人工死産とは?その後の手続き、次の妊娠の時期は?

皆さんは「人工死産」という言葉を聞いたことはありますか?お腹の中に小さな命が宿ったら誰もが10ヶ月後にはかわいい赤ちゃんを抱くことができると期待と希望をもって妊娠期間を過ごすことでしょう。しかし様々な理由で赤ちゃんとお別れするために出産する「人工死産」という現実もあるのです。今回は人工死産についてまとめてみました。

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目次

  1. 人工死産とは
  2. 人工死産をする理由
  3. 人工死産で出産一時金は支給される?
  4. 人工死産後の手続き
  5. 人工死産後の火葬・葬儀
  6. 人工死産後は母親のケアが必要
  7. 人工死産後の妊娠
  8. 人工死産後の手続きの後はママのケアを第一に!
  9. 人工死産の関連記事はこちら

人工死産とは

人工的に陣痛を起こし妊娠を中断すること

人工死産とは人工的に陣痛を起こして妊娠を中断し、胎児をお母さんのお腹から外に出すことを言います。お腹の中では生きていける可能性があったとしても出産後は生存が難しいと診断されたり、妊娠を継続すると母体の健康や生命が危険にさらされると判断された場合に行われます。

流産・自然死産との違い

流産や自然死産とはなんらかの異常で胎児の命が断たれてしまうことですが、人工死産とはまだ胎児が母体で生きているにも関わらず、こちら側の判断で命を断つ決断をしなければいけないのが特徴です。

元気に動いているお腹の中の赤ちゃんの命を諦めなくてはいけないかもしれないと聞かされても「もしかして診断ミスだったら?」「もしこのまま産んだらきちんと生きていけるのでは?」と産める方法はないかときっと必死になることでしょう。そんな中こちら側の意思で胎児の命を断つ決意をするのはとても辛いことです。

人工死産をする理由

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染色体の異常

人工死産をする理由のひとつは染色体の異常です。18トリソミーや13トリソミーなどが挙げられます。18トリソミーは18番目の染色体が1本多いために起こるのですが成長障害や呼吸障害また心疾患などが見られ生まれた赤ちゃんの生存率は低く、90%の赤ちゃんが生後1年以内に亡くなってしまうというデータがあります。

13トリソミーは13番目の染色体が1本多いために起こるのですが18トリソミーと同様の症状が見られます。生後1ヶ月以内に約50%の赤ちゃんが、そして1年以内には約90%の赤ちゃんが亡くなってしまうというデータがあります。

無脳症

人工死産をする理由に無脳症もあります。妊娠4週目くらいの超初期の段階で何らかの異常が脳や脊椎に起こり脳の成長が妨げられてしまうのが無脳症です。出産後の生存率が極めて低いこともあり人工死産をすすめられる場合があります。

母体のトラブル

人工死産をする理由は胎児側の問題だけではありません。母体のトラブルを理由に人工死産を選択する場合もあります。羊水がなんらかの理由で少なくなることで胎児の体の生成が難しくなってしまう「羊水過小」や、破水が早すぎる時期に起こり羊水が少なくなる状態になる「前期破水」などが挙げられます。

その他の原因

その他にも羊水過多・胎児水種・全前脳胞症・子宮頚管無力症・妊娠中毒症・プルンベリー症候群・子宮頚がん・奇形など20例を超える問題を理由に人工死産が選ばれるということです。

人工死産で出産一時金は支給される?

妊娠4ヶ月以上であれば人工死産でも出産一時金は支給されます。申請できる期限は2年以内とされており「人工死産」となったご本人または、その方を扶養する保険加入をしている方となっています。

人工死産後の手続き

死産届を提出する(死産した日から7日以内)

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人工死産で胎児が亡くなった場合、妊娠12週以降であれば死産届を提出する必要がでてきます。死産をした日から7日以内に出さなくては提出しなければならないとされています。死産届を提出する先は住民票のある場所もしくは死産をした医療機関の市区町村の役所となります。

戸籍へ記載はされない

お腹の中に宿った小さな命の存在を戸籍上に残しておきたいという方も多いと思いますが、死産届を提出後に戸籍に胎児が記載されることはありません。出生届を提出しなければ戸籍に名前が載ることはないのです。

死胎火(埋)葬許可申請書の提出

人工死産後の手続きとして赤ちゃんの火葬をするための死胎火(埋)葬許可申請書を提出する必要もあります。死産届を役所に提出すると書くように渡されます。死胎火(埋)葬許可申請書を提出し許可がおりると死胎火葬許可証が発行されることになります。

人工死産後の火葬・葬儀

妊娠24週以降の人工死産である場合、死後24時間経たないと火葬を行えないことになっています。火葬の費用の相場は約5万円です。亡くなってしまった赤ちゃんのために葬儀もきちんとされた方がいいようです。その場合火葬と葬儀で10万円~30万円前後となる場合が多いようです。

人工死産後は母親のケアが必要

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胎児側の異常であったり母体のトラブルなど人工死産を選択しなければならなかったママの気持ちは、お腹の中で亡くなる死産や流産とはまた違った気持ちがあります。トラブルが起きてしまったショックとお腹の中では元気に生きていた赤ちゃんの命を断ってしまったことへの罪悪感や後悔に苦しむことが多いようです。人工死産をした体のケアも必要ですが、それ以上にママの心のケアが大事になってきます。

悲しみを共有する

人工死産を経験したママはなかなか悲しみの感情を表に出すことができません。思いっきり泣けたらいいのですがそれすらも難しいそうです。時間の経過とともにママが悲しみを言葉や態度で表現し始めたら悲しみを共有することを意識してみましょう。

話を聞く

悲しみを共有してもらえたことでママも少し気持ちの整理もついてくるでしょう。話をし始めたら何もアドバイスなどは必要ないので「うん、うん」と相槌をうちながら話を聞いてあげましょう。次のステップに進めるきっかけになるかもしれません。

立ち直るのを待つ

人工死産を選ばなければならなかった悲しみから回復するのには、とてつもなく長い時間が必要となるでしょう。ふとした瞬間にその時の悲しみがフラッシュバックのように襲ってくる経験をする方もいます。

人工死産を経験したママがいつ立ち直ることができるのかは人それぞれで、いつになれば立ち直ることができるのか確定的な時期はありません。そのため人工死産を経験したママが立ち直るのを長期的な目で待つことがとても大事です。

原因を追究しないように促す

人工死産を経験したママはその原因が自分にあったのではないかと責める傾向になりがちです。「妊娠中のあの行動が我が子を人工死産に追いやったのではないか」という気持ちを人工死産を経験したママは少なからず持っていると言われます。

胎児側の問題や母体のトラブルで人工死産に繋がってしまうことが多いですが、そのもとにあった原因が自分自身にあると考え、あらぬ方向へいってしまわないように原因追究をしないように促してあげましょう。

受け入れるように促す

「辛いことは忘れて次へ」と第三者は励ますつもりで言ってしまいがちですが、人工死産を経験したママは忘れたくないし決して忘れることはできないのです。どんな形でもその子の母であるという気持ちに変わりはなく、これから先もずっとその気持ちを持ち続けていくでしょう。

ですから第三者として「忘れさせる」よりも「事実を受け入れる」ように促すことが大切です。受け入れることができて初めて次の段階へと進んでいけるのではないでしょうか。

人工死産後の妊娠

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生理は1ヶ月前後で再開することが多い

人工死産後の生理は大体1ヶ月前後で再開することが多いようです。人工死産をする前と生理の様子が変わる方が多くいると言われています。生理痛が軽くなったと感じたり、逆に重くなったと感じたり…。生理の再開が遅いのではないかと感じたら医師に相談してみましょう。

1年ほどあけるのが望ましい

人工死産後の生理は大体1ヶ月程で再開はしますが、次の妊娠には1年以上あけた方がいいとされています。人工死産1年未満で妊娠した場合、1年待って妊娠した場合に比べると妊娠や新しい子を受け入れること自体に問題が発生しやすいと考えられています。

1年以内に次の妊娠を考える方ももちろん多いのですが、それでも生理を2~3回見送った後に妊娠を希望する方が多いといいます。

妊娠を恐れてしまう人も少なくない

一度人工死産を経験すると「妊娠が怖い」と感じるママは少なくありません。「また人工死産を選ばなければいけなくなったらどうしよう」「もうこんな悲しい思いはしたくない」という気持ちなるのは当たり前のことなのかもしれません。

妊娠することの恐れから夫婦生活にも恐怖を覚えたり性欲が減退してしまう女性もいるようです。それでも「子どもがほしい」と恐れと焦りに揺れ動きながら徐々に次の妊娠へと進んでいく方が多いそうですよ。

人工死産後の手続きの後はママのケアを第一に!

人工死産という悲しい経験をした後も死産届の提出や火葬・葬儀の手続きなど、やらなければならないことでバタバタするでしょう。そのような手続きは頼れる周りの協力者に手伝ってもらいながらひとつひとつ済ませていきましょう。

無事に手続きを終えることができたらママ自体の体と心のケアをしっかりと行ってくださいね。自分自身のぺースで大丈夫です。どんなに時間がかかっても焦る必要はありません。人工死産を受け入れて初めて次の段階へと進めるのだと思います。パートナーと協力し合いながらゆっくりケアしていけるといいですね。

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