更新日:2017年12月21日

【体験談】発達障害のグレーゾーンて何?個性豊かなちょっと変わった子ども達

最近「発達障害ではないか?」と言われている子ども達が急激に増えているそうです。その中でも「グレーゾーン」といって診断名がつかないケースが非常に多いのです。少し前までは「個性豊かでちょっと変わっている」ですまされていたグレーゾーンの子ども達。その実態を紹介したいと思います。

監修 : mamanoko 医師・専門家
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発達障害の種類

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まずは発達障害の種類を紹介したいと思います。発達障害は大きく分けて3つに分類され、その特徴もそれぞれ異なるものです。

広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorders = PDD)

広汎性発達障害とは、社会性やコミュニケーション能力等が少し遅れぎみだとされる発達障害です。

・自閉症
・高機能自閉症
・アスペルガー症候群
・レット障害
 (女の子のみに起こる神経疾患)
・小児期崩壊性障害
 (精神発達の退行)

などがあります。

アスペルガー症候群や自閉症はよく知られていますが、総称して広汎性発達障害(PDD)と言われる事を知らない人も多いと思います。筆者の長男の場合は、知的な遅れの無い軽度の高機能PDDという診断でした。療育などで高機能PDDと診断された子ども達を見ていると、それぞれ困っているポイントは全く異なり、一人一人症状が違うということが良くわかります。あくまで似た傾向にある子、がたまにいる程度です。

注意欠陥/多動性障害(ADHD)

ADHDは、「不注意」「多動性」「衝動性」という3つの症状に、子どもの頃からずっと悩まされているという方がほとんどです。主な症状例としまして、

・集中できない
・気が散りやすい
・忘れっぽい
・落ち着きがない
・思いつきで行動してしまう
・待てない

といった症状がみられるもので、勉強や社会生活に影響が出やすい障害でもありす。

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子どものADHD・ADDの原因と症状は?ADHD・ADDの違いは?

学習障害(LD)

LDは知能や知識の発達に遅れはほとんど見られませんが、

・書く
・聞く
・話す
・計算する

といった特定の行動が困難な状態です。ただし、そういったことからバランス感覚に乏しく、手と手、目と手、足と手などの個別の動きを一緒に行う協調運動が困難な特徴をあわせ持つ子も多くいます。

このように、ADHDやLDの場合は、多動による育てにくさや偏った困難さから、わかりやすい発達障害として親も認めやすいケースが多いでしょう。しかし、PDDに関しては、知的な遅れが無く症状が全てあてはまる訳ではない場合、個性として判断されやすく診断を受け入れにくいケースが多いのです。

さらには、診断さえ下されない場合も有ります。いくつか病院を回ったら、半分は発達障害では無いと診断された、などという事も。それがグレーゾーンとされる子ども達なのです。

グレーゾーンとされる子ども達

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発達障害ではなくてもあり得る症状

例えばPDDの「興味・関心の偏り」、ADHDの「集中できない」「考えるよりも先に行動してしまう」、LDの「計算が苦手」といった症状は、発達障害ではない人にも見られることです。

このように、定型発達の子どもとグレーゾーンの子どもの境界線ははっきりとしたものでは無く、発達障害と判断するには難しい子ども達が多く存在します。グレーゾーンというだけあって診断基準もないため、児童精神科医によって診断が違うケースもたくさんあります。

小学校に上がると問題に直面するのがほとんど

小学校に上がると、それまで何となくやれていたグレーゾーンの子ども達も問題に向き合わざるを得なくなります。もちろん親もその現実と向き合う事になる訳です。診断されなかったから大丈夫、という問題ではないのです。子どもが困っている事を少しでも楽にしてあげる方法を、早く気づいて一緒に学ぶ事が大切です。まずは、その子の特徴をきちんと把握することが重要です。

筆者の長男も、療育の先生に「分かりにくい特徴を良く診断してくれたね」と言われました。グレーゾーンのままだった可能性が高いという事です。明らかに育てにくさや違和感を感じているのに診断されないことで、逆に不安になるママが多いのです。場合によっては、小学生になってから困りごとが増えて診断名がつくということもあるのです。

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【体験談】発達障害のグレーゾーンて何?個性豊かなちょっと変わった子ども達

発達検査で不得意を知る大切さ

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子どもが何が得意で何が不得意かを見極めるのに、発達検査を受けることが一つの方法です。うちの長男も受けた2種類のメジャーな発達検査を紹介します。

新版K式発達検査

「姿勢・運動」「認知・適応」「言語・社会」の3つの分野で数値を出します。この検査法は「IQ」での数値ではなく「DQ」と言われる発達指数で算出されます。ですので、知能指数・知能検査とは言わずに、一般的には「発達指数・発達検査」と言います。課題が別れているので、何が得意で何が不得意かという問題点も理解しやすい設問となっています。

長男はK式発達検査を4歳で受けました。時間は30分ほどで、その間は心理士の先生と子どもの二人きりで内容は見れませんでした。その後、検査結果と問診によって、高機能PDDという診断を受けたのです。その時に先生に言われたのは、DQの数字はあくまで平均値であり、「重要なのは何が不得意かを知ることで、そのための検査」という話でした。

WISC-Ⅲ 知能検査

5歳0ヶ月~16才1ヶ月の子どもを対象とした精密な知能検査です。総合的な「言語性」「動作性」「全検査」の3種類のIQによって正確に測定することとなります。

WISC検査は、長男が年長にあがった時、療育の先生に「小学校に上がる前に今の状態を知っておいた方が先生にもわかりやすいから」という理由で打診され受けました。ただし、WISCに関しては内容がかなり理解力を要するものであった事と、何せ時間が60~90分かかるという事を考慮して、1年生の夏休みまで待つ事にしました。

一般的には受験者と専門家が一対一で行う個別の検査ですが、親も同席可能だったため一緒に受けました。大人でもかなり疲れる検査です。結果、長男の場合は処理速度に多少の不得意が見られました。

このように、発達検査の結果で不得意な部分を知る事で、子どもへのサポート内容も変わってきます。専門家と一緒に検査結果を踏まえつつ、相談するのがベストです。そして、徐々に子どもへ不得意な部分を教えてあげる事も大切です。

こういった子ども達は逆に得意な部分も抜きん出ているので、そこを上手に褒めながら伝えてあげましょう。本人がやりづらさの原因を理解出来ず、自己肯定感が下がる事が一番怖いのです。まずは検査で状況をしっかりと把握して受け止める事、これが大切だと思います。

療育を受けて子どもから見える世界を知る

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療育ってどんな事をするのか気になる方も多いと思います。筆者が長男の療育を積極的に受けたいと思った理由が、「定型発達の子どもにとっても非常に良い内容である」という話を聞いたからです。

療育とは

療育とはその人個人の持っている力を引き出して、充実した生活を送れるようにするための社会的な自立への支援でもあります。
決して無理に何かが出来るように訓練したり、症状の改善のために何かをしたりするのではありません。あくまで、個人に合わせた援助を総合的に行っていくのです。

今は専門家のもとで療育を受けられる療育機関や、療育プログラムが組まれた通信教育などがありますが、療育を受ける人に合ったプログラムを行うことが大切なのです。ですので、無理やりやらせるようなことは逆効果となってしまいます。
その人が「生活しやすくなるためにどうしたら良いか」「どんな力を持っていて、どう伸ばしていけば良いのか」を考えて支援してあげることが大切です。

無理やりは逆効果

無理やりは逆効果、というのは本当にそうです。療育に行くのが段々と楽しみになってくれば、それはその子に合っているという事で、非常にのびのびとソーシャルスキルを身につける事が出来ます。長男が紹介されたところは親子参加型でした。その事で、実にいろんなタイプの子がいるという事がわかり、子供にどのようなサポートをしていけば良いかが自分も学べ、同じように悩むママ達と知り合えました。そして、何があっても相談出来る療育の先生の存在にどれほど救われたかわかりません。

子どもの目からどんな世界が見えているのか、何に困っていたのか、それも療育によって本当に良く分かりました。先生に「◯◯君変わったね!もう大丈夫!」と言われた時は、嬉しくて泣きそうになってしまいました。この大丈夫、というのは治ったという意味ではありません。子どもの特性自体は変わりません。凸凹を上手に生かせるようになった、という意味だと筆者は受け止めました。療育によって得たものは、親子共々本当に大きいものです。

普通級か支援級か

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小学校にあがる時に、発達障害、あるいはグレーゾーンの子ども達を持つ親が一番悩むところが、普通級か支援級かという事ではないでしょうか。

特別支援教育の位置づけ

平成19年4月より「特別支援教育」が学校教育法に位置づけられました。これはすべての学校において何かしらの障害のある子どもたちの支援をさらに広げていくことを目的としています。

これまで特殊教育が対象としてきた障害のみならず、知的障害のない発達障害も対象に加わることで「障害の種類や程度」にこだわらず、その人個人に注目したことがこれまでの特殊教育との違いとなりました。

特別支援学級というと、私達親世代にとっては重度の障害を持った子ども達が通う学級というイメージがとても根強いです。発達障害やグレーゾーンの子ども達に関しても、当事者でなければ詳しく知らない事が殆どでは無いでしょうか。それ故に、偏見や間違った解釈が多いのです。筆者も含めて、療育に通うママ達も悩んでいました。それは、支援級にいる事で逆にいじめられたりしないかどうか、という事です。

子どもにとって経験が大切

特別支援級は学校によって全く手厚さが違います。しかし、手厚いのが良いかというと、グレーゾーンや軽度の子ども達にとっては逆効果な事もあるようです。自分で経験を積んでケーススタディする機会が無くなる場合があるからです。忘れてはいけないのが、あくまで自立する為に支援してもらうという事です。経験出来ないまま卒業して困るのは本人です。不得意により多大なストレスや困り感に繋がる部分だけを柔軟にサポートしてもらうように、親が積極的に動くしかありません。

長男の場合は、授業そのものは全く問題ないという判断でした。休み時間や自由時間に上手に過ごせるか、新しい友達との関係を築けるか、が心配でした。そこで、籍だけ置いて様子を見守ってもらう、という方法を取りました。おかげで、先生達に見守られながら小学校生活のスタートを切れました。支援級の先生とは直接メールで子どもの様子を教えてもらう事になり、全く自分からは言わない息子の学校での様子を知る事が出来たのです。トラブルが全く無い訳ではありませんが、特に支援を受ける事無く今に至ります。まずは見守ってもらう、という方法を取る事も一つだと思います。

二次障害を防いで個性をいかす

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発達障害で怖いのが、うつや自傷行為などの二次障害です。特にグレーゾーンで診断されなかった子どもほど、サポートが受けられず陥りやすいのです。以下のような二次障害が要因として考えられます。

発達障害がある

対策をしない

困難にぶつかる

周囲のサポートがない

「自分はダメだ」と思い始める

新たな障害が生じる

自分の事がわからず自信を無くす事が一番怖く、悪化すればうつや引きこもり、自傷行為に繋がる事もあります。

今は療育機関も増えてきています。誰でも検査を受ける事はできます。子どもの個性を知ってそれをいかせるように、親も一緒に考えていく姿勢が大切だと思います。子どもが笑顔で楽しく過ごしていれば、ママも嬉しいですよね。

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発達障害のある・なしに関わらず、子育てに悩むすべてのお母さんお父さんに、エールを贈る一冊です。

■この商品に関する口コミ
・惜しみなく支援ツールや子どもへの対応を教えてくれる本だと感じました。
・発達障害の子、発達障害疑いの子はもちろん、定型発達(健常)の子の育児にもかなり応用が利くと思います!良書です!

引用元:review.rakuten.co.jp
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・発達障害とは書かれてますが、子育て本としても良い本。褒めて伸ばすがどういうものか。自己肯定感をもたせるとか。
・いろんな本がありますが、説明も簡潔でわかりやすいし、絵も豊富なので理解しやすい。専門家ではなくて、実際に子育てを通してなので共感する部分も多いのでは。

引用元:review.rakuten.co.jp

まとめ

長男のケースもグレーゾーンからスタートし、本当にたまたま巡り合わせで診断が付き良い療育を受ける事が出来ました。何も無いままだったら、発達障害についての知識も無く、誤解したままだったでしょう。悩んだ事もあったけれど、今は本当にこの子で良かったと思えます。自分を成長させてくれた長男に感謝しているぐらいです。何かあれば一緒に乗り越えていこうと、どーんと構えています。一人でも、悩むママと子ども達が減って欲しいと願うばかりです。

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