顕微授精にリスクはあるの?障がい児が生まれる可能性は?

顕微授精にステップアップすることになった、顕微授精を突然すすめられたなど、顕微授精との付き合いが始まった方はいませんか。そこで気になるのは「顕微授精のリスク」についてではないでしょうか。どのような治療でもリスクは必ずあります。怖がりすぎず、正しくリスクを知って顕微授精に向き合いましょう。

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目次

  1. 顕微授精とは
  2. 顕微授精による母体へのリスクは?
  3. 顕微授精による胎児へのリスクは?
  4. 顕微授精のリスクを軽減するには?
  5. 顕微授精の体験談
  6. 顕微授精のリスクをしっかり確認しよう
  7. あわせて読みたい

顕微授精とは

体外で卵子と精子を受精させる方法に「顕微授精」があります。卵子を精子にふりかけて受精させる「体外受精」を行っても受精にいたらなかった場合に行われます。精子の運動率が悪い場合など、男性側の精子に受精しづらい原因があるときには体外受精は行わずに顕微授精から行われることもあるでしょう。

顕微授精では、マイクロマニピュレーターという器械を使って、細いガラス管に精子を入れ、それを直接卵細胞質に差し入れます。つまり、体外受精のように精子が自分で卵子に入るのを待つのではなく、人が補助を行って、精子を卵子の中に入れてあげる技術だと思っておくと良いでしょう。顕微授精は、その方法から「細胞質内精子注入法(ICSI)」ともいわれます。

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顕微授精による母体へのリスクは?

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顕微授精と聞いて、リスクがあるのではないかと心配な人もいるのではないでしょうか。一体どのようなリスクがあるのでしょうか。まずは母体に対してのリスクについて解説します。

自然妊娠とほとんど変わらない

顕微授精によって、母体へのリスクは自然妊娠のときとほとんど変わりません。「採卵」による出血や痛み、「排卵誘発剤」の副作用といったリスクは考えられますが、これは顕微授精に限られることではないため、顕微授精だからこそのリスクとはいえないでしょう。

多胎妊娠になりやすい

顕微授精では多胎妊娠で双子が生まれやすいという報告があります。ただし最近ではその数は減少しています。以前の顕微授精や体外受精では、受精卵をいくつか胎内に戻すこともあったことから、多胎妊娠の確率が15~20%となっていました。しかし2008年以降は安全面を考慮し、子宮内に戻す受精卵は原則1個と決められたことから、2009年の双胎妊娠の確率は4.9~5.9%となっています。

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排卵誘発剤の併用

顕微授精のリスクとしてよくいわれるものは、「卵巣過剰刺激症候群(OHSS)」となる可能性があるということです。OHSSになると、卵巣刺激によって卵巣が膨れ、ときには胸水や腹水にもつながります。

これは、排卵誘発剤の副作用で起こるものなので、顕微授精だからOHSSのリスクがあるというものではありません。

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採卵による炎症や腹痛

顕微授精の採卵は、細い針で卵胞を刺して卵子を吸引するため、まれに出血や細菌感染を起こすことがあります。それにより、腹痛や炎症が起こることがあります。細菌感染を防ぐためにも、採卵当日の入浴は控え、シャワーにして様子を見ましょう。また、この採卵は体外受精などでも行われるため、顕微授精だけに限らないリスクともいえます。

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顕微授精による胎児へのリスクは?

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顕微授精での「胎児」へのリスクについてお伝えします。ダウン症などの胎児へのリスクはあるのでしょうか。

胎児異常のリスクは自然妊娠と変わらない

顕微授精に関しては、胎児異常のリスクは自然妊娠と変わらないといわれています。顕微授精では胎児異常リスクが自然妊娠の1.2倍程度、といわれることもありますが、自然妊娠と顕微授精での妊娠をする夫婦の年齢が、顕微授精の方が高い傾向にあることが原因だと考えられています。

自然妊娠下でも、年齢による胎児異常リスクの上昇は知られているように、顕微授精を受ける人の年齢自体が高い傾向にあるため、実際には自然妊娠とほとんど変わらない胎児異常リスクといえるでしょう。

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染色体異常の可能性

染色体異常の可能性は選ぶ卵子と精子によります。卵子または精子が染色体異常を起こしている場合は、赤ちゃんの染色体異常が起こり、初期流産の原因につながることがあります。

ダウン症のリスクは顕微授精に関係ない

ダウン症も子どもの染色体異常で発症するものですが、顕微授精でのダウン症リスクを気にする方も多いですよね。ダウン症のリスクも、顕微授精をすることで上下するものではありません。一般的なリスクと同じと考えれば良いでしょう。

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顕微授精のリスクを軽減するには?

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リスクが0とはいえない顕微授精ですが、その顕微授精のリスクを少しでも軽減するには、どうすれば良いのでしょうか。簡単なことですが、押さえておきたいことをお伝えします。

病院選びを慎重に

顕微授精は、技術のある病院を選びましょう。技術や症例については、ホームページに掲載されている場合があるため見てみると良いでしょう。妊娠率だけでなく、何症例実施して何症例妊娠しているのかにも注目してみてくださいね。

また、顕微授精をするとなると、病院に何度か足を運ぶことになります。不信感があったり、医師が親身に話を聞いてくれなかったりすると、安心して任せられないですよね。病院の口コミなどを見て、相談しやすい空気かどうか信頼できそうな雰囲気かを確認してみましょう。どうしても絞り切れないなら、一度、実際に足を運んで様子を見てみましょう。

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健康的な生活を送る

顕微授精をして受精がうまくいっても、受精卵を体内に戻したときに着床しないというケースはもちろんあります。顕微授精での着床率は10%前後と、あまり高くはありません。それは、着床しづらい子宮の状態とともに、もともとの卵子や精子の質があまりよくないという可能性もあります。

卵子や精子の質は、十分な睡眠やバランスのとれた食事、そして、身体を冷やさないことなど、健康的な生活を送ることで改善できます。健康的な生活は自分の身体だけでなく、赤ちゃんを守ることにもつながります。無理のない範囲で少しずつでも実践してみてくださいね。

顕微授精の体験談

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精子の運動率が悪く、すぐに顕微授精をすすめられたというケースもあります。そのケースでは、体外受精などもなく、そのまま顕微授精に進んだようです。1回目の顕微授精では着床せずに失敗。2回目を悩んだものの、旦那さまからのプッシュもあり、2回目に挑みました。2回目に無事に着床し、妊娠し、出産されたとのことです。

顕微授精は、体外受精のあとに行われるイメージを持つ人もいますが、このように、精子側の原因で体外受精をしても精子が卵子に入っていかないと予測される場合は、最初から顕微授精をすすめられるケースもあります。

顕微授精のリスクをしっかり確認しよう

顕微授精にはリスクがあります。しかし、リスクを怖がりすぎて何もできないのはもったいないですよね。実際、顕微授精のリスクとしてあげられるリスクの裏には、加齢が大きな要因のひとつとしてあります。

そのため、同じ年齢で自然妊娠をしても同じように染色体異常のリスクがある、ということを知っておくと「顕微授精だから…」という特別なリスクは少ないように感じるのではないでしょうか。安易に、というわけにはいきませんが、慎重になりつつも正しく理解して顕微授精をすることが大事ですね。

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