桑実胚移植の費用とメリット・着床率は?胚盤胞移植との違いは?

体外受精では、受精卵の培養期間によって移植にも色々な段階があります。この移植の方法によって、着床率が違うと言われています。今回は、桑実胚移植をする場合の費用とメリット、着床率、胚盤胞移植との違いについて、医師監修の記事で解説します。

35026

この記事の監修

目次

  1. 桑実胚(そうじつはい)とは
  2. 桑実胚移植の着床率と費用、期間
  3. 桑実胚移植のメリットと胚盤胞との違い
  4. 他にはどんな移植方法がある?
  5. まとめ
  6. あわせて読みたい

桑実胚(そうじつはい)とは

精子と卵子が受精した後、受精卵は細胞分裂を繰り返します。受精卵が一度細胞分裂を行うと初期胚になり、その後2~3日かけて4分割、8分割と細胞分裂を繰り返します。やがて分裂した細胞同士がくっつきはじめ、桑の実のような形になります。この状態を桑実胚といいます。桑実胚がさらに成長すると胚盤胞になります。

受精卵が初期胚に成長した時点で、分割の仕方により胚を評価する方法があります。これをグレードといいます。桑実胚になるまでの分割速度が適正で、フラグメント(細胞のつぶつぶ)が無く、更に割球(細胞)が均等である胚の評価が高く、発生が順調な受精卵として良いグレードをつけられます。

Article link icon
受精卵(初期胚や胚盤胞)のグレードと妊娠確率の違いとは?〜体験談あり〜

桑実胚移植の着床率と費用、期間

Image

桑実胚移植の治療の流れ

桑実胚移植の治療の流れは、基本的な体外受精の治療の流れと同じく、下記のようになります。

1.卵巣刺激(排卵誘発)
質の良い卵子を1つでも多く成熟させて採卵するため、ホルモン薬で排卵をコントロールします。様々な薬の種類や投与の方法があるので、卵巣の状態や体質に合わせて治療を進めていきます。

2.採卵
卵子が充分に成熟したことを確認してから、排卵誘発剤を投与します。そして排卵する前に卵子を採取します。膣内に器具を入れて取り出す手術になりますが、短時間の麻酔を使用することが一般的です。

3.採精
精子を採取します。採取した精子は洗浄し、培養士が質の良いものを選定します。

4.受精
卵子と精子を出会わせ、受精するのを待ちます。成功すれば数時間で受精卵になります。

5.胚培養
培養器で培養していきます。受精卵は細胞分裂を繰り返し、約4日目に桑実胚になります。

6.桑実胚移植
子宮内に桑実胚を移植します。

7.黄体ホルモンの補充
黄体ホルモンを補充し、子宮内膜を厚く保ちます。これによって桑実胚が着床しやすくなります。

8.妊娠判定
10日前後で妊娠判定となることが一般的なようです。

Article link icon
体外受精の採卵とは?痛みや採卵数、採卵の方法は?

着床率は?

桑実胚移植での着床率は約45%くらいのようです。これは、妊娠率が高いことで有名な胚盤胞移植と変わらない高い着床率であると言えます。しかし桑実胚での移植はまだ全体的な症例数が少ないため、この着床率についても、今後更に研究や検証の必要がある分野となっているようです。

Article link icon
胚盤胞移植とは?移植後の着床時期や症状は?フライング検査についても解説

費用はいくら掛かる?

桑実胚を移植する際の費用は、20万円前後であることが多いようです。この他に採卵までの費用が発生しますので、合計すると30万円前後となるでしょう。

Article link icon
体外受精とは?費用やスケジュール・流れは?リスクや痛みについても解説

期間はどれくらい掛かる?

桑実胚を移植するまでの期間は、受精後4日目~5日目となります。桑実胚になるまでに6日以上かかってしまった胚に関しては、移植を見合わせることが多いようです。

Article link icon
体外受精の移植後の過ごし方は?生活の注意点、妊娠判定日、症状

桑実胚移植のメリットと胚盤胞との違い

桑実胚を移植するメリットは、初期胚に比べて1日長く培養するため、着床する確率が約2倍に高まることです。桑実胚移植は、この高い着床率に加え、さらに胚盤胞移植のデメリットをカバーしている点があります。それは胎盤を共有する、特殊な双子の発生率が胚盤胞移植に比べて低くなることです。しかしながら、桑実胚移植に関してはまだ症例が少なく、研究段階といえるようです。これからの進展が期待できますね。

Article link icon
体外受精で妊娠する確率は?30代・40代の成功率、妊娠率を上げる方法は?

他にはどんな移植方法がある?

Image

初期胚移植

受精後2日目の胚を子宮に戻すのが初期胚移植です。受精した胚は9割以上の確率で分割するので、高い確率で移植することができるというメリットがあります。しかし優良な胚を選別するのが難しい時期でもあり、子宮内で育たないケースも多いことがデメリットにあげられます。

胚盤胞移植

受精後5日~6日目の胚を子宮に戻すのが胚盤胞移植です。着床間近の状態まで体外で培養してから子宮に戻すため、妊娠率が高いのがメリットです。しかし、なかなか胚盤胞まで育つのことが難しいという場合もあります。また、培養期間が長いために、初期胚移植に比べると若干費用が高くなることが多いようです。無事に移植ができたとしても、桑実胚移植よりも、胎盤を共有する特殊な双子ができるリスクが高くなっています。

まとめ

いかがでしたか。桑実胚移植はまだ症例が少ない移植方法ですが、初期胚移植や胚盤胞移植の中間ともいえるメリット・デメリットがあり、体外受精の選択肢の一つとして期待ができそうです。初期胚移植・胚盤胞移植を何度かトライしても妊娠に至らなかった場合は、桑実胚移植を医師に相談してみるのも良いかもしれませんね。

あわせて読みたい

体外受精後の妊娠判定はいつ?hCG値と陽性反応について
Article link iconhttps://mamanoko.jp/articles/21951
Image
胚盤胞移植の着床時期は?胚盤胞移植の成功率、判定日、メリットについて
Article link iconhttps://mamanoko.jp/articles/21731
Image
人工授精・体外受精・顕微授精の違いは?妊娠確率や費用は?
Article link iconhttps://mamanoko.jp/articles/28768
Image
新鮮胚移植って何?妊娠率と着床時期、メリットとデメリットとは
Article link iconhttps://mamanoko.jp/articles/18946
Image
排卵誘発剤とは?注射するの?効果や副作用、妊娠確率、使うタイミングは?
Article link iconhttps://mamanoko.jp/articles/21982
Image
排卵誘発剤の副作用とリスクは?双子が生まれやすいのは本当?
Article link iconhttps://mamanoko.jp/articles/28734
Image
体外受精のリスクとは?母体の健康や赤ちゃんの障がい、流産にかかわる?
Article link iconhttps://mamanoko.jp/articles/28704
Image
顕微授精で受精する確率は?受精しないのはなぜ?
Article link iconhttps://mamanoko.jp/articles/28744
Image
凍結胚移植とは?着床時期と妊娠確率、メリット・デメリットは?
Article link iconhttps://mamanoko.jp/articles/18990
Image
体外受精のショート法、ロング法、アゴニスト法を解説!スケジュールや採卵数は?
Article link iconhttps://mamanoko.jp/articles/22798
Image