【体験談】自閉症スペクトラムの子育て〜1、2歳はどんな日常生活?〜

1〜2歳になると子供達は歩き出し、単語を覚え始め言葉が出始める時期です。発達障害(自閉症スペクトラム)の具体的な特徴も頻繁に見られるようになる時期でもあり、初めに知っているのと知らないのでは対応も随分変わってきます。どんな日常なのか、何が大変でどういった事が起こるのか、筆者の体験談と対処法などをご紹介します。

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目次

  1. 1歳半頃【逆手(逆転)バイバイ】
  2. 1歳後半【特異行動と常同行動】
  3. 2歳【継続ー言葉の奇妙さ】
  4. 2歳後半【多動性の出現】
  5. 自閉症について学ぶ本
  6. まとめ
  7. あわせて読みたい

1歳半頃【逆手(逆転)バイバイ】

逆手バイバイとは?

幼少のころの自閉症の特性として、よく『逆手バイバイ』を聞きます。さかさバイバイとは、手のひらを相手に向けてバイバイをすることを言います。

この「逆手バイバイ」が出現する理由としては、自閉症の特徴でもある、対人関係の形成困難(自分以外の他人への関心の薄さ)自分と他人の区別がつけにくい事が挙げられます。また、自分視点でしか物事を見られない為に鏡に写したような模倣ができないなどと言われています。

個人的には、見えるものをそのまま模倣しているので、ある意味目に写るものに対して正直で、発想が違うなと関心していたのですが、自閉症の特徴でよく言われている症状の1つです。

逆手バイバイをなおす方法

逆手バイバイを治す方法としては、相手の人と手を合わせてバイバイをさせる方法があります。そのようにバイバイを教えていき、最初はひっつけていた手を徐々に離していくことで、正しくバイバイができるようになっていきます。

この1歳半時点の“逆手バイバイ”で親が困る事は何一つ無かったのですが、後々この《自分以外の他人への関心の薄さ》や、相手が認識できるようになっても関係性が理解し辛く、言葉の逆転も起こって来ます。

例えば、「ちょうだい」と「どうぞ」、「ただいま」と「おかえり」、「行ってきます」と「行ってらっしゃい」など相手がいて初めて成立するこのコミュニケーションのやりとりですが、全て逆転してしまいます。誰かが持っているオモチャが欲しい時、相手に向かって手を差し出して「どーぞっ!!」と言うのです。

このやりとりは3歳代のお話になりますが、毎日何度も説明したり、絵本を使って教えても教えても帰宅した夫に向かって嬉しそうに「ただいま!!!」とよく言っていました。4歳の未だに間違えたりはっきり分かってないな、と思う事があります。このような“逆手バイバイ”に関連づけられる症状が言葉にも後々現れます。

1歳後半【特異行動と常同行動】

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特異行動

自閉症のばあい、常に気になる行動をすることがあります。例えば、

・手をひらひらさせる
・体を揺らす
・顔をしかめる
・ずっと叩き続ける
・奇声を上げる

などがあげられます。筆者の息子はほぼ全てと言っていい程、これらの症状が1〜2歳代で見られました。

他にも、規則性を持って並べる、積み重ねる、これがオモチャでもビールやジュースの缶、ジャムのビンまでもひたすら並べて積み重ねて遊ぶ、息子の遊び方でした。

水道の水に興味を持つ

水道の水を出しっ放しにして手のひらや指に受ける水の感触やキラキラ光る水の光が面白くて没頭する事があります。排水溝や側溝、お散歩中に、水の流れる場所で動かなくなる事もしょっちゅうありました。

水道の水に興味を持つ我が子に、何を話しかけても通じません。「お母さんは必要ないの?」そう思ったこともあります。こういう思いをされているお母さんはきっと多いと思います。子どもは可愛いけれど我が子に対して愛着が全然湧かない、育児にも自信が無くなり、自分がおかしいのだと思うようになったりします。

外出時のパニック

1歳代で困った事と言えば、外出時のパニックでした。奇声やピョンピョンジャンプしたり激しく動き回るのも病院や健診などでは困りましたが、パニックになると泣き止まず仰け反って大暴れするので本当に困りました。

当時は原因もさっぱり分からず、本人はそれほど不快で辛かったのだろうと今では想像がつきますが、特に病院や健診の待ち時間、人が多い場所やガチャガチャと物が多い空間ではどうも神経がピリピリして、そういう時に常同行動が起こる(自分を落ち着かせようとしていると言われています)ので、それをやめさせようとして結局パニックになる、と言う悪循環を起こしていました。常同行動はやめさせてはいけないと言われています。

何も知らなかった私は、病院の待合室のソファーやキッズスペースでぴょんぴょん飛び跳ねる息子を静止したり、キエーーーー!!!キャーーーー!!などと奇声を発するので、好機な目で見られたりするのが嫌で車の中で待たせてもらったりしていました。

■対処法

無理にやめさせようとすると、より奇声がひどくなります。そのために、困った場合は次に取り組むことを、具体的に提示させて気をひかせることが大切です。

手持ち無沙汰が苦手な人っていますよね。我が家の夫もそうなのですが、何かやっていないとどうも落ち着かない、待つ《具体的な時間が分からないと尚更》行為に対してこういった不安感が伴っていると考えられます。これは、見通しの立たない事への不安や曖昧な事が苦手な事(発達障害の症状)から起こるもので、常同行動で落ち着かせている訳です。

1歳代から3歳過ぎまでつづいていたのが、クレーン現象と言うものです。健常児でも言葉でうまく伝えられない時期、一時的には見られるそうですが、親の手を自分の手のように操り、高い所にあるものを取りたい時や要求が伝えられない時にその目的を果たそうとする為の道具のように扱います。

2歳【継続ー言葉の奇妙さ】

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1歳半までに普通のお辞儀や拍手などの模倣と単語はいくつか出ていました。「まんま」や「ねんね」「ブー(車)」「ニャンニャ(猫)」など言葉の面において健診でひっかかる事はありませんでした。2歳2ヶ月になると2語文も出始め、色の名前も言えるようになりました。
だし、常同行動や特異行動は相変わらず継続しています。

教えても言わない

気になっていた事は、パパ、ママ、バーバ、ジージなど、人の呼び名をいくら教えても言わない事でした。パパやママと1番に言って欲しいが為に一生懸命教えるのですが、そもそも人にあまり関心がないので呼び名をはっきりと言い出したのは3歳になってからでした。

CMが大好き

よく2歳まではテレビを見せないようにするなどと育児書などにもありますが、CMが異常に好きな息子はTVを消すとものすごく不安定になりイライラしていました。CMのフレーズを真似したり楽しんでいたので私はTVを普通に付けて過ごしていました。

正直な所、コミュニケーションが取りたくても興味を示さず、オモチャでは本来の遊び方をしない(ただ並べたり積み上げたり回したり壊したり…)ので私自身もこの子とどうやって遊べば良いのだろうと、当時は遊びに誘っても知らん顔をされたり、投げ捨てられたり、触るなと言わんばかりに怒られたりする為に、つまらないとすら思っていました。

これも後々分かる事ですが、下の娘はTVを付けていてもほとんど見向きもしません。「おかあさんといっしょ」は好きで観ますが、ほとんどが家族に対して遊んでとやって来る事が普通で、一緒に遊んでいるとそれは嬉しそうに笑ったり、目を見てニッコリと笑ったりするものです。
息子は人にほとんど興味を示す事がありませんでした。

それでも興味を引こうと頑張ってみるのですが、笑ってくれるのは、くすぐったり、おせんべいの空き缶のフタを高い所から落として『ポヨ〜ン』と変な音を聞かせたり、そんな程度でした。自分から遊んでと来る事はなく、自分で出来ないフタの開閉などをやってくれと持って来たり、一方的な要求が多かったように思います。

正直な所、テレビを観させるから言葉が遅いと言うのは、専門家の人が自閉症児を育てていないから分からないと腹の立つ事が多くありました。コミュニケーションが取りたくてもうまくいかない子もいるし、親も困っている、と。TVに子守りさせると言いますが、娘を見ていると、普通の子は家族とコミュニケーションを取りたがるからTVばかりに夢中になる事なんて無いのだろうとすら思っています。

2歳後半【多動性の出現】

2歳代後半になってくると、急に飛び出したり走り回ったり衝動的に動き始めるのでそれはとてもとても大変でした。この頃初めて肘が抜ける(肘内障/ちゅうないしょう)にもなりました。

これは保護者である私の対応がまずかったのですが、やはりこの急に飛び出したり逃げる行動は本当に危険で、それまでに頭を縫う怪我も2度程ありましたので、どうにか側にいさせないといけないと言う思いから動き出した時に咄嗟に手を掴んでしまいます。

引っ張るつもりは無くても、身体が大きく力の強い息子が振りほどこうとするので、ついこちらも力が入ってしまい、両肘抜けてしまった事もありました。

危険な場合はひじから腕をつかむ

多動や衝動の強い子は危険な場所で咄嗟に飛び出す事がある場合、手の平や手首から先を掴まずに腕(肘から上)を掴んで下さいと言われました。

この頃、言葉も2語文から時折3語になったりと、特に言葉の面で男の子は遅いからと良く言われたりしていた事もあり、言葉の遅れの事はあまり気にしていませんでした。さほど遅れも無かったのですが、奇妙さがますます加速して来たのがこの時期でした。

濁点が多い言葉

具体的に言いますと、濁点が非常に多く、語尾が不自然に上がる。疑問でも何でもないいつもの文章に(クエスチョンマーク)がつきそうな程最後の発音が上がるのです。
(《こっち》→ごっぢ《これ》→ごじぇ)など。「ごっぢぃ〜いぐ〜↑↑↑(こっちに行く)」語尾が上がる。(※方言ではありません)

3歳頃まで毎日ではありませんが、夜中に突然泣き叫び飛び起きたり、泣き止まなくなる事も続いていました。その頃は『小児鍼』につれて行く事が億劫で夜泣きの回数も減っていたので何の対応もしていませんでした。

自閉症について学ぶ本

自閉症スペクトラムのある子を理解して育てる本
¥1,404〜(2018/11/21 時点)

自閉症スペクトラムであることと「その子らしさ」は切り離せません。それは、子ども自身を否定することになってしまうからです。子どもの言葉や行動の意味をしっかりと受け止めていくことで、今、そしてこれからやりたいことややるべきことがきっと見えてきます。本書では、自閉症スペクトラム(ASD)のある子どもを理解して関わるための最新情報をたっぷり紹介します。

まとめ

今から思うと1〜2歳代が一番体力精神力共に大変だった時期です。0歳〜1歳代の頻回夜泣きにも参っていましたが、自我が芽生え始めるととてつもなく手に追えなくなります。下の子を妊娠中だった時期でもあるので、妊婦健診の際は一時保育をお願いしたり、親族に数時間お願いしたりしないと健診へはとても連れていけませんでした。

当時利用した一時保育のベテラン先生2人に、「お母さん…この子はちょっと…」と言われた事がきっかけで、市の発達相談や病院での診断を受ける事を決意しましたが、病院は初診まで2ヶ月待ち、その間関連する書籍を読みあさり、ネットで1日中調べたり診断を受ける頃には、自分で診断名を確信しながらありのままを診て頂き検査を受けました。

診断が確定した事で、妙に落ち着きすんなりと受け入れられ、個人的には診断を受けて良かったと考えています。対応策がある事と、自分の育て方のせいではない(対応が悪い事は多々あります)と言われた事、などがすんなり受け入れられた理由だと考えています。

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