更新日:2017年12月04日

妊娠初期から産後の恥骨痛の特徴とは?恥骨痛が起こりやすい動作や対処法、動画で見られる対策ストレッチとマッサージ

恥骨痛は妊娠後期から起こることが多いですが、中には初期から痛みを感じる方もいらっしゃいます。妊娠すると赤ちゃんの頭が胎盤内を通過できるようにと股の上の恥骨結合部分がホルモンの作用で緩んできます。そのため恥骨のあたりに痛みが出ることがあります。妊娠中の時期別の恥骨痛の特徴をお話し、痛みを和らげる対処法をご紹介します。

監修 : mamanoko 医師・専門家
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恥骨痛とは?

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そもそも「恥骨」とはどの部分でしょう。骨盤の前側にある骨のことで、アンダーヘアーのあるあたりの、体の左右の中心に少し出っ張った部分が「恥骨」です。恥骨は骨盤の一部で、左右の骨盤を前でつなぐ役割をしています。この左右の骨盤をつないでいる部分を「恥骨結合」といいます。

恥骨結合は繊維軟骨結合で大部分がコラーゲンでできています。圧力に抵抗して衝撃を吸収することで、骨同士が接触することのないようにしてくれています。恥骨結合はほとんど動くことのない部分なのですが、妊娠中はお産に向けて、赤ちゃんの頭が産道を通れるように、ホルモンの作用で恥骨結合がゆるんできます。そのため、恥骨部分に痛みを感じやすくなります。

また、1人目のときは恥骨痛がなかったのに2人目のときに恥骨痛で悩まされる方もいらっしゃいます。実は初産婦よりも経産婦のほうが恥骨痛になりやすい原因があります。通常、出産すると赤ちゃんが通って開いた骨盤は6か月ほどで元の位置にまで戻ります。ところが、元にもどりきらなかった場合に、そういう状態で次の妊娠を迎えると、お腹で赤ちゃんが大きくなってくると1人目より早い時期から恥骨結合部分が痛むことがあります。

ちなみに、恥骨痛は女性に多く男性では珍しいです。男性と女性の骨盤の形は少し形が違っていることもありますが、恥骨痛の原因の多くが妊娠中や出産後のホルモン変化が原因で起こるからと考えられます。

妊娠時期別の恥骨痛の特徴

妊娠初期に感じる痛み

「恥骨結合」をゆるませるホルモンは「リラキシン」といって卵巣ホルモンの一種で、妊娠3か月頃から産後まで分泌されます。また、生理中もリラキシンが分泌されて、骨盤、恥骨結合がゆるむことで、経血を排出しやすくなります。

妊娠初期に恥骨痛を感じる場合は、主にこのリラキシンのホルモンの影響で恥骨結合がゆるむことが原因のようです。恥骨のあたりに違和感があったり、少しチクチクするような痛みだったり、比較的軽度なものが多いです。また、経産婦の方やもともと腰痛もちの方が妊娠初期に痛みを感じることが多いようです。

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妊娠中期に感じる痛み

妊娠中期になるとどうでしょうか。子宮は骨盤の中にありますが、その骨盤にしっかりと子宮を固定している「円じん帯」というじん帯があります。円じん帯は左右1本ずつあり、卵管の付け根近くの筋層から始まって、恥骨につながっています。

妊娠中期は急激に子宮のサイズが大きくなる頃です。円じん帯はもともと数センチしかなかったのが、子宮の発育とともにぐんぐんと引き伸ばされて、最終的には30センチほどになります。これが原因で、円じん帯がくっついている足の付け根や恥骨を引っ張られるような痛みが出ます。

初期の痛みとは違って、中期の痛みは、寝返りや立ち上がるときなど、動くたびに辛い痛みを感じるようです。

妊娠後期に感じる痛み

妊娠後期、臨月ともなると、恥骨の痛みはピークを迎えます。お産に向けてリラキシンの影響で骨盤、恥骨結合部分がゆるんできているところに、大きくなったずっしりとした重みの子宮がのしかかった状態です。

歩くと恥骨に激痛を感じたり、足の付け根が痛んだり。股関節が痛くて足を上げられないという方もいらっしゃいます。

恥骨痛の痛みと起こりやすい動作

恥骨痛は妊娠後期ともなると、ズキズキした痛みとなり、酷くなると立ち上がるのもやっとの強い痛みを感じる方もいらっしゃいます。

ではどんな動作をすると恥骨が痛むのでしょうか。椅子から立ち上がろうとしたときに恥骨が痛む。朝、起きようとしたときに恥骨が痛む。寝返りをしようと体を動かしたときに恥骨が痛む、など。おもに、体を動かし始めたときに強烈な痛みが恥骨に出ることが多いようです。

また、恥骨は左右の骨盤を前面でつなぐ役割をしていることからも分かるように、足を動かすと結合部も動くことになり、痛みが出ます。歩行、階段など段差の上り下りや、着替えをするにも足を上げ下ろしするので痛みます。

なお、前に向かって歩くと痛みますが、後ろ歩きをすると痛くないことが多いそうです。前に向かって歩くと足が前に出やすいので、骨盤前部をつなぐ恥骨結合に影響しやすいためと考えられます。家の中では試してみても良いかもしれませんね。

妊娠中の恥骨痛の対処法

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それでは、妊娠中のつらい恥骨痛を緩和するために、日常で気を付けたいポイントや痛みの対処法をご紹介します。

横向きに寝る

特に妊娠後期になると子宮が大きくなり、子宮底はおへその上、場合によってはみぞおちの下あたりまで届いています。この状態で仰向けの姿勢で寝ると、大きな子宮が血管を圧迫して血流を悪くしてしまう可能性があります。負担を軽くするためには、横向きに寝て、足と足の間にクッションや、やわらかい枕などを挟むと痛みが和らぎます。左を下にすると、下大静脈を圧迫しないので良いでしょう。

しかしいつも同じ方向でばかり向いていると下になった側が圧迫されてしまうので、寝るときの向きはこまめに変えたほうが良いです。寝返りをするときは足を閉じて寝返りをうつようにしましょう。両足は閉じたままで、広げないように意識できていると、うっかり恥骨結合が開いて激痛に襲われることがないですよ。

脚を組まない

一般的に、床に直接座るより、椅子に座る方が、痛みが和らぎます。椅子に座るときは、脚を組まないようにしましょう。脚を組むと脚を下ろしたりするときに痛みが出ることもそうですが、脚を組む姿勢そのものが骨盤、恥骨に歪みが出て痛みの原因となります。

なお、座っている時は長時間同じ姿勢を取らないように気を付けて下さいね。30分に一度くらいは立ち上がって伸びをしたりして、体全体の血行が滞らないように注意しましょう

ストレッチを行う

股関節や骨盤周辺のストレッチによって、骨盤周辺の筋肉の張りや歪みを取り除いてあげると、血行が良くなり、恥骨の痛みが緩和されます。ストレッチはお風呂から上がりの血行が良い状態で行うと効果的ですよ。すぐにできる簡単なストレッチを後述の動画にてご紹介します。

温める

体が冷えると血行が悪くなり、痛みを感じやすくなります。入浴は血行が良くなるので、痛みの緩和に効果的です。お風呂の入り方には少し気を付けてください。急に熱いお湯に入らずに、かけ湯やシャワーなどでしずつ温めてからお風呂に入りましょう。温度は38~40度くらい。少し長めにゆったりとつかって体を温めてあげましょう。 しかしながら、妊婦はのぼせやすいので、その点もご注意ください。お湯から出る際にも、急に立ち上がらないようにしましょう。

骨盤矯正ベルトを使う

骨盤矯正ベルトの種類の中には、恥骨痛を緩和してくれるタイプのものもあります。

例えばトコちゃんベルトシリーズにはI、II、IIIとタイプがあり、「トコちゃんベルトI」は、骨盤を開きすぎないように支えるベルトで、恥骨結合をしっかり寄せる働きをします。恥骨結合がゆるんでいるときに効果を発揮してくれます。ただし、こちらの商品は初めて使用する方が上手に着用することが難しいため、必ずトコちゃんベルトアドバイザ―の指導を受けてから使用する必要があります。全国にトコちゃんベルトを扱っている病院や助産院、整体の治療院がありますので気になった方はチェックしてみてください。

骨盤ベルトの使用については、まずはかかりつけの産婦人科の先生にご相談してみてくださいね。

動画でチェック!恥骨痛にオススメの簡単ストレッチとマッサージ5選

恥骨痛におすすすめの簡単ストレッチとマッサージをご紹介します。腰まわりの血行を良くすることで恥骨痛を和らげる効果が期待できます。

腰回し体操

腰痛予防にもなる、腰回し体操をご紹介します。腰まわりの血流改善が期待できます。

1.腰幅に足を開きます。
2.お尻をゆっくりと回転させます。

鼻から吸って口から息を吐きます。この動きで股関節周りの筋肉が伸びます。ポイントは動作をゆっくりと行うことです。右回し5周、左回し5周行います。

猫のポーズ

猫のポーズは、腰痛を防ぎ、猫背を矯正することが期待できます。食後は2時間ほど置いてから行ってくださいね。

①手のひらと膝をついて四つ這いになります。
②両手・両ひざはそれぞれ肩幅ぐらいに
③息を吐きながら背中を上に丸め猫が威嚇するときのポーズを取ります。視線は自分のおへそをのぞきこむようにします。
④おへそをひっぱりあげてもらっているようなイメージでお腹に力をいれてひっこめてキープします。
⑤お腹はひっこめたまま深呼吸しながら30秒キープします。
⑥息を吸いながら天井を見上げゆっくりと背中をそらせます。
⑦深呼吸しながら30秒キープします。

お尻上げ体操

お尻あげ体操はお尻の痛みを和らげてくれます。

①仰向けになります。膝を90度に曲げて立てます。(表現がわかりにくかったので)
②お尻を2cmすーっと上げます。
③ゆっくり力を抜いて足を下げます。
ポイントは力をぬいてすーっと足を上げて、すっとおろすことです。力まず行ってください。

ひざ倒し体操

ひざ倒し体操は腰痛解消にも効果が期待できます。

①仰向けになり、膝を立てて足を肩幅ぐらいに開きます。
②足をゆっくりと左右に倒していきます。肩が浮いてこないように注意します。
③痛みを感じるところでストップしてください。

股関節を使うことを意識して行ってくださいね。恥骨に効かせるには、ひざはごく浅く浮かせて倒すようにすると効果的です。また、お尻が痛い場合は、タオルなどを仙骨(お尻の真ん中あたり、尾てい骨の上)周囲に当てるとよいです。

足の付け根のマッサージ

①仰向けに寝ます。
②足の付け根と恥骨のあたりに手をおきます。
③恥骨の周りをゆっくりとさすります。

恥骨痛で病院を受診する目安

恥骨痛がひどくなっていったり、激しい痛みを伴うようでしたら、妊娠中だから仕方がないと我慢せずに、まずはかかりつけの産婦人科の先生に相談してみてくださいね。恥骨痛に効果的なマッサージやストレッチ、骨盤矯正ベルトなどアドバイスを頂ける可能性があります。もし、適切なアドバイスが得られなかったり、恥骨痛の改善が期待できなさそうだったりしたら、整体などの病院を受診してみても良いかもしれません。

また、出産で開いた骨盤は、産後は6ヶ月ほどかけてゆっくりと元の位置に閉じて恥骨結合のゆるみも改善します。これにより通常、恥骨痛はなくなります。しかし、このときに骨盤左右のバランスが崩れていて、骨盤および恥骨結合が正常な位置に戻らず、恥骨痛がつづくケースもあるようです。産後に恥骨痛が改善されていかないようでしたら、早めに整体などを受診されることをおすすめします。

恥骨痛は我慢しないで産婦人科の先生に早めの相談を!

妊娠期間中は早めに産婦人科の先生にご相談を

妊娠初期の恥骨痛は違和感がある程度だったのが、中期から後期に向けて歩くのも困難なほどひどい痛みになり、日常生活に支障をきたすことも珍しくないようです。早い段階で産婦人科の先生とお話して、妊娠後期に向けて恥骨痛が悪化しないよう体をケアしてくださいね。

産後の過ごし方に気を付けましょう

産後は開いた骨盤が左右対称に元の位置にゆっくりと戻る大事な期間です。産後すぐは赤ちゃんが生まれて間もなく余裕がない頃ではありますが、大事なママの体ですので、骨盤にゆがみがでないように姿勢に気を付けて過ごすようにしましょう。横座りや椅子で脚を組むことは意識してやめましょう。骨盤ベルトなどを使って骨盤ケアをしてあげるのも良いでしょう。

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