赤ちゃんが言葉をしゃべれるようになるのはいつごろ?月齢別の目安や練習方法を解説

かわいい赤ちゃんの声を聞くと、早く一緒におしゃべりがしたくなりますよね。赤ちゃんの言葉の発達は個人差が大きく、話せるようになる時期が気になる方も多いでしょう。ここでは、言葉をしゃべれるようになる月齢の目安、言葉が遅いときの原因など赤ちゃんの言葉について解説します。また、言葉の発達をうながす練習方法を紹介します。

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この記事の監修

河井 恵美
助産師・保育士
河井 恵美

目次

  1. 赤ちゃんが言葉を話すのはいつから?
  2. 赤ちゃんの月齢別の様子と言葉の発達
  3. 赤ちゃんの言葉が遅れていると感じたら?
  4. 赤ちゃんの言葉をうながす接し方
  5. 赤ちゃんの言葉に関する注意点
  6. 楽しみながらコミュニケーションを取ろう

赤ちゃんが言葉を話すのはいつから?

始めは泣いてばかりいた赤ちゃんも、そのうち声を出して話し始めます。「アー」「ウー」などの片言で、母音のみを発することを「クーイング」と言い、生後1ヶ月ごろから発し始めます。また、「アウアウ」などの母音を組み合わせた言葉や「バブバブ」などの子音を含んだ多音節の音を喃語(なんご)と言います。生後4~5ヶ月ごろから喃語を話し始める子どももいるでしょう。

赤ちゃんの月齢別の様子と言葉の発達

赤ちゃんはどのように言葉を身につけていくのでしょうか。ここでは、月齢別の赤ちゃんの言葉の発達の目安をご紹介します。

ただし、赤ちゃんによって言葉の発達には大きく個人差があります。しゃべるのが好きな赤ちゃん、動くのが好きな赤ちゃんなど、赤ちゃんの個性によって発達のスピードは異なります。

0~2ヶ月

機嫌が良いときや、周囲への反応で、「アー」「クー」などのクーイングを発するかもしれません。赤ちゃんによっては「ギャー」「グー」などの叫ぶような声で話すこともあります。クーイングには意味がないように思えますが、要求を表していることもあるようです。

たとえば、抱っこをしているときはおとなしいのに、寝かせようとすると「アー」と叫ぶときは、もっと抱っこしていてほしいのかもしれませんね。

3~5ヶ月

生後3~5ヶ月の赤ちゃんは泣くことが少なくなり、音を発する機会が増えます。クーイングだけでなく、周りの人の声に反応して言葉を発したり、喃語を使い始めたり、自分の名前を認識し始める赤ちゃんもいるでしょう。

また、このころから名前を呼ばれると反応することがあるかもしれません。自分の名前を手掛かりに、他の単語も聞き分けられるようになるので、赤ちゃんの名前をたくさん呼んで語りかけてあげましょう。

6~8ヶ月

生後6~8ヶ月ごろは離乳食開始の時期と重なり、食べることで口の周りの筋肉や下の動きが促されることから、喃語を発することも活発になってくるでしょう。言葉の発達が早い赤ちゃんの場合、7ヶ月ごろには「ダダダ」「パパ」などの濁音や半濁音も話せるようになったり、8ヶ月ごろには「ママ」と言ったり、長い連続音の音まねをしたりするかもしれません。喃語にはあまり意味がなく、赤ちゃんがひとりでいるときにも話していることがあります。

9~12ヶ月

喃語が減っていくかわりに、指を指しながら「んっん」などと意思表示することが増えるかもしれません。声に抑揚がつき、母音や子音を織り交ぜ、一連の音を発することができる赤ちゃんも出てきます。10ヶ月ごろには身振りや手ぶりを多用しながら声を出す赤ちゃんもいるでしょう。好きな音やお気に入りの言葉を繰り返し何度も発する赤ちゃんも少なくありません。

1歳以降

少しずつ言葉を理解し始め、自働車を「ブーブー」、犬を「ワンワン」などと表現するようになるでしょう。1歳半~2歳ごろには、「ママ、とって」「ごはん、おいしい」などの単語と単語をあわせた2語文が作れるようになる子どももいるでしょう。言われたことを理解できるようになるにつれて、だんだんと言葉が文章になっていきます。

赤ちゃんの言葉が遅れていると感じたら?

言葉の発達には個人差がある

赤ちゃんは、首がすわる時期までは口の幅が狭く、発音するスペースも小さいので、ママがはっきりとわかる喃語は出ません。つまり、身体の発達状態によって言葉も左右されるため、スタートには個人差があります。喃語が出るのが早いとおしゃべりのスタートも早いイメージがありますが、必ずしも早いとはいえません。

早いと11ヶ月で単語を話す子もいますが、2歳を過ぎてから話し始める子も珍しくありません。赤ちゃんによって1年以上も幅があるので、焦らずゆっくり見守りましょう。

言葉の遅れの原因

一般的に、1歳半ごろに意味を伴う言葉を2つ以下しか話さなかったり、簡単な指示の理解ができなかったりする、あるいは3歳で2語文が出なかったりするときは、言葉が遅れていると判断されることがあります。言葉の遅れの原因は、大きく分けて4つあります。

(1)言われることは理解できているが、話すことが遅れている
「絵本を持ってきて」と頼むと持ってくる、要求を身振りで表現する、聞かれたことにうなずくなど、意味は理解していそうなのに言葉が出ない状態です。このケースは単に話すことが遅れているケースで、3歳を過ぎたころから少しずつ話し始めます。運動発達が正常で社会性もあり、情緒も落ち着いているのが特徴です。小学校に上がるころまでには、言葉の問題はなくなるでしょう。

(2)言語の理解度が低く、言葉が遅れている
言葉の意味がよくわかっておらず、言葉がなかなか出ない子どももいます。わかりやすい言葉で話したり、身体を動かすように促したりすること、いろいろな遊びや他の子どもとの交流をきっかけに刺激を受け、言葉が出てくることが多いでしょう。

(3)聴覚に問題がある
難聴や聴覚障害で音が聞きづらく、言葉が遅れることがあります。軽度の難聴の場合は、近くで声をかければ子どもが振り向くため、気づきにくいものですが、言葉の発達を遅らせる原因となります。大きな音にびっくりしない、音の出るおもちゃに反応しない、後ろから名前を呼んでも振り向かないなどの傾向があれば受診しましょう。

(4)発達障害や知的障害など、器質的な疾患
発達障害や知的障害、学習障害など病名がついているものと、正常範囲の遅れははっきり区別できないことも多く、診断することより個別に見守り対応することが大切です。まれに脳の器質的な異常やホルモンや代謝疾患が、発達障害や知的障害の原因となることがあります。

原因別の対策

言葉が遅れている原因別の対策は以下のとおりです。

(1)言われることは理解できているが、話すことが遅れている
自分の知っている言葉で伝えようとする意思はあるため、大人が誘導して表現すると、次のときには誘導された言葉を使って話すことができます。時期が来れば話す言葉も増えるので、気長に待つことが大切です。たくさん話しかけていろいろなパターンの言い回しを教えてあげましょう。また子供が話そうとしている時は、焦らさず時間をかけて聞くようにしましょう。上手く伝えられないことに子供が劣等感を抱かないように、いらいらせずに何度も話を聞き、共感し、褒めてあげましょう。

(2)言語の理解度が低く、言葉が遅れている
できることが増えたり、いろいろな事柄を理解できるようになったりすると、関連した言葉の意味を理解し始めます。身体を動かす、身の回りのことを自分でできるようにする、たくさんの人と触れ合って遊ぶなど、多くのことを経験させてあげましょう。

(3)聴覚に問題がある
先天性の難聴だけでなく、おたふくかぜによる難聴、肺炎の薬による難聴、中耳炎、などさまざまな原因があります。聴覚に問題があると感じたときは早めに受診しましょう。早い時期に気づき補聴器を使用したり、適切な訓練を受けたりすることで、言葉の発達を促すことができます。

(4)発達障害や知的障害など、器質的な疾患
極端に言葉が遅かったり、対人関係や日常生活、運動、理解度などに困難を感じたら、かかりつけの病院に相談してみましょう。

言葉が遅いと感じたときのチェック方法

言葉が遅いと感じたときに以下のようなことを試してみましょう。様子がおかしいと感じたら速やかに受診し、チェック方法と結果を医師に相談してみましょう。

・離れたところから名前を呼ぶ
振り向けば耳は聞こえている、名前を認識していると理解して良いでしょう。振り向かないときは、名前以外の言葉で話しかけてみてください。それでも振り向かないときは耳の異常があるかもしれません。

・顔を覗き込んで名前を呼ぶ
聞こえていても、気まぐれで反応しないこともあります。子どもの顔を覗き込んで名前を呼んでみましょう。顔を上げたり反応したりすれば、聞こえていると理解して良いでしょう。反応しないときは耳の異常が考えられます。

言葉の遅れに必要な検査

言葉の遅れの原因によって検査は異なりますが、主な検査は以下のとおりです。

・難聴の検査
生まれつきの難聴や中耳炎が原因で言葉が遅れていることがあります。難聴のときは、判明したらすぐに補聴器をつけたり聴能訓練を始めたりする必要があります。早めの対策が肝心なので、次の健診を待たず、聞こえが悪いと感じたときは耳鼻科を受診してみましょう。

・脳の検査
病気や障害が疑われる場合に、頭のCTやMRI、脳波検査で脳の器質的な異常やてんかんを調べることもあります。

・発達全体の検査
知能の発達を調べる知能検査と、運動機能や日常生活の基本習慣、理解度、対人面での発達を調べる発達検査があります。専門機関で調べることができますが、まずはかかりつけの小児科で相談し、医師の判断で適した専門機関を紹介してもらいましょう。

・血液検査
血液検査で、発達の遅れをきたす病気の診断に必要な検査をします。甲状腺ホルモンの異常などが原因であれば、薬の内服によって発達の改善が見込めます。

赤ちゃんの言葉をうながす接し方

赤ちゃんは真似することが得意です。大人がいろいろな方法で話しかけてあげると、次にその言葉を使って表現してくれることがあります。言葉をかける方法はたくさんあります。以下のような方法で、赤ちゃんの頭の中の言葉辞典のページを増やしてあげましょう。

話しかけ

赤ちゃんがおもちゃを欲しそうにしているときは「取って」「どうぞ」「ちょうだい」などの言葉を使い、取らせたり渡したりしましょう。お散歩中に犬を見かけたら「白い犬がいるね」「かわいい犬だね」、ボール遊びをするときは「赤いボール」「投げますよ」など、見たままを言葉で表現しみてください。いろいろな言葉を聞かせることは、赤ちゃんがたくさんの言葉を覚えるきっかけになります。

赤ちゃん向けの歌や童謡の多くはゆっくりとしたメロディーやテンポの良いので、歌詞を覚えやすく、自然と歌を歌えるようになります。歌っているうちに、単語の数も増えていきます。また、一緒に歌うことでコミュニケーションが豊かになります。

絵本

ストーリーのある絵本を繰り返し読むことにより、単語を覚えていきます。赤ちゃん向けの本は絵が大きいので、言葉とイメージを連動しやすいのが特徴です。

また、犬はワンワン、車はブーブーなどの幼児語と呼ばれる言葉は聞き取りやすく、発音しやすいので、言語が発達しやすいといわれています。赤ちゃんが興味を示さなくても、たくさんの絵本を繰り返し読んであげましょう。

ひらがなカードや絵遊び

市販のひらがなカードにはひらがなに関連する絵が書いてあり、言葉を覚えるきっかけづくりになります。カードを見せながら「いす」「りんご」などと読み上げると、絵と言葉の響きを結びつけながら覚えていきます。同様に、ママが絵を書いてあげたり、何かの絵を言葉に出して読み上げたりすることは、ひらがなカードのような役割を果たします。

手遊び

身体を使って遊ぶ方法を取り入れると言葉の発達を促すことにつながります。
赤ちゃんの年齢にもよりますが、こちょこちょをしたりおでこをごっつんこしたりしてもいいですね。
ひげじいさん、いとまき、げんこつやまのたぬきさんなどの手遊び歌をやりながら楽しむと、歌を聞いたり歌ったりして手を動かすため、脳を刺激して言葉をはぐくむことにつながりますよ。

赤ちゃんの言葉を促す接し方は様々な方法があります。生活や遊びの中で自然にできることでいろいろな関わり方をすることが大切ですよ。

赤ちゃんの言葉に関する注意点

赤ちゃんが言葉を話し始めるタイミングには個人差があります。他の子と比べて遅いと感じて焦る気持ちになることもあるものですが、子どものペースを信じて気長に待つことも大切です。赤ちゃんの言葉に関しては、以下のようなことに気をつけましょう。

・無理強いをしない
・言葉を間違ってもきつくとがめない
・小さい子がわかりやすい言葉を使う
・他の子と比べない
・異常が発見されやすい病院の健診や1歳半、3歳児健診を受ける
・耳が聞こえていないと感じたときは早めに受診する

楽しみながらコミュニケーションを取ろう

赤ちゃんはクーイングや喃語から単語を話し始め、言葉は2語文、3語文と進歩していきます。パパやママとのコミュニケーションで、赤ちゃんの言葉は驚くほどバラエティ豊かになるものです。教えるというよりも、遊びながら楽しく学んでいくことを意識してみてくださいね。