更新日:2017年09月04日

黄体機能不全ってどんな病気?妊娠への影響は?症状と原因、治療法、自分でできる予防法を解説

「黄体機能不全(おうたいきのうふぜん)」という病気をご存じですか。黄体機能不全は、不妊につながる可能性があるといわれており、妊娠を希望する女性にとっては気になる病気のひとつかもしれません。今回は、黄体機能不全の症状や原因、治療法、自分でできる黄体機能不全の予防法や体質改善の方法を解説します。

監修 : mamanoko 医師・専門家
10664
0

黄体機能不全とは?

Image

「黄体機能不全」とは、黄体(=排卵後の卵胞が変化したもの)が正常に機能していない状態のことを言います。

黄体には、黄体ホルモン(プロゲステロン)や少量の卵胞ホルモン(エストロゲン)を分泌し、子宮内膜を厚くしたりやわらかくしたりする働きがあります。黄体機能不全になるとこれらのホルモンの分泌量が低下してしまい、さまざまな症状がでてきます。

黄体機能不全の症状は?

生理周期(月経周期)が短くなる

黄体機能不全になると、黄体ホルモンの量が少なくなってしまいます。そのため、排卵後から生理がはじまるまでの期間(黄体期)が短くなります。黄体期が短くなると、生理周期全体も短くなるため、生理が早く来るようになります。

成人女性の正常な生理周期は25日~38日といわれています。生理周期が24日以下になってしまった場合には、黄体機能不全が原因になっている可能性があるため注意しましょう。

生理前の症状が軽い

生理前は、イライラや微熱、胸の張り、眠気など、生理前特有の症状を感じる人は少なくありません。排卵後、生理がはじまるまでの期間は黄体ホルモンが増加するため、このような症状が起こりやすくなっています。

黄体機能不全になると、黄体ホルモンの分泌量が低下するため、生理前特有の症状が起こらなくなったり、症状が軽くなったりする傾向があります。

機能性出血がある

機能性出血は、生理でないのに出血してしまう不正出血の一種で、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌の乱れが原因で起こります。生理が来るはずのない時期に出血がある場合には、機能性出血の可能性があります。一見生理のようにも見え、生理が来たと勘違いしてしまう場合があるため、注意しましょう。

Mobile favicon

生理周期が短いのは病気?年齢の影響?頻発月経の原因と治療法・予防法

黄体機能不全の原因

Image

黄体機能不全はどのようにして発症するのでしょうか。黄体機能不全は、さまざまな原因が重なって起こるといわれています。詳細はまだ解明されていませんが、主に以下のような原因があると考えられています。

卵胞刺激ホルモンの分泌低下

「卵胞刺激ホルモン」は、卵胞の発育を促すホルモンです。卵胞刺激ホルモンの分泌が低下すると、卵胞がしっかりと成熟しないため、卵胞が変化したあとの黄体も、機能が不十分である可能性があります。

黄体形成ホルモンの分泌低下

「黄体形成ホルモン」は脳の下垂体から分泌され、排卵を促すとともに、卵胞ホルモンや黄体ホルモンの分泌を促進するホルモンです。卵胞が成熟したあと、排卵の前に分泌されます。黄体形成ホルモンの分泌量が減少すると、黄体から卵胞ホルモンや黄体ホルモンが分泌されにくくなり、黄体機能不全につながる恐れがあります。

子宮内膜の感受性の低下

卵胞ホルモンや黄体ホルモンが分泌されていても、子宮内膜がホルモンを受容できなければ、厚くてやわらかい子宮内膜にはなりません。子宮内膜のホルモンを感受する能力が低下したりしているために、卵胞ホルモンや黄体ホルモンが正常に機能していない可能性があります。

黄体機能不全になると、基礎体温はどうなる?

高温期が10日未満

黄体ホルモンには体温を上昇させる働きがあるため、黄体機能不全によって黄体ホルモンの分泌量が減少すると、体温が上昇しにくくなります。そのため高温期が10日未満と短くなったり、高温期の体温が安定しなかったりします。

低温期と高温期の温度差が0.3℃未満 

黄体機能不全になると高温期の温度が低くなるため、低温期との差が小さくなります。低温期と高温期の正常な温度差はおおよそ0.3℃~0.5℃といわれているため、温度差が0.3℃未満の場合は黄体機能不全の可能性があります。

ただし、排卵が起こらない「無排卵月経」になっている場合にも、低温期と高温期の温度差が小さくなります。「高温期が短いこと」「温度差が小さいこと」の両方を満たしているか確認しましょう。

妊娠への影響は?

Image

妊娠を希望する人にとって特に気になるのが、妊娠への影響ですよね。黄体機能不全になると、妊娠にどのような影響があるのでしょうか。

不妊につながる可能性がある

黄体機能不全は、不妊の原因となる可能性があります。黄体機能不全になると、子宮内膜を厚くしたりやわらかくしたりするホルモンの働きが鈍り、受精卵が着床しにくくなってしまう場合があるためです。

流産しやすくなる可能性がある

黄体ホルモンは、着床だけでなく、妊娠状態を正常に維持するために必要な子宮内の免疫機構にも深くかかわっています。そのため、間接的に流産の原因になっている場合も考えられます。

・妊娠を望む人は早めに治療を
黄体機能不全は不妊や流産につながり得る病気のひとつです。妊娠を望む人は、黄体機能不全の疑いがある場合にはすみやかに病院に行き、検査してもらいましょう。適切な時期にしっかりと治療を行えば、妊娠することは可能です。将来を見据えて早めに治療をはじめたいですね。

黄体機能不全はどうやって検査する?

Image

黄体機能不全かどうかを知るために、病院ではどのような診察や検査が行われるのでしょうか。

基礎体温表による問診

黄体機能不全の可能性がある場合、病院で最初に確認されるのは、生理周期や高温期の長さなど基礎体温に関する情報です。基礎体温をつける習慣をつけ、自分の体温変化の特徴を知っておくと良いでしょう。病院に基礎体温表を持参すれば、医師の判断材料になります。基礎体温のデータがない場合は診察や治療がしづらいので、必ず記録し持っていくようにしましょう。

血液検査

血液を採取し、黄体ホルモンなどのホルモン量を調べる方法があります。黄体ホルモンの量が排卵後5-7日目あたりで10ng(ナノグラム)/mL以下の場合には、黄体機能不全と診断される可能性があります。

子宮内膜組織検査

子宮内膜の組織の一部を切り取り、細胞が正常に成長しているかどうかを検査する方法があります。この検査は「子宮内膜組織検査」と呼ばれ、高温期の間に行われます。超音波検査で子宮内膜の画像診断を行うこともあります。

Mobile favicon

ホルモン検査の費用や時期、方法は?不妊や生理不順の原因がわかる?

黄体機能不全の治療法、使用する薬は?

Image

黄体機能不全の治療はどのように行うのでしょうか。治療法や使用する薬について解説します。

ホルモン剤を投与する

黄体ホルモン(プロゲステロン)などの足りないホルモンを投与することで、ホルモンバランスを整える方法があります。黄体ホルモンを補う薬は、「プロゲストン」と呼ばれ、飲み薬と注射の2つのタイプがあります。

排卵誘発剤を投与する 

排卵誘発剤で卵胞の成熟を促す方法もあります。黄体は排卵後の卵胞が変化したものなので、卵胞をしっかりと育てることは黄体の機能を高めることにつながります。

排卵誘発剤にも飲み薬と注射の2つのタイプがあり、一般的によく使用されている薬は、「クロミフェン」あるいは「クロミッド」と呼ばれる飲み薬です。

漢方を使った治療も

ホルモン剤や排卵誘発剤による治療がほとんどですが、漢方を使用して体質改善を行う場合もあるようです。黄体機能不全の場合に処方される漢方としては、生殖や成長にかかわるものや血行を促進する作用を持つものなどが考えられます。医師の指示に従って服用しましょう。

Mobile favicon

女性ホルモン剤との正しい付き合い方!種類と効果、副作用は?

黄体機能不全の改善・予防法、自分でできる対策は?

Image

黄体機能不全を改善したり、予防したりするためには、日々の生活の中でどのようなことに気をつけると良いのでしょうか。

身体を冷やさない格好をする

子宮や卵巣の機能を正常に保つためには、身体をできるだけ冷やさないようにすることが大切です。特に、下半身が冷えると子宮や卵巣の血行が悪くなり、機能が低下する原因になりえます。腹巻やタイツ、靴下などで身体を温め、露出の多い格好は控えるようにしましょう。

身体を冷やす食べ物を控える 

身体を温めるために、身体を冷やす食べ物は控えるようにしましょう。温かい飲み物を飲むように心がけることに加え、食事ではスープや味噌汁をメニューに取り入れるなどして、血行を促進すると良いでしょう。

ビタミンEを摂取する

黄体機能不全の改善に役立つといわれている栄養素のひとつに、ビタミンEがあります。ビタミンEは、女性ホルモンの分泌を助ける働きがあるため、子宮や卵巣の機能を正常に保つために大切な栄養素です。

ビタミンEが豊富な食材としては、小松菜やほうれん草、アスパラガス、かぼちゃ、アボガド、アーモンド、落花生、卵、納豆などがあります。日々の食事に少しずつ取り入れてみてはいかがでしょうか。

ホルモンの分泌を促す成分を摂取する

血行を促進する作用やホルモンバランスを整える作用を持つ成分を摂取することも、子宮や卵巣の機能を高める効果が期待できます。具体的には、葉酸や亜鉛、マカという植物に含まれる成分などを摂取するのがおすすめです。食事では摂取しにくいものは、サプリで補うと良いでしょう。

ストレスをためすぎない

ストレスをためすぎると脳や神経に負荷がかかり、ホルモンの分泌量が減ったり、ホルモンバランスが不安定になったりすることがあります。普段からストレスをためすぎないように心がけ、疲れたときには無理をしないようにしましょう。

十分な睡眠をとる

十分な睡眠をとって神経を休めることは、冷え症の改善やストレス解消に役立ちます。1日7時間程度は睡眠時間をとり、身体をしっかりと休めましょう。

適度な運動をする

運動すると、血行が促進されて体温が上昇するのはもちろんのこと、適度な運動を続けることで筋肉がつくため、血行がより促進されます。簡単にできる筋肉トレーニングやウォーキング・ランニングなどからはじめてみてはいかがでしょうか。

身体の異常に早く気付き、体質改善と治療を

Image

黄体機能不全は症状がわかりにくく、注意していなければ見逃してしまう可能性もある病気です。基礎体温をつけて自分の生理周期や体温の変化を知ることで、早く異常に気付けるようにしておきましょう。

子宮や卵巣を健康な状態に保つことは、黄体機能不全に限らず、さまざまな生殖機能にかかわる病気の予防につながります。身体を冷やさないことや、睡眠不足や運動不足を解消することなど、基本的なことから実践してみましょう。

あわせて読みたい

Image

女性ホルモンの働きとは?ホルモンバランスを整えるにはどうすればいい?

Mobile faviconhttps://mamanoko.jp/articles/28337
Image

女性ホルモンの分泌を増やしたい!効果的な食事やサプリメントは?

Mobile faviconhttps://mamanoko.jp/articles/28340
Image

生理ではないのに、生理痛のような痛みが起こる原因は?

Mobile faviconhttps://mamanoko.jp/articles/18914

関連する人気の記事

妊活・不妊のカテゴリ

妊活・不妊 デイリーランキング

おすすめの記事