黄色い鼻水を放置しないで!子どもの鼻水の原因と対処法

子どもが風邪をひいて黄色い鼻水を出していると、中耳炎などの他の病気にかかってしまうのではないかと心配ですよね。鼻水には放置しておくと危険な鼻水と、心配のない鼻水があります。ここでは子どもがよく出す鼻水について、鼻水の種類や放置すると危険な鼻水の見分け方、家庭でできる対処法などを解説します。

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目次

  1. 鼻水はどうして出てくるの?
  2. 鼻水が出てくる原因
  3. 子どもの鼻水の種類
  4. 子どもの黄色い鼻水の対処法
  5. 鼻水で病院へ行く目安
  6. 鼻水を放置していたら病気になってしまう可能性もある
  7. たかが鼻水と処理せずに

鼻水はどうして出てくるの?

鼻水は、鼻の穴にホコリや花粉、細菌やウイルスなどが外から侵入してきた場合に、外に出そうとして出てくる粘液です。鼻水を出すことによって、侵入物から身体を守るという重要な働きがあります。

鼻水が出てくる原因

鼻水が出てくると心配になりますが、鼻水の種類によってはあまり心配のないケースもあるようです。ここでは、鼻水が出る主な原因が何なのかを見ていきましょう。

風邪

風邪の原因となる細菌やウイルスなどが鼻や喉から体内に入ってくると、鼻の粘膜が刺激され、ウイルスを体外へ出そうとして鼻水が出てきます。

急性副鼻腔炎

急性副鼻腔炎(ふくびくうえん)は、風邪に引き続き細菌感染することで発症する病気です。最初は風邪の鼻水のようにサラサラした鼻水が、黄色のネバネバした鼻水に変わり、頭痛や発熱などの症状が出ます。

慢性副鼻腔炎(蓄膿症)

慢性副鼻腔炎(蓄膿症:ちくのうしょう)は、急性副鼻腔炎がおよそ3ヶ月以上続くことで起こる病気です。鼻水がよく出て、頭痛、鼻づまりなどの症状が起こります。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎は、花粉やハウスダストなどが原因で起こるアレルギー疾患です。花粉(スギ・ヒノキ・ブタクサなど)によるものを季節性アレルギー性鼻炎、ハウスダスト(ダニ・ほこりなど)によるものを通年性アレルギー性鼻炎と言います。鼻腔がアレルギーに反応すると、透明な鼻水(水のようにサラサラとした鼻水)が出てきます。

泣くこと

子どもが鼻水を出しながら泣いている光景をよく見ることでもわかるように、泣くことでも鼻水が出ます。泣きやめば鼻水は止まります。目の内側にある鼻涙管が鼻とつながっているので、泣くと涙と鼻水が混ざったものが鼻から出てくるのが特徴です。

血管運動性鼻炎

血管運動性鼻炎は、急な温度や湿度変化(たとえば熱いものを食べ、暖かい室内から寒い外に出たときなどに起こる)によって鼻水が出るものです。一時的な鼻炎の症状とされており、心配はないといわれています。

子どもの鼻水の種類

子どもの鼻水には、色や鼻水の状態によって種類があります。子どもの鼻水の状態を知ることにより、大体の子どもの体調が把握できるようになりますよ。

透明でサラサラしている

透明で水のようにサラサラしている鼻水の場合は、湿度や気温などの変化により鼻水が出ている場合が多く、咳をしたり熱が出たりしなければ、様子見で問題ない鼻水といわれています。

花粉症などのアレルギー性鼻炎の場合も、水のようなサラサラした鼻水が出ます。くしゃみが増えたり、鼻や目をかゆがっていたりする場合は、一度耳鼻科を受診して診てもらいましょう。

白っぽくて粘り気がある

白っぽくて粘り気がある鼻水は、細菌やウイルスによる場合があるので、注意しながら様子を見るようにしましょう。透明の場合でも粘り気のある鼻水が出ているときは、注意が必要です。

黄色・緑色

鼻水に色がついている場合は、風邪などで身体が細菌やウイルスと戦っている状態で、風邪が治りかけのころに出やすいといわれています。黄色や緑色の鼻水は、中耳炎や蓄膿症、副鼻腔炎になる恐れもあります。鼻水が長引く場合は病院を受診し、こまめに鼻をかむように心がけましょう。

子どもの黄色い鼻水の対処法

鼻水の中でも、特に「黄色い」鼻水が出ている場合はどのように対処すれば良いのか、家庭でできるお世話方法もあわせて解説します。

正しい鼻のかみ方を教える

子どもが自分で鼻をかむとき、正しい鼻のかみ方ができていないことがほとんどです。力強く両側を一度にかんだり、かまずにすすったり、鼻をほじったりしていないでしょうか。鼻水をすすってしまうと、細菌やウイルスが体内に逆戻りしてしまうので、正しい鼻水のかみ方を子どもに教えてあげましょう。

正しい鼻のかみ方は以下になります。
(1)片方ずつかむ
子どもは両方の鼻を一度にかもうとする場合が多いですが、鼻の穴を片方ずつ押さえながらかむのが正しい方法です。

(2)口から息を吸う
鼻をかむときは、空気を入れるために口から息を吸ってからかみましょう。

(3)少しずつかむ
一気に慌ててかまずに、ゆっくり少しずつかむようにします。

(4)優しくかむ
力強く鼻をかまずに、優しくかむようにします。

鼻をすすったり指で鼻をほじったりするのは、細菌が鼻の奥に入り込み、中耳炎などになる恐れがあるので注意が必要です。鼻をかみすぎると鼻の下の皮膚が荒れてしまう場合もあるので、鼻のかみすぎにも注意しましょう。

吸引器を使う

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小さな子どもになればなるほど、鼻をかむことが難しいですよね。電動で簡単に吸い取ることができる吸引器は、楽天ショップなどでも人気がある商品です。電動タイプのほか、チューブを使用してママが吸うタイプやスポイトタイプの商品があります。

スポイトタイプなどは電動タイプに比べると安く購入することができ、持ち運びにも便利です。

耳鼻科へ行く

子どもが病気のときはたいてい小児科に連れて行きますが、鼻水などの鼻や耳が関係している症状のときは、鼻水を吸ってもらうためにも耳鼻科に連れて行くようにしましょう。小児科を受診してから耳鼻科を受診しても良いですね。

熱や咳が出ているときは小児科を受診し、鼻水や鼻づまりのときは耳鼻科に受診するなど、症状によって受診する「科」を変えると症状が早く改善するかもしれません。

頭を高くして寝かせる

鼻水が出ている子どもを寝かせるときは、鼻の通りが良くなるように枕やタオルなどを使用し、いつもより頭を高くして寝かせるようにしましょう。抱っこをする場合は、横抱きより「縦抱き」がおすすめです。

こまめに水分補給をする

鼻水が出ると水分不足になりやすくなります。鼻水を出やすくするためにも、こまめな水分補給が大切です。

掃除の徹底

アレルギー性鼻炎は、ハウスダスト(ホコリ・ダニなど)が原因の場合もあるので、こまめな部屋の掃除が重要です。

鼻水で病院へ行く目安

子どもは鼻水が出やすいですが、鼻水が出たらその都度病院へ連れて行くのではなく、病院へ連れて行かなければならない目安があります。症状の出方は個人差があり、あくまでも目安なので、子どもの様子を見ながら病院へ連れて行くようにしましょう。

子どもの機嫌が悪い

鼻がつまったり鼻水が出たりしていると、子どもは不機嫌になります。まだ話せない小さな子どもは言葉で伝えることができないので、機嫌が悪くないか様子を見て病院を受診するかどうかの判断をしましょう。

いつも子どもと一緒にいる時間が多いママは、子どもの変化にも気付きやすくなります。普段からたくさんスキンシップをして、子どもと触れあうようにしたいですね。

熱がある

いつもより高い体温が続く場合など、発熱しているときも病院に連れて行くようにしましょう。子どもの平熱を知るためにも、普段から子どもの熱を測っておくこと(知っておくこと)が大切です。

鼻水・鼻づまりが長期間続いている

鼻水や鼻づまりが長期間続いている場合は、中耳炎や慢性気管支炎、肺炎など、重大な病気になるケースもあります。長期間の鼻水は放置せずに病院を受診しましょう。

耳だれがある

子どもが耳を頻繁に触ったり、痛がったりしている場合は注意が必要です。耳だれがある場合は耳の外側に出ているものだけを優しくふき取り、耳の中のものはふかずに早めに病院で治療をしてもらいましょう。

鼻水を放置していたら病気になってしまう可能性もある

子どもの鼻水は頻繁に出るものだからと、放置しておいて大丈夫だと思うのは危険です。鼻水を放置すると、強烈な痛みに襲われる病気になってしまう可能性もあります。子どもの鼻水の状態をよく観察し、少しでもおかしいと感じたら病院で診てもらうようにしましょう。

中耳炎

小さな子どもや赤ちゃんは、自分でうまく鼻をかむことができないので、中耳炎になる場合が多いといわれています。中耳炎は急に耳が痛くなる病気です。子どもが耳を触りながら泣くような場合は、すぐに耳鼻科で診てもらいましょう。

蓄膿症・副鼻腔炎

ドロドロで黄色や緑色の鼻水が長期間続くと、蓄膿症(ちくのうしょう)や副鼻腔炎(ふくびくうえん)の可能性もあるので、早めに受診しましょう。

たかが鼻水と処理せずに

子どもは鼻水が出るとひとりではうまくかめないこともあり、鼻水をすすってしまったり、遊びに夢中になり鼻水を垂らしたまま遊んでいたりすることがあります。透明や黄色など鼻水の色に関係なく、たかが鼻水だからとあなどらずに「かむ」習慣を身につけさせたいものです。

鼻水が出たらそのまま放置せずに、その都度かまなければいけないことを教えてあげましょう。小さい子の場合はママが注意して吸引してあげてください。鼻がかめない赤ちゃんや小さな子どもは、病院で鼻を吸ってもらうのもひとつの方法です。