不妊治療のタイミング法とは?治療の流れ・回数・費用と妊娠の確率を解説

不妊治療の中でも、最初に取り組むことが多いのが「タイミング法」です。タイミング法では、医師の指導のもと、自然妊娠に近い形で妊娠を目指します。ここでは、タイミング法での治療の流れ、治療を行う回数や費用、妊娠する確率、排卵誘発剤を使用する治療法などを解説します。

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目次

  1. タイミング法とは?
  2. タイミング法の流れと通院回数
  3. タイミング法で排卵誘発剤を使う場合も
  4. タイミング法での排卵日を予想する方法
  5. タイミング法でかかる費用
  6. タイミング法の期間と妊娠する確率
  7. タイミング法の次の不妊治療
  8. 早めの受診が妊娠の近道
  9. あわせて読みたい

タイミング法とは?

タイミング法は、医師の指導のもと、女性が妊娠しやすい時期に性交渉を行うことで妊娠の確率を上げるものです。基礎体温や腟からの超音波検査・尿中のホルモン濃度から女性の排卵日を予測し、性行為のタイミングをはかり、妊娠を目指します。

不妊検査によって明らかな原因がない場合や、不妊検査の結果が出るまでの期間には、まず初めにタイミング法を実施します。

妊娠の仕組み

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女性の卵巣で作られた卵子が男性の精子と出会い受精し、子宮内膜に着床すると、妊娠が成立します。卵子は、女性の生理周期にあわせ、およそ1ヶ月に1回のペースで、卵巣から排卵されます。排卵のタイミングにあわせて性交渉することで、卵子と精子が出会うことが、妊娠の第一歩です。

最も妊娠しやすいのは排卵日2日~1日前の性交渉

最近の研究から、排卵日当日よりも排卵日2日~1日前の性交渉が最も妊娠しやすいことがわかっています。排卵以前の性行為により、精子が卵子の排卵を待ち受けている状況を作ることが、妊娠に有利だと考えられます。

妊活中の女性の中には、基礎体温や排卵検査薬から排卵日を予測している方もいるでしょう。しかし、基礎体温のパターンには個人差があり、最も妊娠しやすい排卵日2日~1日前を自分で正確に予測するのは難しいことです。排卵の兆候を医師に診断してもらうことが、妊娠の可能性を上げることになると考えられます。

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タイミング法の流れと通院回数

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医師の指導によるタイミング法を行う場合、1回の月経(生理)周期であわせて3~6回通院することが多いでしょう。タイミング法の一般的なスケジュールは下記の通りです。

1.卵巣や卵胞の状態をチェック

一般的なタイミング法では、月経(生理)周期の10~11日目くらいから通院します。初めての通院では「生理開始から〇日目に受診してください」「生理が終わったら診察に来てください」と病院から指示されるかもしれません。

最初の診察では、腟からの超音波検査で、卵巣や子宮の状態を確認することが多いでしょう。また、この時期は、排卵される卵子が入っている「卵胞(らんぽう)」という袋がよく成長しています。超音波検査で卵胞の大きさを測定し、おおよその排卵日を予測します。基礎体温をつけている方は、基礎体温表を持参すると良いでしょう。

また、卵管が詰まっていると妊娠できないため、子宮卵管造影検査(しきゅうらんかんぞうえいけんさ)が行われることもあります。これは、子宮に造影剤を入れて、レントゲンで子宮や卵管の状態を調べるものです。子宮卵管造影検査をすると、妊娠率が高まることがわかっています。

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2.排卵日を予測し性行為のタイミングを指導

月経(生理)周期14日前後に再度受診し、腟からの超音波検査で卵胞の大きさを確認します。卵胞の大きさが18~22mmになると排卵が起こります。卵胞の大きさが18mmを超えたら排卵の時期が近いため、性交渉をするように指導されるでしょう。

排卵までの通院回数は1~3回になることが一般的です。

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3.性行為

医師が指示した日に性交渉を行います。排卵日数日前から排卵直後まで、なるべくセックスの回数を多くすると妊娠する可能性が高くなります。

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4.排卵をチェック

排卵後に受診し、超音波検査できちんと排卵したかどうかを確認します。卵巣を超音波検査で確認して、卵胞が消えていれば排卵されたと考えられます。

超音波検査によって子宮内膜の厚みを測定したり、血液検査でプロゲステロン(黄体ホルモン)の値を調べたりすることもあるでしょう。黄体機能が低下していると、子宮内膜が厚くならず着床しにくくなってしまいます。その場合は、内服薬や注射によってプロゲステロン(黄体ホルモン)の補充を行います。

病院によっては、性交後すぐにヒューナーテスト(フーナーテスト)を行い、精子が子宮内に侵入できているかを確認する場合もあります。

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6.妊娠判定

排卵から14~15日目ごろに、尿検査によって妊娠しているかどうかを判定します。病院によっては、自分で妊娠検査薬を試すように指示されることがあるかもしれません。

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タイミング法で排卵誘発剤を使う場合も

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タイミング法での不妊治療では、排卵誘発剤を使い卵巣を刺激して排卵を誘発させる場合もあります。排卵誘発剤には、下記の働きがあります。

・排卵が起こりにくい人に排卵を促す
・卵胞を育てて妊娠率を高める
・排卵日をコントロールする

排卵誘発剤は、排卵が起こりにくい人にだけでなく、排卵が起こっている人でもタイミング法の成功率を上げるために使われることがあるのです。

妊娠の確立を上げるためには、卵巣内で卵子が十分に成熟してから排卵することが理想的です。自然な排卵では卵子が未熟なまま排卵することもあるため、成熟した卵子が排卵するように手助けする目的で排卵誘発剤を使うのです。

ただし、排卵誘発剤は複数の卵胞を育てる働きがあることから、薬が強すぎると、ふたごなどの多胎妊娠につながる場合があることを覚えておきましょう。

また、排卵誘発剤によりホルモンバランスが変わるため、吐き気や頭痛などの体調不良がでる場合もあります。症状がひどいときには、医師に相談するようにしてください。

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タイミング法での排卵日を予想する方法

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タイミング法を行う場合、まずは基礎体温をつけるように指導を受けることが多いでしょう。基礎体温をつけ月経(生理)周期を把握することで、おおまかな排卵日を予測することができます。しかし、基礎体温のパターンには個人差があり、基礎体温から排卵日を特定するのは難しいことです。病院によっては、基礎体温をはかることを重視していない場合もあります。

基礎体温をもとに予測されたおおまかな排卵時期をもとに、卵胞の大きさや頸管粘液(おりもの)の状態などから、総合的に正確な排卵日を特定します。

タイミング法で排卵日を特定するための方法として重視されているのが、腟からの超音波検査です。超音波検査では、卵巣の中で排卵にむけて育っている卵胞の大きさを測ることができます。卵胞の大きさが18~22mmになると排卵が起こるため、排卵日の近くに病院に通うことで、あと何日くらいで排卵が起こるかを予測することができます。

排卵直前には「LH(黄体化ホルモン)」というホルモンの分泌量が急増することから、尿中や血液中LHの値も排卵日の予測の目安となります。また排卵日が近づくと、頸管粘液(おりもの)が透明~白色のとろみがあるゼリーのような状態になることから、頸管粘液(おりもの)の状態も確認されることがあるでしょう。

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タイミング法でかかる費用

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タイミング法でかかる費用は、通院回数や検査内容、排卵誘発剤を使うかどうかで異なります。

タイミング法では、一部健康保険が適応されるため、1回の診察で2千~3千円で済む場合もあります。しかし、卵胞の大きさを計測するための超音波検査を複数回行ったり、不妊に関する検査を行ったりする場合は保険適応外となる場合も多く、1万~2万円かかることもあるでしょう。

排卵誘発法を使ってタイミング法を行う場合、一般的に1周期あたり1万~2万円かかることが多いようですが、病院によって検査項目なども違うため、通院前に費用を問い合わせてみると良いでしょう。

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タイミング法の期間と妊娠する確率

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タイミング法では、妊娠しやすい時期に性交渉を行うように医師が指導することで、自然妊娠に近い形で妊娠を目指します。健康な男女でも、1回の生理周期で妊娠する確立は20~30%といわれており、タイミング法は4~6周期行うことが一般的です。タイミング法で妊娠できる夫婦の場合、治療を始めて早い時期に妊娠することが多いでしょう。

最近は妊娠を目指す夫婦の年齢が高くなってきており、4~6周期よりも短い期間でタイミング法から次の不妊治療へのステップアップをすすめられることも多いでしょう。女性の年齢が35歳以上の場合は、2~3回のタイミング法で妊娠できなかったら人工授精を提案するという専門医が多いようです。

タイミング法によって妊娠する確立は、はっきりとはわかっていません。各病院が出しているデータにもばらつきがあります。一般的な不妊治療を行っている病院では、不妊治療で妊娠できた夫婦のうち30~40%がタイミング法で妊娠しているというデータが多いようです。

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タイミング法の次の不妊治療

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タイミング法での不妊治療を行って妊娠しなかった場合、人工授精や体外受精などの他の不妊治療に切り替えることになります。

一般的には、タイミング法の次に人工授精を試みることが多いでしょう。人工授精は、男性から採取した精液の中から動きの良い成熟した精子を取り出し、細いチューブを使って女性の子宮内に注入するというものです。

人工授精で妊娠しない場合には、体外受精や顕微授精といった、より高度な不妊治療へのステップアップを検討することになるでしょう。

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早めの受診が妊娠の近道

タイミング法では、性行為のタイミングを医師に指導してもらいながら、自然妊娠に近い形で妊娠を目指します。これまで自己流で妊活をしていたカップルでも、実はタイミングがあっておらず、数回のタイミング法だけで妊娠にいたるケースも多いものです。

不妊治療に対する心理的ハードルを感じている方もいるかもしれませんが、すぐに妊娠したいと考えているのであれば、早めにタイミング法に取り組むことをおすすめします。タイミング法で妊娠しなかった場合でも、早めに次の治療に取り組むことが妊娠の可能性を上げることになるでしょう。

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