病後児保育とは?病児保育との違いは?預けられる基準や利用方法

共働きの家庭にとって、子どもの病気で仕事を休むのは大変なこと。子どもの看護で何日も仕事を休まなければならないこともあるでしょう。病気も回復に向かってそろそろ仕事に戻りたいけどまだ全快ではないから心配という方のために「病後児保育」というサービスがあります。ここでは病後児保育の利用方法などを詳しく紹介します。

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目次

  1. 病後児保育とは
  2. 病後児保育に預けられる基準は?インフルエンザ解熱後も可能?
  3. 病後児保育の利用方法は?
  4. 病後児保育の料金は?
  5. 病後児保育利用の注意点は?
  6. 病児保育を利用できない場合の対策は?
  7. 病後児保育利用は事前準備をしっかりと
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病後児保育とは

病後児保育とは、保育園や幼稚園に通っている子どもの病気が回復期にあり、保護者が就労など家庭での保育が困難な場合に、子どもを預けることができる保育サービスのことです。

一度子どもが病気にかかると、子どもが全快するまで保育園や幼稚園・小学校に通えないということは珍しくありません。しかし共働き家庭では、仕事を何日も休むことが難しい場合も多いものです。病気の回復期の子どもを少人数で預かる病後児保育は、仕事を休みづらいパパやママにとって強い味方になるでしょう。

病後児保育は、認可保育園に併設していたり、病院や診療所に併設していたり、依頼者の家を訪問して保育したりとサービスの形はさまざまですが、保育園に専用室が併設されているケースが多いようです。子どもは専用の部屋で、おもちゃで遊んだり、工作をしたりして、安静を確保しながら過ごします。施設により異なりますが、定員はおおむね5名前後です。

病児保育との違い

病児保育と病後児保育の違いは、「病中」と「病気の回復期」のどちらの子どもを保育するサービスかという点です。

病後児保育では、子どもの病気が治りかけているものの完全には回復しておらず、集団保育が困難な子どもの保育を行います。まだ通常の保育に戻るほど本調子ではないものの、熱や症状は落ち着いてきているといった場合には、病後児保育の利用がおすすめです。

一方で「病児保育」は、病気の回復期に至っていないことから集団保育が困難な子どもを預かるサービスです。病児保育は病中の子どもを預かることから、保育園に併設されている施設より、病院や診療所に併設されている施設のほうが多くみられます。

病児保育とは?インフルエンザでも預けられる?料金や施設、利用方法を解説

病後児保育に預けられる基準は?インフルエンザ解熱後も可能?

病後児保育は、病気回復期の子どもを預かってくれますが、具体的にどのような疾病や症状であれば預かってくれるのかは施設によってさまざまです。たとえば、インフルエンザであれば「発症後3日以上経過していて解熱していること」など預かり先の施設によって細かく基準が制定されています。利用前に基準を満たしているか各施設の預かり基準を確認しておく必要があるでしょう。一般的な基準は以下のようなものになりますので利用の際は参考にしてみてください。

1.かぜや消化不良症など、乳幼児が日常的にかかる病気
急性期を経過したものの、保育園などには連れて行けないようなとき。

2.水痘(水ぼうそう)、風疹などの伝染性の病気で、かかりつけ医から登園許可が出ているものの、体力の消耗などでまだ保育園には連れていけない状態のとき。ただし、麻疹(はしか)の場合は預かってもらえない場合が多くなっているので注意してください。

3.喘息などの慢性的な病気
発作が収まっても保育園には連れて行けないようなとき。

4.骨折、やけどなどのけが
症状が回復しても保育園には連れて行けないようなとき。

病後児保育の利用方法は?

1.利用の事前登録
病後児保育を利用するには、それぞれの施設ごとに事前の登録が必要です。保育園を通して登録申請をするか、直接病後児保育を実施している施設で登録することになるでしょう。

利用登録には面接が必要な場合もあります。あらかじめ各施設に電話で登録の方法を確認し、必要な持ち物や書類(母子手帳など)を用意しましょう。登録料は無料のところもあれば数千円かかるところもあります。

2.利用の予約
病後児保育の利用にはかかりつけ医の連絡票が必要です。連絡票の書式は自治体で定められています。連絡票を持参のうえ、かかりつけ医を受診しましょう。

かかりつけ医で病後児保育の利用が可能であると診断されたら、利用する前日までに、電話やネットで利用を希望する病後児保育施設の予約をします。ただし、定員に達してしまい利用できない場合もあるでしょう。

3.当日の利用
病後児保育を利用する当日は、保険証や母子手帳、着替えやおむつなどを持参します。必要な持ち物が多くありますので、しっかり確認して用意しましょう。利用料金は、利用後に施設に直接支払うことがほとんどです。

また、利用できる日数に制限があり、連続利用については7日前後とされています。ただし特別な事情があったり医師に認められたりする場合には、上限日数を超えて預けられることもあります。

病後児保育の料金は?

自治体が実施する病後児保育の利用料は、病児保育と同様、1日(全日)二千円前後のケースが多いでしょう。なかには、半日利用では保育料が半額ですむ自治体もあるようです。お弁当持参の施設もありますが、数百円で昼食やおやつを提供する施設もあります。自治体によっては、各家庭の状況にあわせて減免制度があり金額が異なる場合もあります。詳しくは住んでいる自治体に問い合わせましょう。

民間企業やNPO法人による病後児保育サービスは、提供する団体によって料金が大きく異なります。あらかじめホームページなどで詳細を確認しておくようにしましょう。

2019年10月より幼保無償化がスタート

2019年10月より、幼児教育・保育の無償化が始まりました。子どもの年齢や園によって受けられる支援の内容が異なりますが、一般的に3~5歳と一部の0~2歳の子どもが無償化の対象となります。無償化の対象となる3歳以上の子どもについて、秒児保育を利用する場合は上限3.7万円の支援を受けることができます。しかし、無償化の補助を受けるためには条件があり、認可外保育施設を利用する子どもたちと定められています。

いくら程度を支払うことになるかは各施設によって異なるため、疑問に思うことは対象の施設に問い合わせると安心ですね。

病後児保育利用の注意点は?

病後児保育を利用する際にはいくつか注意が必要です。

まず、医師の診断が必要なので事前に病院に連れて行かなくてはならず、回復期に入るまでは仕事を休む必要性が出てくるかもしれません。いざ回復期に入り、病後児保育を利用しようとしても、まだ施設の数がそう多くないことから予約を取ることができない場合もあります。

また、保育園に併設されている施設でも、保育内容が通常とは異なってくるために保育料が割高に設定されていることもあります。開園時間も短めに設定されていたり、休日は閉園だったりと普段とは勝手が違うことが少なくありません。利用の際は事前によく確認しておきましょう。

最大の注意点は、ほかの子どもから病気を新たにもらってくる可能性があることです。施設によっては病児と病後児を兼ねているところもあります。回復期とはいえ弱っている状態なので、そのようなリスクも考慮して利用するようにしましょう。

病児保育を利用できない場合の対策は?

自治体によっては「病後児保育」の数が少なく、どうしても預けたいのに預けられないということも少なくありません。その場合はどうしたら良いでしょうか。

夫婦で休みを調整する

子どもの病気は長引くもの。ママばかりが連続して休んでしまい、パパへの不満が募ってしまう、などということがないように、休みやすいほうが休みをとりましょう。夫婦で話し合い、ふたりで子どもの看護を協力することも大切です。そのためには毎日の子どもの病状を夫婦間で共有しておくことが必要になってきます。

仕事と育児の両立を目指す「看護休暇制度」とは?対象や取得の仕方と給与に…

身内を頼る

こんなときに頼れる身内が近くにいると、とても心強いですよね。どうしてもパパやママが仕事を休めないという場合は、お願いしてみるのも良いでしょう。ただし回復期とはいえ、子どもはいつもの状態とは違います。ずっと不機嫌だったり、急に具合が悪くなったりする可能性もありますので、負担をかけすぎない程度にお願いしましょう。

ベビーシッター

病後児専門のベビーシッターはとくに高額にはなりますが、どうしても仕事に穴をあけられない、頼れる人が他にいない、というときは利用してみるのも良いかもしれません。病後児保育施設に比べると予約が取りやすいため、もしものときに備えて登録・サービスを確認しておきましょう。

ファミリーサポート

ファミリーサポートとは、地域において育児や介護の援助を受けたい人と行いたい人が会員となり、育児や介護について助け合う会員組織です。この事業は、働く人々の仕事と子育てまたは介護の両立を支援する目的からはじまりました。各市区町村が運営を行い、共働き家庭の増加にともない、その活動の幅は年々広がっています。

近年ではファミリーサポートでも病児・病後児の預かりを対応するケースが増えてきました。自治体により異なりますが、おおむね1時間千円前後での預かりが可能です。ベビーシッターよりも費用が抑えられるかもしれません。

ファミリーサポートは、協力会員(提供会員)の自宅での保育が基本ですが、利用会員(依頼会員)の自宅での保育が可能な場合もあります。ただしファミリーサポート協力会員(提供会員)は、病気に関する専門の知識があるわけではないので、何かあった場合の対処がやや不安という声もあります。預ける子どもの病状を考慮した上で利用しましょう。

また、自治体によっては、ファミリーサポートが病児・病後児の預かりに対応していないケースもあります。住んでいる自治体のファミリーサポートの制度をしっかりと確認しておきましょう。

仕事面での対策も

子どもの体調不良で仕事の調整が必要になることは、働くパパやママにとってよくあることです。親として、常に仕事面でも万全の準備をしておく必要があるでしょう。たとえば、常に仕事を前倒しで済ませておく、急な休みでも代わりの人が対応できるように引き継ぎ資料を用意しておく、などちょっとした配慮で仕事に大きな穴をあけずにすみます。1日5分からでも良いので、対策をはじめてみてはいかがでしょうか。

病後児保育利用は事前準備をしっかりと

病後児保育を利用する際は、事前の準備が大切です。住んでいる自治体のホームページなどで情報を確認し、近くの施設で登録を済ませておきましょう。

病気回復期とはいえ、子どもはいつもと異なる自分の健康状態や保育環境に戸惑ってしまうかもしれません。仕事を終えたらまっすぐ子どものもとへ帰って、いつも以上に愛情を注いであげましょう。

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