カバサールの効果と副作用・不妊治療や断乳への効果は?飲み忘れたら?

不妊原因のひとつとなる高プロラクチン血症の治療で「カバサール」という薬を服用することがあります。カバサールは、どのような薬でどのくらいの効果があるのでしょうか。また、その副作用にはどのようなものがあるのでしょうか。細かく解説していきます。

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目次

  1. カバサールとは?
  2. カバサールの不妊治療への効果は?
  3. カバサールの重大な副作用は?
  4. カバサールを飲むと太る?便秘や眠気が出る?
  5. カバサールの飲み方と飲み忘れへの対応は?
  6. カバサールの服用中の生活における注意点は?
  7. 副作用を怖がりすぎず、気になることには早々に医師に相談を
  8. あわせて読みたい

カバサールとは?

カバサールは、不妊治療の場面以外にも、「パーキンソン病」「乳汁漏出症」「高プロラクチン血症排卵障害」「高プロラクチン血症下垂体腺腫」「産褥性乳汁分泌抑制」などの治療に効果のある医薬品です。含量が違う0.25mgと1.0mgの2種類があります。それぞれの治療にどのような効果があるのか解説していきます。

高プロラクチン血症による排卵障害の治療

不妊原因のひとつである「高プロラクチン血症」は、妊娠中でないのにプロラクチン数値が高い状態です。妊娠中や授乳中は上がるプロラクチン数値なのですが、それ以外のときに上がってしまうと、不妊などのさまざまな弊害をもたらします。

また、プロラクチンにはホルモン分泌を抑制して、産後に母乳を分泌させるなどの働きがありますが、授乳中には妊娠しないように排卵を止める働きがあります。そのため、妊娠中や産後でもなくプロラクチン値の高い「高プロラクチン血症」となると、排卵が止まってしまうのです。

高プロラクチン血症の治療にカバサールが使われることがあります。高プロラクチン血症による排卵障害へのカバサール臨床試験の改善効果は125/162例(77.2%)です。

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高プロラクチン血症下垂体腺腫の治療

「下垂体腺腫」とは、ホルモンを分泌させる下垂体というところにできる良性の腫瘍です。そのうち、内分泌系の症状のものを「高プロラクチン血症下垂体腺腫」と言います。

高プロラクチン血症下垂体腺腫の場合は、ホルモン分泌を抑えるために、カバサールを治療に用いることがあります。カバサール臨床試験における高プロラクチン血症下垂体腺腫に対する改善率は、79.3%(46/58例)となっていて、「高プロラクチン血症排卵障害」同様、高い治療効果が期待できます。

乳汁漏出症の治療

プロラクチンの生産過剰で、乳汁漏出症となる場合もあります。乳汁漏出症とは、産褥期以外で、乳汁の分泌や血液や膿汁が分泌されることを指します。通常、無月経などの卵巣機能障害と一緒に起こります。

原因は、プロラクチンの生産過剰状態であることから、乳汁漏出症の治療にも、カバサールが使用されることがあります。カバサール臨床試験における乳汁漏出症に対する改善率は、87.7%(71/81例)です。

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パーキンソン病の治療

50歳以上に発症することが多く、手足の震えや筋肉のこわばりなどが特徴のパーキンソン病の治療にもカバサールが用いられることがあります。パーキンソン病は、脳内の神経伝達物質のひとつであるドパミンが不足していることが原因とされ、カバサールは、神経細胞のドパミンの受容体を刺激することで、ドパミンの量を増やすことができるのです。

ちなみに、ドパミン量が増えると、プロラクチンは抑制されます。そのため、効果が違うように見える病気の治療にも、同じ薬が使用されることがあるというわけです。

断乳(産褥生乳汁分泌抑制)

断乳(産褥生乳汁分泌抑制)の治療にも、カバサールが用いられることがあります。産褥期にプロラクチンが高まることから、乳汁は分泌されます。そのため、そのプロラクチン分泌を抑えるカバサールを用いると、断乳の効果が期待できるのです。

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カバサールの不妊治療への効果は?

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高プロラクチン血症による排卵障がいの治療では77.2%(125/162例)で効果があり、高プロラクチン血症下垂体腺腫では87.7%(71/81例)で治療効果があります。プロラクチンの生産過剰で起こりやすい乳汁漏出症の臨床成績も87.7%(71/81例)となっています。カバサールは高プロラクチン血症やプロラクチン生産過剰による不妊治療において効果を期待できる薬であることがわかりますね。

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カバサールの重大な副作用は?

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高プロラクチン血症による排卵障害への治療効果の高いカバサールですが、副作用がないわけではありません。以下の症状が出たらカバサールの副作用である可能性があります。

幻覚、妄想、失神、せん妄、錯乱

調査症例によると、約2.0%に幻覚症状が現れます。ほかにも妄想(0.6%)、失神(0.1%未満)、せん妄(0.1%)、錯乱(0.1%未満)が現れます。このような症状が現れた場合には、医師に相談して、減量、もしくは、休薬、投薬中止などの適切な処置を行いましょう。

頭痛、発熱、から咳、息苦しい

0.1%未満ですが、間質性肺炎の症状が現れることがあります。頭痛や発熱、から咳、息苦しさを感じたときには、胸部X線検査を実施して、異常が認められた場合は服用を中止しましょう。

胸の痛み、むくみ、呼吸困難

頻度は不明ですが、胸膜炎や、0.1%未満の確率で腹水を発症することがあります。ほかにも、胸膜繊維症や、肺線維症、心膜炎、心嚢液貯留の症状が現れることがあります。胸の痛み、むくみや呼吸困難などの症状が現れたときは、胸部X線検査を実施して、異常がわかれば、服用を中止してください。

呼吸困難や息切れ、むくみ、動悸

心臓弁膜症の症状が現れることもあります。呼吸困難、息切れ、むくみ、動機などの症状が現れた場合には、胸部X線検査や心エコーなどを行い、心臓弁尖肥厚、心臓弁可動制限やこれらに伴う狭窄症の心臓弁膜の病変が認められた場合は、服用を中止してください。

肝機能障害、黄疸(おうだん)

0.9%の割合で肝機能障害、頻度不明で黄疸の症状が出る場合があります。AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇を伴う肝機能障害や黄疸が認められた場合には、服用を中止するなどの適切な処置を行ってください。

カバサールを飲むと太る?便秘や眠気が出る?

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重大な副作用を除くと、以下のような症状が出ることがあります。乳汁漏出症や高プロラクチン血症排卵障害、高プロラクチン血症下垂体腺腫などの治療では、調査症例数335例中、副作用発現率は82例(24.5%)ありました。軽度なものが多いものの、副作用が現れる確率は極めて低いというわけではありません。

消化器系の副作用

消化器系の副作用として、吐き気、嘔吐、便秘、下痢、腹痛、胃炎、胃痛、胸焼けなどが現れることがあります。なかでも吐き気は、高プロラクチン血症排卵障害や乳汁漏出症での副作用発現件数が335例中48件で、14.3%もの患者に症状が現れました。嘔吐は13件で3.9%となっています。

精神神経系の副作用

精神神経系の副作用として、頭痛、眠気、めまい、イライラ、うつ病、攻撃的になる、イラつき、病的に性欲が高まる、賭博に走るなどが現れることがあります。とくに、頭痛は、高プロラクチン血症排卵障害などの治療で335例中37件(11.0%)に現れる副作用となっていて、比較的現れやすい副作用のひとつと言えるのではないでしょうか。ほかにも、めまい(3.6%)や、イラつき(1%未満)が見られました。

循環器系の副作用

循環器系の副作用として、立ちくらみやむくみ、動悸、血圧低下もあげられます。立ちくらみなどのふらつきに関しては高プロラクチン血症排卵障害などの治療で335例中8件(2.4%)で、動機、血圧低下、むくみなども1%未満でしたが副作用として現れています。

呼吸器系の副作用

呼吸器系の副作用として、息苦しくなることもありますが、こちらは出現頻度は不明となっています。パーキンソン病の治療においては1%未満の確率で出現しています。

血液にかかわる副作用

血小板数や白血球数の減少など、1%未満の出現率でしたが、血液に関わる副作用が起こることもあります。

過敏症

ほてり、発疹、顔がむくむ、蕁麻疹、かゆみなどの過敏症が起こることがあります。なかでも、ほてりは発疹は、1%未満の確率で起こっています。

その他の副作用

倦怠感、無力症、乳房通、下半身の痙攣、鼻血などが副作用として起こることがあります。どの副作用も出現頻度は高いものではありませんが、気になる症状があれば、医師に相談するように心がけましょう。

カバサールの飲み方と飲み忘れへの対応は?

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カバサールが効果をきちんと発揮するためには、正しく服用することが大事です。カバサールの飲み方と飲み忘れの対処法を解説します。

週に1回、同じ曜日に飲む

量は0.25mgのものを1~4錠、1.0mgのものを1錠飲む場合もあります。乳汁漏出症や高プロラクチン血症排卵障害、高プロラクチン血症下垂体腺腫の治療では1週1回、就寝前に服用します。最初は0.25mgからはじめ、少なくとも2週間以上の間隔で1回量を0.25mgずつ増やしていきます。しかし1回の量の上限は1.0mgです。

飲み忘れたら気づいたときか次の週に服用

飲み忘れた場合は、次の週に近いときは次の週に服用しましょう。2回分を一気に飲むことはやめてください。ヒトでの過剰投与の経験はないものの、ドパミン受容体の過剰刺激に伴う症状が予想され、悪心、嘔吐、胃部不快感、幻覚などが起こる可能性があります。

妊娠中・授乳中の服用は慎重に

妊娠希望の場合は定期的に検査して早めに妊娠を確認しましょう。授乳中には、基本的には服用はしないものの、授乳中にやむをえず服用するときは授乳をやめるようにしましょう。

飲みあわせは医師に確認

ほかの薬を服用しているときは医師にほかの服用薬剤を伝えましょう。逆に風邪やその他の病気でほかの薬を服用するときもカバサールを飲んでいることを伝えてください。

カバサールの服用中の生活における注意点は?

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カバサール服用中、生活ではどのような注意が必要かを解説していきます。

車の運転や危険な作業を避ける

急に眠気に襲われたり、立ちくらみが起こったりすることがあるので、車の運転や危険な作業は避けてください。

ギャンブルや性的欲求に注意

ギャンブル、性欲、暴飲暴食、過剰な買い物欲求が副作用として起こる場合があります。抑えられないと生活の破たんにつながることが考えられます。このような症状が出た場合には、減量や投与を中止することを医師と検討してください。家族に対しても、このような副作用の症状が現れる可能性について説明することが大事です。

副作用を怖がりすぎず、気になることには早々に医師に相談を

高プロラクチン血症における排卵障害について、大きな効果がある「カバサール」ですが、効果がある薬だけに副作用もあります。しかし、副作用を怖がりすぎず、適切に服用し、不妊症の治療に役立つ薬の活用を考えてみましょう。気になることがあればできるだけ早く医師に相談してくださいね。

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