凍結胚移植とは?着床時期と妊娠確率、メリット・デメリットは?

凍結胚移植とは、体外受精や顕微授精で行われる胚移植の方法の一つです。培養した受精卵を一度凍結保存し、妊娠しやすいタイミングで解凍してから胚移植を行うことをいいます。今回は、凍結胚移植の着床時期や妊娠できる確率、凍結胚移植のメリットとデメリットについて解説します。

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目次

  1. 凍結胚移植とは
  2. 凍結胚移植のメリット
  3. 凍結胚移植のデメリット
  4. 凍結胚移植の方法
  5. 凍結胚移植のスケジュール
  6. 凍結胚移植の着床時期
  7. 凍結胚移植後の症状
  8. 妊娠率が高い凍結胚移植を検討しよう
  9. 凍結胚移植の関連記事はこちら

凍結胚移植とは

体外受精や顕微受精では「胚移植」が行われる

高度生殖医療と呼ばれる体外受精や顕微授精では、胚移植が行われます。胚移植とは、卵子を女性から採卵し、精子と受精させてから培養し、子宮に戻すことをいいます。その胚移植には「新鮮胚移植」と「凍結胚移植」の2種類があります。

「新鮮胚移植」と「凍結胚移植」

「新鮮胚移植」では、採卵した卵子を受精、培養したらすぐに女性の子宮に戻します。この採卵から移植までの一連の流れは1回の生理周期で行われ、新鮮な状態で受精卵は移植されます。

それに対し「凍結胚移植」は培養した受精卵を一度凍結保存します。その後身体が妊娠しやすいタイミングで胚を解凍(融解)し、胚移植を行います。そのため、凍結胚移植は「凍結融解胚移植」とも呼ばれます。

受精卵を冷凍しても大丈夫?

受精卵を冷凍することに不安を感じる人も多いと思いますが、「超急速ガラス化保存法」という新しい高速冷凍方法によって、胚の細胞が傷ついてしまうリスクが以前よりも少なくなっています。

また解凍も「超急速加温法」という方法で移植の当日に解凍されるため、健康な状態で受精卵を移植することができます。

凍結胚移植のメリット

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妊娠確率は約35%

凍結胚移植の妊娠率は約35%といわれています。新鮮胚移植の妊娠率が約20%ということを考えると、差は大きいですよね。ではどうしてこんなに妊娠率に差が出てしまうのでしょうか?

胚移植のために採卵を行うと、排卵誘発剤の影響で卵巣が腫れてしまったり、ホルモンバランスが崩れてしまったりすることがあります。そうした妊娠のしづらいタイミングで胚移植を行う新鮮胚移植よりも、妊娠しやすい状態に身体を整えてから胚移植を行う凍結胚移植の方が妊娠できる可能性は高くなるのです。

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1回の採卵で複数の受精卵ができる

胚移植を行うときには、排卵誘発剤を使って卵巣を刺激し、複数の成熟した卵子を採卵します。このうちすべてが精子と受精するわけではありませんが、複数の受精卵ができることがあります。しかし新鮮胚移植で移植するのは1~2つの受精卵のみで、残りは破棄することになります。

凍結胚移植では複数できた胚を冷凍しておくことで、1度の採卵で何度か胚移植を行うことができます。そのため排卵誘発剤や採卵による身体の負担も少なくて済むというメリットもあります。中には、一度の採卵で第3子まで出産したという方もいるのだそうですよ。

凍結胚移植のデメリット

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コストがかかる

凍結胚移植は新鮮胚移植と比べて、費用が高額になってしまいます。病院によって費用は異なりますが、胚を凍結するのに約5万円、胚を融解して移植前に調節を行うのに約3万5千円ほどかかるといわれています。

さらに通院する期間も増えるため、その分通院費用も時間もかかってしまい、負担が大きくなってしまうのもデメリットの一つです。

凍結・融解の過程で受精卵がダメになることがまれにある

技術が進歩し、安全性が高いといっても、ごくまれに受精卵を凍結・融解する過程で胚にダメージを与えてしまうことがあります。超急速ガラス化法での胚の生存率はおよそ95%と可能性が少ないですが、そういうケースも起こりうるということを頭に入れておくようにしましょう。

凍結胚移植の方法

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ホルモン補充法

ホルモン補充法では、自然な排卵を抑制し、卵胞ホルモンと黄体ホルモンを補充することで子宮内膜を作り、胚移植を行います。ホルモン治療でコントロールすることで、移植のスケジュールが組みやすいのが利点です。

月経周期が不安定だったり、子宮内膜が着床しやすい状態に育たなかったりする人は、ホルモン補充法が行われることが多いようです。

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自然周期法

ホルモン補充を行わず、自然に排卵をした後に胚移植を行う方法のことをいいます。月経周期が安定していて、自然と子宮内膜が着床しやすい状態に整っている場合はこちらの方法を選ぶことができます。

ただ自然周期法の場合、胚移植のタイミングを見極めるために通院する頻度が高くなってしまいます。

凍結胚移植のスケジュール

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採卵

凍結胚移植を行う1周期以上前に、採卵が行われます。無事に採卵をするために排卵誘発剤を使うこともあり、その効果や投与方法は薬剤によって異なります。

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移植の前周期から診察・ピルの服用

移植を行う1周期前から、準備期間として医師の診察が始まります。またこの期間の内1~4週間程度ピルを内服して排卵スケジュールをコントロールします。

エストラジオールの服用

凍結胚移植を受ける周期に入り、ピルの内服が終了して5日後からエストラジオール錠を1日3回服用します。エストラジオール錠とは、卵胞ホルモンを補うための薬です。

黄体補充注射(経口薬)

エストラジオールの内服開始から14日後から、黄体補充注射が行われます。こちらは注射ではなく、経口薬が使われることもあります。黄体補充注射は黄体ホルモンを補充するためのもので、それによって子宮内膜が厚くなり、着床しやすいふかふかの状態になります。

移植

黄体補充注射を開始して3~5日後に、凍結胚移植が行われます。

妊娠判定は移植から約2週間後

凍結胚移植後の妊娠判定は、移植からおよそ2週間後に行われます。それ以前に妊娠検査薬を試す人もいますが、正確な結果が出ない可能性もあるため、注意が必要です。

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凍結胚移植の着床時期

凍結胚移植の着床時期は胚のグレードによって異なりますが、およそ3~5日後に始まります。ただ妊娠しているかどうかの判定が出るのは、先程もご紹介したとおり移植から2週間ほどたってからとなります。

凍結胚移植後の症状

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下腹部痛

凍結胚移植をしてから無事に着床し、妊娠していれば妊娠初期症状が表れることがあります。また移植して間もない頃に、下腹部にチクチクとした痛みを感じるときには、着床痛の可能性もあります。

おりものの量や色の変化

おりものの量が増えたり、色が濃くなったり、においが少なくなったりしたときには、妊娠によるおりものの変化である可能性があります。

微熱

妊娠すると、黄体ホルモンの分泌が盛んになることで、基礎体温が高くなります。それによって、37度前半程度の微熱が出ることがあります。

眠気

妊娠初期に基礎体温が高くなるのに伴い、眠気を感じることがあります。普段よりも倦怠感を感じていたり、いくら寝ても眠気が取れなかったりするときには、妊娠の前兆である可能性があります。

妊娠率が高い凍結胚移植を検討しよう

体外受精や顕微授精を行うとき、費用の面から凍結胚移植ではなく新鮮胚移植を選択する人も少なくありません。たしかに費用の差は大きいものですし、胚移植にかかる時間も長くなってしまいます。

ただ凍結胚移植は妊娠率が高いため、なるべく早い段階で結果を出したいと思うのであれば、凍結胚移植を検討してみてもいいかもしれませんね。

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