生理後のおりものはどう変化する…?異常なおりものの見分け方についても解説!

生理後におりものが増えたり、においがきつくなったり、血が混じったりして心配になったことがある人も多いでしょう。生理後のおりものは、普段のおりものとどう違うのでしょうか。ここでは、生理後のおりもののにおいの特徴や血が混じる原因、異常なおりものの見分け方を解説します。

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この記事の監修

藤東 淳也
産婦人科医
藤東 淳也

目次

  1. おりものとは?どんな役割がある?
  2. 生理後のおりものは多い?においや状態の特徴は?
  3. 血が混じると異常…?茶色やピンクのおりものは?
  4. 生理後に茶色いおりものが続くのは病気?
  5. 生理後に注意すべきおりものの特徴
  6. 生理後のおりものをケアするには?
  7. 生理後のおりものと上手に付き合おう
  8. あわせて読みたい

おりものとは?どんな役割がある?

おりものは女性ホルモンのはたらきによって分泌される液体で、子宮や腟、汗腺などからの分泌物や細胞から分泌された粘液が集まって出てきたものです。実はおりものには、女性の身体の健康や妊娠をサポートする大切な役割があります。

自浄作用で細菌から身体を守る

おりものの大事な役割のひとつに「自浄作用」があります。おりものは自浄作用によって細菌から女性の身体を守り、清潔でうるおいのある腟を保ちます。

精子を助けて受精しやすくする

おりもののもうひとつの役割として、排卵期に受精を促す働きがあります。排卵期におりものが増えてゼリーや卵白のように伸びやすい状態になり、精子が卵子のもとにたどり着きやすい環境をつくってくれます。

生理後のおりものは多い?においや状態の特徴は?

おりものは女性ホルモンのはたらきによって分泌量やにおい、状態が変化します。生理後のおりものにはどのような特徴があるのでしょうか。

排卵期に近づくとおりものの量が増える

生理後すぐのおりものは量が少ない場合が多いですが、生理後1週間~2週間かけて増加していきます。生理周期の中間ごろにある排卵期には、おりものの量がもっとも多くなります。

生理直後はにおいが強くなることもある

生理直後におりものがくさいと感じたことはないでしょうか。これは、陰部の雑菌や生理後も体内に残っている経血の影響を受けているためです。生理後しばらくするとにおいが弱くなり、生理直前になると再び強くなる傾向があります。

通常のおりものは少し酸っぱいにおいがする場合が多いですが、細菌が繁殖すると腐ったようなにおいがすることがあるでしょう。生理直後のおりものは、血液のにおいや生臭さが強い場合があり、不快に感じる人もいるかもしれません。

水っぽくてさらっとしたおりものが出やすい

生理後のおりものは、水っぽくてさらっとしている場合が多いでしょう。排卵期になるとおりものがゼリーや卵白のようにとろっとした状態になり、排卵期を終えると粘り気のあるおりものが出やすくなるといわれています。

血が混じると異常…?茶色やピンクのおりものは?

生理直後はおりものに血が混じることがある

生理直後におりものに血が混じっていて驚いたことはありませんか。生理直後は、体内に残った経血がおりものに混じって出てくる場合があります。生理後しばらくして血が混じらなくなるようであれば、生理が影響している可能性が高いため気にする必要はないでしょう。

生理直後のおりものが茶色やピンクになることもある

通常のおりものは透明や白、クリーム色ですが、生理の経血が体内で酸化すると、茶色に変色しておりものに混ざる場合もあるでしょう。また、経血の赤褐色がおりものの白と混ざり、ピンク色のおりものが出る可能性もあります。

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生理後に茶色いおりものが続くのは病気?

生理後はおりものが茶色くなりやすいタイミングですが、病気が原因でおりものが茶色く変色している可能性も考えられます。以下のポイントに注意して、異常なおりものを見分けましょう。病気の疑いがある場合は病院を受診してください。

生理後に茶色いおりものが長期間続く場合は注意

生理後におりものが茶色くなるのは生理の影響の場合が多いですが、数週間にわたって茶色いおりものが続くときには注意しましょう。「黄体機能不全」や「無排卵月経」といった女性ホルモンにかかわる病気や腟・子宮の病気が原因で、不正出血を起こしているかもしれません。

生理後の茶色いおりものの量やにおい、状態もチェックしよう

生理後に茶色いおりものが出た場合には、色だけでなく、量やにおい、状態も確かめると良いでしょう。茶色いおりものが大量に出る、明らかに強い悪臭がする、おりものが膿状に見える、といった変化があるときは、生理以外の原因がある可能性が高いと考えられます。

下腹痛や性交時出血、陰部のかゆみがあるときは病気の可能性大

病気になると、おりものの変化に加え、下腹痛や性交時痛、排尿痛・排便痛、性交時出血、発熱、陰部のかゆみといった症状があらわれる場合があります。これらの症状があるかどうかも確かめておきましょう。

生理後に注意すべきおりものの特徴

白く濁り、カッテージチーズのようにボロボロする

カンジダ腟炎にかかっている可能性があります。カンジダ腟炎は免疫力が低下するとかかりやすくなる病気で、おりものの状態が変化することに加え、陰部のかゆみや刺激感を伴う場合が多いでしょう。

黄緑や鮮やかな黄色、灰色になる

トリコモナス腟炎や淋菌感染症(淋病)、性器クラミジア感染症、細菌性腟症(非特異性腟炎)にかかっているかもしれません。病気によっては下腹部痛や性交時痛、不正出血、発熱といった症状を伴う場合があるでしょう。

おりものからいつもと違うにおいがする、悪臭がする

子宮がんや子宮頸管ポリープ、萎縮性腟炎、細菌性腟症、トリコモナス腟炎、淋菌感染症になると、おりものから悪臭がする可能性があります。細菌性腟症の場合には、魚が腐ったようなにおいがすると感じる場合もあります。

泡状や膿状になる、水っぽくなる

おりものの状態の変化にも注意しましょう。泡状のおりものが出る場合はトリコモナス腟炎、膿状のおりものが出る場合は淋菌感染症や子宮体がん、水っぽいおりものが大量に出る場合には性器クラミジア感染症の可能性があります。ほかの症状とあわせて確認しましょう。

生理後のおりものをケアするには?

生理後におりものが茶色くなると、下着が汚れてしまうのが困りものですよね。気持ち悪く感じたり、洗濯が面倒に思えたりする人も多いのではないでしょうか。また、においが強くて気になってしまう人もいるかもしれません。生理後のおりものはどのようにケアすると良いのでしょうか。

おりものシート(パンティライナー)を使用する

おりものが下着に直接つくのを避けるためには、おりもの専用のシートを使用すると便利です。長時間放っておくとおりものに細菌が繁殖して臭くなる可能性があるため、おりものシートを使用する場合はこまめに取り換えましょう。においが気になる人は、デオトラント効果のあるおりものシートを使うと良いでしょう。

洗いすぎない程度に陰部を洗う

腟内に残った経血や陰部に付着した経血・雑菌を洗い流し、清潔な状態を保ちましょう。ただし、洗いすぎると腟が乾燥したり、「自浄作用」が低下してしまったりする可能性があります。汚れが気になるときだけ優しくぬるま湯で洗い流し、石鹸を1日に何度も使用するのは控えましょう。デリケートゾーン専用の石鹸を使用するのもおすすめです。

通気性の良い服装を心がける

ぴったりとしたズボンなど通気性の悪い服を着ると、下着の中が蒸れて細菌が繁殖し、おりものが臭くなったり、陰部がかぶれてかゆくなったりするかもしれません。できるだけ通気性の良い服装をするように心がけましょう。

生理後のおりものと上手に付き合おう

生理後のおりものは、身体が健康かどうかを教えてくれるバロメーターになります。生理後に茶色いおりものが出たときには、おりもの色以外の変化にも敏感になり、生理後の一般的な変化かどうかを見極めましょう。

自分の生理周期をしっかりと把握し、おりものの変化を予想できるようにしておくことも大切です。おりものが多くなるときに備えておりものシートを用意するなど、おりものと上手に付き合えると良いですね。

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