【産婦人科医監修】妊娠の仕組みとは?排卵~受精~着床の流れを図解!子作りのコツを知ろう

赤ちゃんが欲しいと思っていても、妊娠の仕組みをきちんと知らないという方も多いのではないでしょうか。妊娠の仕組みを正しく知って意識することで、妊娠の可能性をぐっと上げることができるかもしれませんよ。ここでは、排卵から妊娠にいたるまでの妊娠の流れや仕組み、子作りのコツついて図やイラストを使って解説します。

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この記事の監修

寺師 恵子
産婦人科医
寺師 恵子

目次

  1. 妊娠の流れ・メカニズム
  2. 妊娠中の女性の身体の変化
  3. 妊娠の確率はどれくらい?
  4. 子作りのコツ
  5. 妊娠検査薬を使うタイミング
  6. 妊娠の流れを知って、子作りに取り組もう
  7. あわせて読みたい

妊娠の流れ・メカニズム

妊娠は、女性の身体の中で卵子と精子が出会うことで始まります。卵子と精子が出会って受精卵となり、子宮内膜に着床すると妊娠が成立します。受精卵は細胞分裂を繰り返し、妊娠したママのお腹の中で成長し、約10ヶ月後に赤ちゃんが誕生します。

排卵~受精~着床までの妊娠が成立する流れや仕組みをイラスト付きで解説します。

排卵

女性の卵巣には、生まれたときから「卵胞」という卵子が入った袋のようなものがあります。卵胞は、女性ホルモンの働きにより生理周期にあわせて成熟し、その中のひとつの成熟した卵胞が破れて卵子が卵巣の外にはじき出されます。これを「排卵」とよびます。

排卵は女性の生理(月経)周期にあわせておこります。一般的に女性の身体は、生理(月経)開始日の14日前に排卵をします。女性の身体は排卵・受精に向けて子宮内膜が厚くなり、妊娠が成立しなければ、子宮内膜が剥がれ落ちることで生理(月経)がおこります。生理が始まると、女性の身体は次の排卵に向けて準備をします。

排卵した卵子は卵管に入り、精子と受精するのを待ちます。卵子の寿命は排卵から24時間程度。そのうち受精可能な時間は、最初の6時間程度といわれています。

射精

男性の精巣の中では、ホルモンの働きによって毎日数千万個の精子が作られており、精巣で作られた精子は精管を通って尿道まで運ばれます。

性交により射精され女性の腟に入った精子は、卵管をめざして子宮内を進んでいきます。一般的に、一度に射精される精子の数は数億個とされますが、精子の99%は卵管に到達する前に死んでしまい、卵子までたどりつける精子は数十~数百個といわれています。

精子の寿命は女性の腟内に射精後3日~5日程度で、長い場合で1週間とされています。卵管に到達することができた精子は、卵巣から卵子が排卵されるのをそこで待つのです。

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受精

排卵した卵子は精子と出会うために卵管に移動し、女性の腟内に射精された精子は、卵子と出会うために卵管をめざして子宮内を進みます。卵管の中で卵子と精子がタイミングよく結びつき融合することを「受精」といいます。

一度受精卵になると、それ以上精子が入ることができないようにシャットアウトされます。一度に射精される精子の数は数億個ですが、その中でたったひとつの精子だけが、卵子と受精することができるのです。

精子の寿命は、女性の腟内に射精されてから3日~5日程度、卵子が受精可能な時間は排卵してから6時間程度とされることから、「排卵の前~直後」が妊娠しやすいと考えられます。最近の研究から、排卵日当日よりも排卵日2日~1日前の性行為が最も妊娠しやすいとわかっており、妊娠できるチャンスは1ヶ月の中でわずかな期間であるといえるでしょう。

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着床

受精卵は、細胞分裂(卵割)を繰り返しながら3~6日間かけて卵管を進み子宮内へ入ります。

子宮内では、女性ホルモンの働きによって、排卵前から徐々に子宮内膜が厚くふかふかになっています。受精卵は子宮内にたどり着くと、タイミングを見計らい、このふかふかになった子宮内膜にもぐりこみ根をはります。これが「着床」です。着床すると、妊娠が成立したと言えます。なお、妊娠周期は最終生理開始日を0日として数えるため、妊娠が成立したタイミングが妊娠2~3週ということになります。

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妊娠中の女性の身体の変化

受精卵が子宮内膜に着床し妊娠が成立すると、受精卵は胎児の原型である「胎芽(たいが)」となります。ママのお腹の中では、赤ちゃんとママをつなぎ、赤ちゃんを育てていくために必要な胎盤や臍帯(へその緒)などが形成され始めます。その後、40週およそ280日間、赤ちゃんはママのお腹の中で成長し、生まれてくるのです。

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妊娠の確率はどれくらい?

卵子が受精できる時間が6時間程度、精子の寿命が女性の腟内に射精されてから3日~5日程度ということから、妊娠するためには性行為のタイミングが重要です。たとえ排卵日付近に性交渉したとしても、1周期あたりの自然妊娠率は20%程度だという説もあります。

健康な男女であっても、精子や卵子にはある程度の割合で染色体異常があるとされ、性行為のタイミングがあっても正常な受精ができなかったり、着床しなかったり、流産してしまったりすることもあるのです。また、受精卵が子宮内膜に着床せず、卵管や卵巣に着床すると子宮外妊娠となり妊娠を継続することはできません。さらに、妊娠の15%前後が流産にいたるという統計もあります。

妊娠し出産するというのは、いくつもの要因やタイミングが合って成り立つものであり、簡単に妊娠・出産できるというわけではないのですね。

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子作りのコツ

基礎体温をつけて排卵日を予測する

生理周期の中で、もっとも妊娠しやすいのは排卵日2日~1日前に性交渉した場合だとされています。妊娠を目指して性行為のタイミングをはかるためには、自分自身の排卵のタイミングを知ることが大切です。

妊活を始めると基礎体温をつけ始める方も多いでしょう。正常の排卵が行われていれば、女性の基礎体温は「低温期」と「高温期」が生理周期とともに繰り返されます。生理が始まると約2週間低温期が続き、排卵を境に体温が上がって約2週間高温期が続くことから、しばらく基礎体温をつけるとだいたいの排卵のタイミングを予測することができるようになります。

おりものの状態を確認する

排卵日には子宮口が下がったり、開いたり、柔らかくなったりするといわれます。また通常は排卵期が近づくとおりものの量が増えていきます。

おりものには腟を清潔に保つための自浄作用と、精子がスムーズに子宮に入れるようにする役割を持っており、排卵期には卵白やゼリーのようにとろっとして伸びやすい状態になります。腟の状態やおりものの状態から排卵日を推測することもできるでしょう。

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排卵検査薬を使用する

ストレスや生活の乱れによって女性ホルモンのバランスが崩れると、排卵日がずれたり、基礎体温がガタガタになり低温期と高温期がわかりづらくなったりすることもあります。子宮口やおりものの状態も個人差があり、排卵のタイミングがわからない方も多いようです。

きちんとと排卵日を予測したい場合は、おおよその排卵の時期を予測したうえで、排卵検査薬を併用すると良いでしょう。排卵検査薬は尿中に含まれる「LH(黄体ホルモン)」というホルモンから、排卵日を予測するというものです。排卵検査薬が陽性反応を示してから24~48時間後に排卵が起こるとされるため、陽性反応がでたらなるべく早いタイミングで性交渉することが子作りのコツといえます。

排卵日が近づいたら性交渉の回数を増やそう

過去には、男性の精子は数日間の禁欲期間によって濃くなり、その方が妊娠しやすいと考えられていたこともあります。しかし最近の研究では、禁欲期間が短い方が精子の状態が良いとわかってきています。精子の状態を妊娠に適した元気な状態に保つためには、2~3日に1回射精しておくと良いといわれています。

また、生理周期のリズムが整っている人でも、正確な排卵のタイミングを予測するのは難しいものです。排卵日付近だけではなく、排卵日が近づいてきたら性行為の回数を増やすことが妊娠の可能性を高くするでしょう。

妊娠しやすい身体づくりをしよう

どんなにタイミングをあわせても、質の良い卵子や精子が作り出され、妊娠を継続できる身体でなければ、妊娠の確率は上がりません。女性が持つ妊娠する力、男性が持つ妊娠させる力を引き出すためには、普段からの健康的な身体作りが欠かせません。子作りを始めたら、以下の生活習慣を意識してみてくださいね。

 ・バランスのとれた食事を規則正しくとる
 ・適度な運動をする
 ・十分な睡眠をとる
 ・ストレスをためず上手に解消する
 ・身体を温める
 ・タバコの煙を避ける

また、ビタミンB群の一種である「葉酸」は、細胞分裂が盛んな妊娠初期に欠かせない栄養素です。葉酸は細胞分裂に必要なDNAの合成に関係が深く、妊娠初期に葉酸が不足すると、胎児の神経管閉鎖障害の発症率が高まるといわれています。

妊娠初期は妊娠に気づかない場合も多いため、妊娠の可能性のある女性は妊娠前から葉酸を摂るようにしましょう。妊娠1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月の女性は葉酸を摂取するよう心がけましょう。厚生労働省は妊娠可能性のある女性に対し、食事からの摂取に加えて1日400μgの葉酸を摂取することを推奨しています。

メルミー
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メルミーの魅力は、産婦人科医と管理栄養士によるダブル監修を受けていることです。葉酸のほか鉄やカルシウムなど、妊娠中に特に重要な17種類の栄養素を配合し、内14種類の栄養素については厚生労働省の定める栄養機能食品の基準値をクリア。「無添加」なのも嬉しいポイントですね。

厚生労働省が定める管理基準を満たしたGMP認定工場で生産されているほか、放射能検査や残留農薬検査もクリアして品質にこだわって作られています。また、配合されているすべての成分について、原産国と最終加工国の両方が公開されています。

妊娠検査薬を使うタイミング

生理予定日になっても生理が来ない場合、妊娠検査薬を試してみる方が多いでしょう。妊娠検査薬は、妊娠初期に現れる「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」というホルモンの変化を尿から知ることができるというもの。受精卵が子宮内膜に着床するころからhCGの分泌量が増え、妊娠8~10週ごろにピークを迎えます。

薬局で市販されている妊娠検査薬は、一般的に生理開始予定日の1週間後から使えます。妊娠した場合のhCG濃度には個人差がありますが、生理開始予定日の1週間後であれば妊娠検査薬で検出できる濃度になるとされています。正確な判定結果を確認するためにも、フライングせずにこの時期を待つと良いでしょう。

妊娠検査薬で陽性の反応があった場合は、なるべく早く産婦人科で正確な診断を受けるようにしましょう。

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妊娠の流れを知って、子作りに取り組もう

卵子や精子の寿命を考えると、妊娠しやすいタイミングは限られており、排卵日が近づいたら頻繁に性交渉することが大切です。

しかし、赤ちゃんがなかなかできないと、あせる気持ちからストレスやプレッシャーを感じてしまうもの。子どもの作り方の流れを理解したうえで、パートナーと自分の気持ちを大切に、夫婦で協力して子作りに取り組めると良いですね。

※この記事は2023年10月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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