膿症、中耳炎などの感染症の症状のひとつとして現れます。

子どもの頭痛の原因

風邪・体調不良

急に始まった咳や鼻水に伴う頭痛は、いわゆる「風邪」のことが多いでしょう。ただ、風邪で頭痛というと、熱をともなうことが多いくあります。もし今の段階で熱がなくても、頭痛がある場合はそのうち上がってくるかもしれませんね。

風邪の場合は、普通の市販の風邪薬で十分ですし、食事も睡眠もとれているようであれば、お薬を飲まなくても自然に治るのを待っても大丈夫です。ただし、高熱が3日以上続く、食事や水分が摂れない、黄色い鼻水や痰がでるなど心配なことがあれば医師に相談しましょう。

片頭痛

風邪を除いて一番子どもに多くある頭痛の症状が片頭痛といわれ、5歳前後から多く見られるようになります。子どもの片頭痛は大人の片頭痛とは少し異なるので注意して見てあげることが必要です。片頭痛は特定の家族に多い病気で、両親のどちらかが片頭痛を持っていると、子どもにも体質が遺伝するということが多くみられます。

片頭痛では、目の焦点が合わず回りがきらきらして見えるなどの目の症状や感覚の変化が頭痛の前に起こることがあります。子どもの片頭痛は、頭の両側ともに見られることが多く、頭痛の持続時間は1時間ほどの子どもが多いです。ズキンズキンする痛みが何度も繰り返し起こり、嘔吐や吐き気をともなうこともあります。

緊張型頭痛

緊張型頭痛とは、頭を何かで締めつけられるような痛みが30分くらい、長いと7日間ほど続くこともある頭痛です。男女関係なく子どもから大人まで幅広い年齢層でみられる症状で、よくヘルメットをかぶったような痛さといわれます。

肩こり・首こり・めまい・ふらつき・全身のだるさなどをともなうこともありますが、身体を動かすことにより緩和されることが多いです。同じ姿勢でずっと過ごすなどの身体的ストレス、トラブルやうまくいかないなどの精神的ストレスを強く受けると起こりやすくなります。

視力の低下

近視、遠視などの視力障害や、テレビの見すぎ、ゲームのしすぎなどによる疲れ目も頭痛の原因になり得ます。ただ、小学校低学年くらいの子どもであれば目の疲労からくる頭痛というのはあまり考えにくいでしょう。

もし多少の疲れで目からの頭痛が来やすい場合は、近視、遠視、乱視を含めて、もともと目に何らかの異常があるかもしれませんので、眼科受診をおすすめします。

中耳炎

中耳炎の場合、まず中耳炎となった側の耳が痛み、発熱を伴うことが多いです。耳の痛みや発熱に伴って頭痛を起こすことはあるかもしれませんが、頭痛だけの中耳炎というのは考えにくいですね。そのため頭痛で最初に中耳炎を疑うということはめったにないでしょう。

子どもは喉の奥から耳にかけてつながっている耳管という管が短く、水平になってしまうため、ばい菌が耳に入りやすく、中耳炎になりやすいのです。抗生剤を内服することもありますが、ウイルスが原因である場合には、抗生剤は効きません。まずは、痛み止めを内服しながら治るまで待つしかありません。

副鼻腔炎

もし風邪が長引いたり、鼻水が副鼻腔というおでこや頬のあたりにある骨で囲まれた空洞にたくさんたまってしまったりすると副鼻腔炎という状態になります。発熱することも十分に考えられます。

なかには慢性副鼻腔炎といって、副鼻腔炎が長期にわたり膿をともなって変なにおいがすることもあります。慢性副鼻腔炎の場合は微熱が長く続くことがありますが、あまり熱が出ないこともあります。

副鼻腔炎の場合、前頭部、頭頂部、こめかみ、目の周りなどが痛くなり、指で押してみると痛みがあります。鼻の周囲も重くけだるい感じがするでしょう。慢性化すると、頭痛が長引くこともあります。普通の風邪よりもばい菌が奥深くの出にくいところに入ってしまっているので、慢性化しないようにするためにも、お薬は飲んだ方が良いでしょう。耳鼻科または小児科を受診してみましょう。

吐き気を伴う頭痛の原因

自家中毒

自家中毒は吐き気を伴う頭痛のときに考えられる病気で、周期性嘔吐症やアセトン血性嘔吐症ともいわれています。2歳~10歳までの子どもに多く、今まで元気に遊んでいた子どもが急に静かになり、顔面蒼白になり何回も吐きます。血液中や尿中にあるアセトン体という物質が増えすぎて起こる中毒症状です。

原因は感染、過労、ストレスの他に、一部の子どもは体質的に血液中のアセトン(ケトン体)が増えやすいのではないかといわれています。症状が軽い場合は、脱水症状を起こさないよう、スポーツドリンクやイオン飲料などを何回かに分けて少しずつ飲ませ、水分を補給してあげてください。

髄膜炎

髄膜炎は、発熱・頭痛・錯乱の症状があります。年長さんころから多くなる病気ではありますが乳児・新生児でもかかる可能性はあります。頭痛に伴いご飯を食べなくなる、嘔吐する、錯乱、首を動かすと痛がる、発熱の症状が現れた場合には髄膜炎の疑いがあります。

多くの原因は血流への細菌感染で、出産時に産道で細菌に感染したという例もあります。最悪の場合死にいたるケースもありますので疑いがある場合はすぐに病院へ連れていきましょう。

そのほかの病気

その他にも脳炎・脳症は、頭痛、発熱、痙攣を伴う病気の中で、最も重症な病気のひとつです。ウイルスや細菌が脳の髄膜と呼ばれる部分や、脳そのものに達して炎症を起こすもので、すぐに病院に行かなければなりません。

脳炎・脳症の場合は、髄膜炎よりさらに重症化しやすく、意識障害を来したり、身体の一部が麻痺するなどの神経症状を伴ったりします。治癒しても後遺症が残る場合もあります。

子どもの頭痛の対処法

子どもを質問攻めにしない

子どもが「頭が痛い」というときには、どんなふうに痛いか、またはどこが痛いかなどと質問攻めにすると子どもはかえって混乱してしまいます。まずは子どもの「頭が痛い」という訴えを認めてあげてください。

患部を温める

症状で緊張型頭痛だとわかったなら、蒸しタオルなどで痛む部分を温めてあげましょう。そして何より、十分な睡眠をとらせ、規則正しい生活を心がけましょう。

患部を冷やす

逆に、偏頭痛であれば、暗く静かな部屋で安静にさせ、冷却ジェルなどで痛む箇所を冷やしてあげます。子どもの片頭痛は大人より軽い場合が多いのですが、片頭痛を予防するためには、片頭痛の原因となる生活リズムの乱れ、ストレス、睡眠不足をなくします。

また、光や音が片頭痛の発作を引き起こすことも多いので、テレビゲームなどの刺激の強い光や音はなるべく避けるようにしましょう。

ストレスを軽減する

ストレスをゼロにすることはなかなか難しいですが、ストレスはさまざまな対処法によって乗り越えていくことができます。ストレスの原因を極力排除して、さらにはストレスを発散できるようにサポートしてあげてください。

生活習慣を見直す

病気が原因ではなく、不規則な生活習慣による頭痛が起こっている子どもも多くなっています。近年増えているのは、携帯ゲームやパソコン・スマートフォンを長時間使うことで起こる眼精疲労や睡眠不足による頭痛です。外で遊んだり運動したりすることが少なく、運動不足で慢性的に肩や首の血行が悪くなっている状態も、頭痛の原因になります。

普段から栄養バランスの取れた食事を摂り、十分な睡眠を心がけ、規則正しい生活を送ることを心がけましょう。

痛みが強いときは受診する

頭痛は薬の乱用も良くないですが、だからといってじっと我慢していても良くなるものでもなく、生活に支障を来してしまうことも多くあります。まずは早めに近くの小児科を受診してみることをおすすめします。

こんな症状があるときはすぐに病院へ

二次性頭痛の原因が一般的な風邪などであれば過度に心配する必要がありませんが、なかには脳炎や脳出血など命に関わる病気もあります。以下のような症状が現れている場合には、救急病院を受診してください。

・意識がもうろうとしている
・痙攣・ひきつけを起こしている
・何度も吐く
・ぐったりしている
・頭を激しくぶつけた

子どもをよく見ておきましょう

子どもの頭痛はもちろん、風邪や原因がわかるものは治療などで完治する可能性があります。しかし、怖いのは大人が気づかないうちに、子どもはひとりでストレスを抱えてしまっていることがあるということです。子どもの異変に気づくためにも、普段から子どもの様子をよく見ておき、その声に耳を傾ける姿勢も大切ですね。

また、子どもが頭痛を訴えるようならまず病院を受診して心配な病気がないことを確認した上で、子どもを取り巻く環境や生活リズムに問題がないかを見直してみる必要もありそうです。

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