小児てんかんとは?原因と症状・治療方法や薬まとめ

てんかんという病気については誰でも一度は耳にした事があるのではないでしょうか。てんかんというと手足をけいれんさせる発作というイメージがある人も多いかも知れませんが子どもでもてんかんを発症する事があります。今回は小児てんかんについて、原因や症状、治療法や薬などについてまとめてみました。

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目次

  1. 小児てんかんとは?
  2. 小児てんかんの原因
  3. 小児てんかんの症状
  4. 小児てんかんの治療方法
  5. 小児てんかんは治る?
  6. 小児てんかんの診断
  7. 小児てんかんで生活上注意すること
  8. てんかんかも?と思ったら一度病院へ
  9. あわせて読みたい

小児てんかんとは?

小児に発病するてんかんにはいろいろな種類・症状がみられる

小児のてんかんは、生まれた時の脳の損傷や先天性代謝異常、先天性奇形が原因で起こるてんかん(症候性てんかん)が多く、乳幼児期に発病する頻度が高いと考えられていますが、先進国では医療の進歩により減少傾向がみられます。ただし、小児てんかん全体では原因が特定できない特発性てんかんが多く、特に発病は生後から3歳までと学童期に起こりやすいことが知られています。

成長に伴って治っていくてんかんや難治になるてんかんなど様々

てんかんの種類により成長に伴い自然に治るものや、発作を抑える為に薬を飲み続けなければいけないもの、手術が必要な場合など様々なので、てんかんの分類を知る事が大切ですが、この分類も非常にややこしく、何度も作っては見直されています。また、一度診断されたものでも、発作に変化が現れたりして別のてんかんの診断がつくこともあります。

小児てんかんの原因

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てんかんの原因は脳にあります。脳の神経が様々な理由によって過剰に興奮してしまう事が原因です。これは脳波を調べたりMRIを撮ったりして検査する事ができます。しかし発作が起こっていない時の検査では原因が見つからない場合もあります。特に赤ちゃんのてんかんは原因が不明の事も少なくありません。

しかし、小児てんかんのほとんどは、症候性てんかんに分類され、ママのお腹にいるときや分娩するときなどに大脳が損傷されることが原因になるといわれています。

小児てんかんの症状

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特発性部分てんかん

①良性ローランドてんかん

生後18ヵ月~13歳(平均7歳)に発症します。入眠直後に顔面の片側けいれん、口周囲の異常知覚、発語停止、ほほの収縮、過剰のよだれなどの症状(大脳の特定の部分が過剰に興奮しておこるもので部分てんかんとよびます)が現れます。時折、大脳の広範な部分で興奮がおこるようになる二次性全般化がみられることもあります。思春期までに発作は消失し、一般に再発することはありません。

②良性後頭葉てんかん

視野が暗くなったり、輝く点が見えたり、錯覚、幻覚などの目の症状から始まるてんかんです。これは遅発型、後頭葉てんかんと呼ばれ、学童期後半に好発します。その他に早発型と呼ばれる幼児期に好発するものがあり、この場合には嘔吐や吐き気から発作が始まります。

特発性全般てんかん

①良性新生児家族性けいれん

遺伝性のてんかんで、約4割は生後3日目前後に発作が始まり、そのうちの約7割は生後6週間以内に発作がおさまるといわれています。発作型はけいれん発作だけでなく無呼吸発作も少なくありません。

②良性新生児けいれん

生後5日目前後に間代発作や無呼吸発作を何回も繰り返すものの、明らかな原因がないてんかんです。この時期を過ぎると発作は一般に再発しません。発作型は全身、あるいは体の一部のけいれんを起こすものと、両者の混在するものがあります。

③乳児良性ミオクロニーてんかん

生後1~2歳で発症します。家族歴に、てんかんやけいれんを持つことがあります。軽い知能発達の遅れや人格障害を伴うことがあります。

④小児欠神てんかん

男児より女児に多く、1日に数回から数十回の欠神発作が出現します。症状は意識混濁のみで、通常はけいれんを起こすことはありません。過呼吸で発作が誘発されやすく、運動中に急に動きが止まって呆然とすることがあります。また、学校でリコーダーなどを吹いている時、麺類を食べている時に発作が起こることもあります。

症候性部分てんかん

①前頭葉てんかん

運動障害があらわれます。この場合突如顔の筋肉が固まり体や顔が逆側に曲がって固まってしまったりするなどの症状がみられます。乳児期に発症する常染色体優勢夜間前頭葉てんかんの場合夜間睡眠中に運動発作(痙攣)をおこします。

②側頭葉てんかん

発作を起こす前に前兆があります。胃部不快感や不安感、恐怖感などでその前兆は本人にわかると言われ、「発作がくる」とはっきり認識できることも多いようです。さらにその後勝手に体が動いてしまう自動症が起こります。

③頭頂葉てんかん

主にしびれ、痛み、などの知覚症状や感覚発作です。

④後頭葉てんかん

目の前に光が見えます。星のような無数の光がチカチカしながら動く場合や、大きな光が1個目の前に見える場合もあるようです。目の中でその光が移動したりもします。また、視覚発作に引き続いて頭痛や吐き気も併発します。

症候性全般てんかん

①ウエスト症候群

生後3~10ヵ月に発病することが多く、てんかん性スパスム(れん縮)と呼ばれる手足や頭部に1~3秒間力が入る発作(座っていると一瞬、頭部が垂れる(点頭)ので点頭てんかん発作とも呼ばれる)を繰り返し起こすことが特徴で、男児に多く、寝起きによく起こります。

②レノックス・ガストー症候群

ウエスト症候群から移行することのあるてんかんで、体がこわばる強直発作、脱力発作、非定型欠神発作などの多様な症状を呈し、運動・知能などに障害を合併することが多いといわれる難治性のてんかんです。

③ミオクロニー失立発作てんかん

ミオクロニー発作、ミオクロニー失立発作(転倒する)、失立発作が臨床発作の主体。その他、非定型欠神発作、全般性強直間代発作、熱性けいれんなどを合併します。

④ミオクロニー欠神てんかん

男児に多く、両側性の上腕のミオクロニーれん縮を随伴する欠神発作が1日に何回も起こります。

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小児てんかんの治療方法

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主に発作を抑える抗てんかん薬を長期間服用

抗てんかん薬は、発疹や膵炎などの副作用を発症することも多く、子どもの成長によって薬の必要量が変わるので定期的な検査を受けて経過観察をしていきましょう。もし2種類以上の抗てんかん薬を2年以上使用しても症状が改善しない場合には、外科手術が検討されることになります。

外科手術

てんかんの手術を大きく分けると、「完全に発作をゼロにすること」が目的、つまり根治術としての「焦点切除術」と、「発作を軽くするか少なくすること」を目的とする姑息的手術として「離断術」と「迷走神経刺激療法」の2つがあります。

ケトン食療法

主に小児のてんかんを対象とし、脂肪が多く炭水化物(糖質)が少ない食事で、脂肪、たんぱく質、糖質・炭水化物の比率が一定になるように毎食計算します。必要に応じ特殊専用ミルクを併用しながら医師と栄養師の管理のもとで施行します。しかし、外国の小児病院には「ケトン食専門外来」が多いですが、日本では限られた施設でのみ続けられているのが現状です。

ACTH療法

副腎皮質刺激ホルモンの注射をある一定の期間、連日投与する治療法です。ACTH療法開始後1~2週間で効果が現れ、50~90%で発作消失が得られるといわれていますが、ムーンフェイスなどの副作用がほぼ全員に現れます。

小児てんかんは治る?

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小児のてんかんは比較的治る可能性の高い病気

小児のてんかんは比較的治る可能性の高い病気です。特別な治療が不要なケースもありますが、多くの場合は適切な診断と抗てんかん薬の服用など適切な治療によって発作を起こさず生活することができます。また外科手術で治ることもあります。ですが、てんかんには治療によって治りやすいタイプと、治りにくいタイプがあるのも事実です。

小児てんかんの診断

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問診

小児てんかんに関する問診では、発作に関すること以外に、出生時のことやそれまでのケガ、ひきつけ(熱性けいれん)を起こしたことがあるか、発達は正常であったか、などについても質問されます。そのため、母子手帳を用意しておくと便利です。

発作時の状態を詳しく観察、説明することが大事

発作が数十秒など短い時間で終わってしまう場合も多いですが、何度も同じ動作を繰り返す場合はできるだけ動画を撮っておくと良いでしょう。更に発作に入る前の様子、入った時の様子、発作後の様子などをメモしておくと医師の判断の手助けとなります。

小児てんかんで生活上注意すること

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入浴

入浴時の発作は大変危険です。お風呂に入るときは必ず誰かと一緒に入りましょう。また、湯船のお湯の量を少なくしたり、シャワーだけにしたりするのも有効です。

万が一お風呂で発作が起こってしまった時には、お湯から顔をあげて息がしやすいようにします。難しいようなら栓を抜いてお湯を抜きます。そして、意識が回復するのを待ち、ゆっくりお風呂から引き上げましょう。

テレビやゲーム

てんかん発作は、光刺激により起こりやすくなることがあります。光刺激で発作を起こしたことがあれば、光刺激の強いテレビやゲームは望ましくありません。どうしてもゲームが止められない場合は、明るい部屋で、画面から離れて、長時間のプレイは避けるようにしましょう。

過度の刺激

ある刺激や出来事によって、てんかんの発作が起きる場合、生活の上では発作が起こりやすい状況を、減らす事が大切です。

てんかんかも?と思ったら一度病院へ

けいれんを目にすると、どんなママでもパニックになりますよね。子供、特に赤ちゃんは脳の発達が未熟なため筋肉が意識せず動いてしまう事は少なくないようです。てんかんの知識を身につけておけばいざという時に慌てず行動できますが、自己診断はせずに心配なら、一度病院へ行くのもいいかもしれません。

また、てんかんは種類によっては治らない病気ではないので、てんかんと診断されても、適切な治療を受けていれば、小児てんかんでも普通に日常生活を送ることができます。てんかんがあるからといって過保護になり過ぎる必要はありません。子どもの成長を妨げないように、のびのびと育ててあげましょう。

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