更新日:2018年10月26日

赤ちゃんの気になる動き、もしかしたら「点頭てんかん」かも?

生後4ヶ月あたりから発症する可能性があると言われている「点頭てんかん(てんとうてんかん)」。てんかんにはいろいろな種類がありますが、この点頭てんかん(別名:ウエスト症候群)発作は小児期に発症し、意識のあるまま起こることが多いようです。今回は、点頭てんかんの原因と症状、治療法について、医師監修の記事で解説します。

監修 : ままのて 医師・専門家
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点頭てんかん(ウエスト症候群)とは

男児に多く寝起きに起こりやすい

点頭てんかんは、生後4ヶ月〜1歳頃に発症する、回復が極めて難しいとされているてんかんです。主に、生後3~10ヶ月頃に発症することが多いとされています。

点頭てんかんは、「てんかん性スパズム」と呼ばれる、手足や頭の部分に1~3秒間力が入る発作や、脱力する発作、またそれらが混じった発作を繰り返し起こすことが特徴です。発作が起こった際、座った状態だと、一瞬ガクッと頭部が垂れるので「点頭(うなずくこと)てんかん発作」とも呼ばれています。点頭てんかんを発症するのは男児に多く、発作は寝起きに起こりやすいと言われています。

てんかんにはいろいろな種類があり、普通の人とほとんど変わらない生活を送ることができるものもあります。しかし、点頭てんかんは将来さまざまな運動や知能などにも影響が生じ、治りにくいとされているてんかんです。点頭てんかんの一部は、年齢とともに、点頭てんかんと似た症状を持つ「レノックス・ガストー症候群」に移行していきます。

主な症状

点頭てんかんの多くは、生後1歳を迎える前に発症することで知られています。主な症状としては以下になります。

・頭を前方向にカクカクと倒すようなけいれん症状や、急に手足を脱力させるような動きがある(このとき、腕を上方向に伸ばすような姿勢を取ることが特徴)
・寝るときに、唐突に四肢を上方向に何度も上げる
・今まで笑顔が見られていた子どもが突然笑わなくなる
・何も口に入れていないのに、口をもぐもぐと動かす動作をする
・それまでできていたお座りができなくなる

これらの症状は若干の個人差はあるものの、1日のうち、数秒間から数十秒間に一回の間隔で何度も繰り返されるのが特徴です。

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ウエスト症候群とは?症状と原因・治療方法まとめ

点頭てんかんの発作が出る原因

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大脳の傷が原因

点頭てんかんは、何らかの事情で大脳が傷つくことにより、発症することが多いとされています。大脳の傷は、ママのお腹の中にいる間か、もしくは分娩時などに発生するようです。

また、生まれつき脳の奇形があったり代謝異常があったりした場合も、発症する可能性があります。これらの子どもの多くは、3歳頃までにてんかんを引き起こすと言われています。その他にも、感染症や頭部のケガなどが原因で発症したり、てんかんになりやすい体質を持った子どもが何かのきっかけで発症したりすることがあります。

症候性と特発例

点頭てんかんの原因は、大きくわけると2種類です。感染症や脳奇形など、原因がはっきりしているてんかん(症候性)と原因不明のてんかん(特発性)です。
  
症候性てんかんには、ママのお腹の中で赤ちゃんが成長しているとき、何らかのウイルスに感染する胎内感染症や、元々の脳疾患とされる先天性脳奇形などがあります。その他にも、「新生児頭蓋内出血」や「新生児低酸素性虚血性脳症」などが原因になるとも考えられています。
  
特発性てんかんは、それまでの発育や発達に何ら問題がない場合が多く、検査をしても原因がわからないケースです。てんかんの症状を発症した子どもの10%~20%がこのケースに該当するとされ、特別な理由が見出せないことが特徴です。

発作ってどんなふうになるの?

点頭てんかんの発作とはどのようなものなのか、実際の発作の様子を見てみないと判断がつきませんよね。子どもによって発作の現れ方も違うようですが、次に紹介する発作時の動画を参考にしてみてください。

診断に必要な項目

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病院へ行くと、妊娠時や出産時に異常がなかったか、出生時の体重、今までに大きなけがをしたことはないか、ひきつけ(熱性けいれん)があるかなど、いろいろと聞かれるようです。

ここでは、どのようなことに気を付けて様子をみたらよいのか、病院に行ったときにはどのようなことを聞かれるのかなど、詳しくご紹介します。病院に行く際には、母子手帳なども忘れず準備してから受診するようにしましょう。

診断の基準

点頭てんかんを診断する基本的な情報は以下になります。

・生まれた週数と体重
・生まれたときすぐ泣いたか
・発達の様子(首の座り、寝返りの時期、ハイハイや歩き始め、言葉のしゃべり始めなど)
・大きな病気の有無(頭を強く打つ、脳炎や代謝性の病気、高熱時のひきつけの有無など)

以上のことを基準に診断をしていきます。

発作の始まり方

発作の始まり方にも診断の基準があります。始まり方の特徴は以下のとおりです。

・発作はどのようにあらわれたか、どれくらい持続したか(突発的にか徐々にか)
・けいれんは全身にあらわれたのか、あるいは身体の一部(片手、顔など)だけか
・ぼんやりした顔つきにならないか
・急に言葉がとぎれないか
・急に動作が止まらないか

以上のように、発作の始まり方も具体的に聞かれます。

発作の展開

発作の展開のしかたも診断基準となります。子どもの日頃の症状をよく観察し、伝えましょう。発作の展開のしかたは以下になります。

・手足を硬くしてガクガクする(間代性痙攣)
・突然倒れる
・くずれるようにしゃがみ込む
・何も食べていないのに口をモグモグさせる
・手足をひらひらと意味もなく動かすような落ち着きのない動作をとる
・だだボーッとしている

また、けいれんや強直の際、左と右で動きの差が無かったかどうかも説明します。

発作の終わり方

点頭けいれんは終わり方にも特徴がありますので、子どもの様子をみておきましょう。終わり方の特徴は以下になります。

・けいれん中は泣くがおさまると眠ってしまう
・ぼんやりしてキョロキョロする
・落ち着きなく動き回る
・すぐに何事もなかったかのようにそれまでしていた動作を続ける

発作が終わるときの状態は個人差も大きい部分なので、心配な動作があれば動画などに残しておくと、診察時に役立ちます。

発作後の様子

病院では、点頭てんかんの発作後の様子も説明します。発作後の特徴は以下のとおりです。

・頭を痛がる
・口の中や舌を噛んでいた
・尿をもらしていた
・手や足をすりむいた跡があった
・からだに打ち身があった
・筋肉が痛い

発作後の子どもの様子もよく観察するようにしましょう。

起こりやすいとき

発作前の体の状態や周囲の様子もよく観察し記録しておきましょう。例えば、寝不足のときや発熱時、学校や幼稚園のイベント時などに発作が起きていないか確認することが大切です。その他にも、発作が起こりやすいきっかけになっていることはないか、気づいた点を診察時に説明しましょう。

発作の起こりやすい時間帯と頻度

発作が起こりやすい時間帯や頻度なども確認しておきましょう。例えば、何時ごろ、何をしているときに発作が起こりやすいか、寝ているときに起こるかなどです。

子どもを観察していて発作かなと思った場合には、動画を撮影したり細かく状況をメモしたりしておきましょう。そうすることで診察時には、お医者さんにスムーズに細かく症状を伝えることができます。

点頭てんかんの脳波

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点頭てんかんかどうかという診断のひとつに脳波の計測があります。ただ、子どもの脳は未熟なため、脳波も遅くゆっくりとした波が主体です。その後年齢とともに発達し、波も早く規則正しくなります。

一般的に1回の脳波の検査では、てんかんの患者さんの半分ほどは診断がつかないことが多いようです。さらに乳幼児となると、脳波が不安定なこともあり、成長とともに何度か脳波を測定することが必要になります。また、寝ているときに脳波検査を行うことで、てんかんに特徴的な波を見つけられる場合が多いとされています。

治療法は?

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点頭てんかんは、薬で発作を抑えるのが難しいてんかんのひとつで、難治性てんかんと呼ばれます。点頭てんかんにならないように予防するのは難しいようなので、できるだけ早期に発見をして治療を始め、経過を良くすることが大切です。治療は抗てんかん薬を投与するなど、服薬が主な治療法となります。

薬以外の治療法

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てんかん外科手術

医師の指示に従い抗てんかん薬で治療を行っても、長い間発作が治まらない場合には手術が考慮されます。また、発作により精神発達障害が起こったり、異常な行動が続いたりする場合も、発作が治まる可能性のある早期の外科手術で発作を抑えることがすすめられます。

手術は、てんかんの治療を専門とした施設で行われるのが一般的です。手術を行う場合は、もともとの担当医から専門施設を紹介される場合と、自ら専門施設を探して受診し、手術治療を行う場合とがあります。どちらの場合にしても、大変高度で専門的な診療を要する脳の手術なので、慎重に判断をしましょう。

ケトン食療法

ケトン食療法とは、糖などの炭水化物を減らして脂肪を増やす食事療法です。脂肪が分解されてケトン体が体内で作られることで、てんかんに効果を発揮すると言われています。

具体的な方法としては、米やパンなどを減らし、卵、豆腐、肉、魚を中心に食用油で調理した食事を続けます。味付けに砂糖は使用しません。ただ、極端にバランスの偏った食事になるため、ケトン食療法を行う場合は、医師と栄養士の指導が必要になります。

ACTH療法

ACTHとは脳下垂体ホルモンのことで、てんかんに対する筋肉注射が効果的として用いられています。ただし、現状ではまだ最適な使用方法が確立していません。ホルモンを注射することによる満月様顔貌や肥満、高血糖などの副作用をできるだけ抑えるために、可能な限り少ない量で短期間の投与がすすめられています。

てんかんについて知る本

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「てんかん」のことがよくわかる本
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てんかんの正しい知識について、イラストなどでわかりやすく解説された本です。専門医が少なく、偏見や誤解も多いてんかんは、今もなお最善の治療を受けられていない方も多いのが現状です。この本は、発作のタイプによる原因や最適な治療法など、てんかんの悩みを解決できるように導いてくれます。

■この本に関する口コミ
・全体に渡り図解で説明書きがあり、とても理解しやすい本です。
・てんかんの患者自身やそのご家族の方、てんかんの生徒、児童、学生を持つ学校の教職員の方や、てんかんの患者と共に働く方に読んで頂きたい一冊です。

早期発見、早期治療に努めましょう

育児本などを読んでいると、点頭てんかんを紹介している本もあります。「もしかしたら我が子も……」などと心配になる方もいるかもしれません。子どものためにも、気になる症状があれば早めに医療機関を受診して、適切な治療を早期に受けさせてあげたいですよね。もっと早く病院に行っておけばと後悔しないように、子どもの気になる症状は見逃さないようにしていきましょう。

また、時間がたつにつれて発作の様子がわからなくなったり、記憶があいまいになったりします。発作かどうか気になる動きがある場合は、動画に残しておきましょう。

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