排卵日はいつ?
生理周期が28日で安定している人の場合、排卵日は、次の生理との中間、つまり生理開始日の14日後あたりにあることが多いとされています。基礎体温表をつけている人のグラフを見ると、前の生理と次の生理の真ん中あたりの日に体温が下がり、翌日から少しずつ上がっていくことわかるでしょう。体温が下がった日の前後を排卵日と考えます。
排卵日に排出された卵子と精子が受精して着床すると、妊娠が始まります。排卵日前から後にかけての期間が最も妊娠しやすいタイミングと考えられます。
ただし、予測した日に必ず排卵があるかどうかは、生理周期が安定している人でも正確にはわかりません。女性ホルモンのバランスは、生活環境やストレスや体調によって大きく変わってしまうことがよくあります。
排卵日によくある症状、原因と対処法

女性の体は女性ホルモンのバランスで生理周期を作り、健康な体を保っています。生理から排卵日にかけては卵胞ホルモン(エストロゲン)が多く分泌されていますが、排卵日を境に減っていきます。さらに、排卵日以降から次の生理がはじまるまでは卵胞ホルモンと代わって黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が増えていくということの繰り返しです。
プロゲステロンには、排卵後に受精卵が育ちやすい環境へと子宮を変化させ、妊娠を継続するための体を作っていくという役割があります。妊娠していてもしていなくてもプロゲステロンは同じように分泌されるため、排卵日から生理前の時期にかけて体調が変化する原因にもなっています。
ここでは、排卵日前後に起こりやすい症状についてご紹介します。
排卵痛(腹痛・腰痛)
排卵時に感じる生理痛のような腹痛や腰痛のことを「排卵痛」といいます。排卵痛が軽い、またはない人もいれば、生理痛よりも痛いという人もいます。
排卵痛の原因は、卵巣の中で成熟した卵胞の中から卵子が飛び出てくるときに、卵巣が破れて出来た傷を痛みとして感じることがあるためです。1~2日で収まることが多いので、痛みが気になるときは安静にして過ごしましょう。
出血
排卵時に少量の出血が見られることがあります。ナプキンを使うほどではない量で、期間は1~2日と、長くは続きません。この出血は、卵子が排卵時に卵巣の壁を破って出てくるためにできる傷からの出血と考えられています。ホルモンバランスが変化するため、厚みを増してきた子宮内膜の一部がはがれて少量の出血が起こっている可能性もあります。気になるときはおりもの用ライナーで対処しましょう。
もし生理と同じくらいの出血量だったり、出血の期間が長かったりする場合は、他の原因がある可能性が考えられるので注意が必要です。
おりもの
おりものの色や状態は生理周期で変化するので、よく見ておくと排卵日がわかるかもしれません。排卵前のおりものは透明で少量です。一方、排卵日あたりのおりものの量は多めで、色は透明、透明粘度があってよく伸びます。これは、精子の侵入を助け、受精をしやすくする役割があるためです。
排卵日後にはおりものの量は減り、色は黄色っぽくなります。気になるときはおりもの用ライナーで対処しましょう。
基礎体温
基礎体温表をつけているとよくわかりますが、体温は、排卵日のあたりで一度下がったあとに上昇していきます。妊娠していない場合は、およそ14日高温期が続き、生理がくると体温はまた下がっていきます。しかし、妊娠している場合は、体温は下がらず、高温期がそのまま続いていくのです。
食欲
排卵日から生理前にかけて食欲が止まらないと感じる人もいるのではないでしょうか。食欲が増大するのは、プロゲステロンの仕業です。
排卵後の体は妊娠に向けて栄養をため込もうとするので、食欲が増してきます。よく「生理前はダイエットに向かない」といわれるのは、こういった理由からなのですね。また、プロゲステロンが分泌されると血糖値が下がりやすくなるために、甘いものを食べたくなる人も多くなるようです。
イライラ、落ち込みなど精神的な辛さ(PMDD)
排卵日の急激なホルモンバランスの変化がイライラの原因だといわれています。イライラや気分の落ち込み、うつ症状などの精神的な症状が大きく出る場合は、「PMDD(月経前不快気分障害)」といいます。
PMDDの症状が酷い場合は、生活に支障をきたすほどつらいこともあるようです。生理が始まると症状も消えていくので、この期間はリラックスを心がけて過ごしましょう。
ホルモンバランスを整える効果があるイソフラボン、亜鉛、ビタミンB6などを積極的に摂取することで緩和されることがあるようですが、あまりにもつらい場合は婦人科で相談してくださいね。
眠い、だるい
プロゲステロンの作用のひとつに鎮静効果もあるために、眠気を感じることがあります。プロゲステロンのもたらす鎮静効果は、睡眠薬にも匹敵するほどなのだそうです。
また、眠りに入るときは体温が下がりますが、高温期に入ってしまうので、熟睡することが難しくなります。排卵日に、充分に寝たはずなのに眠い、なんだか体がだるいと感じるのは高温期のせいです。
排卵日に眠気がひどいときは、無理をしないでゆっくり過ごし、早めに就寝しましょう。たまには自分のための休息日があっても良いですね。
頭痛・吐き気
排卵日には、生理後から排卵までの期間に多く分泌されていたエストロゲンが減少します。そのため、血管が拡張し、頭痛が起きることがあるようです。
また、普段から胃腸が弱い人は、ホルモンバランスの乱れによって症状が強く出て、吐き気を感じることがあります。普段の生活を見直し、健康を保つ生活を心がけることで改善されるでしょう。
胸のはり
プロゲステロンは妊娠のためのホルモンなので、排卵後には受精の有無に関わらず、妊娠に向けての体作りが始まり、乳腺を発達させます。人によっては、下着がきつくなるほど胸が張ることもあるようです。妊娠した場合は胸の張りが続きます。しかし、妊娠していない場合の胸の張りは一時的なもので、生理とともになくなります。
ただし、これらの症状は全ての人に起きることではなく、個人差が大きく、排卵時の体調にも左右されるものです。症状が重い人もいれば何も感じないまま過ごす人もいます。症状がつらいときは我慢をせず、婦人科で相談、治療をしましょう。
排卵日後の体の変化

排卵日には、エストロゲンとプロゲステロンのホルモンバランスが急激に変化します。また、排卵後に増えるプロゲステロンが原因で、さまざまな体調不良を感じることも少なくありません。
妊娠していない場合(生理前症状)
「PMS(月経前症候群)」と呼ばれる体調や心身の不調は、風邪の症状によく似ています。多くは上の項でご紹介したような症状ですが、症状の表れ方には個人差があり、何もない人もいれば重い人もいたり、症状のどれかが大きく表れたりすることもあります。
プロゲステロンが増えると肌荒れも起こりやすく、生理前に肌トラブルがある人も多いです。いずれも生理が始まると症状は治まります。
妊娠した場合(妊娠超初期症状)
プロゲステロンは妊娠を継続するよう助けていく役割があるので、症状は生理前に感じるものとほぼ同じです。着床後、子宮は妊娠に向けて変化を始めるので、中には生理前の症状より重く感じる人もいるようです。
排卵日を体調の変化以外で知る方法

生理周期をもとに排卵日を予測する方法をいくつかご紹介します。
女性の体のサイクルは同じホルモンバランスの波の繰り返しです。自分の生理サイクルを知れば、排卵日も予測しやすくなります。反対に、生理不順の人が排卵日を予測することは難しいです。生理周期を整えると、排卵日を予測しやすくなりますよ。
基礎体温表
排卵日を予測するためには、まず自分の生理周期を知ることが重要です。妊娠を考えている人は基礎体温表を測る習慣をつけましょう。
基礎体温グラフの中で、生理の2週間後あたりで体温が下がった日の前後が排卵日だと予測します。基礎体温の測り方としては、婦人体温計を使い、毎日起きてすぐの体温を測るということを頭にいれておいてください。布団の中で動く前に寝たまま測ることで、正確な基礎体温がわかります。
短期間だけ基礎体温表をつけても、生理周期ははっきりとはわかりません。まずは3ヶ月以上続けてみて、自分の生理周期を把握しましょう。
オギノ式
オギノ式は荻野久作氏が考案した排卵日の予測方法です。生理周期は個人差があり、人によって25~38日ほどの開きがあります。しかし、どの周期の場合でも、排卵から生理までの日数は同じと考え、おおよその排卵日を予測するのです。
オギノ式の考えでは、排卵日を含む妊娠しやすい日は、次の生理の14日前とその前後の2日間を合わせた5日間としています。そのため、まず自分の生理周期の日数を知っておくことが必要です。
排卵検査薬
排卵検査薬とは、排卵日だと思われる日の数日前から毎日使い、排卵日を予測する検査薬です。排卵検査薬を使う場合も基礎体温のグラフがあると便利で、高温期になる2~3日前から使用します。基礎体温表をつけていなくても生理周期が安定している場合は、生理開始予定日の17日前くらいから排卵検査薬を使い始めると良いでしょう。
排卵日検査薬はドラッグストアやネットで購入できます。日本製と海外製がありますが、値段は大きく異なっています。どちらも精度は変わらないようなので、初めて使う場合は、日本語の説明が書かれたものがわかりやすいかもしれません。排卵検査薬を使うことに慣れてきて、長期にわたって使用するのであれば、海外製品の方が安価で続けやすいかもしれませんね。
福さん式
福さんという元助産師さんが考案し、ネットで公開したことで有名になった方法です。自分で内診し、排卵日に変化する子宮口とオリモノの変化を調べます。以下は、具体的な手順です。
1.手を洗って爪を短く切っておきます。
2.膣の奥に指を入れて、子宮口の状態を調べます
排卵前は子宮口が開いており、排卵後には閉じているのは触感でわかるそうです。一度だけではわかりにくいので、長期的に試していくと違いがわかるようになるようです。
この内診の際に、子宮口あたりのオリモノも取って調べます。排卵前のオリモノは透明でよく伸び、オリモノがこの状態のときは妊娠しやすいというサインです。排卵後にはオリモノの状態が全く違う状態になるので、排卵しているとわかるそうです。
排卵日の症状、みんなの体験談

排卵日の痛みが生理痛よりも酷いと悩んでいる女性もたくさんいます。そんな皆さんの声を聞いてみましょう。
いろいろな症状が重なってとても辛い…
引用元:komachi.yomiuri.co.jpここ1年ほど排卵の時期にものすごく辛いのです。とにかく激しく下痢をしてしまうし、下腹部や左右どちらかのわき腹にときおり痛みが走ります。また、子宮をグーっと押されているような、あるいは胃から下が空洞になってるかのような変な不快感があったり、軽い吐き気もあったりします。
こめかみのあたりの頭痛があったり、少し微熱っぽくなったりもします。これは異常でしょうか。PMSや生理痛もありますが、この排卵期の苦しみがとても大きいです。ちなみに、婦人科で内診してもらっても特に異常なし、子宮内膜症でもないと言われています。
とても辛そうですね…。こちらの投稿にはたくさんのレスがついていて、生理痛よりひどいと苦しい声がたくさん挙がっていました。漢方薬やサプリメントを飲んでいる人、鎮痛剤を飲んで過ごす人もいるようです。
排卵日の症状に悩んでいる方々はいろいろな工夫をしており、「スーパーボールを足の裏で転がすと治る」という意見もありました。足裏のツボで、つらさを緩和することができるのかもしれませんね。
イライラ無気力になり、そんな自分に更にイライラ…。
引用元:detail.chiebukuro.yahoo.co.jp排卵日になるとほぼ毎月イライラが募ってどうしようもなくなります。無気力で家事が一切できず、夕飯はマックをドライブスルーで買って子ども(5歳)に食べさせました。料理もしない(できない)で子どもにマックを食べさせている自分にも、イライラしたり腹立たしかったり情けなかったりと、情緒不安定な感じです。
子どもがいると余計に排卵日のイライラが募ってしまうこともあるでしょう。普段からきちんとしようと思っている人ほど、家事や育児ができない自分に、イライラしてしまうこともあるかもしれません。
しかし、症状がつらくて何もできないときもあります。毎日頑張らなくても、マックでも大丈夫です。排卵日だけでもゆったりと過ごしていきましょうね。
たった2日とはいえ、とても苦しい
引用元:detail.chiebukuro.yahoo.co.jp排卵日になると頭痛、吐き気、下痢、寒気がひどく、食事はもちろん水すら飲みたくありません。そんな状態が2日ほど続きますが、何の薬を飲まなくても、時間が経つと嘘のように治ります 。でも、その2日間がとても苦しいのです。
毎月必ず2日だけとてもつらいとわかっていると、排卵日がくるのが怖くなってしまいますよね。また、時期が過ぎれば必ず治るとわかっているからこそ、病院にも行きにくい気持ちも理解できますよね。しかし、あまりにつらい場合はやはり受診をおすすめします。
排卵日の症状は、個人差が大きいもの

排卵日の症状は、何も気が付かずに過ごす人もいれば、生理痛より酷い人もいます。また、年齢や産後の体調変化で変わったという人もいます。誰にでも同じ症状があるものではないので、理解されにくいのもつらいところですよね。
しかし、排卵日付近にさまざまな症状が出ることは、女性ホルモンが正しく分泌されている証拠だと捉え、前向きに付き合っていきましょう。排卵日を知ることで毎月の体調不良の原因がわかれば、体調や予定の管理もしやすくなります。
女性の体は些細な体調の変化やストレスを敏感に受け止めるので、ホルモンバランスや排卵に影響が表れます。女性にとって生理周期を正しく保つことは、健康的な生活を送るために大切なことです。生活習慣を見直してストレスとも上手につきあいながら、ホルモンバランスを整えて過ごしましょう。