黄体形成ホルモン(LH)の作用と検査方法!基準値より高い・低いと不妊の原因に?

女性の身体はホルモンのバランスが保たれているからこそ、正常に働いてくれます。そのホルモンの中でも、「黄体形成ホルモン」は、妊娠に深い関係のあるホルモンです。黄体形成ホルモンの作用とホルモン値の検査方法、また、基準値より高い場合や低い場合の治療と不妊との関係など、黄体形成ホルモンについて詳しく紹介します。

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目次

  1. 黄体形成ホルモン(LH)とは?作用と身体の変化
  2. 生理周期と黄体形成ホルモン(LH)の変化
  3. 排卵検査薬の仕組みと黄体形成ホルモン(LH)
  4. 黄体形成ホルモン(LH)の検査方法と基準値
  5. 黄体形成ホルモン(LH)が基準値より高い・低いと不妊の原因になる?
  6. 黄体形成ホルモン(LH)の数値を正常にする方法は?
  7. 生理不順など気になる症状がある人はまずは婦人科で相談を
  8. あわせて読みたい

黄体形成ホルモン(LH)とは?作用と身体の変化

ホルモンというと難しい話のように感じますよね。しかし、特に妊娠を希望している人は、知っていることでさまざまな場面で役に立ちます。そもそも黄体形成ホルモンとは何なのでしょうか。

黄体形成ホルモン(LH)とは?

黄体形成ホルモンは、「黄体化ホルモン」または英名Luteinizing hormoneを略して「LH」とも呼ばれるホルモンです。脳の下垂体から分泌されるホルモンで、このホルモンの刺激により、20mm程度に育った卵胞が排卵されます。

日本産婦人科学会の「スパック-s」によるホルモン基礎分泌測定値を見てみましょう。女性であれば、卵胞期には1.8~7.0mIU/mL、排卵期には5.6~34.9mIU/mL、黄体期には1.0~7.8mIU/mL、閉経後は6.7~38.0mIU/mLの値が正常値といわれています。

男性も同じように、脳の下垂体から黄体形成ホルモンが分泌されています。黄体形成ホルモンは、男性の精巣を刺激し、男性ホルモンの分泌を促す働きがあります。男性でも女性でも、この黄体形成ホルモンが不足している場合は、不妊の原因となる場合があります。

黄体形成ホルモンが分泌されると女性の身体はどうなるの?

月経期後の卵胞期には、徐々に卵子の元になる卵胞が育ちます。卵胞が20mm程度の大きさになると、この黄体形成ホルモンが脳の下垂体から分泌され、その刺激で排卵が起きます。いわゆる「排卵期」となるのです。もし、なんらかの異常で黄体形成ホルモンの値が低い場合は、排卵する刺激が起こらないのですから、排卵されない「無排卵」の状態になっている可能性もあります。

生理周期と黄体形成ホルモン(LH)の変化

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それでは、実際に生理周期にあてはめると、黄体形成ホルモンはどのように変化していくのでしょうか。

女性の生理周期

女性の生理周期は、ホルモンの状態で「月経期」「卵胞期」「排卵期」「黄体期」の4つに分けられます。簡単に説明すると、月経期は月経(生理)中の時期、卵胞期は月経後の排卵までの時期、排卵期は実際に排卵する時期、黄体期は排卵後から次の月経(生理)までの期間を指します。1周期が大体25~38日となっていることが一般的です。

その中で、黄体形成ホルモンだけでなく、同じく脳の下垂体から分泌される「卵胞刺激ホルモン」や、卵巣から分泌される黄体ホルモン、卵胞ホルモンの分泌量が、時期ごとにタイミングよく減ったり増えたりしてバランスを取りながら、生理周期を繰り返します。

つまりホルモンの状態が女性の身体をコントロールしているのですね。そのため、ホルモンバランスが崩れると、排卵しなかったり、生理周期が崩れたりするわけです。

黄体形成ホルモンは生理周期の中でどのように変化する?

黄体形成ホルモン(LH)に焦点をあわせてみると、黄体形成ホルモンは、卵胞が育ってくると脳の下垂体から分泌されます。つまり、卵胞期の後半に向けて、黄体形成ホルモンの分泌量が増えていくイメージです。そして、実際に排卵されるころに一番のピークを迎えます。これを「LHサージ」と呼びます。

排卵は、LHサージの刺激で起こります。通常、このLHサージ後の40時間以内に排卵が起こるとされています。この仕組みを利用したものが「排卵検査薬」ですが、このことは、次の項目でお伝えします。

排卵された後の黄体期に入ると、卵子を排出した後の卵胞は黄体と名前を変えます。黄体形成ホルモンの分泌量は減少していきます。黄体形成ホルモンの分泌量をグラフにすると、排卵日ごろをピークとした高い山がひとつできるイメージです。

排卵検査薬の仕組みと黄体形成ホルモン(LH)

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黄体形成ホルモンは、排卵検査薬とも深いつながりがあります。排卵検査薬の仕組みとともに、排卵検査薬の表示も含めて紹介します。

排卵検査薬のしくみ

妊娠したいときに、性交渉のタイミングを知るのに便利な排卵検査薬があります。排卵検査薬のしくみは、黄体形成ホルモンの分泌量と深い関係があります。

排卵検査薬は、排卵日に近づくと分泌量が増加する黄体形成ホルモンの変化をとらえて、排卵日を予測します。排卵検査薬を使用して排卵の前に起こるという黄体形成ホルモンの分泌量のピークであるLHサージを知り、妊娠に有利なタイミングを知ることができるのです。

黄体形成ホルモンの変化と排卵検査薬の表示

たとえば、日本製の排卵検査薬の場合、多くは排卵日1日前が予測できます。5本入りで発売されているのが一般的で、次の生理予定日の17日前から使用することが推奨されています。

日本産婦人科学会による黄体形成ホルモンの正常値は、排卵期には5.6~34.9mIU/mLとされています。この排卵期における値を元に、排卵検査薬も「30mIU/mL」を基準に線が表示されるものが多くなっています。ちなみに、排卵検査薬の費用は、日本製のものだと10本入りで5000円程度となっています。

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黄体形成ホルモン(LH)の検査方法と基準値

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自分の黄体形成ホルモンの値は、どのように知ることができるのでしょうか。その検査方法と、基準となる数値を紹介します。

黄体形成ホルモンの検査方法

黄体形成ホルモンの検査は、婦人科で行えます。具体的な検査方法は「採血」で、血中のホルモン量を測定します。ただし、検査キットによって、ホルモンの正常値は違いますので、注意が必要です。

黄体形成ホルモンの基準値

日本産婦人科学会の「スパック-s」によるホルモン基礎分泌測定値を見ると、女性の正常値は、卵胞期には1.8~7.0mIU/mL、排卵期には5.6~34.9mIU/mL、黄体期には1.0~7.8mIU/mL、閉経後は6.7~38.0mIU/mLといわれています。

また、日本産婦人科学会によると、正常な排卵周期の女性であれば、月経周期の3~5日目に採血をすることが一般的です。無排卵や無月経などの場合は、来院時に随時採血することが望まれます。

黄体形成ホルモン(LH)が基準値より高い・低いと不妊の原因になる?

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黄体形成ホルモンの値を測ったとき、もし、そのホルモン値が基準値より高かったり、低かったりした場合は、どのような原因が考えられるのでしょうか。また、そのことが不妊症につながるのかが気になりますよね。

黄体形成ホルモンが基準値より高い人

血中のプロラクチン値は正常で、卵胞刺激ホルモンとともに黄体形成ホルモンも基準値より高い人は、卵巣性の排卵障害や、早期閉経、高齢による卵巣予備能の低下などが疑われます。

また、卵胞刺激ホルモンは正常なのに、黄体形成ホルモンが基準値より高い人は、多嚢胞性卵巣症候群が疑われます。多嚢胞性卵巣症候群も、排卵障害も不妊の原因となります。妊娠を望んでいれば、排卵誘発剤などを使っての治療が必要となることがあります。

黄体形成ホルモンが基準値より低い人

逆に黄体形成ホルモンが基準値より低い人は、下垂体や視床下部の機能が低下していることが疑われます。きちんと黄体形成ホルモンが分泌されていないので、卵子を放出するための刺激が行われず、排卵していない「無排卵」の状態となったりするなど、妊娠しにくい状態となります。黄体形成ホルモンが低い場合も、妊娠を望むときは治療が必要です。

黄体形成ホルモン(LH)の数値を正常にする方法は?

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黄体形成ホルモンが基準より高かったり、低かったりして、数値に異常がある場合、この数値を正常にするにはどのような方法があるのでしょうか。

婦人科での治療

基本的には婦人科での治療となります。なんらかの原因で、黄体形成ホルモンが乱れているので、その原因を特定し、もし病気が潜んでいるのであれば病気の治療に当たります。必要があれば排卵誘発剤なども使用しますが、排卵誘発剤でも排卵が難しいケースで、妊娠を望んでいる場合は、体外受精などにステップアップすることもあります。

多嚢胞性卵巣症候群などの病気の場合は、放っておけば治るというものではなく、年齢とともに排卵障害は強くなります。黄体形成ホルモンの数値が異常な場合は、生理が来なかったり、周期に乱れがあったり、基礎体温表をつけてもきれいな2層にわかれないなど、なにかしら、身体からのサインがあるはずです。

気になる症状がある場合は放置せず、妊娠を希望していてもいなくても早めに婦人科を受診しておくことが大事です。

自分自身でできることは?

病院での治療と並行して、自分でもできることはしたいですよね。それには、「ストレスをためない」「バランスのとれた食事」「適度な運動」など、ホルモンバランスを崩さないように心がけましょう。また「身体を温める」こともおすすめです。

女性のホルモンバランスは、ストレスなどですぐに崩れてしまいます。病気が治療できても、ホルモンバランスの乱れで、一時的に排卵しにくくなることもあるのです。適度にストレス解消しながらゆったりと過ごすようにしましょう。

生理不順など気になる症状がある人はまずは婦人科で相談を

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黄体形成ホルモンが妊娠するうえで重要な「排卵」に大きな影響を与えていることがわかりました。しかし、このホルモン分泌が少なかったり過剰だったりすると、排卵しなくなったり、早期閉経が起こってしまったりと、直接身体にも影響を及ぼします。「妊娠したい」と思ったときにそれが難しくなってしまいます。

生理不順など気になる症状があれば、早めに婦人科にかかって治療しておくことで、自分自身のホルモンバランスを整えられます。健康な生活を送れるだけでなく、「妊娠したい」と思ったときにその気持ちを助けてくれますよ。

婦人科というと足が向きにくい人も多いですが、身体のことを何でも相談できる「かかりつけ医」を作るきっかけにもなるので、普段からなにかあれば婦人科にかかることはおすすめです。

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