不育症とは?流産の時期と確率は?原因、検査、治療の方法について

不育症という言葉を聞いたことはありますか?妊娠することが難しい「不妊症」と違い、不育症は妊娠したけれど流産や死産によって赤ちゃんを無事に出産することができないことをいいます。そんな不育症の原因と治療法、そして出産できる可能性についてご紹介します。

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目次

  1. 不育症とは
  2. 不育症でも約80%が出産を経験している!
  3. 不育症の原因
  4. 不育症の検査
  5. 不育症の治療
  6. 不育症の苦しみを、一人で抱え込まないで
  7. 不育症の関連記事はこちら

不育症とは

反復流産

「不育症」とは、妊娠したけれど流産や死産を2回以上繰り返し、赤ちゃんをもつことのできない状態のことを言います。そのうち、流産を2回繰り返すことを「反復流産」といい、100人に1人ほどの確率でこの反復流産が起こると言われています。

習慣流産

流産を3回以上繰り返すことを「習慣流産」または「習慣性流産」といいます。流産のほとんどは染色体異常などの胎児側の問題によって起こるものですが、こうした習慣流産では母体側に問題があると考えられ、不育症の検査を勧められます。

不育症には「死産」「新生児死亡」も含む

「不育症」というと習慣流産と同じ意味だと考える人も少なくありませんが、不育症には流産だけでなく、妊娠22週以降の死産や、生後1週間以内に赤ちゃんが亡くなる「新生児死亡」も含まれるため、習慣流産よりも広い意味で使われています。

不育症でも約80%が出産を経験している!

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妊娠するたびに流産や死産を繰り返すと、出産をすることができないのではないかと不安に感じてしまうと思います。ただ、不育症と診断された方のうち、およそ8割はその後出産を経験しているのだそうです。

不育症と不妊症を同じもののように認識してしまいがちですが、全く別物だということを頭に入れておいてくださいね。

不育症の原因

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夫婦染色体異常

歳をとることによって精子や卵子に染色体異常が起こり、それによって発育不全が引き起こされ、不育症になってしまうことがあります。

子宮形態異常

子宮奇形や子宮筋腫、子宮頸管無力症などによって子宮の形が通常と違う状態である「子宮形態異常」となると、着床障害が起こってしまいます。着床障害とは、受精卵ができても着床ができなかったり、着床したものの長続きせずに流産してしまったりすることをいいます。

子宮形態異常は自覚症状がなく、生理周期や基礎体温にも問題がないことが多いため、医師の診察によって判明することがほとんどです。

内分泌代謝異常

黄体機能不全、高プロラクチン血症、甲状腺機能異常、糖尿病などの病にかかると、ホルモンバランスが崩れてしまいます。それによって、お腹の中の赤ちゃんが正常に発達することができなくなってしまうことがあります。

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免疫異常

抗リン脂質抗体症候群などの自己免疫疾患のため、自分の身体の一部や胎児を異物として認識し、抗体を作ってしまうことがあります。

血液凝固異常

自己免疫疾患やプロテインS欠乏症、第Ⅶ因子欠乏症などの影響で血液が固まりやすくなり、胎盤に血栓ができて胎児へ十分な血液を送ることができず、発育不全を引き起こしてしまいます。

感染症

クラミジアなどの感染症が子宮頸管や子宮に発生してしまうことにより、流産が引き起こされる。

不育症の検査

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子宮形態検査

子宮形態検査では、主に3つの検査が行われます。子宮の形に異常がないか調べる「子宮卵管造影検査」と、子宮内膜などを検査する「超音波検査」、そして子宮内腔に病気がないかを調べる「子宮鏡検査」です。

また必要に応じてMRI検査が行われることもあるようです。

血液検査

血液検査では、血を固める働きをみる「血液凝固因子検査」に、甲状腺や黄体機能を測定する「ホルモン検査」、糖尿病検査、抗リン脂質抗体検査が行われます。また染色体検査は女性だけでなく、男性も受けることになります。

費用はおよそ2~8万円

不育症の検査のほとんどは、健康保険の対象となります。ただ研究段階の検査など、一部保険対象外となるものもあるため、事前に医師に相談をしておくようにしてくださいね。

一般的に、まずは保険対象となる不育症の検査を受けてから、必要に応じて保険対象外の検査を受けることが多いようです。

検査の費用は病院によって異なり、およそ2~8万円ほどというところが多いです。ただ不育症の診断は高い専門性が求められるため、費用だけで病院を決めるのではなく、できれば不育症の専門病院で検査を受けることをおすすめします。

不育症の治療

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夫婦染色体異常の場合

染色体異常に関しては、残念ながら根本的な治療法はありません。しかし染色体異常が夫婦どちらかにあり、3回以上の流産を繰り返している場合、次の妊娠で出産できる確率は60%以上といるため、妊娠を諦める必要はないようです。

子宮形態異常の場合

子宮が正常な形でなかったとしても、80%の割合で治療をしなくても出産ができると言われています。そのため、手術による治療が必要かどうかは医師にしっかりと相談してみて下さいね。

内分泌代謝異常の場合

内分泌代謝異常による不育症の場合は、病気の治療を済ませるか、病気をコントロールできる状態になってから、妊娠の計画を立てるようにしましょう。病気の治療は、食事療法や薬物療法などで行われます。

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血液凝固異常の場合

アスピリンやヘパリンなどを使った薬物療法によって、血液が固まって血栓ができるのを防ぎます。これらの薬物療法によって、8割以上の方が不育症を乗り越え、無事に赤ちゃんを出産しているんですよ。

感染症の場合

クラミジアなどの感染症による不育症の場合は、妊娠前に感染症の治療を行います。もしもクラミジアにかかったまま妊娠をすると、妊娠初期の流産だけでなく、産まれてくる赤ちゃんに産道感染し、新生児結膜炎や肺炎を引き起こしてしまう可能性があります。

最悪の場合、死に至ってしまうこともあるため、クラミジアなどの感染症は早急に治療をするようにしてくださいね。

不育症の苦しみを、一人で抱え込まないで

繰り返される流産や死産に、精神的に追い詰められてしまう方も多いと思います。ただ、不育症による大きなストレスは、妊娠にも悪影響を及ぼしてしまいかねません。不安になる気持ちがあるのは仕方のないことですが、一人で抱え込まず、パートナーや信頼できる相手に打ち明けるようにしてくださいね。

不育症の治療は、これまでご紹介したような具体的なものだけでなく、カウンセリングによって行われることも多いもの。そしてそのカウンセリングを受けた方の内、なんと80%もの方が不育症を克服しているといいます。

そのため「不育症だから、出産することができないんだ」と悲観的になりすぎず、周囲の支えを受けながら治療に臨んでくださいね。

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