更新日:2018年11月08日

ウエスト症候群とは?症状と原因・治療方法まとめ

「ウエスト症候群」という病名を聞いたことはありますか?ウエスト症候群は「点頭てんかん」とも呼ばれ、赤ちゃんの頃に発症するてんかん症候群です。通常のてんかんの発作と異なるのでてんかんだと気づかず発見が遅れることもあります。そこで今回は早期発見・早期治療のためにウエスト症候群の症状や原因、また治療方法などをまとめました。

監修 : mamanoko 医師・専門家
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ウエスト症候群とは?

ウエスト症候群は点頭てんかんとも呼ばれ、生後4ヶ月~1歳以下の赤ちゃんに発症するてんかん症候群です。2歳以上で発症することはあまりないとされており、生後5ヶ月~6ヶ月頃が発症のピークであると言われています。

子どものてんかんの中では最も多く、日本に約4000人の患者がいるのではないかと推測されています。発症の男女差では男の子の方が多い傾向があります。点頭てんかんの発作は2歳~3歳くらいで消えるのですが、他の発作に移行する子が多いようです。

ウエスト症候群の症状

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「シリーズ発作」が特徴的

ウエスト症候群の発作は0.2〜2秒程度の短い発作が数秒間隔で、20〜40回繰り返されるのが特徴です。多いときには100回繰り返されることもあります。これを「シリーズ発作」と呼んでいて1日に10回以上起こります。

一瞬、首、体幹、手足を縮めるような発作がおきる(スパズム)

短い発作とはどんな発作かというと、頻繁に体を動かす赤ちゃんですから見極めが難しいのですが、0.2〜2秒間、首、体幹、手足を左右対称にピクっと屈曲します。ウエスト症候群は「点頭てんかん」とも呼ばれているのですが、この「点頭」という言葉は「うなずく」という意味があります。首の屈曲が、頭が前に垂れるような、うなずくような仕草に見えるので病名の由来となっています。

つっぱるように伸びる動作の場合も

上記の発作(スパズム)の後、普通は泣き出すことが多いですが、突然バンザイをするように2〜10秒間手足をぐ~っと伸ばす発作を認めることもあります。

起きた直後や入眠時に起こりやすい

ウエスト症候群は寝起きや寝入りばなに起こりやすいと言われています。発作が起きる状況を把握するようにするとウエスト症候群の見極めに役立ちます。

抱っこやつねって発作が中断する場合ウエスト症候群ではない可能性も

ここまでのウエスト症候群の症状をみて「もしかしたらうちの子ウエスト症候群なのかも」と心配することがあるかもしれません。まだ治療が始まっていない段階でのウエスト症候群の症状は、刺激を与えても繰り返し発作が出るのが特徴です。
発作かな?と思われるときに抱っこしたりつねったりして発作が中断する場合にはウエスト症候群ではない可能性も高いと言われています。

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ウエスト症候群の原因

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大きくは、潜因性と症候性に分けています。潜因性とは、周産期に異常がなく、発症前の発達が正常で他の発作がない、検査で異常がないものを指し、ウエスト症候群の10〜40%が潜因性と言われています。では症候性にはどんなものがあるのでしょうか。症候性の中で有名なものをいくつかあげていきます。

結節性硬化症

結節性硬化症とは皮膚や神経系、肺や骨など全身のいたるところに過誤腫と呼ばれる良性の腫瘍や過誤組織ができる病気です。この結節性硬化症の患者の80~90%にてんかんがみられ、ウエスト症候群を発症することもあります。

その他の脳形成異常

結節性硬化症以外の脳形成異常として、神経線維腫症や脳梁欠損症、全前脳包症などもウエスト症候群の原因となります。

周産期脳障害

ウエスト症候群は周産期のトラブルで起こる脳障害も原因のひとつです。低酸素性虚血性脳症や低血糖があります。

ダウン症

ダウン症には合併症が数多くあり、てんかんもそのうちの一つなのですが、ウエスト症候群を合併することもあります。

髄膜炎

髄膜炎とは脳と脊髄を覆っている髄膜にウイルスや細菌などが感染し、急性の炎症が起こる病気です。この髄膜炎の後遺症でウェスト症候群が引き起こされることもあります。

頭部外傷

頭部外傷の後遺症でもウエスト症候群を発症する場合があります。

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ウエスト症候群の検査・治療方法

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脳波検査

ウエスト症候群の検査ではてんかんが起きているかを確認するために「脳波検査」を行います。検査では「ヒプスアリスミア」というウエスト症候群に特徴的な脳波があるかどうかを観察していきます。

頭部画像検査

ウエスト症候群が脳形成異常や脳室周囲白質軟化症が原因となっている場合もあるので頭部CTやMRIの検査を行い基礎疾患がないかを確認します。

血液検査、尿検査、髄液検査、血液ガス

下記の検査と合わせてミトコンドリア異常や代謝異常がないか確認します。

その他染色体検査、遺伝子検査、代謝異常検査など

ウエスト症候群の原因を突き止めるために、その他にもいろいろな検査が行われます。症状や身体所見から疾患を疑い、それぞれのお子さんに合わせて必要な検査を行います。ダウン症などの染色体異常を確認するための染色体検査や、ARX遺伝子などの遺伝子検査、代謝異常の検査などがあります。

ウエスト症候群の治療方法

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抗てんかん薬の投与

入院して抗てんかん薬の内服を行います。複数の抗てんかん薬を使用し、無効の場合には早期にACTH療法を開始することが大切です。

ACTH療法

最も効果が高いとされているのが「ACTH療法(副腎皮質刺激ホルモン療法)」です。入院しての治療となりますが、投与から1~2週間でてんかんの症状が出なくなることが多いそうです。しかし高血圧や脳室出血、感染症などの副作用もあり、治療の前に医師とよく相談してから行われることになります。

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ウエスト症候群の予後・完治は可能?

ウエスト症候群は治療が難しく、てんかんの症状がおさまっても精神発達遅滞を認めることが多い疾患ですが、早期治療発見時期によって予後が変わってきます。ウエスト症候群を早期に発見し適切な治療を行うことによって50~80%の症例で発作の改善が見られ、精神発達遅滞も少なくなることが分かっています。

ウエスト症候群は早期発見・早期治療を

ウエスト症候群では早期発見をして早期治療を行うことによって予後の改善が期待できます。ウエスト症候群という病気があると知らなければ赤ちゃんの正常な動作であるモロー反応と勘違いして発見を遅らせてしまうかもしれません。ウエスト症候群という病気を知って早期発見につなげたいですね。

赤ちゃんの些細な動作を見逃さないで

赤ちゃんをよく観察して、おかしな動作があったら動画で録画したり、観察記録をつけたりしましょう。心配なことがあれば小児科を早めに受診して相談するようにしましょう。

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