【産後1ヶ月】床上げまでの過ごし方の注意点!家事や外出はどこまで控えるべき?

出産して、無事に退院。そこから始まる我が子との最初の1ヶ月は、ママの身体を回復させて「産後の床上げ」をするための大切な時間でもあります。産後は悪露などさまざまな症状・トラブルがあらわれるため、家事や外出といった日常生活をどこまで行ってよいか悩みますよね。ここでは、産後1ヶ月の過ごし方について解説します。

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この記事の監修

杉山 太朗
産婦人科医
杉山 太朗

目次

  1. 産後1ヶ月は「床上げ」までの大切な期間
  2. 産後1ヶ月にあらわれる症状・トラブル
  3. 産後1ヶ月の過ごし方の注意点
  4. 1ヶ月健診の内容や費用は?
  5. 産後1ヶ月で生理は再開する?
  6. 産後1ヶ月で体重は減った?減らない?
  7. 産後1ヶ月はママ自身のケアを優先しよう
  8. あわせて読みたい

産後1ヶ月は「床上げ」までの大切な期間

産後の床上げとは

妊娠や出産で変化した女性の身体は出産後6~8週間かけて徐々に回復します。この期間を「産褥期(さんじょくき)」といいます。産褥期は基本的に安静にしながら赤ちゃんのお世話をして過ごしますが、ママの経過に問題がなければ、産後1ヶ月ほどで「産後の床上げ(とこあげ)」を行います。

床上げとは、身体を休めていた寝床を片付けて日常生活を始める様子を表した言葉です。産後の床上げの時期が来たら、身体の回復に合わせて徐々に家事や日常生活を行いましょう。

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産後1ヶ月に無理をすると床上げが遅れる

産後1ヶ月は赤ちゃんのお世話にも追われ、つい無理をしてしまいがちです。しかし、この時期に身体を十分に休ませないと、悪露が増えるといったトラブルがあらわれやすく、産後の床上げが遅れてしまいます。

ただし、過度な安静はかえって身体の回復を遅くするため、自分の体調をみながら産褥体操や身の回りの用事をするなどして、寝たり起きたりの生活をするのが良いでしょう。

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産後1ヶ月にあらわれる症状・トラブル

産後1ヶ月の身体はさまざまな変化があるため、トラブルが起こりやすい時期でもあります。この時期に特に気を付けたい病気を症状別にご紹介します。

発熱

病名(読み方)
主な症状
産褥熱(さんじょくねつ)産後10日以内に38℃の発熱が2日以上続く。悪露の悪臭。腹痛。
乳腺炎(にゅうせんえん)全身の発熱。乳房の一部または全体が硬くなる。乳房の発赤、痛み。
腎盂腎炎(じんうじんえん)発熱。悪寒、震え。わき腹や腰の痛み。吐き気、嘔吐。
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悪露の異常

病名(読み方)
主な症状
子宮復古不全(しきゅうふっこふぜん)鮮血のような悪露が続く。血のかたまりが出る。
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気分の落ち込み

病名(読み方)
主な症状
マタニティブルーズ涙もろくなる。イライラする。不安になる。自信の喪失。集中力の低下。疲労感。不眠。一過性の抑うつ状態。産後3~10日にみられ、2週間ほどで自然に消失する。
産後うつ(さんごうつ)マタニティブルーズのような抑うつ状態が長く続き、症状が重い。産後1~3ヶ月に多くみられる。
産褥精神病(さんごせいしんびょう)抑うつ状態に加え、幻覚、妄想、錯乱など統合失調症のような症状がある。産後3~14日の発病が多い。

その他の症状

病名(読み方)
主な症状
産褥期静脈血栓塞栓症(さんじょくきじょうみゃくけっせんそくせんしょう)片側の下肢の浮腫(むくみ)、腫れ、痛み。胸痛。呼吸困難。
甲状腺中毒症(こうじょうせんちゅうどくしょう)甲状腺の腫れ。動悸。イライラする。手指の震え。多汗、微熱。体重が減る。疲労感、倦怠感。下痢。
甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)甲状腺の腫れ。低体温。皮膚の乾燥。便秘。手や顔、舌、咽頭のむくみ。無気力、うつ傾向。頭がはたらかない、居眠りをする。食欲がないのに体重が増える。
貧血(ひんけつ)頭痛。めまい、耳鳴り。動悸、息切れ。疲労感、倦怠感。寒気。爪が平らになったり反り返ったりする。

上記のような症状があれば受診をすることをおすすめします。受診が必要か判断がつかないときは、出産した産院に連絡して相談すると良いでしょう。

産後1ヶ月の過ごし方の注意点

安静にしながら赤ちゃんのお世話に集中しよう

初産のママは特に、産後しばらくは慣れない新生児の育児で手一杯になってしまうことが多いでしょう。産後1ヶ月ほどは里帰りをして赤ちゃんのお世話に集中することが理想的です。

里帰りをせずパパのサポートを得るのも難しいときは、ヘルパーを依頼するという手もありますよ。これを機にロボット掃除機や乾燥機能付き洗濯機、食洗器などの便利家電を導入したというママもいます。

安静にしながら赤ちゃんのお世話に集中できる環境が整えられるように、妊娠中からパパとよく話し合っておくと安心ですね。

実母に来てもらいました

事情があり里帰りできませんでしたが、産後は実家の母に手伝いに来てもらいました。床上げまでのあいだ、週2日くらいのペースで家事と上の子のお世話を手伝ってもらいましたが、とても助かりました。

母は通うのが大変だったと思いますが、私は実家よりも自宅のほうが勝手が良くくつろげるので里帰りよりも良い選択だったと思います。

赤ちゃんとの写真をたくさん撮れば良かった

里帰りで家事などは母親がしてくれたので、私は赤ちゃんのお世話に集中できました。少し後悔していることといえば、自分と赤ちゃんが一緒に写った写真でまともなものが少ないので、ちゃんと撮っておけば良かったです。「ほにゃほにゃ」した新生児の時期は一瞬なので、ママも一緒に写りたかったなと思います。

入浴は避けて

1ヶ月健診で経過が良ければ、医師から入浴の許可が出ます。それまでお風呂はシャワーのみで済ませ、湯船には浸からないでおきましょう。感染症を防ぐために、入浴の許可が出た後もしばらくママは一番風呂に入りたいですね。

昔はお風呂の環境や設備が今とまったく違いシャワーもなかったので、「産後に髪を洗ってはいけない」といわれることもあったようです。今では昔ほど洗髪が重労働ではなくなり、産後も出産前と同じように髪や身体を洗うのが良いとされています。

体調が悪いときや医師からの特別な指示があるとき以外はシャワーを浴びて身体を清潔に保ちましょう。

家事はほどほどに

産後3週間ごろから少しずつ簡単な家事を始めて身体を慣らしていきましょう。掃除や長時間の台所仕事は身体の負担が大きいのでまだ控えます。重いものを持つこともやめましょう。洗濯物を干すのはパパで畳むのはママなど、ひとつの家事を分担して行うのもおすすめですよ。

ゆっくり少しずつ、身体と相談しながら家事の範囲を広げていきましょう。疲れたら横になって休むことも大切です。

性行為の再開は待って

産後すぐの性行為は感染症の危険性を高めるため、性行為は産後1ヶ月は控えましょう。1ヶ月健診で問題がなければ性行為の再開が可能になります。

早い人では産後45日ほどで排卵が起こります。授乳をしていても妊娠の可能性はあるので、次の妊娠まで適当な間隔をあけたいときは産後初めての性行為から避妊しましょう。

運動は様子を見ながら

産後の身体の回復を早めたり、腰痛や尿漏れといったマイナートラブルを緩和したりするためにも、早いうちから産褥体操を始めることが推奨されています。産後すぐに寝たまま行える体操や、徐々に動けるようになってきたときの全身運動などさまざまなタイプがあるので、無理をせず時期に合わせたものを行いましょう。

1ヶ月健診で経過が順調と診断されれば有酸素運動もできるようになります。適度な運動は心身のリフレッシュになるので、地域の産後ケアプログラムなどに参加しても良いでしょう。

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外出は1ヶ月健診が終わるまで控えて

買い物や近所の用事であっても産後の身体には大きな負担がかかります。産後は基本的に1ヶ月健診まで外出を控えましょう。買い物もできるだけ避け、ネットスーパーや生協などの宅配を利用すると良いですね。

産後は自覚がなくても集中力が低下していることがあるので、1ヶ月健診を過ぎてママが車の運転をするときはいつも以上に慎重な運転を心がけましょう。チャイルドシートの使い方や赤ちゃんが泣いてしまったときの対応などを事前によくシミュレーションしておくことも大切ですね。

1ヶ月健診で問題がなければ、買い物など近場への外出から身体を慣らしていくのが良いでしょう。日帰り旅行や結婚式のお呼ばれなど、非日常的なストレスが心身にかかるおでかけはまだおすすめできません。赤ちゃんと一緒ならなおさら、遠出は首がすわるころまで待ちましょう。

ベビー用品は産前の準備が大切と痛感

退院後すぐに、実母に子どもを預けて3時間ほど買い物をしました。出産前は「産後は外に出られない」と思い、いろいろベビー用品などを買いだめしていたのですが、いざ子どもが生まれると「あれも足りない、これも足りない…」と買い足しが必要なものが多く、出かけざるを得ませんでした。

幸い、産後すぐに動き回れるくらい回復していたので良かったのですが、もし次に出産するときは過不足なく事前に買い出ししておかないとと思いました。

1ヶ月健診の内容や費用は?

1ヶ月健診はママと赤ちゃんの退院後の経過を診るための健診です。子宮の戻りが良好か、育児に悩みを抱えていないかなどを医師が診察してくれるので、自分の体調や赤ちゃんに関することで不安に思っていることがあれば相談してみましょう。

1ヶ月健診は健康保険の適応外で、費用は病院ごとに異なりますが、一般的には3,000~5,000円程度が多いようです。自治体の補助があれば数百円程度で済むこともあります。

1ヶ月健診はママと赤ちゃんにとって産後初めての外出になることが多いので、パパやおばあちゃんに付き添ってもらうと安心ですよ。

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産後1ヶ月で生理は再開する?

産後の生理は授乳しない人だと産後2~3ヶ月で再開することが多いようです。個人差が大きく、授乳していても早くから生理が再開したり1年くらい生理がなかったりする場合があります。

産後1ヶ月で生理が再開することはまれです。産後1ヶ月ごろでも一時的に血性の悪露が出ることはありますが、鮮血が続くときは悪露の異常や不正出血の可能性があるかもしれません。そのような場合は産院に連絡し、受診するべきか指示を仰ぐと良いでしょう。

産後1ヶ月で体重は減った?減らない?

出産後は赤ちゃんや胎盤、羊水が体外に出るため6kgほど体重が減少します。授乳している人は母乳の生成や授乳でエネルギーを使うので、産後1ヶ月間でさらに2kg以上体重が減ることが多いでしょう。産後2~3ヶ月ほどで体重減少の停滞期に入り、それまでのようには痩せなくなることが多いようです。

妊娠中に体重を増やしすぎたことを後悔

食べづわりのせいもあり妊娠中に17kgも体重を増やしてしまったので、産後はなかなか体形が戻らず苦労しました。完全母乳で育てていたので何もしなくても産後1ヶ月ほどで8kgは減りましたが、あとの9kgが落とせずに産後1年が経ち、職場復帰を機に慌ててダイエットを始めました。

間食をしない、飲み物は基本的にお茶か水のみ、夕飯は8時までに済ますなどを実践し、3ヶ月で6kgほど痩せましたが、結局今も妊娠前より3kg増えたままです。妊娠中にもっと気を付けていればと後悔しています。

上記のママのように産後の体重の変化に悩み、ダイエットに励んだ人はたくさんいます。以下の記事では、産後の体重の減り方やダイエットのコツについて、先輩ママたちの体験談を詳しく紹介していますよ。

産後1ヶ月はママ自身のケアを優先しよう

産後1ヶ月は赤ちゃんのお世話が大変で、自分の心身のケアを後回しにしてしまうママも多くいるでしょう。産後1ヶ月は産褥期の中でも特に大事な時期です。少しでも身体の不調を感じたときや赤ちゃんのお世話に疲れたときは、遠慮せずにパパや周りの人に助けてもらうことが大切ですよ。

日に日に変わる赤ちゃんの表情を楽しめるくらい、心と身体に余裕をもって過ごせるのが理想的ですね。

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