更新日:2017年09月26日

クラミジア感染症とは?症状や原因、潜伏期間は?女性と男性で違う?

クラミジア感染症は新生児への感染や、不妊を防ぐためにも適切に対処しておきたい病気です。女性も男性も感染しますが、自覚症状や検査方法は異なるのも特徴です。症状のあらわれ方や受診すべき医療機関、治療法と予防法を探ります。

監修 : mamanoko 医師・専門家
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クラミジア感染症とは?

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日本でもっとも感染者が多い性感染症

クラミジア感染症は発生やまん延を防ぐべき感染症として、国が発生動向の調査を行っている性病のひとつです。調査対象である淋菌感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマなどの中でもっとも患者数が多い性感染症です。

日本における年次の感染報告数は約2万5,000人(平成28年)で、症状を自覚していない感染者を含めると、感染者の数は相当数にのぼると考えられています。

若い女性に多い

クラミジア感染症の患者数は10代から増え始め、男女とも20代前半でピークを迎えます。厚生労働省が発表している患者数のデータでは、20代前半の女性の患者数は同年代の男性と比べて2倍にのぼり、患者全体でみても女性の割合の方が高くなります。

性経験のある高校生を対象として行った調査では、10人に1人の割合で感染者が見つかったという報告もあるため早いうちからの予防・対策が必要です。

クラミジア感染症の女性の症状は?

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初期は自覚症状がない場合が多い

クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマチスという細菌に感染することで起こります。自覚症状が出る場合の潜伏期間は1~3週間といわれていますが、菌に感染しても自覚症状が出ないことも多く、明確な潜伏期間を特定するのは難しい病気です。

妊婦健診に訪れた妊婦のうち、3~5%は菌を保有しているというデータもあり、無自覚のまま性交におよび妊娠にいたったり感染を広げていたりするケースは多いと考えられます。

おりものの異常

腟から分泌されるおりものは通常、無色透明か乳白色をしていて少々酸っぱいにおいがするのが一般的です。ところが、クラミジアに感染しているとサラサラとした水っぽいおりものになったり、おりものの量が増えたりすることがあります。

おりものが膿性になると、黄色や黄緑色のおりものになり異臭を放つようになるため、異常を感じたら産婦人科を受診するようにしましょう。

不正出血

クラミジア感染では、腟からの不正出血の症状がみられることがあります。出血といってもごく少量のもので、おりものに血が混じる程度となることが大半です。おりものの色が淡いピンク色や茶色になった場合は、注意が必要です。

下腹部痛、性交時痛

はじめは無症状だったクラミジア感染症も、発症すると下腹部痛や性交時痛を引き起こすことがあります。これは子宮頚管が炎症でただれるためで、性交により出血が起こることもあります。痛みが現れやすいのは、下腹部から脇腹にかかる部分です。

発熱

性器がクラミジアに感染すると、全身の倦怠感や発熱といった風邪と似たような症状があらわれます。クラミジアは咽頭にも感染する病気ですが、咽頭クラミジアではのどの違和感やのどの痛みが主な症状となり、発熱することはまれです。

性器のかゆみ

クラミジア感染症では性器に軽いかゆみを生じます。排尿痛や、尿道付近のむずがゆさとして訴える方もいます。我慢できないほどの強いかゆみが出ることはほとんどありません。かゆみが強く出るときは、カンジダなどの別の細菌への感染を疑います。

他の病気と併発することも

クラミジア感染症の場合、初期では無症状のことが多く、症状を自覚するころには子宮頚管炎や、卵管炎・卵巣炎といった骨盤内付属器炎に進展している可能性があります。骨盤付属器炎がさらにすすむと、肝臓周辺にまで症状はおよび上腹部が激しい痛みに見舞われます。

さらにクラミジアなどの性感染症にかかっていると、HIVに感染する確率が通常よりも高くなるというデータもあり、無症状だからといってあなどることはできません。

またクラミジアは、淋病と同時に感染することでも知られています。淋病は淋菌に感染して起こる病気で、平成28年の年次報告数は約8,200人です。淋病はクラミジア同様、感染しても無症状なことが多いのですが、発症するまでの潜伏期間は2~5日とクラミジア感染症よりも短いのが一般的です。

そのため淋病を発症した人を検査すると、20~50%の割合でクラミジア感染症の合併が認められます。淋病感染者は男性の方が圧倒的に多く、男性には尿道炎などの症状が比較的あらわれやすい特徴があります。もしもパートナーに異常が出た場合は、自分自身が無自覚でも一度検査を受けてみるとよさそうです。

リンパ節が腫れる

咽頭がクラミジアに感染しても、やはり初期は無自覚なことがほとんどです。しかし、のどの痛みや違和感があらわれるのとあわせて、リンパ節が腫れることがあります。これは、扁桃炎や咽頭炎を発症しているためです。

性器クラミジアに感染している女性のうち、10~20%は咽頭クラミジアに感染しているという報告もあります。咽頭も性器も治療法は変わりません。早めに治療を開始し、パートナーとのピンポン感染を防ぎたいものです。

クラミジア感染症の男性の症状は?

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排尿痛や尿道の違和感(尿道炎)

男性がクラミジアに感染した場合、症状は尿道付近にあらわれるのが一般的です。感染しても無自覚なことがありますが、症状は女性よりも感じやすい傾向にあります。

主にあらわれるのは尿道炎にともなって起こる、排尿時の軽い痛みや尿道の違和感です。排尿時に灼熱感を訴えることもあります。

性器のかゆみ

性器のかゆみはそれほど強くありません。しかし、まれにむずがゆさを感じたり、陰部から水っぽい膿が少量分泌されたりします。

放置しておくと細菌が奥に進み、前立腺炎を発症します。下腹部や鼠径部(そけいぶ:左右の太ももの付け根の部分)に違和感や軽い痛みがあらわれたら、早めに医師に相談するようにしましょう。

精巣上体炎につながることも

クラミジア感染症は、若年の男性が発症する精巣上体炎の原因のひとつです。精巣上体とは睾丸の横にあり、副睾丸とも呼ばれます。

精巣上体に炎症が起こると、精巣が腫れたり痛みを感じたりします。押して圧迫すると痛みを強く感じ、ときには38度以上に発熱するのが特徴です。診断が遅れると将来不妊につながることがあります。

潜伏期間2~3週間

男性に尿道炎を引き起こす感染症には、女性と同じく淋病があります。淋病と比べクラミジア感染症の潜伏期間は長く、症状があらわれるまでには2~3週間かかります。菌自体の発育は遅く、症状は比較的軽度に済みます。

クラミジア感染症の原因は?

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性行為

成人がクラミジアに感染する場合、感染経路は性行為があげられます。クラミジアは1回の性交でも感染する可能性があります。

粘膜同士の接触のほか、尿道や腟からの分泌物に接触しても感染のおそれがあります。クラミジアに感染していても無症状の人と性交すると、感染が拡大していきます。はじめての人と性交をするときには、こうした危険性もしっかりと意識することが大切です。

口から咽頭への感染も

性に対する情報がオープンになり、若い世代では70%以上でオーラルセックスを行っているというデータがあります。オーラルセックスをすると、性器にいる菌が口腔に感染します。また、口腔内にクラミジアを保菌していると、ディープキスでもパートナーにうつることがあります。

性器にクラミジアを感染している人の口腔内を調べると、10~20%の割合で口腔に菌が認められたという報告もあるため、たとえオーラルセックスであってもコンドームをするなどの自衛策が必要です。

クラミジア感染症は不妊につながる?

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クラミジア感染症が不妊の原因になることがある

腟から子宮頚管、子宮、卵管へと徐々に患部が広がっていくことを上行感染と言います。上行感染により卵管や卵巣の炎症が慢性化すると、卵管が癒着して道が狭くなります。卵子や精子が通りにくくなり、不妊症や子宮外妊娠につながる可能性が高まるのです。

卵管や卵巣は子宮の奥にあるため、治療がしにくい場所です。クラミジア感染症による卵管炎・卵巣炎と診断されたら、慢性化を防ぐために安静にして、完治するまでしっかりと治療を受けましょう。

妊娠中に感染している人もいる

クラミジアに感染していても、妊娠することは可能です。そのため、妊婦健診によりクラミジアへの感染していることにはじめて気づく人もいます。

クラミジアは、正常な妊婦の3~5%にみとめられます。クラミジア検査は必要に応じて実施される検査です。検査は義務ではありませんが、妊娠週数30週までに1回は検査を受けることが推奨されています。

産道感染することも

妊婦のクラミジア感染は母体に影響があるだけではなく、生まれてくる赤ちゃんが産道感染するリスクが生じます。新生児がクラミジアに感染すると、生後5~14日ほどで結膜炎を発症したり、上咽頭感染から肺炎にいたったりというケースが考えられます。

大人ではクラミジアが原因で肺炎になることはまれです。しかし、新生児や乳児は3~20%の高い確率で、肺炎の発症が報告されています。また、治療に用いられる薬には、新生児への副作用として「肥厚性幽門狭窄症」との関連が指摘されているものもあり、母から子への感染を防ぐことがなによりも求められます。

妊娠初期にクラミジアが認められなかったからといって、安心はできません。妊娠中の性交も、母体への感染リスクを高めるものです。妊娠中は、身体の免疫系が変化する時期です。ママの身体や生まれてくる赤ちゃんを守るためにも、クラミジアを含めた性病や性交について、パートナーと一緒に理解を深めることが大切ですね。

クラミジア感染症はどうやって検査する?

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女性は子宮や腟の分泌物を検査

女性がクラミジアに感染しているかどうかを調べるには、産婦人科で検査するのが一般的です。検査では子宮口を綿棒で軽くこすり抗原を採取するか、腟からの分泌物を使います。

採血をして血清検査を行うこともできますが、結果が出るまで3~5日ほどの時間を要するため、検査の主流は抗原検査となっています。産婦人科では咽頭への感染を検査していないことがあります。喉への感染も疑われる場合は、耳鼻咽喉科で相談しましょう。

男性は尿検査が一般的

男性がクラミジア検査を行うときは、泌尿器科か性病専門のクリニックを受診します。検査の種類は血液検査もありますが、採尿検査が一般的です。専門の設備があれば即日で結果がわかります。

ただし男性のクラミジア感染症の尿検査では注意すべきポイントがあります。ひとつはクラミジアの細菌検査をするのには、排尿の初めの尿20ml程度が必要だということ。もうひとつは、前回の排尿から2時間以上あけたあとに採尿をすることです。排尿の途中の尿をとったり前回の排尿から時間を置かずに採尿したりすると、検体に細菌が見つけられず、陽性である場合にも陰性という結果が出てしまうことがしばしばあるようです。これは医学用語で偽陰性とよばれ、本人も陽性とは知らずに感染を広げてしまったり、症状を悪化させたりという被害につながります。こういったことにならないように、クラミジアの尿検査のときには医師の注意点をよく聞いて検査を受けるようにしましょう。

性病への感染は、他人には秘めておきたい人も多いことでしょう。性病専門のクリニックでは、保険証を使わずに自費診療を受け付けている機関もあり、匿名性を担保できます。会社や家族に知られたくないときは、こうした機関を利用するのもひとつの方法といえそうです。

喉の場合は喉の粘液やうがい液の検査

喉への違和感が大きいときは、耳鼻咽喉科でクラミジア感染症の検査を受けましょう。咽頭感染を確認するときは、専用の液でうがいをしたものを使う方法と、綿棒で喉の奥をこすって検体を採取する方法があります。

医療機関によって検査方法は異なります。うがい液による検査のほうが身体への負担は少なく済むので、実施方法が気になるときは、あらかじめ医療機関へ問い合わせておくと安心です。

市販のキットを使う手もある

クラミジア感染症は、検体を自分で採取し、郵送で検査を申し込むための専用キットが通販サイトで販売されています。「病院へ通う時間がない」、「医師と対面で検査することに抵抗がある」というときには、利用してみてはいかがでしょうか。

その場で検査結果がわかる、海外製の検査キットを販売しているサイトもあります。しかし結果がその場でわかるようなキットは簡易版のものが多く、検査結果は信頼性に乏しいのが実情です。

通信販売を利用する際は口コミの評価や書かれている情報をしっかりと確認し、できるだけ信頼できるサイトを選ぶようにしましょう。確実な結果を得るためには、医療機関を受診して検査を受けることをおすすめします。

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クラミジア検査とは?費用や方法、検査キットについても解説

クラミジアの治療法は?

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抗菌薬を使う

クラミジア感染症の治療には、抗菌薬(抗生物質)が用いられます。主に使われるのはクラミジア感染症に高い効果が確認されているミノマイシンやビブラマイシンといったテトラサイクリン系薬です。マクロライド系薬のエリスロシンやジスロマック、ニューキノロン系薬のクラビットなどもよく処方される薬剤です。

抗菌薬は医師から指示された処方で、決められた日数をしっかり飲み続ける必要があります。薬剤によって服薬方法が異なりますので、医師からの指示を守るようにしましょう。

症状が軽くなったからといって、自己判断で服薬を中止するのは禁物です。途中で治療を中止してしまうと、体内に残った菌が再び増殖したり、耐性菌ができて抗生物質が効かなくなったりすることもあるためです。

パートナーの治療も同時に

どちらか一方がクラミジアへの感染が認められた場合は、パートナーも感染していることが考えられます。また、どちらかひとりが治療をしても、残りのパートナーが治療せずに菌を保有したままではカップルのあいだで菌が行ったり来たりする「ピンポン感染」が起こってしまいます。

短期間で治療を終わらせ、今後のピンポン感染を防ぐためにも、治療をするときはパートナーと一緒にすすめるようにしましょう。治療期間中の性交は、控えるのが賢明です。

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クラミジアの治療薬は?抗生物質の市販薬はある?薬の副作用は?

クラミジア感染症を予防するには?

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コンドームをつけて性交

性交の際は最初からコンドームを使用し、相手との接触を物理的に防ぐことが大切です。オーラルセックスをするときも、コンドームの使用を心がけましょう。

とくにクラミジア感染症の報告が多い若い女性や、付き合いが浅いカップルは、コンドームの使用に対して理解を深めることが感染予防へとつながります。お互いを思う気持ちを大切に、愛を育んでいけると良いですね。

感染の疑いのある人とは性交しない

不特定多数の人と性交している人や、過去1年以内にふたり以上と関係をもっている人は、感染の可能性が否定できません。挿入だけではなく、ディープキスでも感染することがあるため、こうした人との性交は避けるようにしましょう。

とはいえ、性交相手が多数と関係を持っているかどうか判断するのは、なかなか難しいものです。感染は誰にでも起こりうることで、疑い始めるとキリがありません。付き合いが浅い人との性交ではコンドームを使う、心配なときは定期的に検査を行うなどを心がけ、信頼関係を築いていけると良いですね。

気になる症状があるときはすぐ病院に行こう

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性器からの生理以外の出血は、すべて不正出血です。子宮付近の違和感、下腹部痛や生理痛が重くなるなどの症状があらわれたときは、クラミジア感染症以外にも子宮や卵管・卵巣になんらかの異常があることが考えられます。

とくに卵巣は沈黙の臓器と呼ばれるほど、症状に気づきにくい器官です。気づいたときには症状が進行していることもよくあるため、身体からの小さなサインを見逃さず、気になることがあるときはすぐに医療機関を受診するようにしましょう。

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