人工妊娠中絶件数の年別、都道府県別、年齢別の統計と推移

人工妊娠中絶は年間約20万件ほど行われています。出産件数が約100万件なので、5分の1の確率で人工妊娠中絶が行われているとなると、その数は決して少なくないですね。そこで今回は人工妊娠中絶が行われている件数について、地域や年齢別に調べてみました。

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目次

  1. 人工妊娠中絶件数の年別統計の推移
  2. 人工妊娠中絶件数の年齢別統計の推移
  3. 人工妊娠中絶件数の都道府県別統計
  4. 日本の人工妊娠中絶件数は世界と比べてどうなのか?
  5. 未婚・既婚、それぞれの人工妊娠中絶を選択した理由は?
  6. 日本は中絶大国だった!?
  7. 人工妊娠中絶の件数に関する記事はこちら

人工妊娠中絶件数の年別統計の推移

人工妊娠中絶の年間件数は、毎年厚生労働省が発表しています。最新のデータは2014年のもので、年間件数は約18万件と報告されました。この数は前年よりも4000件あまり減少しており、また、年々減少傾向にあります。出産件数も毎年減少していることから、人工妊娠中絶の件数が減少している原因も、性行為に消極的な風潮が大きく影響していると言えます。そのほかには、ピルなどを使った避妊をする女性が増えたのも原因の一つと考えられます。

人工妊娠中絶件数の年齢別統計の推移

人工妊娠中絶は、よく未成年が多いとイメージされやすいですが、実際はそんなことはなく未成年の方の人工妊娠中絶件数は全体の6%ほどです。
もっとも多くを占めるのが、20代の方で24%です。「今は仕事を頑張りたい」「結婚していないのに、シングルマザーになる自信がない」「パートナーとの関係が悪くなる」という理由で人工妊娠中絶を決断する方が多いようです。
その次に30代の約17%、40代でも約3%の割合で人工妊娠中絶が行われています。

人工妊娠中絶件数の都道府県別統計

人工妊娠中絶件数の都道府県別統計を見てみると、興味深いことがわかりました。関東地方、中部地方や近畿地方では割合が低く、北海道、東北地方、中国・四国地方や九州地方では高いのです。東日本と西日本で比べてみると、西日本の方が圧倒的に高い結果となっています。
都道府県別にみてみると、人工妊娠中絶件数の割合が一番高いのは、鳥取県と熊本県で11.6%。一番低い県は山梨県の5.2%と、約半分なのです。
具体的に見てみると、まず県所得が高いところは人工妊娠中絶件数の割合が低く、高学歴であればあるほどその割合も低いということがわかりました。
そのほかにも、若いうちに結婚した夫婦が多い県では、人工妊娠中絶件数の割合が高かったり、高齢出産をする夫婦が多い県では、その割合が低いということがわかりました。

日本の人工妊娠中絶件数は世界と比べてどうなのか?

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日本で年間に行われる人工妊娠中絶件数は約20万件とご紹介しましたが、世界全体では4000万件以上と言われています。世界では宗教上の理由などで人工妊娠中絶が違法とされている国もたくさんあり、そのような国で違法に行われる「闇中絶」の数を把握できないため、その数は正確ではありません。
また、世界では約4万の女性が安全ではない人工妊娠中絶の結果、合併症などで命を落としているとも言われています。
国別に件数をみてみると、ロシアでは100万件以上行われているようです。15歳~49歳の女性の人口割合から見れば、その実施率は約30%と決して少なくはありません。
フランスやイタリアなどの国では、女性のピル服用率が高いため、人工妊娠中絶の割合も比較的低いようです。

未婚・既婚、それぞれの人工妊娠中絶を選択した理由は?

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まず未婚の女性が人工妊娠中絶を選択理由として、「結婚前の妊娠だから」というのが一番にあげられます。それは日本のみならず世界のいたる国でみられる「結婚前に妊娠するのは不適切である」という社会的規範のような制約によるものだと言えます。そのほかの理由としては、「望んだ妊娠ではないから」「経済上の理由」があります。

一方で既婚の女性の人工妊娠中絶を選択した理由は、「望んだ妊娠ではないから」が一番にあげられます。第一子と第二子の間隔が狭すぎる、今は仕事をがんばりたいなど、女性自身と家庭環境によるものだと言えます。そのほかには、「経済上の理由」「健康上の理由」などがあげられるようです。

日本は中絶大国だった!?

1960年代、日本の人工妊娠中絶件数は120万件近くあったそうです。出産数も現在とは比べ物にならないくらい多かったのですが、それでも年間120万件はとても多いですよね。その時代、今のような避妊方法もなく、また「母体保護法」という法律ができて中絶が法で守られるようになったために、その数が多かったと考えられます。その頃の日本は「堕胎天国」と言われ、海外からも中絶をしに来る人がたくさんいたようですよ。

人工妊娠中絶の件数に関する記事はこちら