更新日:2017年01月05日

危険な「ニセ医学」にだまされないで! 覚えておこう、家族から幸せと健康を奪う「ニセ医学」の4つの特徴

いまあなたは、ちょっと変わった子育て方法や健康法を実践していますか? まじめで向上心のあるママたちが、つぎつぎに「ニセ医学」の餌食(えじき)になっているのです。 この記事では、ときには死にいたらしめることさえある「ニセ医学」の特徴を見きわめて、だまされないでいるために注意しておくべきことをお伝えします。

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目次

    「ニセ医学」とは

    「ニセ医学」とは、「医学のようなかたちをとっているが、実は医学的な根拠がないもの」のことを言います。「エセ医学」「トンデモ医学」と言われることも。

    以下、「ニセ医学」の4つの特徴を順にみていきましょう。

    特徴1.ものいいが極端で扇情的

    「ニセ医学」の指導者たちは、まずは自分たちの主張に耳をかたむけてもらうため、人々が心に抱えている不安の種をゆさぶって興味をひこうとします。このためにとても極端で扇情的なキーワードを多用します。

    人々を「ニセ医学」に引きこむための最初の話題として使われる代表的なもののひとつに、「白砂糖害悪論」があります。以下、わかりやすくするためにこれを例にとってみましょう。

    「白砂糖 害」「白砂糖 危険」でネット検索すると、以下のような表現が山ほど出てきます。
    ・白砂糖は麻薬と同じで、人間の心身を蝕む恐ろしい食べもの
    ・白砂糖は白い悪魔
    ・子どもがキレやすくなるのはすべて白砂糖のせい
    ・白砂糖は腸の悪玉菌のエサ
    ・白砂糖は精製されているから、自然界にはない。ヒトにとっては異物

    子どもや家族の健康と幸せを思う人なら、つい「ええっ怖い! 私は大事な人のことを守らなきゃいけないから、この人たちの言ってることをちょっと聞いてみなきゃ!」って思ってしまってもおかしくないですよね。

    けれど、ここで彼らのいう健康法や子育て法にまっしぐらになってはいけません。仮に彼らが間違ったことを言っていたとすると、あなたも良かれと思ったまま間違ったことをしてしまうことになります。

    特徴2.かんたんに断言する

    白砂糖害悪論では、「白砂糖は白い悪魔、絶対にとってはいけない」というような「断言」を多用します。

    彼らのいうとおり、白砂糖は精製糖であり、ミネラルなどの栄養素が失われています。白砂糖「ばかりをとりすぎるとよくない」のは確か。もし人間が、おなかが空のところに白砂糖だけをスプーンにすくってバクバク食べて、ほかのものを食べなかったら、確かに身体にとても悪いでしょう。

    しかしじっさいには、人間の食生活の中でそんな状況はほぼ存在しません。たとえ白砂糖をとっても胃腸の中でほかの食材と混ざるから、白砂糖にミネラルが失われていることを問題にすることには、ほとんど意味がないのです。

    ですからふつうの医学では、もし白砂糖について何かいうならこんなふうに言います。
    「ふつうの健康な人にとって、カロリー的な意味からいっても白砂糖はとりすぎないほうが良いには良いでしょう。まあ、多様な食材をバランスよくとりましょう」
    しかし、「ニセ医学」はここをあえて無視して、「白砂糖は白い悪魔。絶対にとってはいけない」とかんたんに断言してしまいます。

    「ニセ医学」の言い方のほうがインパクトがあって、どうしたらよいかがわかりやすいものですから、つい心が動いてしまうかもしれません。でも、ふつうの医学にとっては正しさのほうが大事。まともなものほど、ものいいは慎重でわかりにくくなるものなのです。何かをバシッと断言している表現が出てきたら、まず警戒しましょう!

    特徴3.精神論が多く、親を責める

    「子どもがキレやすくなるのはすべて白砂糖のせい」を例にとります。

    ・白砂糖を欲しがるからといって与えるのは親の怠慢
    ・子どもの反応や表情から白砂糖が原因と見破れないのは愛情が足りない
    ・そもそも子どもが白砂糖を欲しがるようになったのは、あなたの努力・妊娠中の食生活・心がけが悪いから

    白砂糖害悪説ではこのような言い方で、子どものキレやすさを白砂糖のせいにするだけでなく「あなたの心がけが悪い・努力や愛情が足りない」という、責める言説を巧みに入れ込んできます。こうすることにより、だまされてしまったママは、「私の心がけが足りないんだ、もっと頑張らなければ」と感じてさらにはまりこむことになってしまいます。その健康法・子育て法で効果が出ないのは医学的な根拠がないからかもしれないのに。まじめな人ほどこうなってしまいがちでしょう。

    でも、あなたの子どもがキレやすいとして、ほんとうにそれは白砂糖やあなたのせいでしょうか? たとえば、ADHDや自閉症などの、発達障害の症状のひとつとしてキレやすさがある可能性はないでしょうか?

    ふつうの医学では、ひとつの現象にいくつもの仮説をたてて、さまざまな原因を探ります。あなたの子どもがキレやすいのは、発達障害のせいかもしれないし、ほかの知的障害や精神障害かもしれないし、内科的な病気があってそれが神経系に対して悪さをしているかもしれません。ほかにも何か原因があるかもしれません。それを、白砂糖やあなただけのせいにしてしまうのは、医学としてはあまりに乱暴だとは思いませんか?

    ときには聞くにたえない罵詈雑言も

    少し話がずれますが、極端にひどい「ニセ医学」指導者の場合、子どもに障害があることさえ親の心がけのせいだとし、反省を強要したりします。つい先日も、「ニセ医学」のトップに君臨するある医師が、「障害児を産んだ親は一生反省しろ」という主旨の記事をアップして、炎上したばかりですね。

    彼らは「愛のムチ」や「愛からの毒舌」をかたって、「一生反省しろ」「大バカ」「一度死んで考えるべき」といったような聞くにたえない罵詈雑言を繰り出したりします。これは愛のムチや毒舌などでは決してありません。ほんとうに愛のある人は、根拠のないことで人の不安と恐怖をあおったり、汚い言葉で脅していうことを聞かせようとしたりはしない、と筆者は思います。

    特徴4.ふつうの医学を否定する

    陰謀論(ものごとの裏に大きな陰謀が隠れているとするものいい)などを使って、ふつうの医学を否定し、ふつうの医学に対する不信感を植えつけます。たとえばこんなことを言います。

    ・医療業界は診療代や薬代で儲けるために食品業界と手を組んで、人々に白砂糖をとらせて砂糖依存にしようとしている
    ・子どもの精神症状は食生活のせいなのに、医療業界は不必要な診断をくだし、子どもを薬漬けにしてわざわざ障害や病気を作り出している
    ・薬を飲むといままでがんばったデトックスが台なしになる
    ・具合が悪くなったのは好転反応なのだから、耐えなければいけない。ふつうの医者にかかるとかえって病気にされてしまうからかかってはいけない

    「ニセ医学」にだまされる人の中には、過去にふつうの医療で嫌な思いをしたり、不信感を抱いたりした人が多くいます。こうした人の心をひきつけるため、「ニセ医学」の指導者たちはまずとてもていねいにターゲットの話を聞き、「この人にならわかってもらえる!」「受け入れてもらえた!」という印象を与えて、強い信頼関係をつくりあげます。その後、ターゲットの中に眠っていた、ふつうの医療を否定したい気持ちをうまく利用して、上記のようなものいいを使ってどんどん引き込んでいくのです。

    「ニセ医学」の弊害

    たとえば、白砂糖害悪論だけを信じて、生活の中から白砂糖を厳しく避けるだけですめば、命を左右するような害はありません。そうですね…… たとえばこのように、少しだけ生活が不便できゅうくつになることぐらいでしょうか。

    ・代替の高価な甘味料のために家庭の経済的負担が増える
    ・変わった調理法のためにママの家事負担が増える
    ・指導者から「親の心がけ」を責められる場合が多いため、ママがしだいに自信を失って自分を責めるようになる
    ・ママが必死さのあまりしだいにかたくなになり、周囲の人々(パパや家族、友人など)から孤立しやすくなる
    ・市販のものが食べられなくなるために子どもの食文化経験が偏る→孤立やいじめ、将来の摂食障害などにつながる可能性

    けれど、これだけでもじゅうぶんすぎる弊害だと思いませんか?

    それに、多くの場合はこれだけでは終わらないのです。「ニセ医学」の怖いところは、こういった軽めの話題を入り口に、ほかのもっと怪しく、より悪影響の多いものに芋づる式にはまりこんでいってしまうことです。

    最悪の場合、このような結果につながってしまいます。

    ・高額な「ニセ医学」にお金をつぎこみすぎて家計が破綻
    ・特殊な生活様式の実践のストレスから家族関係が壊れる
    ・子どもが負わないですんだはずの障害を負う
    ・家族が、死なないですんだはずの感染症や病気であっけなく死ぬ

    家族の幸せと命を守りたくて実践した健康法や子育て法で、家庭が崩壊したり、家族の命が失われてしまう… これほど本末転倒でつらいことはありませんよね。

    だまされないための対策

    もし本当に真剣ならば、どうかちょっとだけ立ち止まってみて。いままで知らないで生きてきた理論なのですから、あわてずに30分でいいから時間を割いて、検証してみましょう。彼らの言っていることがほんとうに、信じて、負担に耐えながら実践するだけの信ぴょう性と価値のあるものなのをか確かめるのです。

    ネットの怖いところは、基本的に自分の探している情報しか手に入らないところ。たとえば、「白砂糖 危険」などで検索しているかぎりは、「ニセ医学」側のものいいしか入ってきません。

    ですから、逆の立場に立てるキーワードを追加しましょう。たとえば、「嘘」「トンデモ」「インチキ」などの言葉を追加して

    白砂糖 危険 嘘
    白砂糖 危険 トンデモ
    白砂糖 危険 インチキ

    といったキーワードで検索してみましょう。

    Image引用元:mamanoko.jp

    ほら、白砂糖害悪説を批判する立場の記事もヒットするようになります。少しでいいから読んでみましょう。この時点で「ニセ医学」のものいいに左右されずに帰ってこれるようになれれば、だまされないママでいられます。

    ほかのママたちのためにも、ちょっとでも怪しい情報は反射的にシェアしたりせずに、ほかの関連情報を集めてから反応しましょう。

    権威のある人が言っているからといって、簡単には信じないのもポイントです。たとえばNHK、ポピュラーなニュースサイト、カリスマ的な芸能人、華々しい経歴の医師などが出どころの情報であっても、言っていることそれ自体を一度疑ってみましょう。

    「ニセ医学」はどうしてこんなに普及しているの?

    こんなに普及しているのは、彼らの言っていることが正しいからなんじゃないの? と思う人もいると思います。でも、その判断はちょっと早すぎます。

    じつは世の中には、「成功例ばかりが語られ普及していく」という法則があります。

    ビジネスの分野を例にあげてみましょう。書店へいくと、ビジネス本のコーナーに「私はこうして成功した。皆こうすれば成功するはずだ!」という内容の本が山と積んであります。ネットでは同じような内容のブログ記事などもどんどんシェアされていますよね。

    でも、どうですか? 不運にもいくら努力してもそれが実らず、失業や困窮を苦に自殺したり、孤独死していく人たちのニュースはあとを絶ちませんよね。

    成功した人は語ります。そして、自分が成功したのは「努力したからだ」「○○法を実践したからだ」と信じています。ほんとうは、単に「努力が報われる運に恵まれていた」だけかもしれないのに。

    でも、不運にも努力してもそれが報われず、失敗した人は、自分の失敗を恥じたり、周囲から批判されることを恐れて口をつぐみます。聞いているほうも、つらい失敗談よりも華々しい成功談のほうが聞いていて気持ちがいい。こうして、一部の、たまたまかもしれない成功例ばかりが世の中に普及することになるのです。

    「ニセ医学」の分野でいえば、当人が死んでしまえばもう語る口もありません。「○○を実践すると強い子に育つ」なんて嘘です。単に、たまたまそういう健康法でも生き延びられるぐらい強い子が、運良く生き延びただけです。生き延びられなかった子は淘汰され、その遺族は口をつぐんでしまうのです。

    さいきんやっと、「がん治療不要論」の分野で、被害者遺族たちが指導者を糾弾する動きが出つつあります。しかし残念ながら、今のところはその勢いよりも、これらが爆発的に普及していく動きのほうが強いというのが現状なのです。

    さいごに

    著者としては、まじめで向上心のあるママたちがどんどん「ニセ医学」の影響を受けて、しなくてもいい苦労を背負ってしまったりしているのを見ているのが本当につらいです。また、こと子育てとなるとすべての責任をママに押しつけてしまいがちな世間の風潮を、許せないとも思います。ママたちは、そういった世間からのプレッシャーと孤独のなか、わらにもすがる気持ちで「ニセ医学」にはまっていってしまうのではないでしょうか。

    筆者は、ママたちがときには代替医療(西洋医学以外の医療)に頼ることを否定しません。確かに西洋医学には西洋医学の限界があるし、代替医療には代替医療のいいところがあると思っています。自分が今後代替医療を必要とすることもあるだろうと思いますし、私事ですが、じっさいに自分の体調不良をなんとかしたくて、わらにもすがる気持ちでどっぷりはまりこんでいたこともあります。その間5年間ほどだったでしょうか。私の場合は結局、西洋医学に頼らなければ治らない病気があったため、ずいぶんとお金と生活、努力と時間を犠牲にしました。

    そこを通りすぎてきた著者だからこそ言いたい。効きめが感じられないとか、かえってつらくなってきたとか、命が左右されかねないような症状がある場合には、どうか、その指導者に罵られてもいいから、いままでの努力がムダになりそうでもいいから、ふつうの病院に行ってください。あなたの努力と時間、お金と愛は、もっと正しいもののために使われるべきだと思います。

    まとめ

    どうかあなたは、しなくていい苦労や悲しみを背負わないでください。ひとりで耐えずに、つらかったらつらいと叫んでほしいです。そして、もっと頼りがいのあるものに頼ってほしいと思います。

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