更新日:2017年07月24日

生理とは?生理の仕組み・生理による身体と心のトラブルについて

思春期から閉経するまで、約40年間も付き合う生理。月経困難症やPMSに悩む女性も多いかもしれませんが、生理の仕組みをよく知り、生理と仲良く付き合っていけると良いですね。ここでは、生理の仕組み、生理による身体と心のトラブルや症状、生理中を快適に過ごすヒントについて解説します。

監修 : mamanoko 医師・専門家
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生理とは?

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生理と生理周期

「生理」とは、妊娠の準備のために分厚くなっていた子宮内膜が、受精卵の着床が起こらなかったため不要となり、血液とともに剥がれ落ちて体外に排出されることを言います。医学用語では、「月経」と呼ばれています。生理が始まった日から次の生理が始まるまでの期間を生理周期と言い、およそ25~38日ならば正常の範囲内です。

平均的な生理の日数と経血量

健康な女性であれば、生理の出血は平均すると3~7日続くことが多いようです。血液が排出される出口となる子宮口は大変細いため、血液が通るにはある程度の日数がかかるのです。また、生理の日数は、子宮のサイズや女性ホルモンの分泌量などとも関係があります。

生理による経血量は、通常30~150mLくらい。2日目が最も多く、3日目以降減っていく人が多いようです。

生理の仕組み

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生理周期は、女性ホルモンと呼ばれるエストロゲンとプロゲステロンのバランスの変化により繰り返されます。卵巣の状態により、月経期、卵胞期、排卵期、黄体期に分けられ、時期によって分泌される女性ホルモンのバランスが変わっていきます。

卵胞期

生理が始まると、脳下垂体が視床下部からの指令を受け、卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンを分泌します。この2つのホルモンは、卵巣に排卵を起こすよう働きかけるほか、エストロゲンとプロゲステロンの分泌を促します。

卵胞刺激ホルモンの働きにより、卵子の元である原子卵胞のいくつかが卵巣で成長を始め、エストロゲンを多く分泌するようになります。赤ちゃんのベッドとなる子宮内膜は、エストロゲンの作用により分厚くなっていきます。その後、卵胞刺激ホルモンの濃度が低下すると、ひとつの卵胞だけが排卵に向けて成熟していきます。

排卵期

卵胞は14日ほどかけて成熟すると、エストロゲンの分泌量を急激に増やします。それを察知した視床下部が、下垂体に多量の黄体形成ホルモンを放出させます。黄体形成ホルモンの濃度が急上昇することで、卵胞が破裂して排卵します。排卵期にエストロゲンの濃度はピークに達し、プロゲステロンの濃度も上昇し始めます。

排卵前にエストロゲンの分泌が一時的に低下することで、子宮内膜の一部が剥がれ落ち、少量の出血をすることがあります。生理と間違えやすいですが、これは中間期出血と呼ばれるものです。病気ではなく生理的な現象で、子宮内膜を維持するプロゲステロンの分泌量が増えると、出血も自然に止まります。基礎体温をつけることで、生理か中間期出血かどうかを判断しやすくなりますよ。

黄体期

黄体期には、排卵後の卵胞が黄体に変化し、そこから多量のプロゲステロンが分泌されます。この期間は、同時にエストロゲンの分泌も盛んな時期です。プロゲステロンはエストロゲンとともに、受精卵の着床に備えるよう子宮内膜に働きかけ、子宮内膜はさらに厚みを増していきます。

その後、妊娠に至らなければ、黄体は12~16日ほどの日数で退化し、プロゲステロンとエストロゲンの分泌が急速に低下します。増殖した子宮内膜は不要になり、生理として体外に排出されます。

基礎体温で生理日を予測

基礎体温は、ホルモンバランスの変化によって変わります。健康な女性であれば、基礎体温は生理周期内で低温期と高温期に分かれます。生理開始からの卵胞期は低温期、排卵が起こるとプロゲステロンの作用により基礎体温が約0.3~0.5℃上がり、黄体期から次の生理が来るまでは高温期となります。

高温期は12~16日でほぼ一定であるため、基礎体温をつけると生理日を予測できるようになります。

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生理前の身体と心のトラブル

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生理が近づくと、不快な症状に悩まされる女性は多いかもしれません。生理の3~10日前に身体や心に起こる不調をPMS(Premenstrual Syndrome=月経前症候群)と言います。通常は、生理の開始とともに症状が消えたり、軽くなったりします。

身体にあらわれるPMSの症状

PMSの症状にはさまざまなものがあります。身体の症状は、代表的なものでは、腹痛、頭痛、乳房の張りや痛み、おなかの張り、デリケートゾーンのかゆみ、おりものが増えるといった症状があります。また、むくみ、肌荒れ、体重増加などが起こることも多いようです。

心の症状が重ければPMDD

PMSの症状には、イライラ、憂うつ、ネガティブ思考、ボーッとする、集中できないといった心の不調もあります。仕事に行けなくなるなど、日常生活に大きな影響をおよぼすほど症状が重い場合は、PMDD(Premenstrual Dysphoric Disorder=月経前不快気分障害)と呼ばれます。

PMSはどうして起こるの?

PMSがどうして起こるのか、その原因はまだはっきりしていません。プロゲステロンが分泌されている黄体期に症状があらわれるため、プロゲステロンがPMSの症状に影響を与えていると推測されています。また、生理前には精神を安定させる神経伝達物質のセロトニンや、脳内モルヒネと呼ばれるβ-エンドルフィンが低下するため、イライラやネガティブ思考を引き起こしやすいという説もあります。

PMSの症状は年代によって変わる?

PMSは年代により症状が変わります。20代は、身体の症状が強く出る傾向があるようです。PMSは別名「30歳代中期症候群」ともいわれ、30代になると身体の症状に加えて、心の症状が重くなる人が多いようです。

PMSが重くなりやすい人

PMSとストレスは深い関わりがあります。ストレスが重いと、PMSも悪化することがわかっています。普段から悩みをためこみがちなタイプや、真面目な人、我慢しがちな人、生活リズムが変則的な人なども、PMSが重くなりやすいようです。

PMSの対策には

PMSを軽くするには、ヨガやマッサージをしたり、アロマを焚いたりと、心と身体をリラックスさせる自分なりの方法を見つけるのがおすすめです。また、栄養バランスのとれた食事をこころがけ、食生活を見直すこともPMSの緩和に有効です。特に、神経伝達物質と関係があり、イライラなどの情緒不安定をやわらげるとされるビタミンB6は積極的に摂りたいですね。一方、アルコール類やカフェイン、塩分は血流を悪くし精神的な緊張感を高めてしまう恐れがあるため、摂り過ぎには気をつけましょう。

日常生活に支障をきたすほどPMSが重い場合には、無理をせずに病院を受診しましょう。低用量ピルや精神薬による薬物治療のほか、漢方薬による代替治療という選択肢もあります。

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つらい生理痛の原因は?

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生理痛があると、家事や仕事にもなかなか集中できず、つらいですよね。生理痛の原因には、「経血を押し出そうとする子宮の収縮」「子宮口がせまく、経血がスムーズに外に流れにくい」「ホルモンバランスの崩れによる骨盤内のうっ血」「冷えやストレスによる全身の血行悪化」などがあげられます。

「鎮痛薬が効かない」「寝込んでしまう」など、日常生活を送るのが困難なほどの生理痛は、「月経困難症」の可能性があります。

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月経困難症とは

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月経困難症の症状で代表的なものは、腹痛、腰痛、吐き気、嘔吐、頭痛、食欲不振などです。生理の1~3日前から生理中に症状があらわれます。

月経困難症は、身体的な原因が存在しないにも関わらず症状が出る原発性(機能性)月経困難症と、原因となる病気が存在する続発性(器質性)月経困難症に分類されます。

原発性(機能性)月経困難症

子宮内膜で作られるプロスタグランジンというホルモンが、通常よりも多く分泌されていることが原因とされています。プロスタグランジンは、生理時に子宮を収縮させて血液を排出させる働きを持つほか、痛みを感じさせやすくする作用があり、過剰に分泌されることで重い生理痛を起こします。

原発性(機能性)月経困難症は、年齢を重ねたり、妊娠を経験したりすることで、自然に軽くなるといわれています。

続発性(器質性)月経困難症

続発性(器質性)月経困難症の主な原因には、子宮内膜症のほか、子宮筋腫、子宮腺筋症、骨盤内うっ血症候群、骨盤内感染症があります。原因となるこれらの病気を治療することが必要です。

月経困難症の治療法

原発性(機能性)月経困難症の場合には、痛みの原因となるプロスタグランジンの合成をおさえる鎮痛薬を使い、痛みをやわらげるのが一般的です。症状が重ければ、低用量ピルを使って子宮内膜の増殖を抑制することで、プロスタグランジンの量を減らします。

続発性(器質性)月経困難症は、原因となっている病気の治療を行いながら、補助的に鎮痛薬で対症療法を行う場合が多いようです。

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生理不順とはどういう状態?

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生理周期には個人差があります。正常な生理周期は25~38日で、この範囲内であれば、月によって多少ずれても問題はありません。生理周期が24日以下だったり、39日以上だったりした場合は生理不順となります。生理不順の多くは、ストレスや過度なダイエットなどで自律神経が乱れ、ホルモンの分泌がアンバランスになることで起こります。

稀発月経(きはつげっけい)

生理周期が39日以上、もしくは生理が年10回以下の場合を稀発月経と言います。卵巣の働きが不十分で、ホルモンの分泌が順調でないことが、原因として考えられます。無排卵周期になっているケースも少なくないため、稀発月経が続くようであれば、排卵の有無やホルモンバランスの状態を調べてみた方が良いでしょう。

頻発月経

生理周期が24日以下、もしくは生理が年15回以上の場合は頻発月経です。原因としてまず考えられるのは、黄体機能不全。これは、黄体ホルモンであるプロゲステロンの分泌が少ないために黄体期が短くなり、生理周期が短くなるというケースです。

稀発月経と同じく、頻発月経も排卵がない場合があります。無排卵性頻発月経は、出血量が少なく、生理期間が10~14日と長いのが特徴です、性機能が成熟していない思春期によくみられ、この頃はまだ生殖機能が発達途中のため治療は行わず様子をみることが多くあります。

不整周期月経

不整周期月経は、稀発月経と頻発月経が交互に来たり、バラバラに来たりするもので、思春期や更年期に目立ちます。産後や授乳中にも多いようです。

過長月経

生理の期間が8日以上続く場合は過長月経です。生理期間全体の経血量がそれほど多くなければ、特に問題はない場合が多いようです。ただし、過長月経はホルモンの分泌異常により無排卵性周期になっていたり、子宮筋腫や子宮内膜ポリープなどの病気が隠れていたりすることもあるので、注意が必要です。

過多月経

過多月経は、1回の生理の出血量が150mL以上あることを言います。「1時間ごとにナプキンを替えなければならない」「レバーのようなどろっとした大きな血の塊が出る」ようなら、子宮筋腫や子宮内膜症などの病気の疑いがあります。

過短月経

生理が2日以内に終わる場合は過短月経といい、出血量が少ない過少月経が同時にみられることが多いです。過短月経の原因は、子宮の発育不全や子宮内膜の癒着が考えられます。無排卵性月経や、黄体機能不全の場合も多いようです。

過少月経

茶色いおりもの程度の経血しか出ず、ナプキンが必要ないくらい経血量が少ない場合は、過少月経です。過短月経と同じく、子宮の異常や、無排卵性月経や黄体機能不全の可能性があります。

プレ更年期の生理不順

30代後半~40代半ばの女性が更年期障害に似た症状に悩まされるケースが増え、プレ更年期と呼ばれています。経血の量が減ってきたり、生理周期が短くなったりするのもプレ更年期の症状です。卵巣の機能の緩やかな低下や、ストレスによる自律神経の乱れが原因とされています。

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生理中を快適に過ごすには

生理中はナプキンをこまめに取り替えて、デリケートゾーンを清潔に保ちましょう。生理中は湯船にはいるのをためらってしまう人もいるかもしれませんが、きれいなお湯なら大丈夫ですよ。入浴すると血行が良くなり、生理痛がやわらぐ効果も期待できます。血行を良くするには、軽い運動やマッサージもおすすめです。

生理中は、食生活も重要です。生理中は貧血になりやすいため、鉄分とたんぱく質を積極的に摂りたいですね。一方、出血を促進するアルコール類や、血管を収縮させて生理の症状を重くするタバコは、控えた方が良いでしょう。

生理用品は紙ナプキンやタンポンが主流ですが、最近では布ナプキンや、欧米では主流の月経カップを選ぶ人も増えているようです。使い心地や、エコの観点などから、TPOに合わせて生理用品を使い分けるのも良いでしょう。

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生理は女性の健康のバロメーター

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毎月5日間生理があるとすると、一生のうち約6年9ヶ月間も生理と付き合うことになります。女性にとって、生理は日々の生活と切っても切り離せない関係。初経から閉経前後の更年期まで、ライフステージに応じて生理にまつわるさまざまな悩みを持つことでしょう。

女性ホルモンが複雑に影響し合って起こる生理は、女性の身体や心の健康のバロメーターとも言えます。生理前後や生理中の不快な症状など、気になることがあれば医師に相談してくださいね。憂うつな生理期間を少しでも快適に過ごせるよう、生理とうまく付き合っていけると良いですね。

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