更新日:2017年08月04日

胞状奇胎の原因・症状・治療法!エコー検査や手術費用・術後の管理についても解説

子宮の中にブドウのようなぶつぶつが見える「胞状奇胎」は、高齢妊娠の人の発症率が高い異常妊娠です。妊娠初期のエコー検査でわかることが多く、見つかったらすみやかに除去する必要があります。胞状奇胎の原因と症状、治療法、手術や手術後の経過管理についてみていきましょう。

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目次

    胞状奇胎とは?

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    絨毛がブドウの房状になる

    胞状奇胎は妊娠時に胎盤をつくる「絨毛(じゅうもう)」の異常です。絨毛が水疱状にふくらんで増殖し、子宮内にぶつぶつしたものがブドウの房のように繁殖します。その見た目から「ブドウ子」といわれていた時代もありました。

    高齢妊娠での発生率が高い

    胞状奇胎は、40歳以上の高齢妊娠の人や、過去に胞状奇胎になったことがある人に発症する確率が高いといわれています。発生数は20~30代の生殖年齢に多いですが、妊娠する人が減っているため胞状奇胎になる人は全体として減少傾向にあります。

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    胞状奇胎の種類とは?

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    胞状奇胎を大きく分けると「全胞状奇胎」と「部分胞状奇胎」の2種類あり、全胞状奇胎や部分的胞状奇胎が子宮の筋層に侵入したものを「侵入胞状奇胎」と呼びます。それぞれどのような特徴があるのでしょうか。

    全胞状奇胎

    すべての絨毛がぶつぶつの水疱状になっている状態を「全胞状奇胎」と言います。部分胞状奇胎よりも不正出血や悪阻症状が起こりやすく、検査での診断も比較的容易な奇胎です。血中のhCG値は妊娠10週頃で50万~100万mIU/mL検出されます。約1~2%が悪性の腫瘍である「絨毛がん」を発症します。

    部分胞状奇胎

    一部の絨毛がぶつぶつの水疱状になっている場合は「部分胞状奇胎」と呼びます。部分胞状奇胎では、正常妊娠のように一部の正常な絨毛や胎嚢(たいのう)がみられますが、胎児が生きていない状態なので流産と間違われることがあります。

    全胞状奇胎よりも自覚症状があらわれにくく、また画像からの特定が難しい場合も多い病態です。流産と診断された後、子宮の中身をかき出す処置を行ってようやく胞状奇胎であることが確認されるケースもあります。

    侵入胞状奇胎

    全胞状奇胎や部分胞状奇胎が子宮筋層や筋層の血管の中に入り込み、転移が認められる場合を「侵入胞状奇胎」と呼びます。全胞状奇胎では10~20%、部分胞状奇胎では2~3%が侵入胞状奇胎に発展します。

    侵入のない胞状奇胎の手術後に、子宮の中に残っていた組織が原因となって侵入胞状奇胎を発症するケースが多いため、手術後にしっかり経過を観察して管理することが大切です。

    胞状奇胎の原因は?

    胞状奇胎は精子と卵子が受精するときに異常が起こることによって発生すると考えられています。全胞状奇胎はゲノムに異常のある卵子に1つまたは2つの精子が受精することによって、部分胞状奇胎は健康な卵子に2つの精子が受精することによって起こります。

    受精の異常自体がどのような原因で起こるのかは明らかになっていませんが、卵子の質が低下しやすい40代以降でみられることが多いため、胞状奇胎は高齢妊娠での発生確率が高いと考えられています。

    胞状奇胎の症状は? 

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    胞状奇胎になると、いつからどのような症状があらわれるのでしょうか。胞状奇胎では妊娠初期から以下のような症状があらわれることがあります。

    不正出血

    妊娠初期に胞状奇胎の影響で「不正出血」(=生理でないのに性器から出血すること)が起こることがあります。胞状奇胎になった人の約9割にみられるため、もっとも代表的な症状といえるでしょう。

    おりものに混ざって茶色や褐色に見えることもあるでしょう。妊娠初期は着床出血やホルモンバランスの影響による不正出血が起こりやすい時期なので、不正出血だけで判断するのは難しいですが、ひとつの兆候として覚えておきましょう。

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    妊娠悪阻症状

    つわりが悪化して食事がとれなくなり、全身にさまざまな症状が出る状態を「妊娠悪阻(にんしんおそ)と呼び、胞状奇胎の人の3~4割に妊娠悪阻の症状がみられます。具体的な症状としては、1日中続く嘔吐(おうと)や食事の摂取困難、体重減少、脱水状態があげられます。

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    症状があらわれない場合も

    胞状奇胎になってもほとんど症状があらわれないケースもあります。近年では症状が出る前に超音波検査(エコー検査)で発見され、すぐに除去手術を行うことが多くなっています。

    胞状奇胎の検査とは?

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    経腟超音波検査 (経腟エコー検査)

    胞状奇胎を見つける方法としてもっとポピュラーな検査が「経腟超音波検査(経腟エコー検査)」です。超音波が出る器具を腟から入れて子宮内の状態を映し出し、ぶつぶつした嚢胞(のうほう)が多数見つかった場合に胞状奇胎を疑います。

    部分胞状奇胎の場合には、正常な妊娠と同様に胎嚢(たいのう)が認められ、その周辺にぶつぶつがみられます。流産と見た目が似ているため、判断がつきにくいこともあるでしょう。

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    尿検査・血液検査

    胞状奇胎の人は、尿中や血中のhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンの値が上昇する傾向があります。そのためエコー検査だけでは診断しづらい場合の検査手段として、あるいはエコー検査の結果を裏付ける手段として尿検査・血液検査を行うことがあるでしょう。

    精密検査

    エコー検査や尿検査・血液検査でも診断するのが難しい場合には、さらに精密な検査を行って胞状奇胎かどうかを判断します。具体的には、免疫染色と呼ばれる検査や遺伝子検査が選択されます。

    胞状奇胎の治療法・手術とは?

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    胞状奇胎になった場合は、すみやかに手術を行うことになります。子宮の内容をすべて除去し、胞状奇胎の転移や再発、悪性腫瘍化を防ぎます。

    子宮内容除去術の内容

    胞状奇胎の疑いが強い場合には、できるだけ早く「子宮内用除去術」という処置を行います。子宮内用除去術は、子宮頸管を拡張させてから子宮の内容物を「鉗子」と呼ばれるハサミのような形をした道具で取り除き、さらにキューレットというさじのような器具で子宮内膜全体をかき出す手術です。

    子宮内容除去術は痛みを伴うため、手術時には麻酔を打ちます。術後は出血や感染症など合併症のリスクがあるため、超音波検査を行って異常がないかしっかりと確認してから帰宅が許可されることになるでしょう。かき出された内容物は肉眼でチェックされ、胞状奇胎の確定診断がなされます。

    子宮内容除去術の入院期間・入院費用

    手術は日帰りで受けられる場合もあれば、1泊2日程度入院して行うこともあります。手術費用を含めた入院費用はケースによって異なり、3~10万円程度の幅があります。

    公的な健康保険の適用となるほか、ご加入の生命保険など民間の保険で給付の対象となっている可能性もあります。事前に確認しておきましょう。

    胞状奇胎の手術後の経過は?妊娠できる?

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    胞状奇胎を手術で取り除いた後は、どのような経過をたどるのでしょうか。手術後に妊娠できるのか、いつから妊娠できるのかも気になりますよね。

    奇胎後管理が大切

    胞状奇胎の手術が終わった後も、その後の経過には十分注意しましょう。胞状奇胎の除去後には、約10%~20%の割合で「侵入奇胎(子宮筋層や筋層の血液に侵入・転移が認められること)」や悪性の腫瘍である「絨毛がん」が発症するといわれています。

    そのため奇胎を除去した後もhCGホルモンの計測やエコー検査を行い、異常がある場合に早期発見できるようにしておく必要があります。手術後も子宮に残ってしまった奇胎があるときには除去することになるでしょう。

    妊娠可能な時期はhCGの値による

    胞状奇胎の除去後、hCGホルモンの測定値が「カットオフ値」と呼ばれる値を下回る期間が3~6ヶ月程度続くと妊娠が許可されます。それまではまだ子宮の中に奇胎が残っていたり、侵入奇胎や絨毛がんに発展していたり、再び奇胎を発症したりするリスクがあることから、妊娠は控えるように指導されます。

    胞状奇胎になったからといって妊娠できないというわけではないので、適切な治療・術後の管理を行って妊娠可能なタイミングを待ちましょう。

    胞状奇胎のつらさをためこまないで

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    妊娠していると期待して病院を受診したにもかかわらず、胞状奇胎が見つかってしまったら残念な気持ちでいっぱいになることでしょう。

    つらい気持ちを解消することはなかなか難しいかもしれませんが、まずは手術を受けてしっかり治し、再び妊娠できる状態になるまで辛抱強く待ちましょう。医師に相談したり家族に頼ったりしながら、不安を少しずつ和らげることができると良いですね。

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