不眠に悩む妊婦は多い?原因や寝れないときの対策は?|産婦人科医監修

産婦人科医監修|妊娠中に眠れない、寝ても途中で目が覚めてしまうといった悩みを抱えている妊婦は多いものです。不眠はストレスや疲れ、食欲低下などを招くこともあり、仕事への影響も気になる方が多いのではないでしょうか。つらい不眠の原因、漢方などの対処法をご紹介します。

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この記事の監修

池田 貴子
産婦人科医
池田 貴子

目次

  1. 不眠症?寝られないことに悩む妊婦は多い
  2. 不眠による仕事や胎児への影響は?
  3. 妊娠中に眠れなくなるのはいつ?どのようなとき?
  4. 妊婦が眠れない原因は?ストレスや歯・背中の痛み?
  5. 薬・ツボ・食べ物など不眠のさまざまな対策法
  6. 寝方で解消?横向きで寝る「シムス体位」とは
  7. 自分に合った対処法を見つけよう
  8. あわせて読みたい

不眠症?寝られないことに悩む妊婦は多い

眠いのに寝られない、すぐに目が覚めてしまう、昼間に眠くなってしまうといったことが続くとつらいですよね。不眠をはじめとした、睡眠に何らかの問題がある状態を「睡眠障害」と呼びます。睡眠障害が起こる原因は、生活環境・習慣から精神的、肉体的問題までさまざまです。睡眠の問題が1ヶ月以上続き、日中に集中力や意欲の低下や食欲の低下などを引き起こします。寝られない日が続く場合は不眠症である可能性があります。

妊婦になってから寝られなくなった、眠りが浅くなったといったことを訴える人は少なくありません。妊娠は心や身体、環境や人間関係に大きな変化をもたらすものですが、妊娠によって睡眠にも変化が起こるものなのでしょうか。

不眠による仕事や胎児への影響は?

一般的に、寝られないことによる影響で一番にあげられるのが日中の生活への影響かもしれません。眠れない日が続くと、身体がだるくなる、食欲がなくなる、意欲が下がる、集中力が下がるといった症状が出る場合があります。不眠によって身体の不調が続きイライラが募る、仕事をしている人の場合には集中力の低下でミスを招く、といったさまざまな影響が考えられます。

妊婦の場合には、上記に加えて胎児への影響が最も気になるのではないでしょうか。寝られないときがあったとしても、すぐに胎児に何かしらの問題が生じるといったことはめったにないでしょうが、一般的な不眠と同じように、不眠がもたらす日常生活への影響が胎児を危険にさらす可能性は否定できません。寝不足による転倒などのケースも十分に考えられるため、注意が必要です。

妊娠中に眠れなくなるのはいつ?どのようなとき?

妊娠中に眠れない日が続いたという話は珍しくありません。妊娠後期から末期、特に臨月あたりにはホルモンの変化、お腹の張り、胎動などが原因となり、寝られなかったり途中で起きたりする人は多くなるようです。一方で、妊娠初期や中期の段階でも、つわりがひどくて眠りにつけない、将来への不安がストレスとなり夜中に起きてしまう、夏の暑い時期には身体のほてりにより寝付けないといった人もいます。

妊娠何ヶ月ごろに眠れなくなるといった明確な目安はなく、時期やタイミングについては多少の個人差があります。また、切迫早産などの理由による入院が原因となり不眠になる妊婦もいます。

妊婦が眠れない原因は?ストレスや歯・背中の痛み?

不眠の原因は人によってさまざまです。眠れない原因の主なものとしては、ストレス、身体の病気、心の病気、薬、カフェインなどの刺激物、生活リズムの乱れ、環境などがあげられます。病気に関しては医師へ相談する、刺激物はできるだけ控えるなど、それぞれの原因によって適切な対処をする必要があります。

妊婦の不眠の原因としては、妊娠による身体と心の変化が原因となっているケースが多いようです。身体の変化としては、お腹が大きくなるにつれて背中・腰・肋骨あたりの痛みや肩こりを感じたり、吐き気・胸焼けなどの悪阻に関連する症状があったり、他にもお腹の張りや咳、鼻詰まり、貧血といったものを原因としてあげる声があります。心の変化としては妊娠をきっかけに今後の将来や人間関係への不安、ストレスでイライラすることなどを不眠の理由としてあげている人がいます。

眠れない原因は個人差があり、原因がひとつではない場合もあります。さまざまな可能性を検討し、自分に合った対処法を見つけることが大切かもしれません。

薬・ツボ・食べ物など不眠のさまざまな対策法

医師に相談し、薬や漢方を処方してもらう

寝られない日々が続く場合、病院を受診し相談するという対処方法があります。専門家である医師に相談することで、自分で思い悩むよりも気持ちが楽になる場合もあるでしょう。妊婦は薬の服用に制限があるため、妊娠中でも服用できる薬がないか相談すると良いでしょう。漢方を処方してもらえることもあります。市販の眠剤もありますが、妊娠中であればお腹の子どものことを考えて、医師に相談するのが確実でしょう。

食べ物・飲み物など食生活から改善を試みる

食べ物や飲み物などで不眠対策をすることもできます。食べ物・飲み物ともに目が覚めるようなものの摂取を控えるという点には気をつけると良いでしょう。コーヒー・紅茶などのカフェインを含むものは目が覚める効果があるため、特に注意が必要です。飲み物としては、リラックス効果が期待できるハーブティーやホットミルクを飲むようにする人が多いようです。

ツボやマッサージなどの方法も

妊娠中に眠れない場合にはツボやマッサージ、アロマなどの方法を試すこともできます。不眠に効くといわれるツボを刺激したり、寝る前に痛みを感じる腰・肩などをマッサージしてもらったりすることのも良いでしょう。アロマなど好きなにおいを嗅ぐことでもストレス緩和に期待ができるかもしれません。負担にならない程度で軽い運動やマタニティヨガなどで汗を流し、適度な身体の疲れから睡眠を改善するという対策をとる人もいます。いずれも妊娠中であることを忘れずに、無理しない程度に試してみるのは良いでしょう。

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寝方で解消?横向きで寝る「シムス体位」とは

妊娠中の睡眠で気になることといえば、日が経つにつれてどんどん大きくなるお腹かもしれません。胎動が始まるころにはお腹が目立つ人も多くなり、寝るときに重さが気になることもあるでしょう。妊娠前には仰向け、うつ伏せ、横向きなど好きな寝方ができましたが、妊娠中は寝方によっては苦しくなってしまうことがあります。妊娠中に眠れなくなる理由のひとつとして、以前とは異なり、寝方に制限がかかるという点はあるかもしれません。

妊娠中の寝方として有名なのがシムス体位と呼ばれる体位での寝方です。シムス体位はシムス位、シムスの姿勢、半腹臥位と呼ばれることもあります。名前の通りシムスという医師によって提唱された姿勢です。左向きで横になり、左の足を伸ばし、右足を曲げた姿勢になります。寝る際の姿勢には好みがあり、環境や体調にもよるため、妊娠中だからといて必ずこの姿勢で寝なければならないということはありません。無理をせず、楽な姿勢だと思えるようであれば試してみると良いでしょう。

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自分に合った対処法を見つけよう

妊娠中に寝られない原因はさまざまで、対処法もひとつではありません。不眠の原因を決めつけず、安心して試すことができる方法であれば、少しずつ試していくことで自分に合った対処法が見つけてみてはいかがでしょうか。この機会に自分の睡眠について見直してみるのも良いかもしれません。日々の生活に支障をきたすほどの不眠であれば、ひとりで悩まずに早めに病院へ相談してくださいね。

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