【体験談】25週、切迫早産で入院!折れそうな心を救った助産師の言葉|産婦人科医監修

切迫早産で絶対安静入院、それは経験者にしかわからない長い戦いです。もしかしたら出産するまで病院から出られないため、不安を感じるママも多いのではないでしょうか。心の準備もできずに突然訪れた入院生活で、いつ赤ちゃんが出てしまうかわからない恐怖を感じていた筆者の折れそうな心を救ってくれた、助産師の言葉をご紹介します。

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この記事の監修

藤東 淳也
産婦人科医
藤東 淳也

目次

  1. そもそも切迫早産とは?
  2. 24時間持続点滴の恐怖
  3. 助産師の心強い言葉
  4. 助産師さんの言葉のおかげでつらい入院生活を乗り越えられた
  5. あわせて読みたい

そもそも切迫早産とは?

「切迫早産」とは、早産になりかかっている状態のことで、早産の一歩手前の状態です。症状は人によって異なりますが、子宮頸管長が短くなる人や、ひどい子宮収縮が頻回に起こって子宮口が開いてくる人もいます。

筆者の体験談

自覚症状としては、健診数日前から、「何だか産道がパカパカするな」という日が続いていました。やはり産道が開きかけており、赤ちゃんの頭がすぐそこにあるという状態でした。破水はなかったのが幸いです。

何が原因で切迫早産になるの?

切迫早産と診断が下りた場合、大変心配なのとショックが入り混じった気持ちになります。切迫早産の原因ははっきりとしていないようですが、ママ側の原因としては、以下のようなことが考えられます。

・妊娠高血圧症候群
・心臓病、腎臓病、糖尿病などの合併症がある場合
・子宮頸管無力症、子宮筋腫や子宮奇形など子宮そのものに異常がある場合
・細菌性腟症からの絨毛羊膜炎を起こす場合

また、赤ちゃん側の原因で考えられるのは、以下のようなものです。

・双子以上の多胎妊娠
・羊水過多、羊水過少
・胎児機能不全

これらの原因に加えて、ストレスや過労が原因ともいわれています。

筆者の体験談

私の場合は、次男妊娠中に自分がかなり動き回っていたのが良くなかったのかもしれません。妊娠25週での定期健診で緊急入院が決まったときの子宮頸管は9mmで、超ハイリスク妊婦となってしまいました。後々の先生のお話では、子宮頸管無力症ではないかとのことです。

絶対安静入院とは!?

入院する場合は、定期健診で異常が発見されて入院、もしくは不調を感じて健診を受けに行きそのまま入院、という2パターンが多いでしょう。いずれにせよ、切迫早産入院と突然言い渡されて、その瞬間から許可が出るまで退院できません。家族への報告や仕事先への対応など、こなさなければならないこともたくさんあってパニックになるのは必至です。

絶対安静入院では、トイレ、食事、シャワー、歯磨きと洗顔以外に立ち上がることは基本的に許されません。この状態が数日・数週間、数ヶ月も、場合によっては出産まで続くのです。危険度が高い場合は歯磨きをもベッド上で行わなければならず、「寝たきりでいるように」と言い渡される方もいます。これは非常に過酷なことです。

24時間持続点滴の恐怖

入院中は子宮の収縮を食い止めて陣痛が起こらないようにするため、ウテメリンという薬を24時間点滴(場合によっては内服)されます。長期に渡る入院であることに加え、寝ているあいだも血管にずっと針が刺さりっぱなしの状態なのです。

点滴の差し替えにつぐ差し替えによって血管はぼろぼろになり、刺せる血管が段々となくなっていきます。無理矢理針を刺しても、すぐに液がもれて腕が腫れ上がり、血管炎になってしまうこともあるでしょう。

筆者の体験談

私はある静脈の箇所がどうしても痛くて、脈打つたびに針がある場所に激痛が走り、最短2時間での差し替えとなりました。2ヶ月半に及ぶ持続点滴から解放されたときの喜びは言葉で表せません。

早産の不安と恐怖

赤ちゃんがもし早く産まれてしまったら、合併症を起こしやすいというリスクがあります。

・新生児仮死(かし)
・呼吸窮迫(こきゅうきゅうはく)症候群
・動脈管開存症(どうみゃくかんかいぞんしょう)
・低血糖
・電解質異常

早産では、以上のような異常が数日に見られる可能性があります。

筆者の体験談

ただただ赤ちゃんのことが心配で、怖い日々を過ごしました。また、早産で生まれた赤ちゃんは、満期で生まれた赤ちゃんよりも身長や体重の発育が乏しいと聞いて心配でした。しかし、ただ赤ちゃんの命があることだけを望んで、入院期間を過ごしていた気がします。

入院中は週数を指折り数えて過ごすことになります。今早産で生まれたら何グラムで、赤ちゃんの状態はどのくらいで、ということを毎日毎日考えていました。もちろん、医学の進歩により早産で生まれた赤ちゃんの大半は健康で元気に育つ、ということもわかってはいるのです。

けれど、入院中ということもあって、残りの数パーセントの事態を恐れ、ときおり言いようのない不安が襲ってくることもありました。

助産師の心強い言葉

こちらでご紹介するふたつの言葉が、筆者の入院中の支えになりました。

「お母さんの人生のたったの数ヶ月間、赤ちゃんのためにあげてください」

長い入院になるであろうことが確定したときに、途方に暮れて泣いていた私に助産師さんが言ってくれたひと言です。この言葉に腹が立つママもいるでしょう。でも、私はハッと我に返って気持ちを持ち直すことができました。10ヶ月間という妊娠期間を経て出産することは、育児というスパンで見たらスタートラインです。そう思うと短い期間ではないかと思えました。

「赤ちゃんとふたりで乗り越えましょう」

点滴の副作用や寝たきりの腰痛など、疲れがピークに達していたときに言われたひと言です。「そうか、ひとりじゃないんだ」と感じ、当たり前のことでも改めて言われると、「一緒に頑張ろう」という強い気持ちになれました。

助産師さんの言葉のおかげでつらい入院生活を乗り越えられた

壮絶なる切迫早産入院を経て無事に生まれた次男は、今では毎日走り回り元気いっぱいです。今となっては、「大変だったな」と笑って言えますが、そのときの心境は大変つらいものだったのは、今でも鮮明に覚えています。助産師さんからかけられた言葉は、今でも心に残っています。

つらい入院生活ですが、不安を感じたらパートナーや助産師さんなど周りの人に頼っても大丈夫ですよ。ママの味方はたくさんいますよ。

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