【保健師監修】産後うつとは?症状や原因、治療法は?夫とはどう過ごす?

産後は赤ちゃんに出会えた喜びを感じつつも、慣れない育児や家事の負担で疲れやストレスを感じているママも多いのではないでしょうか。憂うつな気分になったり、寝不足になったりするママもいるでしょう。ここでは産後に強い抑うつ感や不安感に襲われる「産後うつ」の症状や原因、治療法、相談先についてチェックしていきましょう。

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目次

  1. 産後うつとは?いつから? 
  2. 産後うつの症状をチェックしよう 
  3. 産後うつの原因は?なりやすい人は?
  4. 産後うつかなと思ったらどこに相談する?
  5. 産後うつの治療法は?  
  6. 産後うつの対策と予防法は? 
  7. 二人目で産後うつになった場合の乗り越え方 
  8. 産後うつのとき夫との関係は?
  9. 産後うつをひとりで抱え込まないで
  10. ままのてチャンネル
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産後うつとは?いつから? 

心も身体も周囲の環境も大きく変化する産後。新しい生命の誕生はとても喜ばしいことですが、母親として子どもを育てていけるのか、仕事や家事と育児を両立していけるのか、夫婦の関係はどうなるのか…。不安や心配、緊張感や責任感で、心が不安定な状態になるママも、実はかなり多くいます。そんなときに自分を追い詰めてしまうと、強い抑うつ状態や不安感、睡眠障害などを伴う「産後うつ」につながることがあります。いったいどのような病気なのでしょうか。

産褥期精神病のひとつ

産後うつは、産後のママの約3%に発症する「産褥期精神病」の約半数を占める病気で、多くは産後1ヶ月以内にみられますが、産後2~3週間から兆しがみられる場合もあります。症状の特徴は強い抑うつ感です。

医学的には「産後うつ病」と言い、その名の通り病気なので治療を行うことがあります。完治するまでの期間は状況によって異なり、1~2ヶ月で治る人もいれば、1年近く治療を継続する人もいるようです。

産後に強い抑うつ感や不安感や情緒不安定、睡眠障害が続き、2週間以上治らない場合には産後うつを疑ってみても良いかもしれません。病気であることを理解するだけで心が楽になる場合もあるようです。ひとりで我慢しすぎないでくださいね。

マタニティーブルーズと産後うつは違う

産前産後の精神的に不安定な状態(涙もろさ、イライラ感、不眠、抑うつ気分、不安、注意散漫など)をあらわす「マタニティブルー」という言葉を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。医学的にはマタニティブルーは「マタニティーブルーズ」と呼ばれ、産後3日~10日のあいだに発症する軽度のうつ状態のことをあらわします。

マタニティーブルーズは産後に誰でも経験しうる一時的かつ生理的な変化なので、病気である産後うつとは異なります。マタニティブルーズは通常2週間程度で症状がおさまるので、心配しすぎる必要はありませんよ。発症した場合は基本的には様子を見るだけで、治療を行うことはめったにないでしょう。

ただ、マタニティーブルーズが悪化して産後うつに移行するケースもみられるので、症状が重くてつらいときやなかなか改善しないときは病院で診てもらってくださいね。

産後うつの症状をチェックしよう 

産後うつになるとどのような症状があらわれるのでしょうか。病院では、診断するために「エジンバラ産後うつ病自己質問表」という問診票を使ってうつ症状をたしかめることがあります。問診票でセルフチェックする症状としては、主に以下のようなものがあげられます。心当たりのある症状が多い人は、一度病院で診てもらうと良いでしょう。

□漠然とした不安や心配がある
□わけもわからず恐怖感に襲われる
□ちょっとしたことで涙が出る
□不安や緊張感で眠れない
□物事に集中できない、対処できない
□物事が上手くいかないと自分のせいだと思う
□笑ったり物事を面白いと思ったりできない
□物事を楽しみに思って待つことがない
□悲しく惨めな気持ちになりやすい
□自分で自分を傷つけたくなる

産後うつの原因は?なりやすい人は?

産後うつはホルモンバランスのような身体の中の変化に加え、ママになったことによる環境の変化など、さまざまな要因で発症します。それぞれ確認していきましょう。

ホルモンバランス

産後は妊娠中に大量に分泌されていた「エストロゲン」や「プロゲステロン」と呼ばれる女性ホルモンの分泌量が減少する一方、母乳の分泌のために「プロラクチン」や「オキシトシン」の分泌が促される時期です。こうしたホルモンバランスの大きな変化により、産後は精神的に不安定になりやすい傾向があります。

なかでもエストロゲンは自律神経を整える作用を持っており、エストロゲンの減少は更年期障害の主要な原因です。そのため産後には更年期障害でみられるような情緒不安定やイライラといった症状が出やすく、マタニティーブルーズや産後うつにつながることがあるのです。

また、オキシトシンには「愛情ホルモン」という別名があり、赤ちゃんとママの絆を深めることに貢献する一方で、敵とみなした相手への攻撃性を高める作用を持っています。この作用によって産後に夫に対して攻撃的になりやすいママもいます。

育児疲れやストレス 

赤ちゃんが生まれると、喜びに浸る間もなく育児が始まります。初めての出産の場合はもちろんのこと、二人目や三人目であっても、生まれたばかりの赤ちゃんを育てることはうれしいことや楽しいことばかりではありませんよね。二人目以降の場合は上の子の育児もあるので、余計に大変に感じるママもいるかもしれません。

出産後、最初におとずれる育児の難関ポイントは「授乳」という人が多いのではないでしょうか。昼夜問わず1~2時間おきに授乳しなければならず、非常に体力を消耗しますよね。寝不足から体調不良になったり、精神状態が不安定になったりするケースもみられます。こうした産後の育児疲れやストレスが産後うつに結びつくことも珍しくないようです。

睡眠不足

産後に授乳や夜泣きへの対応で寝不足になるママは少なくないのではないでしょうか。それに加えて、母親として子どもを育てていけるのだろうかという不安や心配、家事や家族関係にかかわる不安や緊張感など心理的な要因もあいまって、産後に睡眠不足が続く人もいます。

睡眠をしっかりとって身体を休めることは、心を健やかな状態に保つための大切な要素です。そのため睡眠不足によってマタニティーブルーズや産後うつ病の症状が出たり、助長されたりする場合も多いです。

外出が少ない

産後に赤ちゃんとふたりでずっと家にいると、塞ぎこんだ気持ちにさいなまれ、不安な気持ちが強くなってしまうママもいるかもしれません。外出が少ないことにより、マタニティーブルーズや産後うつの傾向が強まる例もみられます。特に1ヶ月健診までの新生児期は、基本的に外出禁止となっており、この時期は最もママが孤立しがちな時期となります。

外出は日光を浴びたり気分転換したりするきっかけになると同時に、人に会う機会ももたらしてくれます。育児や家事に追われ、なかなか外出できない人もいることでしょう。近所をほんの少し散歩するだけでもリフレッシュになる場合があるので、体調が良い日には短時間でも日光を浴びるように心がけると良いでしょう。

ママ本人の努力だけではなく、家族全体が環境を整備してあげることが重要です。出産により社会とのつながりが切れてしまったと感じてしまうママも多いので、パパや両親とのコミュニケーションで孤立感を感じないように工夫しましょう。

もともとの体質・性格 

妊娠中や妊娠前からうつ傾向がある人や、普段から真面目で責任感が強い人は、産後うつになりやすい傾向があるといわれています。

もともと心配性の人や、何か良くないことが起こったときに自分を責めやすい人、すべて完璧にやり遂げなければという使命感が強い人は、産後に自分を追い込みすぎないように気を付けたほうが良いでしょう。こうした体質・性格はそれ自体が悪いということは決してなく、本来はその人の長所であったり、一時的に強い反応が出ただけ、だったりということが多いでしょう。自分の体質や性質と上手に付き合っていきたいですね。

産後はうつになりやすい体質・性格でない人であっても、大きなストレスや負担を感じることがある時期です。もとの体質や性格だけが原因というわけではなく、環境の変化などさまざまな事情が重なって、たまたま心が不調になりやすい状態になっているだけなのです。上手くいかないことがあったとしても、自分を追い詰めすぎないようにしてくださいね。

季節や気候

心の状態は、ママ自身ではどうにもできない季節や気候に左右されることもあります。たとえば冬は、日照時間が少ないためうつを発症しやすいといわれています。近年では「冬季うつ」「季節性うつ」といった言葉を耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。降雪量が多く晴れることが比較的少ない地域では、特に季節・気候の影響を受けやすいことも考えられます。

産後うつにおいても、人によっては特定の季節や気候の影響を受けてうつを発症しやすくなったり症状が重くなったりすることがあります。季節や気候は自力で変えられないので厄介ではありますが、自分自身のせいではなく季節や気候の影響なのだと思うことで少し気持ちが楽になる場合もあるかもしれませんね。

産後うつかなと思ったらどこに相談する?

もしかして産後うつかな、と思ったとき、まずは気軽に相談できる相手がいると安心ですよね。すぐに病院に行くのも気が引けるし、病院に行くとしても何科に行くべきなのか迷う人もいることでしょう。

夫や親、友人など身近な人には言い出しにくいけれど相談できる相手が欲しいママや、自分が病気なのかどうかを含め、自分の状態を客観的に知りたいママもいるかもしれません。産後うつの可能性があるときに相談したり、カウンセリングを受けたりできる場所はあるのでしょうか。

自治体の窓口や保健センター

全国の都道府県や市町村には、地域の子育て支援拠点として育児・子育てについての電話や来所による相談を受け付ける窓口を設けているところがあります。こうした窓口に相談してみるのもひとつの方法です。名称や相談時間帯などの詳細は自治体によって異なるため、電話やHPで確認してみると良いでしょう。

また、各自治体では地域ごとに担当保健師がおり、1ヶ月健診期間までに保健師による新生児訪問があります。そのときに自分の担当保健師が誰か把握し、何かあったときに相談できる関係性ができていると良いですね。

精神保健福祉センター

精神保健福祉法に基づいて各自治体に設置されている「精神保健福祉センター」の専門員に相談することもできます。対象となるのは心の問題や病気で悩んでいる人やその家族・友人などの関係者です。相談の方法は自治体によって異なり、まずは電話で相談して必要に応じて面談を行うところもあれば、予約制の直接面談か電話相談かを選べるところもあります。自治体のHPなどで確認してみてくださいね。

子育て・女性健康支援センター

日本助産師会が全国に設置している女性向けの支援センターで、助産師が相談を受け付けています。妊娠・出産・育児に関する悩みから思春期や更年期の悩みまで広く相談することができます。

相談形式や時間帯は自治体によって若干の差はありますが、基本的には平日10時~16時までの電話相談や、来所による直接面談が可能です。場合によっては家庭に訪問してもらうこともできますよ。各センターの連絡先や相談時間についてはHPで確認してみてくださいね。

その他無料のホットライン、相談サイト

ほかにも次のような社会福祉法人や公益財団法人、企業などが運営する無料のホットラインや相談サイトがあります。適宜活用してみてはいかがでしょうか。

□ママさん110番(社会福祉法人日本保険協会)
 相談方法:電話
 相談日時:火、木、金曜日の10時~12時、13時~16時
(2017年9月10日からの一時的なもの。通常は月~金の10時~12時、13時~16時)

 □赤ちゃん&子育てインフォ(公益財団法人母子衛生研究会)
  相談方法:ページ閲覧、メール
  相談日時:いつでも
※過去にメールで相談された質問をQ&Aとして掲載しており、自分から質問リクエストもできる。

□エンゼル110番(森永乳業)
  相談方法:電話
  相談日時:月曜日~土曜日の10時~14時

出産でお世話になった産婦人科・助産院

出産時にお世話になった産婦人科や助産院に相談に行くという選択肢もあります。担当の医師や看護師、助産師さんなど、もともと顔なじみで信頼できる人に相談することで、不安が和らぐママもいるかもしれませんよね。

妊娠中の症状や出産の流れ、トラブルや赤ちゃんの特徴などを把握している相手であれば、ほかの人には話しにくい内容でも話せるというケースもあるのではないでしょうか。心療内科や精神科を併設している産婦人科やほかの病院とつながりのある病院なら、病院や医師を紹介してもらえる場合もありますよ。

心療内科・精神科

気軽に相談できる場所はもちろん必要ですが、産後うつの場合にはしっかり治療を行うことも大切です。あまりにつらいときや相談機関から受診をすすめられたときは、心療内科や精神科に足を運んで医師に診断してもらいましょう。

近年では、「~メンタルクリニック」「~心のクリニック」など比較的なじみやすい名前の心療内科・精神科や、院内で個人の名前を呼ばない工夫がなされている病院も少なくないようです。通院に躊躇するという人は、病院の口コミやHPなどを調べて自分にあった病院を見つけるところから始めてみてはいかがでしょうか。ケースによっては病院と相談機関を併用しながら治療を進めていくと良いかもしれませんね。

産後うつの治療法は?  

産後うつと診断された場合、克服するためにどのような治療を行うことになるのでしょうか。薬を飲む場合、授乳を続けることができるのかどうかも気になりますよね。産後うつの治し方には主に次の3つがあります。

精神療法

ママの不安やストレスを取り除く、あるいは和らげることが、産後うつの治療においてはとても大切になります。カウンセリングで家事や育児、夫婦生活などに関する悩みに共感してもらったり、病院から夫に病状を正確に伝えてもらうと同時にサポートをうながしてもらったりすることで、産後うつの原因となっていた将来への不安・心配を少しずつ改善していきます。

抗うつ薬

抗うつ薬や抗不安薬、気分安定薬や抗精神病薬を用いて治療を行うこともあります。授乳を行っている場合は、母乳に影響の少ない薬を選ぶか、母乳育児を中断することになるでしょう。薬を使用するかどうか、使用する場合にどの薬を使用するかは病状や本人の希望によって変わってきます。医師から十分な説明を受け、納得の行くように治療をすすめられると良いですね。

入院治療

入院して一度日常生活から離れることで、症状が改善する例もあります。家事や育児で忙しい毎日を送るママは、その生活から少し距離を置いてみるだけでも心がほぐれて精神状態が安定するケースがあるのです。

入院中は専門医によるカウンセリングで心をケアしたり薬による治療を行ったりしながら安静に過ごします。もとの生活に戻れるくらいまで回復したら退院となりますが、その後も定期的に通院して経過観察を行う場合もあるでしょう。

産後うつの対策と予防法は? 

しっかり寝る

心の安定を保つためには、まずは睡眠をとることが重要になります。とはいえ授乳や夜泣きで数時間おきに起きなければならなかったり、不安や緊張で眠れなかったりするママもいるかもしれません。短時間でも良いので眠れるときに眠る習慣をつけたり、お風呂やアロマでリラックスして眠りにつきやすい状態を作ったりしながら、できる範囲で睡眠時間を確保できると良いですね。

また、寝るときは体温が下がるので、体温を下げることで眠りやすくなるともいわれています。タオルを巻いたアイス枕で頭部を冷やすといった工夫をしてみるのも良いかもしれません。

人と話すように心がける

一日中誰とも話さずひとりでつらい気持ちをためこんでいると、憂うつな気分になったり、思い詰めてしまったりするかもしれません。そのようなときは、人と話すことが気分転換やストレス発散につながることもあります。

夜に夫と話す時間を設けるようにする、電話で家族や友人と話す、数時間だけでも子守を夫や親に任せて友人と会うなど、何かしらの方法で人と話す時間を設けるようにすると良いでしょう。身近なところに相談相手や話し相手がいないときは、子育て支援を行っている施設やホットラインなどを活用してみても良いかもしれませんね。

ひとりの時間をつくる

ひとりでのんびりする時間をつくることも産後うつの改善や予防につながる場合があります。そうは言っても、毎日赤ちゃんと一緒にいると自分の時間をつくることはなかなか難しいですよね。

そんなときは、夫や親、ベビーシッターなどに赤ちゃんの面倒を見るように頼んだり、知人や保育所などに一時的に預けたりすることも検討してみると良いでしょう。日本では、ベビーシッターに子供を預けたりすることを、子どもに申し訳ないと感じる親御さんもいますが、海外ではとても浸透した方法です。ほんの少しの時間でもひとりで散歩に出かけたり、カフェでのんびりしたりするだけでも良い気分転換になるかもしれませんよ。

できるだけ人に頼る

家事も育児も、自分ひとりですべて完璧にこなそうと思っていると、上手くいかないときに自分を責めてしまいがちです。責任感を持つことは決して悪いことではなく、むしろ素晴らしいことですが、ときには手を抜いたり、人に頼ったりすることが大事なときもあります。育児中は特に、完璧を目指さないことが非常に重要です。

夫や親、友人などの身近な人にサポートしてもらうのはもちろんのこと、自治体や相談機関の相談員や、産婦人科や心療内科の医師など、頼れる人には遠慮せず頼るようにしましょう。

二人目で産後うつになった場合の乗り越え方 

二人目の出産後に産後うつになった場合はどのように対処すれば良いのでしょうか。一度産後を経験しているとはいえ、ふたりの面倒を同時に見なければならず、産後が一人目以上につらいと感じる人もいるかもしれません。

二人目での産後うつには、一人目の出産後にも産後うつになった人が再発するパターンもあれば、一人目では産後うつにならなかった人が二人目で初めてうつになるパターンもあります。いずれの場合においても、一人目の産後うつと同様に周囲のサポートを得ながら家事や育児の負担を減らしたり、カウンセリングを受けたり、必要に応じて薬による治療や入院治療を行ったりすることで症状の改善を目指していきます。

上の子が幼稚園や保育園に通っている場合には、送り迎えで外出する機会を利用して公園を散歩したり、知り合いのママとおしゃべりを楽しんだりすると気分が晴れる場合があります。

子どもがふたりとも家にいる場合は、気分転換をするタイミングを見つけるのは難しいかもしれませんが、周囲の人や託児機関・サービスなどを利用してたまにはひとりになる時間をつくってみるのも良いですね。外出が難しい場合でも、ベランダや窓から外気に触れたり、日光を浴びたりするだけでも気分が変わるかもしれませんよ。

産後うつのとき夫との関係は?

産後うつになったとき、夫とどのような関係を築けば良いのか悩むママは少なくないですよね。夫は産後の大変さやつらさを完全には理解できず、心無い一言をママに浴びせてしまうこともあるかもしれません。産後うつのときは情緒が安定しないため、夫の何気ない一言が心に突き刺さり、耐えきれないほどの悲しみを感じるママもいることでしょう。

仕事が忙しく家事や育児を分担することすら難しかったり、もともと家庭への関心が薄かったり、帰宅後も話を聞いてくれなかったりすると、自分のもっとも身近で頼れる存在であるはずの夫が嫌になってしまっても不思議ではありません。夫の無理解がマタニティーブルーズや産後うつのきっかけとなったり、その傾向を強めてしまったりするケースもあるようです。産後うつが離婚にまで発展するケースもまったくないわけではありません。

しかし、産後うつはあくまでも病気であり、自分自身のせいではありません。夫婦生活が上手くいかなかったとしても、自分を責めないようにしましょう。自分の状況をしっかりと夫に伝えて理解してもらうことで、夫の言動に少しは変化がみられるかもしれませんよ。

産後のママの体調や精神状態の変化に夫が戸惑い、どうしたら良いのかわからないがゆえにママの気持ちを逆立たせたり、傷つけたりする言動をとってしまっている可能性もあります。まずは自分がどのような状況で、夫にどうしてほしいと考えているのかを伝えるところから始めてみてはいかがでしょうか。自分だけで伝えるのが難しいときは病院に一緒に行き、医師から伝えてもらうようにしても良いかもしれませんね。

産後うつをひとりで抱え込まないで

産後は、初めて母親になった、あるいは子どもが増えたことで「私が頑張らなければ」と気負い、使命感に燃えているママもたくさんいるかもしれません。それ自体はとても素晴らしいことです。

ただ、頑張りすぎると自分の身体や心に大きな負担をかけてしまうことがあります。赤ちゃんとふたりきりで家にいると、世界に自分と我が子しかいないような感覚になり、耐えきれないほどの孤独感に襲われるママもいることでしょう。

産後うつとは、1種の疾患です。気合や性格で乗り切れるものではないので、しっかりした治療を行いましょう。そのためには、自覚症状・病状に気づくことが重要です。「まさか自分はそんなはずない」とは思わずに、正しい知識を持って、対処できる状態を作っておくことが大切です。

自分ひとりで抱え込まずに周囲の人や行政機関、相談機関、医療機関などの手を借りること、たまには気分転換をすることを心がけてみてください。自分の心と身体を大切にしてくださいね。

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