【理解されにくい発達障害】自閉症スペクトラムの子育て【体験談】

最近、芸能人の方でもカミングアウトしている記事を目にするようになりました。息子が診断を受けるまでは「発達障害」の名前は聞いたことがあったものの、その詳細についてはよく理解していませんでした。筆者の経験を元に、「発達障害」の特徴や育児についてご紹介します。

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目次

  1. 発達障害とは
  2. 理解されにくい発達障害
  3. 我が家の場合
  4. 発達障害の理解(昔と現在)
  5. 自己肯定感を持てる大人になれるように
  6. あわせて読みたい

発達障害とは

発達障害とは発達障害者支援法における定義 第二条より下記のように定義されているようです。通常、その症状は低年齢で現れるようです。

(代表的な自閉症)
・自閉症(3歳以前に分かる発達障害で、特徴は対人関係障害・言語発達障害・常同行動など)
・アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害(PDD)
・学習障害(LD)
・注意欠陥多動性障害(ADHD)、その他これに類する脳機能障害

発達障害は、さまざまな症状が合併していることが多く、虹のように重なり合っている部分があります。そのため障害名の特定が難しい為に「自閉症スペクトラム(スペクトル)障害」または「公汎性発達障害」と呼ばれています。[スペクトラム(連続体)]

発達障害と一口に言っても、上記のようにこのうちの学習障害だけのものもあれば、注意欠陥多動性障害だけ、または重なり合う部分に該当したり1人1人その症状は千差万別です。発達障害のうち、自閉症には知的な遅れがある場合がありますが、知的障害と発達障害は別の障害だと考えられています。知的障害は発達障害の一種と考えられています。

良く勘違いされ易いのが、「自閉症」と言うものです。そんな筆者自身も自閉症の人はコミュニケーションが取れないと思っていました。しかし、自閉症でも自立して社会生活を送ることの出来る軽度の症状から、支援が無いと自立の難しい重度の症状まで様々あると言うことを知りました。

知的な遅れの無い「高機能自閉症」や「アスペルガー症候群」などは知的能力が高い場合もあります。自閉症の一種であるアスペルガー症候群は幼児期、言葉の遅れが無く、むしろおしゃべりであったり、大人のような難しい言葉を使って話す子もいたりします。

その為、大人になるまで気付かれないことも多く、近年それがメディアなどでも取り上げられるようになってから気付いたと言う方も少なくありません。アスペルガーの場合、自分の興味のあることを一方的にしゃべり続けたりすることがあるので、自閉症の定義である、対人関係の形成がうまくいかないことに当てはまります。

理解されにくい発達障害

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発達障害は、集団の中にいると少し目立つような問題行動を起こすことがあります。本人は決して悪気があるわけでは無いのに、周囲の理解が得られにくく良く怒られる子供時代を過ごすことが少なくありません。感覚が鋭すぎたり鈍感すぎたりと、極端な感覚に特徴が見られます。

一風変わった行動を取ったり、何かにこだわり続けたり、どんな子どもでも彼らの発想は元々素晴らしいのですが、小さい頃から少し周囲から浮いた発想力を見せることがあります。

逆に大人しく目立たないが、忘れ物を良くしたり、おっちょこちょいでほんわかとした子にも発達障害がある場合もあり、大人になって気付くパターンも少なくありません。ドラえもんに例えられる場合がありますが、ADHD(注意欠陥多動性障害)の場合ジャイアン・のび太症候群と解説されているものがあります。

藤子・F・不二雄先生はADHDの3つのタイプを次のように解説しています。
・ジャイアン型(多動・衝動優勢型)
・のび太型(不注意優勢型)

栗原類さんのケース

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最近では、モデルの栗原類さんが「ADD(注意欠陥障害)」であることを告白されていますが、診断を受けるまでは周囲の無理解に心を痛めていたようです。アメリカで学校に通っていた頃は音楽の授業も普通に受けられたようですが、日本の学校では友だちの歌声で耳を塞いだり、教室から逃げてしまい先生に叱られた経験もあるそうです。

発達障害の特徴は色々ありますが、栗原さんの場合は「変化に対応するのが苦手」であったり「音に対する感覚が過敏」などの特徴があり苦労されていたようです。例えば、冷蔵庫の中のお茶の置き場がいつもと異なっていると、気持ち悪くいつも置いてある場所に戻してしまうこともあるようです。

栗原さんのように「ADD(注意欠如障害)」と診断されていても、聴覚過敏などの感覚障害や、こだわりなどが出現したり、その他の症状も出ることがあります。

SEKAI NO OWARI 深瀬さんのケース

SEKAI NO OWARIの深瀬さんもADHD(注意欠陥多動性障害)であると告白されています。彼の場合は、二次障害や精神科の薬の副作用にも苦しめられ、生き辛く大変苦しい人生を歩まれて来られたのではないかと想像します。

周囲の無理解

勉強しようと思っても窓の外が気になって仕方がない、先生の寝癖が気になる、文字を書く音が不快、など上げるとキリがありませんが、とにかく気になることや不快に感じることが人よりも多い。

集中できない為勉強が出来ない場合があったり、元々学習障害がある場合は、特定の教科だけが分からない、理解しにくいと言う問題もあります。気になることがあると、衝動的に動いてしまったり、本人は全く悪気がなくても脳の機能の偏りからくる特性なので、怒られて直るものではありません。

周囲の無理解から、本人に取っては理不尽な扱いを受け続け、劣等感を持ち、暴力や非行、引きこもりになったり、パニック障害、過食症、拒食症などの精神障害と呼ばれる病気になったり、このような二次障害を引き越すことがあります。

我が家の場合

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4歳になる息子の場合、特徴が強いのは、多動性、衝動性、こだわりが強い、物をよく無くす、落とす、コミュニケーションは取れていても一方的なことが多く、年齢相応に人とのコミュニケーションが取れない、栗原さんと同じく「変化に対応するのが難しい」などがあります。

3歳直前に「自閉症スペクトラム」との診断を受けていますが、ADHD(注意欠陥多動性障害)の傾向と、今現在、自分の興味のあることに関してはおしゃべりが止まらなくなり、1人でしゃべり続けることが良くあるので、アルペルガー症候群の特徴も強く出ています。

落ち着きがないor過集中

興味の対象が次々と移り変わったり、色々なことが気になって集中できないことが多いです。親が話している途中で、違うことをしょっちゅう言い出だしたり、とにかく落ち着きが無いと言うのが特徴で、目に入るものにすぐ影響され集中力がありません。

かと思えば、一度興味を持ったものに関してはものすごい執着心を見せ、人の声が全く耳に入らない程集中することがあり、これを『過集中』と言いADHDの特徴の1つです。

クレーン現象

診断を受ける前に気になっていたことは、発語はあったものの平均よりは少なく、大人に指を差して要求を訴えたり知らせることもあったけれど、それもごく少なく、クレーン現象が多くみられました。(健常児でも言葉が出る前には一定期間見られる現象)

1歳を過ぎたあたりから子どもは「指さし」をして大人に何かを要求したりするための大切なコミュニケーションの一つです。クレーン現象とは、要求を言葉で伝えることができずに、ママやパパなどの手を引っ張って興味を持ったものの場所まで連れてく行動のことを言います。

人見知りをしない、他人に興味を持たない

後追いがほとんど無く、親がいなくても泣かない。人見知りをしないことも気になっていました。歩けるようになっても母親のそばにはいようとせず、存在すら見えていないかのように自分の興味のままに動いていました。呼んでも振り向かないのは当たり前で、筆者はいらない存在なのかなと落ち込むことも多かったです。

人によっては、抱っこをしてもしがみつこうとしなかったり、視線が合わなかったりするようです。声を掛けられても無反応で、お友達がバイバイしてくれても本人はしないケースもあるようです。例えば、転んで怪我をしてしまっても泣きながらママのところに来るようなこともないので、他の人への関心をあまり持たないようです。

こだわりと、逆手バイバイ

1歳代からビンや同じ種類(ブロック、果物、石など)のものを縦に積み上げたり横に真っすぐ並べたり、曲線状に整然と並べたりする行動を繰り返していました。バイバイの仕草が出来るようになったのはいいのですが、逆手バイバイ(手の甲を相手に向ける)が続きました。自閉症と関連付けられる症状です。

よくパニックを起こして家でも外出先でも収拾がつかなくなることが多々ありました。両手をひらひらさせたり、その場で何度もジャンプすることもありました。自閉症の子ともには、遊びや行動にこだわりがあるのも特徴です。数字や漢字など興味を持つのは子どもによって異なります。

言葉が少し平均よりも遅かったのですが、2歳代後半からロゴの文字をあっと言う間に覚えて読めるようになりました。銀行に始まり車のメーカーやありとあらゆる会社のロゴとロゴマークを覚えてしまいました。

ひと固まりのロゴの形で覚えているので、漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベット関係なく答えるのですが、その名称を1文字ずつに分けるととたんに分からなくなります。文字は最近覚え始めましたが、当時は読めていませんでした。

その他、代表的なこだわりもありました。今現在もこのこだわりは消えていなくて、道順こだわりは特徴的です。子どもによっては、いつもと違う道を通るだけで「ギャー」などと言い道順にこだわる子どももいるようです。

チック

筆者の息子は「チック」と言う症状も出ていました。何気ないことですが、写真を撮るときや注意が一点に向かっているとき、必ずと言っていい程、眉間にしわを寄せていました。これがチックとは思いもしませんでしたが後々知ることになりました。チックは発達障害ではなく合併症として症状が出ることがあるようです。

代表的なチックの症状
・まばたきをする
・首を振る
・顔をしかめる
・汚い言葉を繰り返し言う
・意味不明な声を出すなどの症状があります。

ことば

心配していた言葉の遅れもさほど目立たなくなるのですが、2歳後半から3歳前半は、独特なしゃべり方や言葉の語尾が不自然に上がり特徴的でした。正直、これかぁと内心は思っていたものの、個性的で面白く、家族はそれが可愛くて癒されたり、ときには笑えたりして息子のキャラクターが出来上がっていきました。

夜泣き

今までの育児中、大変だったことはたくさんあるのですが、最初にやってきたのが「夜泣き」でした。発達障害児だけとは限りませんが、赤ちゃんの頃から3歳頃まで夜中30分〜1時間おきに「ギャアアアアア!!!」と泣いていました。

どんなにあやしても色々やっても、抱っこを仰け反って落ちるくらい暴れて、ひたすら泣き止むのを待つか、車で走るかしないと寝ませんでした。寝たと思ってもまたこれの繰り返しで、本人が一番辛かったと思いますが、家族も疲労困憊になります。突然、長時間大声で泣き続けるなど度を超えているようなケースは注意が必要のようです。

パニックを起こす

筆者が一番困っていたのが「パニック」を起こすことでした。癇癪などいろいろと言い方がありますが、本当のパニックは何にも聞こえなくなって我を忘れる状態です。夜泣きのときもこんな状態でしたが、幼児になってきても気に入らないことや環境の変化に敏感だったので、家でも外出中でもよくパニックを起こしていました。

これも後々、親である筆者の対応が悪かったのですが、壁や床に頭を打ち付けたり(自傷)人に噛み付いたり(他害)と、対応がまずいとこういう行為が見られます。子どもによっては、突然走り出し注意する親の声も聞こえない場所まで脱走することもあるようです。

現在の様子

今現在は通常の保育園に通っています。集団の中ではみんなが座ってお話を聞く場面でも、他に気になることがあると動いてしまったり、みんなに合わせられなかったり、衝動的に動いてしまうことがあります。

息子の場合は「あれ?」と思う場面が赤ちゃんの頃からあり、集団の中に入るとどうしても目立っていたので、市の発達相談に通いながら、3歳直前に病院で診断を受けました。療育施設でも個別に指導を受けていて、少しずつ少しずつ本人は成長しています。

発達障害の理解(昔と現在)

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「発達障害」は、最近でこそまだ認知されるようになり、教育の現場でも支援を受けられるようになって来ています。筆者が子供の頃、◯◯学級など、今で言う支援クラスはあったものの、当時は今よりも認知が無く、少し知的な遅れがある子だけが◯◯学級に入っていました。

発達障害は知的遅れがない場合や、知的や運動能力に優れている子も多く、普通学級にいる子が理解されず問題児扱いされ怒られてばかりの子もいました。今となってはその子たちも発達障害だったのでは無いかと疑われる子も多く、本人の特性が理解されないまま大人になった方もいると思います。

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我が子が発達障害と言うと、気を遣われたり、一歩引かれることがありますが、見た目や一見しただけでは分かりません。むしろそのこと自体を疑われることもありますし、親自身が気付かなかったり、違うと思い込んだりする場合もあります。筆者自身も診断を受けることを最初は躊躇しました。

診断名がつくことによって、本人が将来的にどう感じるかを心配した為です。診断を受けなくても支援は受けることができますし、実際診断を受けずに療育を受けて訓練されている方もいらっしゃいます。

芸能人や有名な方がメディアでカミングアウトされることにより、より理解は広がりますが、良い面と悪い面があり、正しく理解する為には多くの方々に興味を持って頂くことが大切だと考えています。

自己肯定感を持てる大人になれるように

このような「発達障害」ですが、周囲の方々には迷惑を掛けるようなことも多く、ただただ理解して欲しいと言うのはおこがましい話だと思います。ただ、他の人には無い魅力もあり、個性的で素晴らしい能力を持っていることも事実です。

それを見つけて生かすことによって、人間としてのバランスを保てるよう、親としては出来る限りのことをしたいと思います。早期療育で訓練を受け、本人にとって生き辛さを少しでも軽減できると信じています。

栗原類さんと同じ考えに至るかどうかは分かりませんが、本人が自分の特性を理解できる年齢になれば、問題を解決する為に役に立つこともあるし、家族、身近な人々が理解することによって本人が楽になることもあると信じています。

「発達障害」は何よりも周囲の『無理解』に苦しめられます。周囲の協力が得られる環境でも本人や家族の努力は不可欠です。年齢の段階を踏みながら出来ることを増やし、相手の気持ちを考えられるように気付かせること、将来自立して自己肯定感の持てる人間になれるように手助けする。そのようなことが親としてできることだと考えております。

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