ピックアップ障害の原因と治療法、自然妊娠する可能性について

ピックアップ障害があると、卵子が卵巣から子宮にたどり着くことができず、不妊の原因となってしまいます。さまざまな検査をしても、不妊の原因がわからないと、このピックアップ障害と診断されることもあるようです。ピックアップ障害の原因と、治療に効果があるといわれているものをご紹介します。

48366

目次

  1. ピックアップ障害とは?
  2. ピックアップ障害の原因4つ
  3. ピックアップ障害の治療法
  4. ピックアップ障害でも妊娠できる?
  5. ピックアップ障害なら体外受精を考えてみても
  6. あわせて読みたい

ピックアップ障害とは?

ピックアップ障害の症状

妊娠にいたるには、排卵された卵子が子宮で精子と出会い、受精する必要があります。この卵子の通る道は卵管と呼ばれ、詰まっていたり、通常より細かったりすると不妊の原因となってしまいます。

さらに、卵子を卵管の先端でキャッチする必要もあります。このキャッチが上手にいかないことをピックアップ障害、またはキャッチアップ障害といいます。卵子をキャッチするというのは、どういうことか想像しにくいですよね。

子宮の左右には、卵巣があります。さらに子宮には卵管という管が左右からつながっています。実はこの卵管と卵巣はつながっていません。卵管の先にある「卵管采」という触手に似た部分が、人間の手のように飛び出してきたボール(卵子)をうまくキャッチして、子宮へと運んでくれるのです。この排卵した卵子を卵管内に取り込む仕組みの不具合、これがピックアップ障害です。

ピックアップ障害は、卵子の通り道に問題があって不妊となっている「卵管因子」のひとつです。原因がはっきりわからない不妊症の多くは、卵管因子が関係しているともいわれています。

Article link icon
妊娠の仕組みとは?排卵~受精~着床の流れを図解!子作りのコツを知ろう

どんな検査が必要?

「ピックアップ障害」をピンポイントに診断する検査はありません。不妊の原因がどの検査でも不明であるとき、ピックアップ障害の可能性が高いともいわれます。卵管の状態を調べたときに、推測されることもあるようです。

卵管の状態を調べる検査としては、ルビンテスト(卵管通気検査)があります。卵管の閉塞や癒着などを調べます。子宮の出口に器具をつけて、二酸化炭素を注入し、内圧の変化をみることで、どちらの卵管に、どれほどの詰まりがあるのかがわかります。

他にも、子宮卵管造影検査があります。こちらは、レントゲンで卵管の閉塞や癒着を診ることができます。医師が子宮に「造影剤」を注入し、レントゲン撮影を行います。癒着がある場合、造影剤が流れず、その場所に残留します。

Article link icon
卵管造影検査とは?痛みや費用は?検査後は妊娠しやすくなるの?

ピックアップ障害の原因4つ

Image

子宮内膜症

子宮内膜症とは、受精卵が着床するベッドとなる「子宮内膜」が、骨盤や卵巣など、子宮内以外にも生成されてしまう症状です。内膜が発生すると、女性ホルモン(エストロゲン)の刺激を受けてがん細胞のように増殖、転移してしまいます。

この子宮内膜症によって、卵管部に癒着や炎症が生じ、卵管采が動けなくなってしまいます。同様に子宮筋腫も、卵管の癒着や炎症、また卵管采との位置のズレによってピックアップ障害の原因となることもあるようです。早めに産婦人科を受診して治療をすすめることで、重症化を防げます。

Article link icon
子宮内膜増殖症とは?症状や原因、検査、治療・手術について解説

クラミジア感染

クラミジアは、日本では感染者数が一番多い性病です。「クラミジアトラコマティス」という病原体の感染症で、感染者との粘膜同士の接触や、精液、腟液を介して感染します。咽頭感染もあります。男性・女性ともに感染しても症状を感じにくく、気づかないうちに卵管の閉塞や癒着を引き起こすことがあります。

おもな症状としては、おりものの増加、不正出血、下腹痛、性交痛などですが、まったく症状が出ないこともあるようです。クラミジア自体は、抗生物質の服用でほぼ完治しますが、卵管周囲の癒着は手術が必要なため、腹腔鏡検査を行うことがあります。

Article link icon
クラミジア感染症とは?症状や原因、潜伏期間は?女性と男性で違う?

卵管の癒着

卵管の周囲が癒着し、管が詰まって卵子が通れなくなっている状態です。この状態ですと、卵管采は動くことができず、卵子が取り込めなくなります。

卵管周囲癒着は発見されにくい不妊症の原因のひとつです。卵管造影検査で問題がない場合、「卵管の機能は問題ない」と診断され、他の要因を探らなくなってしまうからです。卵管機能の詳細を十分に知るには、お腹に穴を開けて腹腔鏡を挿入する、腹腔鏡検査が必要になります。腹腔鏡検査は検査と同時に、癒着の剥離手術もできます。

卵管の癒着は、さまざまな要因が理由となります。前述した子宮内膜症やクラミジア感染症に加えて、過去に受けた開腹手術なども大きく関わってきます。開腹手術を行うと、身体が治癒しようとする働きで、新たに癒着を作ってしまうことがあるのです。

原因不明

ピックアップ障害は原因がはっきりしている場合のみ、起こる現象ではありません。すべての検査で異常がでないことを「機能性不妊症」と呼びますが、ピックアップ障害はこの機能性不妊症のかなりの割合を占めている可能性があります。

たとえば、二人目の妊娠が人工授精まですすめてもなかなかできず、卵管造影検査などの検査で問題がでなかった場合、ピックアップ障害を疑うこともあるようです。ピックアップ障害は自覚症状もほとんどなく、検査でも判断が難しい症状といえるでしょう。

ピックアップ障害の治療法

Image

ピックアップ障害は、病気というよりは、推測される不妊の原因のひとつです。自覚できるものではなく、痛みや傷など、具体的な症状もありません。治療方法は、卵管癒着などの原因がわかっている場合はそれを手術などでとりのぞくか、卵管を使わなくてすむ不妊治療をすすめることになるでしょう。

体外受精

ピックアップ障害の完全な治療法はないというのが現状です。卵子をできるだけたくさん排卵させて、数で受精のチャンスを増やす排卵誘発法や、採取した精子を直接子宮に注入する人工授精が考えられます。

しかし、卵管采が動けず、卵子がキャッチできない状態がつづくと、それらの治療でも不妊となることも。人工授精でも不妊が続くと、最終的には体外受精が考えられます。採取した卵子と精子を培養液中で受精させるため、卵管を使いません。卵管因子の不妊症には一定の効果があるとされています。

Article link icon
体外受精とは?費用やスケジュール・流れは?リスクや痛みについても解説

漢方で改善できる?

ピックアップ障害は、はっきりと診断結果がでたり、検査で状況がわかるものではないため、薬や漢方で治療・改善というのは難しいともいえます。たとえ症状が良くなったとしても、結果が見えてこないからです。

漢方の考えにおいては、卵管の癒着や、卵管采の動きの悪さは「血のめぐり」が悪いことから起こるといわれます。ストレスを緩和し、身体を温める漢方が良いともいわれています。しかし、不妊の原因はピックアップ障害だけではなく、ほかの要因が絡んでいることも多々あります。

産婦人科の医師に相談したうえで、漢方の専門家に意見を聞いてみると良いでしょう。

ピックアップ障害でも妊娠できる?

Image

自然妊娠できる確率は?

不妊の理由が不明の場合、ピックアップ障害をうたがうというパターンが多いため、そもそも自然妊娠できる確率は低いといってよいでしょう。100%確定的な診断ではなく、ピックアップ障害の人がどれだけいるかも不明です。体外受精でならすぐに妊娠でき、そのとき初めて「ピックアップ障害だった」と判断されることもあります。

ピックアップ障害の原因がはっきりとしない場合、自然妊娠の可能性はゼロではありませんが、やはり低いといえるでしょう。卵子の老化は加齢とともに進みますから、少しでも年齢的に若い方が妊娠に関しては有利です。早めに体外受精などのステップアップを考えてみてもよいでしょう。

Article link icon
自然妊娠が起こるのは何歳まで?40代の確率、妊娠までの期間は?

人工授精や体外受精になることも

体外受精は、既存する治療法の中では、もっとも高い妊娠率が期待できる方法です。卵胞から卵子をいったん体外へ取り出して、精子と受精させた受精卵を子宮内に注入して着床させるのが「胚移植」です。この方法では、卵管を必要としないため、ピックアップ障害や輸送などの卵管の機能が損なわれている場合でも妊娠が可能となります。

一般的な体外受精である「胚移植」のほかに、「GIFT法」という方法をとることもあります。卵管内配偶子移植法ともよび、卵管の内部に、採取した精子と卵子をすぐに入れることで、受精の場をつくります。精子と卵子の出会いの舞台を手助けするというイメージですね。この方法は、より自然の妊娠に近い状態が保てます。

Article link icon
人工授精とは?費用や流れ、タイミングは?痛みはあるの?

ピックアップ障害なら体外受精を考えてみても

Image

ピックアップ障害があると、卵子が卵巣から子宮にたどり着くことができず、不妊の原因となってしまいます。さまざまな検査をしても、不妊の原因がわからないと、このピックアップ障害と診断されることもあるようです。卵管の癒着や閉塞、炎症などが原因となることもありますが、まだまだ不明なことも多いのが現状です。

ピックアップ障害であれば、体外受精が効果的ともいわれています。早めに産婦人科を受診し、よく相談の上、不妊治療のステップをすすめていきましょう。

あわせて読みたい

体外受精で妊娠する確率は?30代・40代の成功率、妊娠率を上げる方法は?
Article link iconhttps://mamanoko.jp/articles/28703
Image
体外受精のリスクとは?母体の健康や赤ちゃんの障がい、流産にかかわる?
Article link iconhttps://mamanoko.jp/articles/28704
Image
ストレスが妊活・不妊治療に与える影響は?つらい・疲れたときのストレス解消法は?
Article link iconhttps://mamanoko.jp/articles/23039
Image
人工授精・体外受精・顕微授精の違いは?妊娠確率や費用は?
Article link iconhttps://mamanoko.jp/articles/28768
Image
体外受精の採卵とは?痛みや採卵数、採卵の方法は?
Article link iconhttps://mamanoko.jp/articles/21632
Image
体外受精の移植後の過ごし方は?生活の注意点、妊娠判定日、症状
Article link iconhttps://mamanoko.jp/articles/21582
Image
【東京・関東】不妊治療の病院おすすめ4選!選び方や助成金は?
Article link iconhttps://mamanoko.jp/articles/20994
Image
不妊検査について解説!不妊検査の方法・期間・費用は?
Article link iconhttps://mamanoko.jp/articles/28828
Image
不妊症の原因は?男女別の原因や気をつけたい生活習慣を解説!
Article link iconhttps://mamanoko.jp/articles/28817
Image