【産婦人科医監修】妊娠中のくしゃみ・鼻水・鼻づまりの影響は?いつまで続く?原因や対処方法

妊娠中は腰痛や頭痛といった身体の不調に悩む人が少なくないかもしれません。加えて、くしゃみ・鼻水・鼻づまりといった症状を感じると胎児や母体への影響が不安になる人もいるでしょう。風邪や花粉症などのアレルギーなどの原因の可能性や薬・漢方などの対処方法と注意点などを解説します。

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この記事の監修

藤東 淳也
産婦人科医
藤東 淳也

目次

  1. 妊娠はさまざまな身体の変化をもたらす
  2. くしゃみ・鼻水以外の症状は?風邪ではない可能性も
  3. 黄色や緑色の鼻水はウイルスが原因?
  4. くしゃみ・鼻水・鼻づまり、原因は風邪?アレルギー?
  5. 妊娠中の鼻水などの症状はいつまで続く?
  6. 妊婦のくしゃみ・鼻水が胎児や睡眠に影響を与える?
  7. くしゃみや鼻水に市販薬や漢方は使える?
  8. 妊娠中の鼻づまりにアロマやお茶などを使うのはOK?
  9. くしゃみ・鼻水・鼻づまりで妊婦は何科を受診する?
  10. 赤ちゃんを守るためにも医師とよく相談を
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妊娠はさまざまな身体の変化をもたらす

妊娠は女性の身体に変化をもたらします。お腹が大きくなることで腰痛を感じたり、頭痛や肩こりに悩んだり、鼻づまりが気になる人もいるようです。妊娠中はお腹の赤ちゃんを育てるために血液が増えたり、女性ホルモンの分泌が変化したりといった見えない部分でも変化が起こっています。いろいろな変化が一度に起こることによって、さまざまな症状を引き起こし妊婦の生活に影響を与えることがあるでしょう。

妊娠という特別な状況下の中で、さまざまな症状への対処は自己判断で行わず、必ず担当の医師と相談しながら対処していくことが大切です。一般的に風邪の症状として知られる咳・発熱・喉の痛み・鼻水といったものも、いつもの風邪だと思い込まずに医師に相談してみることがお腹の赤ちゃんを守ることにもつながるかもしれません。

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くしゃみ・鼻水以外の症状は?風邪ではない可能性も

妊婦はさまざまなつらい症状に悩まされることが多いかもしれません。なかでも鼻づまり・くしゃみ・鼻水は代表的な症状のひとつといっても過言ではないでしょう。「鼻水」といえども、くしゃみが長く続く・止まらない、鼻のかみ過ぎで鼻血が出る、痰が出る、鼻水がのどに落ちる(飲み込んでしまう)などいろいろな部分に影響をおよぼすかもしれません。

鼻水の症状だけではなく、喉の痛み・頭痛・咳・発熱・めまいといった複数の症状に悩む人もいるでしょう。これらの症状を感じると風邪ではないかと考える人が多いかもしれません。風邪は発熱や鼻づまり・喉の痛みといった症状がウイルスにより引き起こされる状態を指す言葉です。このため、「くしゃみ・鼻水が出るなら風邪である」と決めつけてしまうのは危険かもしれません。さまざまな可能性を考慮し、原因に応じて適切な対応を行っていくことが大切でしょう。

黄色や緑色の鼻水はウイルスが原因?

くしゃみ・鼻水・鼻づまりとはいえ個人差があり量や色・状態などは人によって異なります。特に気になる人が多いのが鼻水の粘度や色ではないでしょうか。アレルギー性鼻炎やウイルス感染によるものは透明な水のようにサラサラとしていることが多く、細菌感染によるものは黄色や緑色といった色味がある状態のものが多いといわれています。

色味がある鼻水は副鼻腔炎(蓄膿症)の可能性があり、長期化することで嗅覚障害・目の炎症や髄膜炎といった合併症が起こるケースもあります。色味のある鼻水が長く続いたり、他に気になる症状があったりする場合には早めに病院を受診すると良いでしょう。

くしゃみ・鼻水・鼻づまり、原因は風邪?アレルギー?

くしゃみ・鼻水・鼻づまりの原因としては、さまざまな可能性が考えられるでしょう。風邪や花粉症などのアレルギー症状、中耳炎、副鼻腔炎(蓄膿症)といったものを想像する人が多いかもしれません。妊娠中はもちろん、妊娠していないときでも気をつけなければいけないのが、ひとつの症状のみで判断せずに、きちんと原因に応じた対応を取ることです。

花粉症などのアレルギーによるくしゃみ・鼻水・鼻づまりであれば、毎年同じ時期に症状と向き合わなければいけない可能性が高いでしょう。妊娠の時期と花粉症シーズンがかぶる可能性があるのであれば、あらかじめ薬に頼らないレーザー治療などの方法を検討するのも良いかもしれません。副鼻腔炎(蓄膿症)といった症状の場合には、誤った対応をすることで症状が悪化するケースも考えられます。副鼻腔炎は鼻水以外にも歯痛や頭痛、顔面痛、嗅覚障害などを引き起こす場合もあります。

くしゃみ・鼻水・鼻づまりといった症状のみから素人が原因を特定するのは不可能に近いでしょう。様子を見るという意味で対症療法を行う方法もありますが、妊婦であれば胎児や母体への影響も考慮して、気になることがあれば専門の医師の意見を聞くことで症状の緩和を目指すのが最も信頼できる方法だといって良いでしょう。

妊娠中の鼻水などの症状はいつまで続く?

妊娠中の鼻水・鼻づまり・くしゃみといった症状はいつまで続くのかが気になる人は多いでしょう。妊娠の初期症状として鼻づまりを感じる人もいれば、妊娠2ヶ月から5ヶ月のあいだに鼻過敏症が見られる人もいます。臨月が近くと鼻に関する悩みを持つ人が増える傾向があるといわれており、特に妊娠後期にあたる、出産6週間前から出産2週間後のあいだに鼻づまりを感じる「妊娠性鼻炎」という症状もあります。

現在研究が進められている分野になるため、明確な妊娠との因果関係は示されていないようです。妊娠前よりも鼻水などの症状が気になる妊婦が増えるのは、妊娠による女性ホルモン分泌の変化や血液量・水分量の増加が一因ではないかという説があるようです。

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妊婦のくしゃみ・鼻水が胎児や睡眠に影響を与える?

妊婦のくしゃみ・鼻水・鼻づまりが、日常生活やお腹の胎児・母体にどのような影響与えるのか気になる人は多いかもしれません。くしゃみ・鼻水・鼻づまりの日常生活への影響としては、睡眠や食事への影響があるでしょう。

「睡眠への影響」としては夜に鼻水やくしゃみなどが止まず寝苦しい、鼻づまりで口呼吸になり喉が乾く・喉が痛い、鼻づまりによっていびきをかくようになったといったケースがあるようです。妊娠が進むにつれてお腹の重みや腰痛でも寝苦しさを感じる場合があり、寝不足が続くと仕事への影響や体調不良に注意が必要です。「食事への影響」としては、妊娠中はつわりによって食事があまりとれない人もいるため、鼻づまりで味を感じないことで食欲不振が進み、栄養が不足する恐れがあります。

お腹の胎児や母体への影響としては、くしゃみ・鼻水・鼻づまり自体が直接すぐに何らかの影響を与えるということは少ないかもしれません。ただし、くしゃみによって腹圧がかかることで尿漏れ・切迫早産・子宮脱などを引き起こす可能性はあるでしょう。また鼻水やくしゃみなどの症状に対して、自己判断で薬を用いたり症状を放置し悪化させてしまったりすると胎児や母体への影響が現れることもあるでしょう。

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くしゃみや鼻水に市販薬や漢方は使える?

妊娠中は薬の使用に慎重にならなければなりません。妊娠中は使用を控えた方が良い薬、使用する際には慎重に検討する必要がある薬があることに注意が必要なためです。市販の鼻づまり薬やくしゃみ薬といった飲み薬だけでなく、点鼻薬やスプレータイプの消毒薬、塗り薬や貼り薬といったものも、同様に注意が必要です。薬に含まれている成分によっては、妊婦に使えないものが配合されている可能性があるでしょう。医薬品や医薬部外品に関しては成分をよく確認し、使用したいものがあれば医師・薬剤師に使用前に相談をしましょう。

葛根湯や小青龍湯などの漢方薬も「薬」のため、同様に妊娠中には使用を控えるべきものがあります。昨今では漢方に用いられる生薬を配合した健康食品などもあるため、薬なのか薬ではないのか判断するのが難しいと感じる人もいるかもしれません。妊娠中という特別な状況下であれば、必要であれば漢方薬も医師に処方してもらうのが安心でしょう。薬剤不使用のグッズであれば試してみても良いかもしれませんね。

妊娠中の鼻づまりにアロマやお茶などを使うのはOK?

妊娠中は、万が一に備えて薬の使用を控えたいと考える人も少なくありません。「妊娠中の薬の使用は胎児に影響を与える場合がある」ということが、広く浸透してきているからこその考えといえるかもしれません。このため、薬以外の方法で、さまざまな症状の緩和を目指す妊婦は少なくないでしょう。

くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの症状の緩和を目指す、さまざまな民間療法の情報が最近ではあふれています。民間療法の多くは科学的に検証されていないものも多いため、安全性や効果・副作用といった部分で注意が必要です。特に妊婦はお腹の赤ちゃんのことも考えて、症状の緩和が必要であればきちんと医師に相談するのが安全でしょう。普段から使っているアロマ療法・お茶・マッサージなどを試したい場合には、自己判断で使用せず一度担当の医師に確認してみましょう。

出典:www.amoma.jp
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くしゃみ・鼻水・鼻づまりで妊婦は何科を受診する?

妊娠中にくしゃみや鼻水などの症状で病院を受診する場合には、何科を受診すべきか悩む人は多いようです。選択肢としては、産婦人科もしくはかかりつけの耳鼻科があるでしょう。

産婦人科の担当医に相談するという方法であれば、妊婦健診の際に相談ができたり、今までの妊娠の経過を把握していたりするという点で安心できるでしょう。かかりつけの耳鼻科や内科を受診という方法であれば、妊婦のこれまでの症状や傾向を把握しているためスムーズな相談が期待できるかもしれません。産婦人科以外を受診する場合には、薬の処方の際に注意が必要なため妊娠中である旨は必ず告げましょう。

赤ちゃんを守るためにも医師とよく相談を

くしゃみ・鼻水・鼻づまりは、あまりにも症状がひどい場合やつらい状況が続く場合には、息苦しさを感じたりイライラしたりすることもあるかもしれません。妊婦は、つわりや腰痛など他の症状を抱えている可能性もあるでしょう。

症状を我慢したり、自己判断で対応してしまったりするのではなく、医師とよく相談しながら症状の緩和を目指すのが安心かつ緩和への最短ルートかもしれません。つい、妊娠前と同じ感覚で市販のものを試すことを考えてしまうこともあるかもしれませんが、お腹の赤ちゃんを守るためにも慎重に症状と向き合っていきましょう。

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