更新日:2017年07月18日

タバコは不妊に関係する?妊活中の男性・女性の身体への影響を解説

妊娠中のタバコは赤ちゃんに悪い影響をおよぼすといわれていますが、喫煙習慣がある人にとって、タバコをやめることはなかなか難しいことではないでしょうか。ここでは、タバコが妊活におよぼす影響や不妊との関係、妊娠超初期・妊娠中・出産後の赤ちゃんへのタバコの影響を解説します。また、妊活中におすすめの禁煙方法をご紹介します。

監修 : mamanoko 医師・専門家
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妊活中の女性へのタバコの影響

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妊娠中にタバコを吸うことがお腹の赤ちゃんに悪い影響があるということはよく知られていますが、最近では、タバコが女性の不妊の原因にもなっているのではないかと指摘されています。

タバコは生殖機能の低下を招く

実際に、タバコを吸う女性はタバコを吸わない女性に比べ、避妊をせずに妊娠する割合が低いということがわかっています。また、タバコを吸う女性は閉経の年齢が低い傾向にあり、タバコが女性の生殖機能を悪化させることが推察できます。

タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる働きがあることから、タバコを吸うと卵巣への血流を悪くし、女性ホルモンの分泌を妨げたり、月経不順をおこしたりすると考えられます。また、卵巣の排卵機能が低下したり、受精卵が子宮内膜に着床しにくくなったりする恐れがあるのです。卵子の質が悪くなり、卵子の染色体異常を引きおこす可能性も指摘されています。

また、タバコを吸う女性は、子宮外妊娠を引きおこすリスクが高くなることがわかっています。

体外受精の成功率にも影響

不妊治療のひとつである体外受精を行った場合でも、タバコを吸っている女性の成功率が低いことがわかっています。卵巣刺激を行っても卵胞があまり育たなかったり、受精率が低下してしまったり、うまく着床しなかったりすることが多いようです。

タバコを吸っている女性でも妊娠する人は大勢います。しかし、タバコが不妊につながるリスクがあることから、妊娠を望む女性は禁煙をした方が良いでしょう。

男性不妊とタバコの関係

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タバコは、精巣で精子が作られるときに異常を引きおこす可能性があると考えられています。これまでの研究で、タバコを吸う男性はタバコを吸わない男性に比べ、精子の運動率が低く、精子の数が少ないという結果も報告されています。さらに、精子の染色体異常を引きおこす可能性も指摘されています。

また、男性が精子を身体の外に射精するためには、陰茎(いんけい)が勃起(ぼっき)する必要があります。男性が性的な刺激を受けると、陰茎の血管がゆるみ多量の血液が流れこみ、勃起するのです。タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる働きがあります。そのため、タバコの影響により勃起不全(ぼっきふぜん・ED)になる場合があります。

多くの専門家が、不妊に悩む男性に禁煙をすすめています。

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妊娠超初期の赤ちゃんへのタバコの影響

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妊娠に気づかずにタバコを吸ってしまい不安に感じている方もいるかもしれません。妊娠超初期のタバコは赤ちゃんにどのような影響を与えるのでしょうか。

流産や早産の原因になる?

タバコは卵子の染色体異常を引きおこす可能性があるため、初期の流産を心配する方もいるかもしれません。しかし、初期流産は、タバコを吸っていなくても15~20%の確率でおこるとされています。初期の流産は、ほとんどの場合赤ちゃんにもともと育つ力が備わっていなかったためにおこるものです。

妊娠初期に禁煙した場合、喫煙を続けた場合と比較して出生時体重はほぼ正常で、早産率も減少することがわかっています。タバコの影響で赤ちゃんが早産や低出生体重になるのではと心配になるかもしれませんが、妊娠がわかってすぐに禁煙すれば大丈夫ですよ。

妊娠が判明したら、速やかに禁煙を

妊娠中はへその緒と胎盤を流れる血液を通じて、ママから赤ちゃんに栄養が送られます。妊娠中にママがタバコを吸うと、血管が収縮し赤ちゃんに届けられる栄養や酸素の量が減ってしまうため、さまざまなリスクがあります。しかし、ママから赤ちゃんに栄養を送るための胎盤が作られるのは妊娠7週~15週ごろ。妊娠初期にタバコをやめれば、赤ちゃんへの影響は少ないと考えられます。

妊娠が判明したら、速やかに禁煙するようにしましょう。そして、妊娠に気づかないころにタバコを吸ったことを心配しすぎず、健康的な生活を送るように心がけてください。どうしても不安な場合は、産婦人科の医師に相談してみてくださいね。

妊娠中~出産後のタバコの影響

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前置胎盤(ぜんちたいばん)

妊娠中のタバコは、ママの子宮内の胎盤(たいばん)が子宮口を覆う前置胎盤(ぜんちたいばん)などの胎盤異常をおこすリスクを高めます。前置胎盤になると、妊娠中にママの子宮から出血をおこしたり、早産になったり、出産時に大量に出血したり止血が困難になる恐れがあります。妊娠中の出血が多いと、赤ちゃんが十分に成長する前にやむを得ず帝王切開での人工早産になる場合もあります。

常位胎盤早期剝離(じょういたいばんそうきはくり)

妊娠中のタバコにより、常位胎盤早期剝離(じょういたいばんそうきはくり)を引きおこすリスクもあります。これは、妊娠中や分娩中に赤ちゃんが子宮の中にいるにも関わらず、胎盤が子宮から剥がれてしまう状態です。常位胎盤早期剝離は子宮内で多量出血をおこすことがあり、ママと赤ちゃんの命を脅かしかねない危険な状況になる場合があります。

低出生体重

また、タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる働きがあります。赤ちゃんはへその緒の血管を通じてママから栄養をもらって成長しているため、タバコの影響でへその緒の血管が収縮し赤ちゃんが低出生体重になるリスクがあります。さらに、口唇裂(こうしんれつ)・口蓋裂(こうがいれつ)のリスクを高める可能性が指摘されています。

そのほか、妊娠中のタバコが流産・早産のリスクを高めることや、出産後の赤ちゃんに喘息を引きおこす、乳幼児突然死症候群(にゅうようじとつぜんししょうこうぐん・SIDS)の原因となる、といった指摘もあります。

妊娠中のタバコは、ママにとっても赤ちゃんにとっても「百害あって一利なし」。妊娠が判明したら、速やかに禁煙するようにしましょう。

受動喫煙も不妊と関係がある

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タバコはタバコを吸っている本人だけでなく、周りの人にも害を及ぼします。タバコの煙にはニコチンをはじめとする多くの有害物質が含まれています。その有害物質の量は、本人が吸う「主流煙」よりも、タバコの先から出る「副流煙」の方が数倍~数十倍多いといわれているのです。

そのため、妊活中の女性や不妊に悩む男性がタバコを吸わなくても、パートナーや同居家族、職場の人がタバコを吸っていると、受動喫煙による影響を受けることになります。さらに、夫婦どちらかが禁煙したとしても、パートナーが隣でタバコを吸っているとイライラも募るものでしょう。夫婦でタバコを吸っていたのであれば、パートナーの方も一緒に禁煙するようにしましょう。

また、タバコを吸う人がいる場にできるだけ近づかないことも大切です。飲食店では禁煙席を選ぶ、タバコを吸う人がいる飲み会は極力避けるといったことも必要かもしれませんね。

タバコをやめられない!禁煙方法は?

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妊活中の多くの夫婦が、タバコが赤ちゃんに良くないとわかっているでしょう。しかし、これまでタバコを吸う習慣があった人にとって、禁煙をするというのはなかなか難しいもののようです。

赤ちゃんを授かるために禁煙を試みても、だんだんイライラしてしまい、我慢できずに一服してしまうということを繰り返している方もいるのではないでしょうか。

ここでは、禁煙方法の一部をご紹介します。妊活中でなかなかタバコをやめられない方はぜひ試してみてくださいね。

自分がタバコを吸いたくなる状況を把握する

タバコをやめるためには、まず自分がどういったタイミングや状況でタバコを吸いたくなるのかを知ることが大切です。

・仕事でストレスを感じるとタバコを吸いたくなる
・周りの人がタバコを吸うと自分も吸いたくなる
・食後にタバコを吸いたくなる
・お酒やコーヒーを飲むとタバコを吸いたくなる

上記のように、自分がタバコを吸いたくなるタイミングを知ることができれば、タバコを吸いたくなる状況をなるべく避けるようにすることができます。

タバコの代わりの習慣をつける

自分がタバコを吸いたくなる状況が把握できたら、その状況になったときにどう対処するかを決めましょう。

・朝起きたときに吸いたくなる
  →朝起きたらすぐに顔を洗う
・食後に吸いたくなる
  →食後に歯磨きをする
・コーヒーを飲むと吸いたくなる
  →しばらくコーヒーをやめる
・口寂しくなると吸いたくなる
  →ガムや飴、おやつを口にする

上記のように自分のタバコの習慣を別の習慣に置き換えることで、タバコを避けやすくなります。

ほかの人がタバコを吸う場面に近づかない

職場でタバコを吸いながらのコミュニケーションがある、飲み会の席で周りの人がタバコを吸うといった場合は、禁煙中でもつい自分もつられてタバコを吸ってしまうという方もいるでしょう。実際、飲み会に行って禁煙に挫折したという話は多いものです。禁煙を始めてしばらくは、ほかの人がタバコを吸う場面には近づかない方が、気持ちが楽かもしれませんね。

禁煙宣言をする

禁煙しようと心に決めても、タバコの誘惑に負けてしまいそうになることもあるのではないでしょうか。周囲の人に禁煙宣言をすると、自分の中での禁煙への意識が高まるだけでなく、周囲の目が気になって禁煙が成功しやすくなるでしょう。ついタバコを吸いそうになっても、周囲の人に注意してもらえるかもしれませんね。周囲に禁煙仲間を見つけて一緒に禁煙することも効果的ですよ。

禁煙外来を受診する

タバコを吸う習慣が長いと、なかなか禁煙できないという方もいるでしょう。その場合は、自分ひとりで頑張らずに禁煙外来を利用するのもひとつの手です。夫婦ふたりともタバコを吸うという場合は、夫婦で受診してみてくださいね。

赤ちゃんを望んだら夫婦で禁煙を

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タバコは妊娠中だけでなく、妊活中の女性の卵子や男性の精子にも悪い影響を及ぼします。タバコが不妊の原因になる可能性があるだけでなく、妊娠中のタバコはママや赤ちゃんの身体にも害になるものです。

健康な赤ちゃんを授かりたいと望んだら、夫婦で禁煙をするようにしましょう。タバコを吸う習慣がある方にとってタバコをやめることは難しいことかもしれません。しかし、禁煙して元気な赤ちゃんを授かることができれば、それはとても素敵なことですよね。

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