更新日:2017年08月10日

赤ちゃんの核黄疸とは?原因・症状・対処法をご紹介

肌や目の白目部分が黄色くなる「黄疸」をご存じですか。生まれたばかりの赤ちゃんのほとんどに黄疸が現れるのですが、まだまだ未熟な赤ちゃんの生理的な現象が原因です。ほとんどは自然に消失していきます。しかし中には黄疸が悪化して「核黄疸」にいたってしまうことも……。核黄疸について原因や症状、対処法をご紹介します。

監修 : mamanoko 医師・専門家
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目次

    核黄疸とは?

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    生理的な黄疸は多くの新生児に見られる

    「核黄疸」を説明する前にまずは「黄疸」について説明します。黄疸はほとんどの赤ちゃんに見られるもので、血液中にビリルビンが増加することによって肌の色や白目が黄色くなる症状のことをいいます。ビリルビンは古くなった赤血球が壊れるときに出てくる物質で、肝臓で処理され身体の外へ排出されます。
    お母さんのお腹に赤ちゃんがいる時には私たち大人と比べると赤血球の数が多いです(多血と言います)。出産と共に一部の赤血球は赤ちゃんにとって必要ではなくなり、多くの赤血球が壊されビリルビンが大量に作られることになります。こうした赤ちゃん特有の赤血球にまつわる特徴もあり、肝臓でのビリルビンの処理が間にあわないために、黄疸を起こしやすいのです。このような生理的な黄疸が新生児には特に多く「新生児黄疸」と呼ばれます。

    核黄疸はビリルビンが脳に流れ込んだ結果起こる

    生理的な黄疸である新生児黄疸は生後4日前後でピークを迎え、産院を退院される1週間辺りを境に徐々に引いていくので心配する必要はありません。

    生理的な範囲でのビリルビンは、血液中から脳へうつり悪影響を及ぼすことはありません。しかし血中のビリルビン濃度が急激に増えると「核黄疸」になってしまうリスクが高まります。過剰なビリルビンは脳細胞に悪影響をおよぼし、核黄疸と呼ばれる病気を引き起こします。新生児の黄疸が悪化した場合は適切な治療を開始し、核黄疸にならないよう予防することが重要です。

    核黄疸の原因は?

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    生理的な黄疸の悪化

    核黄疸の原因のひとつは、新生児黄疸など生理的な黄疸が悪化した場合です。血中のビリルビン濃度が急激に上がり、正常値を超えて「高ビリルビン血症」となった場合は注意が必要です。日本人を含むアジア人では、遺伝的な背景から欧米人と比較して黄疸が強くなりやすいとも言われています。これは決して病気のせいで黄疸が強いという意味ではなく、日本人特有の体質的なものです。

    溶血症や多血症

    黄疸は、溶血症や多血症が原因となる場合があります。溶血は病的に赤血球が壊れることで、ママと胎児の「血液型不適合」や赤血球そのものの異常によって起こります。

    また多血症は赤血球が多くなる病気なので、壊れる赤血球もその分増えます。壊れた赤血球が増えれば、よりビリルビンの処理が間に合わないので高ビリルビン血症となってしまうのです。

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    肝機能異常

    ビリルビンの代謝機能を低下させる肝臓の病気や、先天性の代謝異常も高ビリルビン血症を引き起こします。肝機能が低下すればビリルビンの処理能力も低くなります。その結果、高ビリルビン血症を引き起こし、黄疸が悪化するため核黄疸へのリスクが高まるのです。

    核黄疸の症状は?

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    発症してから数日の症状

    血液中のビリルビンが過剰に高い場合には黄疸として認識されますが、黄疸を発症してから2~3日の症状は母乳の飲みが悪かったり、常に眠たそうにしていたり、手足がぶらぶらと動いて筋肉の緊張が低下したりします。赤ちゃんがぐったりとしていて、いつもより元気がないような状態です。この段階で治療を始めると後遺症のリスクは減ります。

    病的な黄疸に気づかず症状が悪化すると

    黄疸を発症していることに気づかずに発症から3日~1週間を経過すると、発熱や甲高い泣き声、痙攣や黒目が下まぶたに隠れてしまう落陽現象などがあらわれます。こうした急性期の症状が放置されると中には亡くなることもありますし、脳性まひや難聴などの後遺症が残ることがあるので注意が必要です

    後遺症は残る?

    核黄疸では脳性まひや難聴、知的障害などの後遺症が残る可能性が高いといわれています。後遺症を残さないために、黄疸を発症してから2~3日のうちに気づき、速やかに治療を開始することが望まれます。

    受診の目安

    核黄疸を発症させないためには、病的な黄疸に対して早期発見、早期治療をすること大切です。日本における多くの病院では、赤ちゃんが出生してから数日間定期的に黄疸のチェックが行われ、核黄疸の要望につなげるようになっています。しかし、何かのきっかけで退院に黄疸が増強してきて核黄疸を引き起こしうることもない訳ではありません。早期に治療介入することが望ましいことから、肌や白目が黄色くなる症状がひどくなってしまったとき、黄疸とともに発熱があるとき、母乳やミルクの飲みが悪くなった時などでは、早期に病院を受診するようにしましょう。

    また白い便が出た場合は、胆道閉鎖症によって黄疸が出ている可能性もあるので、早めに受診するようにしましょう。

    核黄疸の対処法

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    光線療法

    核黄疸になってしまうと治療が難しいので、黄疸が悪化する前にビリルビン値を下げるなどの予防をする必要があります。ビリルビン値を下げる治療法は「光線療法」です。

    光線療法は新生児を裸にして強い光を当てて行われます。強い光を当てるとビリルビンはサイクロビリルビンへと変化します。サイクロビリルビンは尿によって身体の外に出されるのでビリルビン値を下げるのに有効です。

    交換輸血

    光線療法で効果が得られないときは交換輸血が行われます。交換輸血ではビリルビンが大量に存在する新生児の血液をゆっくりと体外に出し、その代わりに正常量のビリルビンを含む血液を赤ちゃんに輸血する治療法です。

    後遺症が残ってしまったら

    脳性まひなどの後遺症が残ってしまった場合は、早期に診断し、早い段階からリハビリを行うことが重要です。

    核黄疸は予防できる

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    核黄疸はビリルビン値が規定の範囲を超えた場合に適切な治療を行えば、未然に防ぐことができます。日本では一般的に赤ちゃんが生まれてから退院まで、病院できちんと検査をしているので、核黄疸になる前に病的な黄疸を早期発見することが可能です。

    核黄疸は早期発見・早期治療を

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    核黄疸は予防することができます。そのためには早期発見、早期治療が重要です。赤ちゃんが生まれてからしばらくの入院中は、病院で検査をしてくれているので適切な処置を行ってもらえますが、退院してからは身近にいるママやパパがその変化に気づくことが何よりも大切です。

    黄疸の症状が強く出てきた場合や黄疸とともに発熱があり赤ちゃんの様子がいつもと違う場合は速やかに医療機関を受診しましょう。

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