ホルモン検査で不妊や更年期、生理不順の原因が分かる?費用は?

ホルモン検査は、生理不順や不妊、更年期障害に悩む人におすすめの検査です。ホルモンの値を計ることで、生理不順の原因や妊娠するための黄体機能、排卵障害などを調べられます。調べられるホルモンの種類と、その値から何がわかるかをご紹介します。

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目次

  1. ホルモン検査とは?どのようなときに受ける?
  2. 検査時間と費用
  3. ホルモン検査で検査対象のホルモン
  4. ホルモン検査でわかること
  5. ホルモンを整える生活とは
  6. ホルモン検査は不妊原因を知るための第一歩
  7. あわせて読みたい

ホルモン検査とは?どのようなときに受ける?

生理不順や不妊に悩んだら受けてみよう

ホルモン検査は、ホルモンの値が正常範囲かどうかを調べる検査です。女性の場合、主に婦人科で実施されています。女性特有のホルモンが乱れると、体や心にいろいろな不調がでてきます。たとえば、更年期障害もその一種です。更年期の症状で悩む人は、ホルモン検査を受けることで治療方針をたてることができます。

ホルモンの値が関係しているもので、最も自覚しやすいのは、生理周期です。生理がまったくこなかったり、タイミングがバラバラだったりするとき、ホルモン検査を受けてみると良いでしょう。また、不妊に悩む人が、医師からホルモン検査をすすめられることもあります。

病院によって、治療方針や検査の順番はさまざまですが、まず基礎体温を調べ、超音波検査のあとにフーナーテストやホルモン検査に入ることが多いようです。

女性は生涯を通して、女性ホルモンと上手に付きあっていかなくてはなりません。ホルモン検査は、年齢と関係なく、いつ必要になるか分からない身近な検査といえるでしょう。

どのような検査なのか?

ホルモン検査は血液を採取し、血液に含まれるさまざまなホルモンの量を調べます。婦人科では、脳下垂体から分泌されるホルモンと、卵巣から分泌されるホルモンを中心に見ます。これらの値が、妊娠や生理と大きく関係しているからです。

人間ドックや健康診断できる医療機関でも検査可能ですが、不妊治療が目的の場合はその後の検査や治療もスムーズにできるので、通っている病院の方針にしたがってすすめたほうが良いでしょう。

ホルモンの値は、月経周期だけではなく、食事やストレス、睡眠やちょっとした姿勢などにも左右されます。それらの影響が少ない、朝一の空腹時に行われることが一般的です。病院によっては前日入院することもあります。

生理中でも受けられる?

不妊治療の一環としてのホルモン検査は、一度受けたら終了というものではありません。月経周期によって各ホルモンの動きが異なるため、何度か検査する必要があります。

まず、LH、FSH、エストロゲンなどの値を調べます。これを「基礎ホルモン検査」と呼び、卵胞期初期の低体温期に行います。時期は大体、生理が始まって3日目から5日目にあたります。プロラクチンの測定も同時に行います。

次に排卵期には、LHやプロゲステロンの値を測定します。そのあと高温期にはいると、必要であれば黄体ホルモンなどの黄体期のホルモンの動きを見ます。それぞれの値の上昇や下降をみて、総合的に判断をします。

つまり、生理中、生理後、生理前と検査が必要になってきます。ただし、無排卵や無月経の症状がある場合、生理を基準にできないので、来院したときに随時採血することとなります。

検査時間と費用

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検査結果が出るまでの時間は病院による

専門の検査室がある場合、30分から1時間程度で結果が分かります。病院によっては、採血の後、他の場所で検査するということもあります。その場合、結果がわかるのは数日後なので、次の来院時に教えてもらうことになります。

基本的にホルモン検査は生理周期に沿って何度か行うものです。自分の体のホルモン状況を把握するには、一ヶ月以上はかかると思っておきましょう。

保険適用の病院なら安価ですむ

費用は病院によってさまざまです。調べるホルモンの種類によって保険が適用されたり、自費となったりします。適用がない場合は各項目2,000円から1万円ほどとなります。保険が適用できる場合は、各検査が数百円ぐらいなので、必要になるホルモン全てを調べても数千円ですみます。

とくにAMHというホルモンを調べる「抗ミューラー管ホルモン検査」は、新しい検査なので保険の適用ができないようです。一回の検査で6,000円から8,000円ほどかかります。ほとんどの病院では、検査の費用を事前に算出してくれるので、まずは確認してみましょう。

ホルモン検査で検査対象のホルモン

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ホルモン検査で調べられるホルモンの種類と、それぞれの働きをみていきましょう。どれも不妊治療において、重要なファクターとなっています。

FSH

FSHは卵胞刺激ホルモンとも言います。脳下垂体から分泌されるホルモンです。LH(黄体化ホルモン)とともにゴナドトロピンとも呼ばれます。卵巣を刺激し、エストロゲンというホルモンを分泌させ、卵胞を成熟させる働きがあります。男性にも存在するホルモンで、その場合は精子の発育を促します。

通常、卵胞期の前半は血中のFSHは上昇します。卵胞期の後期になると、FSHはゆっくり低下します。排卵期はLHとともに一気に上昇した後下降し、黄体期の終わりには、ふたたび上昇します。これは、次の周期の卵胞を発育させるためと考えられます。

LH

LHは、黄体形成ホルモン、黄体化ホルモンとも言われ、FSHと同じく脳下垂体から分泌されます。このLHが急激に上昇することを「LHサージ」とよび、排卵の開始を誘導します。これが排卵期です。排卵後も黄体の形成を促進するなど、地味に活躍しています。

LHの値は排卵に密接に関係し、排卵時期なども予想できるので、不妊治療ではまずこのLHを測定するということも多いようです。

エストロゲン

エストロゲン(卵胞ホルモン)は、卵巣から分泌されるホルモンです。「美人ホルモン」や「恋愛ホルモン」とも称され、女性らしい身体つきを作ったり、妊娠機能を維持したりしています。

卵胞期には子宮内膜を厚くして妊娠の土台ををつくり、排卵前には子宮頸管の粘液量を増加させています。排卵前に白っぽいおりものが増えるのはエストロゲンが影響しているのです。

エストロゲンは、エストロン (E1)、エストラジオール (E2)、エストリオール (E3)などの種類がありますが、月経周期や妊娠と大きく関わりがあるのがエストラジオールです。ホルモン検査ではエストラジオールの値を測定します。

プロゲステロン

プロゲステロン(黄体ホルモン)は、排卵したあとに形成される、卵巣内の黄体から分泌されるホルモンです。基礎体温を上昇させ、子宮内膜に作用します。これによって、子宮内膜はさらに発育し、着床しやすい環境となっていきます。

月経期、卵胞期、排卵期には低空飛行のプロゲステロンですが、黄体期に大きく上昇します。これが基礎体温表における高温期です。プロゲステロンの減少とともに、体温も下がっていきます。

プロラクチン

プロラクチンは、脳下垂体から分泌されるホルモンで、乳汁分泌ホルモンとも呼ばれます。その名の通り、母乳を出す働きがあり、妊娠中から分泌量が増え、分娩後にとくに大量となります。

実は妊娠をしていなくても、男女ともに少量は分泌されているホルモンです。妊娠時以外にこの値が高くなってしまうと、不妊の原因となることがあります。

AMH(アンチミューラリアンホルモン)

不妊治療において、最近注目されているホルモンで、アンチミューラリアンホルモンとも呼ばれます。発育途中の卵胞から分泌されています。AMHは月経周期には左右されないので、どの時期でも計測することが可能です。

このAMHの値は、卵巣のなかにどれぐらいの卵子が残っているか、残数を推定することができるとされています。卵胞のもととなる原始卵胞は生まれる前に最大となり、生まれてからどんどん減っていきます。その減り方は人によって大きく異なるため、AMHの値が重要になってくるのです。

ホルモン検査でわかること

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それぞれのホルモンから、どのような異常や、治療方針がわかるのでしょうか。基準となる値も知っておきましょう。ちなみに測定値の基準は、測定キットによって大きく異なります。自分だけで判断せず、医師の意見を聞きましょう。

【FSH値】脳下垂体や性腺機能の異常

正常な範囲とされる基準(スパック-S測定時)は、成人女性の卵胞期で5.2~14.4mlU/mL 、排卵期で5.6~14.8mlU/mL 、黄体期で2.0~8.4mlU/mLとなっています。 基本的な検査は生理開始の3日~5日後に測定するので、卵胞期の基準でみることになります。検査方法などにより検査の基準値は前後する可能性があります。

FSHの値が基準より低い場合、視床下部や下垂体機能が低下している可能性があります。これによって無月経などの月経異常や、不妊症が起こります。FSHの値が基準より高い場合、卵巣の機能の低下が疑われ、排卵障害や、閉経、卵巣内の残り卵子の数が少なくなっていることなどが考えられます。

【LH値】排卵時期を予測



LH値は排卵時に急激に上昇するので、測定することで排卵時期を予測できます。ま正常な範囲とされる基準(スパック-S測定時)は、成人女性の卵胞期で1.8~7.0mlU/mL 、排卵期で5.6~34.9mlU/mL 、黄体期で1.0~7.8mlU/mLとなっています。こちらもまずは卵胞期に検査することがほとんどです。こちらも検査方法などにより基準値は少しずつ異なる可能性があります。

た、LH値が高く、FSH値が基準値の場合、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)が疑われるケースもあります。これも不妊や月経不順の原因となります。

【エストロゲン値】卵巣機能の状態

正常な範囲とされる基準(スパック-S測定時)は、成人女性の卵胞期で13~70pg/mL 、排卵期で70~240pg/mL 、黄体期で70~160pg/mLとなっています。エストロゲンのなかのエストラジオール値は、卵胞の発育とともに大きく上昇し、排卵の直前では200~400pg/mLにも達するといわれています。

測定の時期に関係なく、エストラジオール値が30pg/mL以上存在すれば、卵巣機能はおおむね大丈夫と診断されます。それ以下になると卵巣機能の低下が疑われ、無排卵や無月経、年齢が高ければ更年期などが推測されます。排卵直前でもないのに、エストラジオール値が異様に高い場合は、エストロゲン産生腫瘍の可能性も考えられます。

【プロゲステロン値】黄体機能不全

正常な範囲とされる基準(スパック-S測定時)は、黄体期で5~30ng/mL、それ以外では1以下となっています。排卵後5~7日目の黄体期に、10ng/mL以下だと黄体機能不全と診断されます。

黄体機能不全では、子宮内膜がきちんと維持できないため、不妊症や不育症の原因となりえます。逆にプロゲステロン値が10ng/mLあれば、正常な排卵が起こっていると考えられます。

【プロラクチン値】高プロラクチン血症

正常な範囲とされる基準(スパック-S測定時)は、15ng/mL以下、それ以外の測定法の基準値は30ng/mL以下とされています。妊娠時以外に、プロラクチン値がこの基準を超えると、「高プロラクチン血症」と診断されます。

プロラクチン値が高いと、排卵が抑制されてしまうので、無月経、生理不順、黄体機能不全などの症状が引き起こされます。着床不全や流産の可能性も高まり、不妊の大きな原因となります。原因としては、下垂体腫瘍プロラクチノーマが重要ですが、向精神薬や降圧剤、胃薬などの影響も考えられます。

【AMH】卵巣の中の卵子数

AMHの基準値は年齢によって大きく変わります。基本的に20代は高く、年齢が増えるごとに低下していきます。AMHは発育卵胞から分泌されているので、その値と発育卵胞は関係があります。卵巣の中に、あとどれくらいの卵子が残っているかという「卵巣予備機能」を知る指標になるといわれています。

しかしAMH値が妊娠率と相関するわけではなく、あくまで不妊治療をする期間の目安となっています。高ければ良いわけでははく、基準を上回ると多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の可能性も出てきます。

ホルモンを整える生活とは

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不妊にホルモンバランスの乱れが大きく関わってきているのが、ホルモン検査からもわかってきます。ホルモンを整えるために、今すぐにできることはないのでしょうか。

規則正しい生活サイクルと質の良い睡眠

女性ホルモンは、ストレスや不規則な生活、睡眠不足などでもすぐに乱れてしまいます。これには科学的な理由があります。FSHやLHなどのホルモンは、脳下垂体から分泌され、これらのゴナドトロピンによってプロゲステロンやエストロゲンも刺激されます。

脳に何かしら負担がかかるようなことがあると、脳や神経は適切にホルモン分泌の指令を出せません。つまり、脳にストレスをかけない、健康的な生活こそが正しいホルモンバランスを導いてくれるのです。朝には日の光を浴び、夜は早めに眠りましょう。体内時計がリセットされます。

睡眠はただ長ければ良いというわけではなく、質が重要です。リラックスできる環境を整えて、気持ち良い朝を迎えられるようにしましょう。適度な運動も、ストレス対策に効果的です。

ホルモンバランスを補う食生活は?

食事は、ホルモンの分泌を促進させる重要な要素です。栄養バランスを考えた規則正しい食事が、ホルモンバランスを整えてくれます。女性ホルモンの分泌に効果的といわれているのが、ビタミンB6とビタミンEです。ビタミンB6はにんにくやまぐろ、レバー、ビタミンEはナッツなどに多く含まれています。積極的に摂り入れていきましょう。

エストロゲンと似た働きを持つといわれているのが、大豆イソフラボンです。女性の美しさ、若々しさをサポートし、エストロゲンの不足を補ってくれます。納豆や豆乳、豆腐に多く含まれています。大豆イソフラボンを摂取するなら、やはり和食中心の生活がベストといえるでしょう。

ホルモン検査は不妊原因を知るための第一歩

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ホルモン検査をすることで、月経不順の原因や、排卵障害などを調べられます。血液を採取するだけの簡単な検査で、費用も多くはかからないので、不妊治療の第一歩としてすすめられることが多いようです。

女性ホルモンは月経周期によって、大きく変動します。基準値を上回ったり下回ったりする場合は、治療法や改善策を提示してもらえます。自分の体の見えない症状を知るためにも、ホルモン検査を検討してみてはいかがでしょうか。

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