帝王切開の傷口がしこりに!?原因と対処法・予防法は?

帝王切開をしたママにとって、お腹の傷は気になるもの。育児中は自分のことはつい後回しになってしまいますが、後々になって傷口が気になるママは多いようです。ここでは、帝王切開の傷口にできるしこりの原因と対処法・予防法について、医師監修の記事で解説します。

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この記事の監修

藤東 淳也
産婦人科医
藤東 淳也

目次

  1. 帝王切開の傷口がしこりになるのはいつ?
  2. 帝王切開のしこりの種類と原因
  3. しこりが治るのはいつ頃?
  4. しこりができたときの対処法
  5. まとめ
  6. あわせて読みたい

帝王切開の傷口がしこりになるのはいつ?

帝王切開の傷口の上やその周りに、ママの体質によっては「しこり」ができることがあるようです。帝王切開後、いったんふさがった傷跡が徐々に赤くなったり、盛り上がったりしてくるケースが多いようです。

帝王切開の傷口である皮膚の表面にできるしこりは、手術後1ヶ月ぐらいが一番目立つ場合が多いようです。個人差があるので、数か月経ってから突然しこりに悩まされるママも少なくありません。

帝王切開後のしこりの大半は、術後の傷口が修復しようとする際に、過剰に細胞が生産されることが原因になります。過剰に生産された細胞が、ミミズバレのように盛り上がってしまうのです。時間の経過とともに自然におさまってくると言われていますが、個人差があり、かゆみを伴う場合もあります。

■筆者の体験談
筆者の帝王切開の傷口がしこりになったのは、術後3ヵ月ぐらいたってからでした。それまであまり気にならなかったのに、突然猛烈なかゆみを感じるようになりました。かゆくてたまらないものの、少しでもかいたらすごく痛いし、お手上げ状態でした。
里帰り出産だったのでかかりつけ医はおらず、赤ちゃんと上の子のお世話に忙しかったため、病院に行かず我慢する日々を送りました。

帝王切開のしこりの種類と原因

傷口の上にできるしこり

帝王切開はお腹の中にある子宮を切るので、皮膚の下にある筋肉とそれを包む筋膜も切っています。そして術後はお腹を切った逆の順番で閉じ、腹膜、筋膜、皮下脂肪、皮膚の4層をしっかり縫い合わせていきます。この固く縫ってある傷がくっつこうとする過程で、しこりができる人が多いようです。帝王切開の傷は時間とともに改善するようですが、気になる場合はかかりつけ医に相談することをおすすめします。

もし、お腹の縫合がゆるかった場合は、腹壁ヘルニアになってお腹の内臓が腹膜に包まれたまま飛び出してしまう恐れがあります。帝王切開後のお腹に違和感がある場合は、必ず医療機関を受診しましょう。

傷口の周辺のしこり

傷口部分ではなく傷口の周辺のしこりの場合は、縫い合わせた際の糸の跡がしこりとなっている可能性があります。糸で縫い合わせる場合、針が皮膚を貫通させるため、皮膚は一生懸命傷を修復しようとします。そして、その傷がくっつこうとする過程で細胞がたくさん生産され、しこりができることがあるのです。

しこりが治るのはいつ頃?

しこりは帝王切開の手術後、約半年~1年後くらいから次第に落ち着くようです。術後すぐは傷口は軟らかい状態が続きますが、徐々に硬くなっていきます。時間はかかりますが、数年後には傷跡は平らになり目立たなくなる場合が多いようです。

■筆者の体験談
筆者の場合は、しこりや赤みが完全に気にならなくなるまで、3年かかりました。猛烈な痒みは1年ほど続きましたが、2年目以降は軽減し、次第に気にならなくなり気づいたら治ってました。あれから5年経ちますが、今では傷口は痕かたもなくきれいになっています。元々ケロイド体質ではなかったのですが、治るまですごく長く感じました。

しこりができたときの対処法

しこりができた時は、まずは傷口を保湿して皮膚の伸びをよくすることが大切です。セルフケアとして、市販のシリコンジェルシートを貼るなど、自宅でもできる方法は色々あります。しかし、かゆみや痛みを伴う場合は自分で対処せず、早めに形成外科を受診することをおすすめします。

産科ではどうしても切開後の傷の処置は二の次になりがち。きれいに治すことを第一とする形成外科の方が、傷への処置法もより専門的ですよ。必要に応じて様々な選択肢がありますので、結果的に満足できる方法を選んでくださいね。

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まとめ

筆者の場合、帝王切開の術後3ヵ月ぐらいまでは、ほとんど傷口を意識せず生活していました。順調に傷が回復していたと思っていたのですが、ある日突然かゆみに気付き、傷口が赤く腫れてミミズバレになっていたのですごく驚きました。

しこりのミミズバレとかゆみが気になっていたものの、「我慢していたらそのうち治るだろう」と放置していたのでかえって長引き、しこりの完治に3年かかってしまいました。出産後は家事と育児に追われて、どうしても自分のことは二の次になってしまいますよね。傷口のしこりやかゆみが酷い場合は放置せず、病院を受診するようにしましょう。

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■この商品を購入した方の口コミ
逆子で帝王切開となり、こちらの本を購入しました。病院の母親学級でも誰も教えてくれない帝王切開の手術から術後のことまですべて網羅されています。本当はこういう情報は医療従事者から患者にきちんと教えるべきです。私は手術前に何度も読み、主人や家族にも読んでもらいました。誰が読んでもわかりやすく書かれていて本当に為になりました。

引用元:www.amazon.co.jp

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