子宮後屈とは?原因・治療法・妊娠出産への影響は?

子宮後屈(しきゅうこうくつ)と読みますが、あまり聞き慣れない言葉かもしれません。子宮後屈は病気ではないので、心配はいりません。今回は、子宮後屈がどのようなものなのか、妊娠出産への影響はあるのか、医師監修の記事で解説します。

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この記事の監修

目次

  1. 子宮後屈とは?
  2. 子宮後屈の症状は?
  3. 子宮後屈の原因は?
  4. 子宮後屈の診断方法は?
  5. 子宮後屈の治療法は?
  6. 子宮後屈は不妊の原因になる?
  7. 子宮後屈は流産、早産の原因になる?
  8. 子宮後屈は自然分娩できる?
  9. まとめ
  10. あわせて読みたい

子宮後屈とは?

子宮後屈(しきゅうこうくつ)は病気ではなく、子宮が背中側に傾いている症状のことを言います。通常、子宮はお腹側に向かって傾いた「子宮前屈」状態になっています。「子宮後屈」は、子宮が背中側に傾いている状態の事を言います。産婦人科で「子宮後屈ですね」と言われると心配になると思いますが、病気ではないので特に心配する必要は無いでしょう。

女性の約20%は子宮後屈だと言われています。現在では、特に生活に支障がない限り病気とはみなされませんので、手術などの治療は行わない事が多いようです。

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子宮後屈の症状は?

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生理痛や下腹部痛

子宮後屈の人は、子宮前屈の人よりも生理痛や下腹部痛が起こりやすいと言われています。骨盤内の炎症や、子宮内膜症によって子宮後屈になっている場合に起こる事が多いようです。生まれつき子宮後屈の人は、特に子宮後屈だからといって生理痛や下腹部痛の原因にはならないとされています。

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腰痛

子宮後屈の度合いが強いと、骨盤内や骨盤周辺の血管を圧迫してしまいます。血流が悪くなる事で腰痛が起こりやすくなります。

排便通や性交痛

子宮後屈により、周辺の臓器との癒着を起こした場合、排便痛や性交痛を感じる事もあります。

その他の症状

子宮後屈は月経血が子宮内に溜りやすく押し出されにくいので、生理中に出血がなくなる日があったり、生理が長引くといった傾向がみられるようです。また、寝転んでいる時は、ほとんど生理の出血がないという症状が見られることもあるのだそう。しかし、これらの症状が子宮後屈特有というわけではありません。他の病気が潜んでいる場合があるので、気になる場合は婦人科で診察を受けましょう。

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子宮後屈の原因は?

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生まれつきの体質

子宮後屈の多くの原因は、先天的なものになります。生まれつき子宮後屈の場合は、特に問題がないことが多いようです。

骨盤内の炎症や子宮内膜症

骨盤内の炎症や子宮内膜症が原因となり、子宮後屈が起こる場合もあります。

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直腸や骨盤腹膜との癒着

子宮が子宮の後ろ側にある直腸や骨盤腹膜と癒着を起こすと、子宮が背中側に引っ張られ、これが子宮後屈になる事があるそうです。

子宮後屈の診断方法は?

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子宮後屈かどうかは、内診と超音波検査によって診断されます。内診は腟の中に指を入れて行い、子宮の向きや大きさ、形等を調べます。子宮をうごかすことで癒着の有無や痛みの有無等も分かるので、重要な診察になります。腟に指を入れる事が難しい場合は、直腸診といって、肛門に指を入れて診察する場合もあります。

超音波検査には、腹部に超音波が出るプローブという機械をあてて検査する「腹部エコー」と、腟の中にプローブを入れて検査する「経腟エコー」があります。経腟エコーは検査プローブを直接子宮にあてて検査を行うので確認がしやすく、経腟分娩の経験がある場合はほとんど痛みは無いでしょう。性交渉の経験が無い方や、経腟エコーが難しい方の場合は、腹部エコーを行います。

子宮後屈の治療法は?

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先天的な子宮後屈は病気ではないため、特に治療は行わない事が多いようです。しかし、子宮内膜症によって引き起こされた子宮後屈の場合は、出血量が多かったり、生理痛が強かったりする等の症状が出る事もあるため、きちんと婦人科で治療を受けるようにしましょう。子宮と他の臓器との癒着が見られた場合は、癒着をはがすための手術が行われる事もあります。

子宮後屈によって腰痛や生理痛が酷い場合は、整体等で骨盤調整をする事で症状が緩和されることもあるようです。腰痛・生理痛の原因が子宮内膜症や癒着ではなかった場合、整体等で症状を緩和する方法も選択肢の一つとして覚えておくと良いでしょう。

子宮後屈は不妊の原因になる?

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子宮内膜症等の病気によって子宮後屈が引き起こされている場合は、不妊になりやすいと言われています。癒着が原因の子宮後屈の場合は、癒着によって子宮が後ろに引っ張られる事で、卵巣が圧迫されてしまいます。それにより、排卵の妨げとなってしまい、不妊になってしまうというケースがあるようです。

子宮後屈の角度によっては不妊になる

子宮後屈の角度と不妊には関係があると言われています。子宮後屈の角度によっては、膣内に射精された精子が子宮の中に入って行くのが難しくなっている場合があります。

子宮後屈は流産、早産の原因になる?

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子宮後屈自体は、流産や早産の原因にはならないと言われています。子宮後屈の有無にかかわらず、全妊娠のうち約15%の妊婦さんが流産するというデータがあります。また、妊娠初期の流産は母体に原因があるわけではなく、胎児の染色体異常によって起こる事が多いのだそう。子宮後屈自体が流産の原因になることがありません。

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子宮後屈は自然分娩できる?

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子宮後屈でも、自然分娩は可能です。しかし、周辺の臓器との癒着がある場合は、帝王切開が選択される可能性が高いでしょう。

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まとめ

子宮後屈は、通常は特に心配するような症状ではありません。しかし、子宮後屈の原因が後天的な病気の場合は、治療が必要になります。子宮後屈は、なかなか自分で気づく事は難しい症状です。下腹部痛や生理痛などの症状が辛い場合は、産婦人科で相談してみてください。

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