雛人形やひな祭りの意味・由来を子どもに簡単に説明しよう!七段飾りや道具の意味は?

ひな祭りは、女の子の健やかな成長を祝う行事として昔から親しまれている日本の伝統的な文化のひとつです。ひな祭りはどのくらい昔から行われているのか、なぜ桃の節句に雛人形を飾るようになったのかをご存じでしょうか。ここでは、雛人形の意味と由来、桃の花を飾る風習など、ひな祭りの由来についてご紹介します。

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目次

  1. ひな祭りの意味や由来は?
  2. 雛人形を飾る意味や由来は?
  3. 七段飾りの雛人形・つるし雛の意味や由来は?
  4. 雛人形のそれぞれの道具の由来は?
  5. ひな祭りの由来を子ども向けに簡単に説明するには?
  6. ひな祭りや雛人形の由来を理解してお祝いしよう
  7. あわせて読みたい

ひな祭りの意味や由来は?

ひな祭りや雛人形は平安時代の書物にも記されていることから、とても歴史が深い日本の伝統的な行事のひとつといえます。歴史があるだけに、時代や地域でさまざまないわれや諸説がありますが、ここでは一般的に伝わっているひな祭りの由来や意味を紹介します。

ひな祭りの由来・起源は中国

ひな祭りは桃の節句ともいわれ、七草の節句(1月7日)や、菖蒲の節句(5月5日)などと同じ日本の五節句のひとつです。元々は中国から伝わった上巳(じょうし)の節句という風習であったといわれています。

中国で3月3日は上巳という特別な日とされていて、人形に息を吹きかけることで自分のけがれを移し、水に流す風習がありました。中国の上巳の節句の風習は平安時代に日本に伝わり、ひな祭りとして徐々に定着していったといわれています。

江戸時代に女の子の行事として定着


元々ひな祭りは、男女共通の行事として親しまれていました。しかし、江戸時代のころに雛遊び(ひいな遊び)というお人形遊びが女性の生活に浸透していたことなどから、幕府が3月3日を「ひな祭り」として、女の子の健やかな成長と健康を願う行事に決めたといわれています。

雛人形を飾る意味や由来は?

桃の節句に雛人形を飾るようになった理由や、雛人形の意味について説明します。

平安時代には人形を川に流す風習があった

平安時代、日本で桃の節句が始まったころは、草やわらで作った人形に自分のけがれを乗せて、身代わりとして川に流す「流し雛(ながしびな)」が主流でした。流し雛は子どもの無病息災を願い、災いや厄を払いのける意味もあったといわれます。

現在でもひな祭りに子どもの健やかな成長を願い、毎年流し雛を行っている地域もあります。平安時代の名残から、住まいの地区の恒例行事として行われていることもありますよ。

室町時代には雛人形を飾るようになった

平安時代に、流し雛とともに雛人形を使って遊ぶ「雛遊び(ひいな遊び)」が流行したことから、人形作りの技術が向上したといわれています。「ひいな」とは「小さな・愛らしい」という意味があり、ひな祭りの語源という説もあります。室町時代になると、人形を川に流すのではなく飾って祝うようになり、現在のひな祭りの文化に近づいていったそうです。

雛人形には厄除けの意味がある

元々桃の節句では、災いや厄を水に流し、身を清めるために人の形をした紙や人形が使われていました。時代とともに、水に流す「流し雛」から飾って楽しむ「雛遊び」に移行しましたが、雛人形が災いの身代わりになってくれるという厄よけの意味があることに変わりはありません。

ちなみに、雛人形は持ち主を守ってくれるということから、江戸時代の上流階級では嫁入り道具のひとつとして用意されたそうですよ。

七段飾りの雛人形・つるし雛の意味や由来は?

雛人形には、伝統的な七段飾りやつるし雛など、さまざまな形があります。七段飾りやつるし雛の意味や由来について説明します。

「七」は縁起の良い数

雛人形を飾って楽しむようになった江戸時代以降は、七段の雛飾りが最も美しく華々しい雛壇とされていました。古くから七は縁起の良い数字とされていたため、験(げん)をかついで雛人形を七段で飾るようになったといわれています。

雛壇は、最上段を一段目として、最下段を七段目としています。各段の飾りの内容は次の通りです。

・一段目…親王様(男雛・女雛)
・二段目…三人官女(さんにんかんじょ)
・三段目…五人囃子(ごにんばやし)
・四段目…随臣(ずいじん)
・五段目…仕丁(しちょう)
・六段目…嫁入道具揃(よめいりどうぐぞろい)
・七段目…御輿入れ道具(おこしいれどうぐ)

現代では、お内裏様とおひな様2体を飾る「親王飾り」や、親王様と三人官女などの「三段飾り」が主流です。段数が違っても、七段飾りの雛人形に込められた意味は変わりありませんよ。

つるし雛の由来は「庶民の雛人形」

つるし雛は豪華な雛人形を用意できない庶民のあいだで浸透した文化です。小さな人形を作っては家族や親戚、近所の人で少しずつ人形を持ち寄り、吊るして飾ったことがはじまりです。

つるし雛には、衣食住に困らないよう願いが込められています。布で人形や犬を縫い、一つひとつにひもを通してさまざまなものを飾ったといわれています。主に吊るし雛として飾られたモチーフは以下の通りです。

■犬や猪
犬のお産が軽いことや、犬や猪はたくさん子どもを産むことにあやかり、子だくさんを願って

■糸巻き
裁縫が上手になるように

■這い子人形(はいこにんぎょう)
ハイハイをしている赤ちゃんのような人形で、子どもが丈夫で元気に育つように

■唐辛子
かわいい娘やお雛さまに、悪い虫がつかないように

雛人形のそれぞれの道具の由来は?

雛飾りに用いる飾りには、それぞれ意味があります。たとえば菱餅は、三色の餅は三月の早春の景色を表しています(緑:草や大地、白:雪・桃色:桃の花)。桜橘は、京都御所の左近の桜・右近の橘を模したものです。それぞれの道具は日本の風習や伝統と結びついているので、詳しく調べてみても面白いですよ。

雛人形の飾り方!段別の位置や向き、飾る場所は?【イラストでよくわかる!】

ひな祭りの由来を子ども向けに簡単に説明するには?

ひな祭りの時期になったら、ひな祭りの由来や豆知識を子どもたちに教えてあげましょう。子どもでもひな祭りのことがわかるように説明するためのポイントを紹介します。

ひな祭りの由来を簡単に説明するためのポイント一覧

ひな祭り子どもが元気で幸せに成長できるようにお祝いする日。本来は男女共通の行事であった
雛人形子どもたちを守ってくれる人形
雛あられ白(雪)緑(木々の芽吹き)桃(生命)を表し、子どもの健やかな成長を願う食べもの。雛壇に飾られる菱餅(ひしもち)と同じ意味
ちらし寿司彩りが良く、縁起の良い具材を並べてお祝いの席にふさわしいことから、ひな祭りの定番料理になった
はまぐりはまぐりの貝殻は対でないとぴったり合わないことから、良縁を意味する

【体験談】ひな祭りの由来、子どもにどう説明した?

ほかのママは子どもたちにひな祭りの由来をどのように説明しているのでしょうか。ひな祭りに関する体験談を紹介します。

3歳の娘がひな祭りに興味を持ちました

3歳の娘は「なんで、なんで」と、さまざまなことに興味がある時期です。先日、幼稚園の絵本を読んでいたときに雛人形が登場して「これはなに」という質問を繰り返してきました。いざ子どもにひな祭りや雛人形を説明するのは難しく、なんと説明をしたら良いかわからない自分がいました。

子どもに説明するために調べたところ、流し雛や雛遊びなど、ひな祭りにもさまざまな歴史があることを知りました。たくさん説明してあげたいのはやまやまですが、子どもはまだ3歳です。「ひな祭りは、〇〇ちゃんが元気に大きくなるためにお祝いするんだよ」「おひな様は子どもたちを守ってくれるんだよ」と説明しました。

子どもは興味深く聞いていましたが、来年はひな祭りの意味をさらに詳しく質問してくるかもしれません。ママ友から絵本で説明すると良いと聞いたので、子どもにスムーズに理解してもらえるように、ひな祭りに関する絵本を探してみようと思います。

男きょうだいですが、毎年ひな祭りを行っています

我が家には男の子がふたりいます。ひな祭りとは無縁のようですが、毎年季節の行事としてお祝いしています。壁に折り紙で折ったお内裏様とおひな様を飾り、夕食にちらし寿司やはまぐりのお吸い物など、ひな祭りに関する料理を並べました。

子どもが幼稚園へ通い出すと「ひな祭り=女の子の行事」という意識が定着して、長男は「なんでうちには女の子がいないのにひな祭りをするの」と問いかけるようになりました。そこで子どもには、元々ひな祭りは、「子どもの健康を願うためのものだった」「昔から伝わる大切な文化」だということを説明しました。すると、長男は納得したのか、お祝いの日が増えるのは嬉しいということで落ち着いたようです。

もう少し大きくなると、男の子はひな祭り自体を恥ずかしく思うことがあるかもしれません。しかし、日本の伝統的な文化は子どもたちに教えていければと思っているので、男きょうだいでも、毎年ひな祭りは行おうと思っていますよ。

ひな祭りや雛人形の由来を理解してお祝いしよう

ひな祭りの意味についてあまり考えたことがないという方は少なくないでしょう。いままで当たり前のように眺めていた雛人形も、意味や由来を知ってから飾ると楽しみ方が変わりますよね。

子どもと雛人形を飾りながら、ひな祭りやそれぞれの人形の意味を話し合うのも思い出に残るでしょう。女の子はもちろん、男の子も興味を持って聞いてくれるかもしれません。日本の伝統的な文化でもあるひな祭りや雛人形の由来を知って、伝統を絶やすことなく後世に伝えていきたいですね。

※この記事は2022年1月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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